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DAZN観戦 2023年J2リーグ第38節 大宮アルディージャvsレノファ山口FC

2023-10-09 16:00:30 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の大宮の記事はこちら(33節・山形戦、1-1)
※前回の山口の記事はこちら(34節・ヴェルディ戦、0-2)

<大宮スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(大分戦、1-0)出場停止だったカイケが復帰も、ベンチスタート。
  • 36節(徳島戦、1-0)から4バック(4-4-2)へとシステム変更。前掛かりな守備体勢へと意識を変えたとの事。
  • 室井がプロA契約を締結。

<山口スタメン>

  • 池上が累積警告のため出場停止。
  • 35節(磐田戦、0-0)からフォーメーションを3-4-2-1へと固定化。
  • 33節(水戸戦、1-2)で負傷交代した高橋の詳細が発表され、全治6週間との事。

降格街道をひた走る……という状態だった大宮。
それがこの度の連勝で、絶不調の21位・金沢と勝ち点で並ぶ所までこぎつけ。

しかし残留のためには20位に上がる事が必須なのは変わらず、そことの勝ち点差は9。
残り5試合でそれを詰めなければならないという状況に、傍らから見れば無理ゲーの予感しか無く。
リーグ前半の戦いを後悔の念で振り返る……というのは全て終わってからで、当事者にしてみれば開き直って高いハードルに挑むだけであり。
この日の相手はその20位・山口で、勝てば勝ち点差を詰められる貴重な直接対決。

その「開き直り」を表すように、オーソドックスな4-4-2の布陣によるプレッシングサッカーに活路を見出す大宮。
この日もそれは健在で、ハイプレスで山口の最終ラインを混乱させる事に成功します。
前半3分相手のトラップミスを高柳が拾い、スルーパスを受けた岡庭がカットインでポケット奥を取り、そのままシュートにいきましたが角度が足りず枠外に。
対する山口も直後のゴールキックから、短く繋ぐ姿勢を取ったうえでのキムボムヨンのロングパス、これを梅木が収めて好機に持ち込み。
右サイドでの吉岡の切り込みを混ぜた末に、五十嵐の中央からのシュートが炸裂しますが浦上がブロックで防ぎ。

負けが許されないだけに、早々にリードを与えてしまうのは避けたい大宮。
サッカー的にもプレッシングに舵を切った以上、こうした山口サイドの「組み立ての中でのロングパス」すら許したくないというのがあったでしょう。
8分・9分と立て続けに、蹴らせるロングボールに持ち込んだ末にそれを回収してから好機を作り。
後者ではGK関にまでプレッシャーを掛けにいき蹴らせるなど、果敢な姿勢をホーム(NACK5スタジアム大宮)の場で見せていき。
やはりこうした積極性をある程度披露していかなければ、スタンドとの一体感は生まれない、といった所でしょうか。
そうした観点からもこの試合(27節・水戸戦、0-0)のような、最初から5バックで守備を固め、相手のミス待ちとも取れるような立ち回りは誤りだったようであり。

そして結果に繋がったのが15分。
山口が敵陣に持ち込むも、そこでのパスミスを回収して反撃に入る大宮、それを待っていたかのように最後方から一気に走り込んだのは岡庭。
小島のスルーパスを受けて右サイド奥を取ってカットインと、3分と似た状況を作った末に今度はクロスを選択し、ファーサイドで室井が合わせヘディングシュート。
ゴールに突き刺さり、3試合連続の先制点に無事に辿り着きました。

スコアが動いたのちも、次々と好機を生み出す大宮。
20分には山口のプレッシングを受けるも、袴田のロングパスをアンジェロッティが収めて無事に脱出した末に、スルーパスで裏を突き。
これにより抜け出そうとした室井がキムボムヨンに倒されて反則となり、警告が付き出されたものの、大宮サイドはDOGSOによる一発レッドをアピール。(当然ながら覆らず)
相手のエラーを生み出しての抗議はあの時(水戸戦、ロングボール一本による攻撃でエリア内での反則疑惑を生み出す)もありましたが、当時とは違い積極性によってのものなので傍らからでも清涼感がありました。
これで得た直接フリーキック、キッカー高柳の直接シュートは壁を直撃し、跳ね返りを再度高柳が撃ちましたが枠外となり実らず。

そんな大宮の雰囲気に、圧されるのは必然といった感じのこの日の山口。
25分に再び最終ラインからの繋ぎで大宮のプレッシングを受けるも、自陣右ワイドから吉岡が中央へ小さい浮き球を成岡へ通した事で何とかいなし。
そして逆の左サイドでの繋ぎから、ヘナンのサイドチェンジでまたも右サイドで前進と、サイドを振り続けた末に吉岡がクロス。
この手前からのクロスを、ニアサイドで五十嵐がフリックの体勢でヘディングシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左へ外れ。

これが切欠となり、ボールポゼッションを高めて反撃に掛かる山口。
やはりプレッシングの激しい相手には、一度それを剥がしての好機を生み出す事で勢いを弱めるのが何よりの良薬となり。
しかしエリア内へ進入しても、そこでの市原を中心とした大宮の粘りもありフィニッシュには持ち込めず。
35分キムボムヨンが斜めの縦パスを五十嵐へ通して好機に持ち込むも、吉岡のミドルシュートはブロックされ、こぼれ球を成岡がヘッドでエリア内へ運ばんとするも実らず。
遠目から撃つ事を余儀なくされていた感がありました。

流れを山口がモノに出来ずにいると、それが反転するのは必然的でもあり。
41分にクリアボールをアンジェロッティが収めると、ボールキープからのスルーパスを受けた茂木が左ポケットからクロス。
ブロックされたこぼれ球をアンジェロッティがダイレクトで撃ち、GK関がセーブと、前掛かりな相手の裏を突く攻撃も冴え始める大宮。
その後は山口サイドの反則が膨らみ、そこからのFKで脅かす流れに。
45分に左ワイドからのFKを得ると、キッカー高柳はゴールへ向かうクロスを送り、GK関がダイレクトでキャッチして防ぎ。
アディショナルタイムに今度は中央からのFK、しかし距離は遠いという所で、放り込みを選択する高柳。
エリア内左へ上げたボールを市原が合わせましたが、放たれたヘディングシュートはGK関がキャッチ。
理想の流れに持ち込んだ大宮でしたが、追加点は奪えないまま前半を終える事となりました。

反対にいかにも劣勢といった感じの前半を強いられた山口。
選手交代に舵を切り、ハーフタイムで2枚替えを敢行します。(佐藤・田中→矢島・野寄)

後半1分にその代わって入った野寄を軸に攻め込む山口。
野寄のドリブルからのパスを受けた河野、縦パスを送ったものの前に入った野寄に当たってしまい。
しかしこぼれをすかさず河野が繋いで継続、左サイド奥で受けた梅木がクロスを入れると、これが(ブロックに当たって?)ゴールに直接向かうボールとなってGK志村が何とか弾き。
偶発性の高い繋ぎながらも、最初の好機でコーナーキックに持ち込み(ここからはフィニッシュに繋がらず)、何かが起きそうな予感を孕ませる入りとなります。

その後も野寄の居る左サイドから攻勢を掛ける山口ですが、5分にその左サイドアタックを岡庭がパスカットして遮断。
すると岡庭が野寄のアフターチャージを受けたのを尻目に前に運ぶ大宮、室井のドリブルがさらに成岡に倒された所で反則の笛が鳴り。
これで前半終盤の流れと同様にFKの好機を得る(岡庭は無事に継続)と、右サイドという位置からキッカー高柳はファーサイドへクロスを上げ、袴田が折り返し。
これが誰も触れず逆サイドへ転がるボールとなると、後方から石川俊のシュートが放たれ、中央ゴール前で茂木がコースを変えましたがGK関がセーブ。
尚もゴール前で混戦となり、掻き出されたボールを再度石川俊がシュートし、GK関がキャッチ。

何とか凌いだ山口でしたが、その後攻撃機会を得れない時間が続くという具合に、まさに岡庭のカットで流れを分断された格好となり。
そして11分の大宮の攻撃、自陣からのスローインをダイレクトパスの連続で運んでいき、受け直したアンジェロッティが中央をドリブルで突破。
力強い運びを経てそのままミドルシュートが放たれると、GKの手前でバウンドする難しい軌道を描いた末にゴール右へと突き刺さります。
残留への道筋を見出さんとするような華麗な追加点に、盛り上がるホームのスタンド。

2点差を付けられた山口、13分に河野→皆川へと交代。(梅木がシャドーへシフト)
その後前半32分のシーンのような、吉岡のアーリークロスを中心とした攻撃へとシフトします。
16分にはその吉岡のクロスの跳ね返りを自ら拾って繋げる吉岡、左へ展開ののち野寄がエリア手前からシュートを放ちましたがGK志村がキャッチ。
しかし劇的な効果は生まれず、その後は「ボールを握らされている状態」を強いられる事となり。

一方の大宮、20分に最初のカードを使い、得点を挙げた2トップをともに退かせ。(アンジェロッティ・室井→富山・中野)
やはりプレッシングサッカー(後半からはハイプレスにはいかずボランチの位置で構えるのが中心の2トップ)での負担増が、というカードの切り方となりましたが、この日は結果を出した事で明るい交代となったでしょうか。

流れを変えたい山口は24分に再度交代に踏みきり、吉岡→平瀬。
これにより平瀬が右センターバックに入る事で、前がボランチに・矢島が右WBにと玉突き的にシフトします。
良いプレーも見せていた吉岡でしたが、停滞感には逆らえず攻め手を変えるべくの標的にされた感があり。

しかし大宮も同時に石川俊→カイケへと交代し、これによりカイケがリベロの位置に入った事で5バックシステム(3-4-2-1)へ移行。(高柳がボランチにシフトし、1トップは中野)
以降スペースが無くなる事で、ますます崩しの難度は上がり。

31分には大宮陣内でイーブンとなったボールに対し、ヘナンが後追いで拾いにいった富山を倒してしまう格好となり、反則・警告を受け。
大宮の意識改革の前に、どうしても球際の勝負でも遅れがちとなっていた山口。
それでも大宮サイドもその弊害か、33分に小島が足を攣らせるなど被害は膨らみ始め。

35分に最後の交代を使う山口。
五十嵐→神垣へと交代し、これにより前をアンカーとした3-3-2-2(3-1-4-2)気味の布陣となり。
ミラーゲームを強いられていた状況から、微妙なズレを生み出して最終段階を迎え。

直後の攻撃は35~36分で、長くポゼッションを続けた末に、左ワイドの位置で野寄が岡庭に反則を受けてFKに。
ここからFK→CKとセットプレー攻勢で、右CKから皆川がニアでヘディングシュートを放ったもののゴール左へと外れ。
大宮も直後に小島・袴田→栗本・飯田へと2枚替えし(茂木が左WBへシフト)、終盤戦を迎えます。

何とか押し込む流れを作った山口ですが、それでも守備を固める大宮の前に、手前からのクロスに活路を見出す他無く。
迎えた43分、右からキムボムヨンのクロスが跳ね返されると、逆の左で拾った成岡が再度手前からクロス。
これをファーサイドで矢島が合わせると、弧を描きGK志村を越えてゴールに吸い込まれる絶妙なループヘッドとなり。
1点を返し、望みを繋げます。

スコア的に全く判らなくなったものの、その後大宮の前掛かりな姿勢が復活する事にもなり。
それに押し負けた山口は、自陣深めからのスローインを跳ね返され続けるなど、攻めの流れすら作れない状況となります。
そして右コーナーでのボールキープの機会を幾度も与えてしまい、時間を使う大宮。

何とか断ち切った山口、ヘナンを前線に上げて同点を狙いにいく体勢に。
野寄の左手前からのクロスで右CKを得て、そのスタイルを活かさんとします。
しかしキッカー矢島のクロスから齎されたものは、それをダイレクトで抑えたGK志村に対し、アフターチャージで倒してしまったヘナンの姿。
そしてそれにより2度目の警告を受けた事による退場処分という判定でした。
納得出来ないながらもピッチに下がるヘナンを見て、大勢定まったかという実感を得るに至り。(尚、この際にヘッドコーチの中山元気氏にも異議で警告)

尚も試合は続きましたが、山口が攻撃機会を得れないままついに試合終了の笛が吹かれ。
これで今季初の3連勝となった大宮、山口(と栃木)との勝ち点差は6となり。
尚も勝利を重ねるのは必須という状況ですが、奇跡が必要ならば起こし続けるしかない。
そんな開き直りを下にして、ようやくサッカーの内容も良化してきたという印象でしたが、実を結ぶとなるでしょうか。

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