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DAZN観戦 2022年J1リーグ第28節 アビスパ福岡vs名古屋グランパス

2022-09-05 16:01:23 | サッカー視聴記(2022年J1)

<福岡スタメン> 4-4-2
GK 永石
RSB 前嶋 CB 奈良 CB 宮 LSB 志知
RSH ジョルディ・クルークス DH 平塚 DH 前 LSH ルキアン
FW 渡 FW 山岸
<名古屋スタメン> 3-4-2-1
GK ランゲラック
RCB 中谷 CCB チアゴ LCB 藤井
RWB 森下 DH 稲垣 DH レオ・シルバ LWB 相馬
IH 重廣 IH 仙頭
FW 永井

血で血を洗う残留争いでもがくチームと、そんな争いに巻き込まれまいとするチームの対決は、波乱塗れの様相を描き。

開始早々の前半1分に、クルークスが細かいパスを交えて前進、エリア内を突いてシュートを放つもGKランゲラックがキャッチ。
福岡がいきなりゴールを脅かす幸先良い入りかと思いきや、後に「これが決まっていればその後の展開は……」と嘆かずにはいられないシーンが直後に生まれます。

名古屋が相馬の裏へのロングパスで前線を走らせると、エリア外に跳び出して防がんとしたGK永石が、あろう事か戻りながらクリアにいった味方の宮と激突してしまい倒れ込み。
それを余所にエリア内左奥でこぼれ球を拾った重廣がマイナスのクロスを入れ、GK不在のゴールにシュートを決めるだけという状況となる名古屋。
稲垣のシュートこそ右ポストを叩いたものの、跳ね返りを森下が蹴り込み、先制の運びとなります。
しかしそれよりも激突して動けなくなった2名に視点が集まる状況となり、プレーを流すという選択をした主審(中村太氏)も、ゴールが決まった次の瞬間担架を要請し雰囲気は騒然。
一度は起き上がった永石ですが、頭部にダメージを受けた事もあり、脳震盪による交代措置が採られる事となり担架で運ばれ。(宮は何とか続行)
村上が投入され、早々にビハインド+GK交代という窮地に立たされた福岡。

これでこの際の主審の判断に不満を抱える事となった福岡、特に苛立ちが表れていたのがルキアン。
以降名古屋・中谷とのデュエル勝負が頻発し、倒したり倒されたりといったシーンが悪目立ち。

そしてそれが爆発してしまったのが21分でした。
福岡・クルークスが名古屋・藤井のチャージを受け倒れた事で、名古屋サイドがタッチラインにボールを出して福岡の敵陣右サイドからのスローイン。
当然プレゼントボールを選択した前嶋ですが、GKランゲラックへ投げられたボールに対し、まさかのルキアンが走り込んでそれを遮断。
前嶋が困惑のポーズを取るのを余所にマイナスのクロスを入れるルキアン、それをアタッカーの性でしょうか、躊躇う事無く合わせてシュートを放つクルークス。
ゴール右へと突き刺さり同点となったものの、当然のように名古屋サイドが大紛糾する事態となります。
ベンチサイドも大揉めとなり、結局は長谷部茂利監督の主導により、キックオフから守備放棄をして相手に1点献上する姿勢を取る事で決着。
名古屋・永井が悠々と前進したのちゴールへボールを転がし、1-2というスコアで仕切り直しとなりました。

名古屋1点目のシーンですが、「頭部同士の接触なので直ちに試合を止めるべきだった」と「味方同士での激突なので続行という判断は正しい」という意見の分かれる状況。
そんな難しい流れから後者を選択した主審・中村太氏の判断は、しこりを残す結果にはなったものの間違いでは無く。

一方福岡1点目のシーンは、伏線があったとはいえ責められるべきは福岡サイド。
過去を紐解くと、2003年のカップ戦・京都vs大分で、大分・ロドリゴが味方のプレゼントボールを掻っ攫って自らゴールを決めたという事象を起こし。
この時も相手に得点を与える措置を採った大分サイドですが、一方でその後ロドリゴは夏の移籍でチームならびにJリーグを去るという事態にまで発展してしまいました。
ベンチの判断に納得いかないというジェスチャーを見せていた得点者のクルークス、後に冷静になったのか、ハーフタイムで名古屋ベンチに謝罪するという場面が描かれ。
これでこの日は一件落着となった(と思われる)ものの、今後の福岡クラブ側の対処は果たして。

そんな異例の絵図が大きくウェイトを占めた前半、そのため30分という遅めの時間に飲水タイムが採られ。

立場的に厳しい状況でこの試合に臨んだ福岡、結果的に不運も絡み常時ビハインドを強いられる試合となったものの、相手対策という観点では悪くなく。
4-4-2の守備ブロックから、名古屋のビルドアップの際には右SHのクルークスが前に出て3枚でプレッシングを掛けるスタイル。
左SHにコンバートされたルキアンも、名古屋・森下をケアする姿勢を崩さず、ボランチの前・平塚も名古屋のボランチ2名をチェックする体勢。
これで名古屋はショートパスで運ぶ事はほぼ出来なくなっていました。

惜しむらくは、やはり個人能力の差で名古屋の方が上回っていた事でしょうか。
レオ・シルバや森下のドリブルでの運びを止められず、また名古屋の逃げのロングパスに対しても、落下点で手を焼くというディフェンス陣の弱さが垣間見え。
折角対策が奏功しても、その他の手立てを封じる事が出来ずという攻防に。
この辺りはウィルス感染に苛まれ、一時はGKまでもフィールダーとして出場するといった事態を招くなど苦境に塗れた影響が感じられ。一方名古屋は誤報告で処分を受けていた
夏の移籍で三國ケネディエブスをレンタルバックさせ加えたものの、J2でも(栃木で)レギュラー争いに敗れていた三國では員数合わせの域を出ず未出場が続いており。

そして38分再び守備面で敗北しての失点を生んでしまい。
名古屋の左サイドからの攻撃、相馬のドリブル・仙頭のボールキープを止める事が出来ず、相馬がエリア内へラストパス。
永井が絶妙なワントラップからのシュートをゴールに突き刺し、2点差へ広げる事に成功しました。

前掛かりになるしか手が無くなった福岡ですが、それにより名古屋のカウンターを受けるシーンが頻発。
色々あった事で8分と長くなったアディショナルタイム、ボールの奪い合いを制して一気に敵陣へと持ち込む名古屋、永井がエリア内左へと切り込んだのち中央へと流れて右へ横パス。
そして森下が走り込んでシュートを放ちましたが、ゴール右へと外れてしまい決定的な4点目はならず。
相馬がピッチ外で福岡・前嶋との交錯で痛んでしまうなか笛が吹かれた事もあり、後味の悪さを残して前半を終える事となった名古屋。

ハーフタイムを挟んで迎えた後半、福岡は渡→ドウグラス・グローリへ交代するとともに布陣変更。
<後半開始~19分までの福岡> 3-4-2-1
GK 村上
RCB 奈良 CCB グローリ LCB 宮
RWB 前嶋 DH 平塚 DH 前 LWB 志知
IH クルークス IH ルキアン
FW 山岸
名古屋と同一フォーメーションという、ミラーマッチで臨みました。

個の力の差で負けている状況でミラーマッチはどうかという懸念を(自分が)抱いたものの、サイドの選手を高目にする効果が徐々に表れ押し込み始める福岡。
志知や前嶋がサイド奥まで切り込んでクロスを入れる場面も増えていきます。
一方の名古屋はリードを続ける影響か、ブロックの位置が徐々に低くなりボール支配ならびに攻撃権の支配を福岡に許していき。

そして迎えた後半12分、中盤で平塚の前進に対し、防がんとしたレオ・シルバがスリップして止められなかった事で敵陣でのパスワークに入る福岡。
サイドを振ったのち右サイドでクルークス・奈良の2人による縦パス攻勢で崩し、奥を突いたクルークスからマイナスのクロス。
そして平塚から放たれたシュートが、GKランゲラックをも棒立ちにさせてゴールネットに突き刺さり。
中央の堅さという名古屋のストロングポイントの乱れを突き、1点差に迫ります。

追われる立場故の危機を感じる事となった名古屋、14分に最初の交代カードを使い。
永井・仙頭→レオナルド・内田宅哉へと2枚替えを敢行します。
名古屋の前線に運動量が加わった事で勢いが削がれた福岡は、17分にルキアンと山岸の位置を入れ替え。
1トップをルキアンとして、その能力に期待する姿勢を取ります。
18分に志知の左サイド奥からのクロスが短くなった所、ルキアンがそのスピードを発揮して拾うシーン(その後のヒールパスが繋がらず)など、それが活かされて良い結果を齎す。
そんな予感を孕ませたのも束の間の19分でした。

名古屋の右サイドからの攻撃、ロングパスを受けてドリブルに入らんとした重廣に対し、福岡・宮が重廣の脚を削ってしまい反則。
足裏でのチャージという事で入念なVAR確認に入る審判団、そしてOFRが行われ。
福岡サイドそして宮にとって緊張の瞬間となり、そして確認が終わった中村太氏は躊躇い無く宮に赤いカードを突き出します。
危険なプレーとして一発退場という判定となり、ピッチを去る事となった宮。

これで10人となった福岡、その前にジョン・マリを投入する体勢を採っていたものの、再考を強いられるベンチ。
結局交代は待つ事となり、暫くはクルークスが右WBの位置に降りる5-3-1での守備体系を採っていたものの、のちに変更。
<後半26分以降の福岡> 4-4-1(4-2-2-1?)
GK 村上
RSB 前嶋 CB 奈良 CB グローリ LSB 志知
RSH クルークス DH 平塚 DH 前 LSH 山岸
FW ルキアン
なお1トップは最初ルキアンでしたが、飲水タイム(26分)ののち再びポジションチェンジして山岸が務め。
それも短い時間の事で、29分に2枚替えを敢行(クルークス・前嶋→マリ・湯澤)し、マリが1トップに入りました。

慌ただしい福岡を尻目に、数的優位を活かしたい名古屋。
31分にレオナルドの力強いポストワークから、前線で右サイドから中央へとパスを繋ぎ、左ハーフレーン・エリア手前で受けた相馬がカットインからミドルシュート。
しかし枠を捉えられず、止めを刺す事は出来ませんでした。
34分に名古屋ベンチも動き、重廣とレオ・シルバに代えて柿谷と宮原を投入。(同時に福岡も平塚→田邉へと交代)

前回対戦時(リーグ戦)も退場者を出す事となりましたが、その際は10人の名古屋がリードを守りきって勝利。(15節・1-0)
これでジンクスを生んだのか、この日は同じく10人の福岡が押し込むという展開を描きます。

決定機を生み出したのはセットプレーからで、そして同時にまたしても物議を醸すシーンともなり。
37分にマリのドリブルを名古屋・内田宅が反則で止めた事で、中央やや左・エリアからはかなり距離があるという所でのフリーキックを得た福岡。
キッカー志知のロビングにマリが合わせにいった所、防がんとした名古屋・稲垣の腕に当たった事で、ゴールラインを割ったのちに福岡サイドが猛抗議。
これでVARチェックに入った所、不可抗力と判断してハンドは無しとなり、左コーナーキックで再開。
しかしこのCKからも、キッカー志知のクロスをニアサイドで奈良がフリックしたボールが名古屋・チアゴの腕に当たってこぼれ。
すかさず放たれたマリのシュートが右ゴールポストを直撃、その跳ね返りをルキアンが詰める(枠外)という、二重三重にも際どいシーンが産出されました。
結局これも、チアゴが腕を引っ込める最中で当たったという判断だったでしょうか、ハンドは無しとなりました。

尚も攻め上がる福岡、44分にはキング・城後を投入(山岸と交代)する事で、ホーム(ベスト電器スタジアム)の雰囲気も最高潮にさせたうえでの同点を狙いにいき。
直後の45分、CKからのこぼれ球を拾った湯澤が持ち運び、左ハーフレーン・エリア手前からシュートを放つも惜しくもサイドネット外側に。
10分という長時間のATに望みを託す事となりましたが、その入りでスローインの判定を巡り奈良が異議で警告を受けるシーンが生まれ、これでムードもやや萎んでしまったでしょうか。

一方名古屋は相馬→吉田豊へと交代と最後の手を打ち、逃げ切り体制に入ります。
レオナルドのポストプレイを巧みに使う事で、陣地と時間を稼ぎ。
右CKを得てボールキープの体勢に入った所、福岡がかき出したボールを尚も拾い、森下のカットインで好機を迎え。
そして戻されたのち稲垣がシュート(ブロック)と、時計を進めつつもまさかの4点目をちらつかせる両得のシーンも生まれます。
その後にはカウンターの大チャンスも作り、柿谷がエリア内でスルーパスを受けてシュートを放つも惜しくもゴール右へと外れ。

何とかそんな名古屋の流れを切るも既に残された時間は少ない福岡、グローリも前線に上げてパワープレイ的に攻め上がり。
志知のミドルパスをそのグローリがダイレクトヒールでエリア内へ送るという巧いプレーから、マリが入れ替わってボレーシュート(名古屋・中谷がブロック)という惜しい好機も生まれましたがゴールは奪えず。
結局そのまま名古屋が逃げ切りに成功し、残留争いへ誘う蜘蛛糸を断ち切るような勝ち点3をゲットしました。

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