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DAZN観戦 2022年J3リーグ第22節 ガイナーレ鳥取vsカターレ富山

2022-09-02 18:36:03 | サッカー視聴記(2022年その他)

<鳥取スタメン> 4-4-2
GK 田尻
RSB 魚里 CB 石田 CB 石井 LSB 文仁柱
RSH 石川 DH 世瀬 DH 新井 LSH 妹尾
FW 高尾 FW 澤上
<富山スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 山田
RCB 神山 CCB 林堂 LCB 大畑
RWB 松本 DH 碓井 LWB 安藤
IH 松岡 IH 末木
FW 吉平 FW 川西

勝負を賭ける方向へと全振りした(と思われる)者の戦い。

序盤戦のもたつきから、とてもじゃないが昇格争いに加わるのは無理だと思い込んでいた富山でしたが、そこから6連勝するなど成績的に浮上を果たして現在4位。
一方でサッカーの内容的には、毎試合スタッツ(シュート数・ボール支配率)で伸び悩みを見せているなか、守備意識を高めての戦いを繰り広げて接戦をモノにするスタイルを貫き。
セットプレーでの得点力も無類の強さを発揮するなど、開き直ったかのように勝負へのこだわりを見せている石崎信弘監督。
残り試合を全勝するという意欲を見せている(放送席の談から)との事ですがさて。

鳥取のメインのホーム・Axisバードスタジアム(もう一つはチュウブYAJINスタジアム)で行われた一戦。
そんな昇格争いとは無縁の戦いとなっている鳥取ですが、逆に生まれる緊張感が負の方向に作用する事が無いという状況でもあり。
その通りに立ち上がりから攻撃権を支配します。
鳥取は2センターバックでのビルドアップを終始貫いていたので、プレスの噛み合わせが良いはずの2トップの富山でしたが、プレッシャーからか巧く嵌められず跳梁を許していき。

その一因となったのは左サイドハーフ・妹尾の突破力で、サポートする左サイドバック・文仁柱(ムンインジュ)の巧みなポジショニングもあり、彼を止めるのに四苦八苦。
2本コーナーキックを得るなど押し込んでいく鳥取、迎えた前半10分。
右サイドでFW高尾が加わってのパスワークに対し、富山も人数を掛けて止めにいくも、クリアボールが逆サイド(といってもここでは中央に絞っていた)の妹尾に渡り。
そしてミドルシュートが放たれると、豪快にゴール左へと突き刺さり。
最も警戒しなければならない男がフリーになっていた、という先制点が生まれました。

守備の堅いチームにとって先制点を与えるのは致命的となりますが、今季の富山は逆にここからが強く。
セットプレーをはじめ少ない好機をモノにしての逆転勝ちも目立っているので、まだこれからといった状況。
11分には鳥取のGKへのバックパスのミスを突き、エリア内で吉平が拾う絶好機も、前に出たGK田尻に阻まれシュートは撃てず。

しかし好循環を維持する鳥取の攻勢を受け続け。
13分に世瀬が左サイド奥からマイナスのクロス→ニアで新井シュート(ブロック)と、奥深くまで攻め込まれたのを切欠に、全く前から守る事が出来ず。
14分に新井がミドルシュート(ブロック)、16分に中央で世瀬縦パス→澤上ポストプレイを経て、受けた石川がエリア内に切り込んでシュート。(GK山田セーブ)
17分にはCKから、こぼれ球を石井が連続シュート(ブロック→GK山田セーブ)と、ほぼ一局面毎にフィニッシュを浴びる始末となります。
特にスルーを絡めての鳥取の多彩なパスワークに翻弄される事が目立ち、早期にリードを奪われた事でこれ以上の失点は許されないと硬くなった感があり、結果主義へと傾倒した故のマイナス面が表れた形でしょうか。

快調な攻めを続けていた鳥取でしたが、23分にタッチライン際で高尾が富山・林堂のチャージを受けて痛み、そのままピッチ外で治療を受ける事となり数的不利に。
これでペースダウンを強いられ(高尾は27分に復帰)、富山が敵陣でパスカットを連発して反撃に入らんとします。
しかし焦りからかないしは崩しの形に乏しいからか、遠目からのシュートに終始る事となり、折角の良い流れを活かせない富山。
31分に右サイドで松本のクロスがブロックされてCKを得ると、キッカー碓井の中央へのクロスが流れた所に、待ち受けていた川西が拾い。
しかしトラップした所をすかさずGK田尻に足で掻き出され、シュートは撃てず逃してしまいます。

ビハインド故にボールを持たされての攻撃という、本来ならば相手に押し付けたい状況を強いられるという富山。
その自陣からのビルドアップも中々上手くいかず、鳥取に2トップ+SH1人のプレッシングの体勢を取られると、中々前に運べない流れとなります。
終盤にはアンカーの碓井が最終ラインに降りたりと工夫を見せたものの、さしたる効果は無く。

鳥取の活き活きとしたような攻撃は変わらず、自陣では2CBでのビルドアップを続け、敵陣ではドイスボランチが前に上がって絡むという積極性を貫き。
富山はそれを止める術が見つけられないまま、前半を終える事となりました。

ハーフタイムを挟み、流れを変えたい富山は早くも2枚替え。
吉平・碓井に代え、大野とアルトゥール・シルバを投入します。

早い段階で同点に追い付きたい富山でしたが、相変わらず鳥取の攻撃に手を焼くシーンが目立ち。
後半2分に右サイドから崩す鳥取、高尾のクロスは流れるもエリア内左で文が拾い、入れられたマイナスのクロスを中央で受けた世瀬がシュート。
これを大畑がブロックと、際どい所での凌ぎを余儀なくされます。
その一方で反撃せんとするも、前半と同様に遠目でのフィニッシュに終始、松岡がミドルシュートを2本放ち奮闘するも状況は厳しく。

すると8分に試合は動き、富山が安藤のドリブルで前進するも止められて鳥取の逆襲に。
魚里→新井→妹尾と縦に速く繋いでいき、エリア内左へのスルーパスが送られて澤上が再びマイナスのクロスを入れる体勢に。
ブロックに当たりコースが変わるも、新井が追撃してシュートを放つと、コース上に居た妹尾のスルーも交わった末にゴール右隅へと突き刺さり。
流れがハッキリと表れた形で、鳥取が追加点を奪いました。

さらに10分に決定機を作る鳥取、前線で止めようとした富山の裏を突く世瀬のロングパスから、受けてエリア内左を突いた澤上から横パスの連続で逆サイドに石川が走り込み。
ここでさらに中央へのパスを選択した石川でしたが、これは裏目に出て通らず終わります。
気落ちが露わになってきた富山サイド、これを受けてか11分にベンチがさらに動き2枚替え。
松本・松岡→柳下・高橋へと交代し、川西が一列降りてシャドーへシフトします。

後半以降、アンカーのはずのシルバが前に出て前線に絡む場面が多く、それに連れて末木が入れ替わるように中盤の底を固めるというスタイルの富山。
この交代以降、自陣からの攻撃時でも末木アンカーでのスタートが目立っていました。
シルバの推進力を交え、何とか1点返したい富山。
13分に左サイドからのフリーキックを得ると、キッカー末木のクロスが跳ね返された所を高橋がミドルシュート。(ブロック)
やっぱりミドルシュートか……と思わされるも尚も攻撃継続、安藤のロビングを収めた林堂が左からクロスを入れ、柳下がファーサイドで折り返して中央で混戦を作り。
こぼれ球を大畑がシュートするも右ゴールポストを叩き、川西が拾って右からクロスを上げ、ファーサイドで大野がヘディングシュートと連撃。
しかしこれもゴール前で鳥取・石井がヘッドで跳ね返し、惜しくもモノに出来ず終わります。

左の安藤の突破に加え、テコ入れした右サイドでの攻勢を強める事で、押し込む流れが出来た富山。
その立役者である柳下の前年からの長期離脱の影響はやはり甚大だったようで、目の色を変えて攻め上がり。
時折敢行される鳥取のカウンターも、2トップの推進を最終ラインが巧く阻むなどで防ぎ、一方的な攻撃を続けます。
23分には敵陣での柳下のパスカットから、拾った大野がすかさずミドルシュートを放つもブロックに当たりゴール上へと外れ。
25分には林堂のボール奪取から川西のスルーパスで前線へと運び、中央ペナルティアークから末木がシュートを放つも、左ゴールポスト外側に当たる枠外に。

押し込まれ続けた鳥取、こちらも流れを変えるべくのカードを切る必要性に迫られ、26分に最初の交代。
高尾→田村へと代えると、その田村のスピードを活かして反撃に。
27分に細かいタッチのドリブルで前進していく田村、そのままエリア内右に進入してシュートするも、GK山田のセーブに阻まれ。
投入後いきなりゴールを脅かす活躍を見せてくれた事で、鳥取はファイティングポーズを取り直せたでしょうか。
29分には富山・大野のシュートがブロックされると鳥取のカウンターとなり、左サイド奥へのロングパスが通り、文のパスを受けた田村がカットインを経て再びシュート(枠外)と躍動します。
さらに30分に魚里→丸山へと交代した鳥取。

一方、五分の状況へと戻された富山。
34分に林堂のロングパスを受けた柳下が右サイドで突破を図るも、カットインが阻まれてこぼれたボールを拾おうとして鳥取・石井にアフターチャージ。
これで反則・警告を受ける破目となり。
時間も迫って来た事で、35分に最後の交代を敢行するベンチ。
末木→大山へと交代すると共に、林堂を前に上げて大幅なポジションチェンジを敢行します。
<後半35分以降の富山> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 山田
RCB 柳下 CCB 神山 LCB 大畑
RWB 大山 DH 川西 LWB 安藤
IH シルバ IH 林堂
FW 高橋 FW 大野
フォーメーションは変わらずも、パワープレイ気味にターゲットを増やす手はずを採ってきた石崎監督。

しかしその直後(36分)に鳥取は新井のボール奪取でカウンター、スルーパスがエリア内の澤上に渡り、GK山田が前に出て脚でブロックして何とか防ぎ。
いきなり冷や汗をかく事となりましたが、37分に川西のボールカットから好機、左手前から上がった安藤のクロスをファーサイドで大野が落とし。
こぼれた所を拾った高橋が戻し、柳下がミドルシュートを放つも枠外に。
タレントが数多前線に揃った事で、分厚い攻めをする体勢が整ったでしょうか。
これを見た鳥取・金鍾成(キンジョンソン)監督も、対抗すべくの策を採り。
石井・石田・澤上→長井・知久・小澤へと3枚替えし、以下の布陣にシフトします。
<後半38分以降の鳥取> 3-4-2-1
GK 田尻
RCB 丸山 CCB 長井 LCB 知久
RWB 妹尾 DH 世瀬 DH 新井 LWB 文
IH 田村 IH 小澤
FW 石川
CB2人をともに退かせるだけでなく、5バックシステムの逃げ切り体制へ。

勝機が薄くなっても諦める訳にはいかない富山、尚も押し込んでいきCK攻勢へ。
その最中に鳥取・文が足を攣らせてしまうシーンもあり、既に交代枠も無いため文が緊急的に最前線に回る事となり。
石川がシャドー・小澤が左ウイングバックへそれぞれ降りて穴を埋めます。

そんなベンチの執念が、最後に実る形となったでしょうか。
アディショナルタイムに突入し、跳ね返しの応酬となった末にボールは文の下へ上がり、こぼれた所をヘッドで繋ぐ文。
この痛みを堪えての必死のプレーに応えたのは石川で、拾って前進しエリア手前からシュート。
富山・大畑のブロックでコースが変わったのもありゴール右へと突き刺さり、完全な止めとなる3点目を挙げた鳥取。

堅守が完全に崩された格好となった富山。
最後の最後に見せ場が訪れ、右サイドから林堂がロビングを中央へ入れ、シルバのスルーで左へ流れたボールを安藤が受けそのままシュート。
ボールはゴール右へ突き刺さりましたが、スルーを交えた事で安藤の(林堂のパスの時点での)位置がオフサイドとなってしまい残念ながらノーゴール。
その直後に試合終了の笛が吹かれ、鳥取がホームで上位相手に嬉しい勝利となりました。

痛い1敗となってしまった富山。
結果に拘りを見せた以上、敗戦では何も残らないを地でいく形でしょうが、巻き返しを図って上位に喰らい付く姿を見せてほしいものです。

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