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DAZN観戦 2023年J3リーグ第30節 松本山雅FCvsいわてグルージャ盛岡

2023-10-13 18:13:46 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • 松本ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。

僅かに残る昇格への望みに向け、スパートをかけている最中の両チームの対戦。

特筆すべき動きを見せたのが岩手で、夏の補強では深津・西といった大ベテランの選手を獲得。
それに併せるかのように、現役引退したはずの那須(最終所属=神戸)が復帰・加入というサプライズまで起こるに至りました。
結局3試合のみの登録・出場1試合に終わり再び退団・無所属となった那須ですが、その出場試合(23節・愛媛戦、2-2)で土壇場での同点弾に繋がるプレーを見せるなど、新たな風を吹かせるには十分な出来となったでしょうか。
しかしその新風に飛ばされるかのように、監督の松原良香氏は解任され既に居らず。
新監督(中三川哲治氏)と、出場を重ねるようになった西らによるブーストに乗っている最中、といった所です。

松本のホーム・サンプロアルウィンに乗り込んで3連勝を狙う立場の岩手。
しかしその立ち上がりは何処かぎこちなく、粗雑なパスと、それに伴うアバウトな攻撃への傾倒でペースを掴めず。
GK丹野のフィードまでも乱れて自陣タッチを割ってしまう有様で、果たして全体試合終了後までに改善できるかどうかがこの試合の肝となった感があり。

そんな粗い岩手の姿勢を受けて、松本サイドでムキになってしまった感があったのが村越。
前半5分に前線でプレッシャーを掛けるも、仕掛けたアタックが反則を取られてしまうと不満を顔に出し。
そうして迎えた7分、西のボールキープを倒してしまい再度反則を取られた村越、抱えたボールを叩き付けるという暴挙に出てしまいます。
当然ながら警告が付き出され、緊迫した試合展開でも無い状況での行為は未熟という他無く。
これによる岩手のフリーキック(右サイド)から、キッカー新保のクロスの跳ね返りを田代がダイレクトでシュート(ゴール左へ外れる)と、意外にもファーストシュートは流れの良くない岩手の方が放つ結果となりました。

松本は過去にも見たように、選手間の距離を広めにしてパスを繋ぐという姿勢のビルドアップ。
それに対する岩手のプレッシングも、後方が連動せずと後手に回るシーンが多く。
立ち上がりは攻守ともに硬い印象で、負けられないという思いが先に立っていた感があり。

それでもセットプレーから、お互いフィニッシュを放ち合うという流れで得点期待値の観点ではほぼ互角の流れに。
しかし徐々に松本の繋ぐ姿勢が勝っていきます。
21分、左サイドからの前進で村越が倒されながらもポストプレイで繋ぎ、菊井の縦パスを受けた住田が中央をドリブル。
そしてエリア手前という所でシュート体勢に入り、プレスバックした藤村に倒されて撃てずにこぼれるも、エリア内左で拾った下川がシュート。
しかしその手前でスルーした小松が戻りオフサイドを取られて無効となり。
運ぶ形は作れていたものの、前述の村越の件然り、判定の運に恵まれずといった感じでした。

岩手は30分前後から、自身でも後方からパスを繋ぐ体勢を取り始め。
それまではロングボールや、反則気味のディフェンスによるボール奪取から「上手く好機が作れれば良い」といった姿勢でしたが、ここに来て硬さがとれたかのように振る舞い。
サイド奥まで運び、松本の守備体制を見て崩せそうになければ最終ラインに戻してやり直し……といったポゼッションスタイルの片鱗も発揮していきます。
早くも立ち上がりの悪さの改善が見られた岩手に対し、松本はサイドから攻め上がっても、下川のクロス精度の悪さがこの日は目立ち。
岩手の粗雑な部分が、何時の間にやら松本サイドに移り変わったかのようであり。

そして34分、左スローインからのパスワークで中央→右へとサイドを変え、宮市が右からクロス。
走り込むオタボーの後方に送られた低いボールを、バウンドののち和田がボレーで合わせきると、ボールはゴール右へと突き刺さります。
内容の反転を、見事結果に繋げた岩手が先制を果たしました。

一方ペースを握っていたはずの松本ですが、リードを許す格好に。
当然反撃に出るものの、流れを失った状態では厳しいものがあり。
37分敵陣で住田がパスミスを拾ってショートカウンターの流れになるも、米原へのパスがカットされると逆に岩手がカウンターに持ち込み。
カットした甲斐がドリブルで敵陣に運んで左へ展開、和田のアーリークロスが大外の宮市に収まる絶好機に。
しかし放たれたシュートは枠を捉えられず。

命拾いの格好となった松本。
尚も岩手の攻勢を受ける苦境に立たされたものの、41分に藤村のクロスを跳ね返してからカウンターに持ち込み。(シュートまではいけず)
これで冷静さを取り戻し、岩手の(前年のJ2時代から顕著な)弱点である「降りてくる選手にDFが喰い付く」性質を利用して敵陣へと運びます。
42分、左サイドで下川のキープに対し宮市が喰い付いた所を、住田のミドルパスで背後を取って好機。
受けた村越のクロスをニアで菊井がスルーし、ファーで収めた小松がシュートするもGK丹野のセーブに阻まれ。
ここからセットプレー攻勢に入り、コーナーキックに加えて村越のロングスローを活用して同点を狙いにいきます。

CKからの村越のボレーシュート(44分・枠外)、スローインからの繋ぎを経ての住田のシュート(45分・ゴール左へ外れる)と攻め立てるも、ゴールを奪えずアディショナルタイムに突入する前半。
そこで落とし穴にはまり、岩手は藤村のボール奪取から敵陣で攻撃し、松本ディフェンスに遭いながらもボール確保した末に弓削が左手前からクロス。
これを上がっていた西が胸でフリック気味に落とした所を、後方から猛スピードで上がって来たオタボーが強烈なシュート。
左ポスト内側を叩いてのゴールで、貴重な追加点に辿り着きました。
逆に松本にとっては、攻勢を続けていただけに痛い2失点目であり。

結局そのまま前半を終え、一層激しく追い掛けなければいけなくなった松本。
当然ながら交代カードに手を付け、野澤→山口へと交代します。

そのまま右ウイングに入ったかに思われた山口ですが、始まった後半は左の村越が引き気味な位置を取り。
守備時には最終ラインに降りる姿を見て、3バックへとシフトしたと思われる松本。
それでもドイスボランチ・トップ下菊井は変わっておらず、フォーメーションで言えば小松・山口が2トップの3-4-1-2という風だったでしょうか。

試合の方は、早々の後半1分に、右スローインにも拘らず逆サイドから村越がやって来てロングスローを敢行します。(ニアで常田フリック→野々村跳び込むもGK丹野への反則で終了)
何としてでも追い付くという意思表示の下、布陣変更の効果もあり反撃体制に入る松本。

そして後半5分、アタッキングサードで途切れるもすかさず回収して反撃、という繰り返しで3度目の攻撃。
右サイドを前進する体勢に入るも、戻しを経て(米原の)手前からのクロスを選択すると、これが伸びるボールとなってファーに向かい、小松がヘディングで合わせきり。
ゴール右へと突き刺さり、反撃の狼煙となる1点を挙げます。

その後も岩手サイドは、松本の新布陣に対応出来ていない感があり、広範囲に動き回る山口を度々フリーにさせてしまい。
また左ウイングバックとなった村越に対し、一層宮市の喰い付き具合が目立つようになり、そのスペースで山口がボールを受けるという風に綻びが露わとなっていきます。
この時間帯の松本、シュートこそ11分の小松のみ(しかもオフサイドで記録されず)だったものの、良質なクロスが際どい所に入るなど惜しいシーンを量産。
9分の山口のクロス(低いボールに中央で菊井が脚から跳び込むも合わず)然り、フリー状態によるクロスが脅威となり。
逆に言えば、この日クロス精度を欠いていた下川を最終ライン(左センターバック)に下げるのが目的だったという邪推も出来てしまい。

劣勢になった岩手は、13分に新保→石田へと交代。
これで宮市が逆の左WBに回った事で、村越とのマッチアップを回避したのが良かったでしょうか。
喰い付き具合は解消され、逆に17分には低い位置の石田に対し村越が前に出た結果、そのスペースを弓削がロングパスで突くシーンも生まれます。(その後和田のミドルシュートに繋がる)

更に直後の18分、ゴールキックからショートパスでのビルドアップを選択した松本ですが、左サイドで詰まって深めで奪われる結果となり。
そして西が奥でのカットインからマイナスのクロスを入れ、ニアで和田が合わせましたがジャストミート出来ずGK村山がキャッチ。
布陣変更による優位性はすっかり失われた格好となりました。

そして22分に双方選手交代。
松本が藤谷→滝、岩手が西→加々美へそれぞれ交代します。

FW登録の滝(普段はウイング)ですが、そのまま右WBに入り。
WGが出来るならばWBも出来るだろう、という目論見だったでしょうが、その後滝は守備時でも前目に残りがちとなり。
カウンターの橋頭堡という意味合いも含んでの事だったでしょうが、最終ラインにまで戻る事はほぼ無く、アンバランスに映りました。

そんな過度の前掛かりともいえる体勢で、何とか同点を目指す松本。
24分に敵陣右サイドで住田のボール奪取からショートカウンター、菊井のダイレクトでのクロスに中央で小松がフリーで走り込むという絶好機が訪れます。
しかし足下を狙ったこのクロスを小松は合わせきれず終わってしまい、痛い逃し方となり。
そして直後の岩手、ロングボールを収めにいったオタボーが常田に倒されて反則。
ここからのFK(左サイド)で、キッカー藤村のクロスをファーサイドで斉藤が落とした所に、下位が撃ちにいきましたが空振り。
流れた所を宮市がシュートするもこれもジャストミートせずと、こちらもスッキリしない逃し方に。
しかし松本サイドは攻勢の最中、セットプレー一発でひっくり返されるという危惧はするべきだったでしょうか。

31分、再び両ベンチの采配が交錯。
松本が下川・村越→橋内・鈴木へと2枚替えしたのに対し、岩手は田代・和田・オタボー→深津・桐・佐藤へと一挙3枚替え。

岩手が3人とも同ポジションでの交代だったのに対し、松本はさらに布陣変更があり。
村越が抜けた左WBには住田が回り、菊井がボランチに。
そしてトップ下には山口が回って小松・鈴木の2トップと、大きく動いてきました。(最終ラインは橋内が中央に)

当然ながら、尚も攻め上がる松本。
34分にはポジションを移した住田が奥を取って低いクロス、ニアサイドで山口が跳び込み。(クリアした深津を削ってしまい反則)
この日は高さのある岩手に対し、低いボールを中心にしたクロスに一貫していた節があり。

しかし36分の岩手、深津のロングパスからの攻めで右奥を取り、戻しを経て加々美が手前からクロス。
収めた佐藤のポストプレイを経て藤村がシュートを放つと、ブロックを掠めてラインアウトとなって左CKとなります。
ここでキッカー藤村のクロスを、甲斐が野々村との競り合いを制してヘディングシュート。
ゴールネットを揺らして再び2点差とした岩手、懸念されたセットプレーで試合が動く事となりました。

押し迫った時間帯で、再び2点ビハインドからのやり直しを強いられた松本。
やはり落ち込みは隠せず、好機は作ったものの勢いに欠け。(38分に山口がミドルシュートもGK丹野がキャッチ)

そしてその隙を突かんとする岩手は41分、藤村のボール奪取からダイレクトパスを交えながら多少強引な前進。
松本ディフェンスもそれを阻まんとするも、佐藤の倒れながらの繋ぎなど岩手のフィジカルの前に撃沈する格好となり。
そして加々美が中央を運び、ペナルティアークでボールコントロールを果たした末に放たれたシュートがゴール左隅に突き刺さります。
止めといえる4点目を挙げた岩手。

これで勝利はほぼ間違い無しという状況になりましたが、その後のサッカーには不安を覚えるものであり。
突入したAT、松本陣内でルーズボールとなった所を、追い掛けた佐藤が橋内を引っ張る格好となって反則。
これに対しベンチから異議を飛ばした西が、あろう事か警告を受けてしまいます。

完全な余分なカードであり、さらに最終盤にはアフターチャージにより桐も警告を受け。
これにて累積警告となってしまい、既に同様に(31分に)4枚目の警告を受けていた弓削と合わせ、2人も出場停止になってしまった次節。

松本のパワープレイをいなして無事に逃げきった岩手。
3連勝達成という結果は喜べるものの、その後も勝ち点を稼がなければならない立場な以上、カード量産の流れは避けたかった所であり。
そこら辺は西のベテランらしくない振る舞いが招いたというべきか、あるいは鹿島時代から(ラフプレー傾倒の姿勢は)変わっていないなと再確認すべきか。
ともかく、窮地を乗り越えて上位に肉薄したい所でしょう。

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