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DAZN観戦 2023年J3リーグ第32節 ガイナーレ鳥取vsカターレ富山

2023-10-26 16:04:50 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスによりコートチェンジし、↓とは逆のコートで前半スタート。

シーズン途中で監督交代を行ったクラブが、とうとう半数(10クラブ、なお琉球は2度行う)に達する事となった今季のJ3。
それだけあれば、所謂「監督交代ブースト」の恩恵を実体験するクラブも当然表れる事に。

そしてそれを最も味わっているであろう鳥取。
14節(北九州戦、0-1)終了後に金鍾成(キンジョンソン)氏を解任する運びとなりましたが、昇格に向けて勝負の3年目という位置付けでも結果が出せない以上その是非は「仕方ない」で片づけられるものであり。
後を継いだ増本浩平氏、前監督の方向性・メンバーを継続したうえで微調整を図るという選択を採り、チームを上昇機運に乗せる事に成功。
就任してから7戦無敗(4勝3分)と建て直し、その後小休止(1勝3敗)を挟んで再び6戦無敗(4勝2分)という現状で、昇格争いの輪に加わるまで浮上を果たしています。

そんな勢い盛んなクラブと相対するのが、常時上位をキープしてきた富山。
鳥取とは対照的な安定性で、最後の勝負所を乗り切らんとしています。
結果をシビアに求められる立ち位置故に、サッカーの内容的には浮き沈みが激しいという印象で、駄目な時は全く攻め手に欠けるような上位らしくない試合も見られ。
しかし前節(沼津戦、1-2)は、最終盤で相手の変化を見誤ったぐらいで内容は完全に勝ち試合そのものと、逆のパターンの試合となり。
願わくば、その内容を継続しつつ結果に繋げて終盤の起爆剤としたい所。

立ち上がり、鳥取は左サイドバックの文のオーバーラップを利用しての攻撃。
それに対し富山は、文の上がる右サイドから攻め、松岡の推進力を前面に押し出して対抗というぶつかり合いに。

試合が動いたのは前半7分で、鳥取は最終ラインから左に展開する姿勢を取ると、その逆を突き飯泉が右へロングパスを送り。
田中が受けたのちの繋ぎを経て、世瀬の裏へのボールに走り込んだ牛之濱がグラウンダーでクロスを入れ、富樫がニアで収めて撃ちにいき。
それを防がんとした今瀬ですが、足でのクリアがあろう事が逆方向に飛んでしまい、ゴールに吸い込まれる形でのオウンゴール。
明確なミスとは言えない状況ながらも、前節に続き早期に先制を許す事となりました。

追い掛ける立場となった富山、前節同様に最終ラインから繋ぐ姿勢を取りつつ、左サイドで安光が「偽SB」の位置取りをするシステムから反撃体制。
彼とは逆にワイドに立つ伊藤の突破力で抉る体制ながら、安光自身にも突破力があるので、判り易い2段構えとなっていたでしょうか。
17分にシルバの縦パスを受けた安光がドリブルで推進し、彼のパスをボックス横で受けた伊藤がポケット奥へ切り込む(その後グラウンダーでクロスもGK糸原が抑える)という具合。
そして松岡やレイリアもドリブル突破を持ち合わせており、繋ぐというよりは彼らの仕掛けを大いに利用して前進を果たします。

それ故に前への意識がやや過剰になっていたでしょうか。
21分右スローインからの攻めでしたが、受けにいったレイリアがダイレクトで素早く前に送るもカットされて逆に鳥取の攻撃を受け。(右サイドに展開ののち牛之濱がスルーパスを受けるも奪われる)
早めに追い付きたいという意識から、追加点を献上してしまうのは避けたい状況となり。
それを改めたか、25分に敵陣でサイドを振りながら繋ぎ続け、仕掛けようとした松岡も切り返しから戻しを選択。
そして最終ラインから作り直して左サイドから前進の末に、伊藤がカットインから中央へパスを出し、受けたシルバのミドルシュートがゴールを襲うも左へと外れ。
しっかりと遅攻で組み立てて反撃機会を窺う、讃岐戦とは全く逆の落ち着いた振る舞いを見せる富山。

こうした富山の姿勢に鳥取は押し込まれ、攻撃自体が機能しなくなり。
裏狙いのロングパスを送るも、GK田川が前に出てのクリアを目立たせるだけに終わり。
逆に重松狙いのボールも、富山のタイトなディフェンスでボールを確保できず、攻撃機会をロクに得られない状況となります。

そして31分の富山、敵陣でシルバのボール奪取から重厚な攻め。
右サイドで細かく繋ぎ、松岡が右ポケットを突いてクロスを入れ、クリアされるも安光が拾って今度は左サイドから。
またも伊藤がカットインを仕掛けると、今度は自ら中央まで流れた末にミドルシュート。
これを飯泉がブロックするもエリア内にこぼれ、すかさず末木が詰めてボレーシュート、ゴールに突き刺します。
これも前節同様に、前半のうちに追い付く事に成功した富山。

鳥取はビルドアップの形を変更し、文を最終ラインに残した3枚の体勢を取り、その代わり普光院が上がり目に位置し。
恐らくは文を残す事で松岡への対策としたのでしょうが、反対に左サイドの伊藤の威力は尚も冴え渡り。
37分に再度カットインの姿勢に入る伊藤、中央へのパスを選択して松岡がペナルティアークからシュート(ブロックの末にGK糸原キャッチ)と、両翼が絡む攻撃。

対策後も迷いが見られる展開に、ビルドアップの際にも富山のプレッシングに悩む状況となり。
40分にGK糸原からショートパスで前進を図るも、プレッシャーを受けた末に普光院が何と逆方向へのミドルパスを選択。
右サイド深めで鈴木が受けたのちも富山のプレッシャーを浴びましたが、その間に上がっていた文に(世瀬が)ロングパスを通した事で脱出。
そのまま文はアーリークロスを入れましたがシュートには繋がらず。
これを境に、最終ラインからの繋ぎで富山のプレッシングをどう打開するかが鳥取のテーマとなったでしょうか。
アディショナルタイムに得た鳥取のコーナーキックで、飯泉がヘディングシュート(GK田川キャッチ)と一矢を放った所で前半が終了となり。

ともに交代無く迎えた後半戦。
富山はギアを高めハイプレスの色を前面に押し出すようになり、鳥取にとっては課題を乗り越えなければ勝てないという展開に。
後半2分に早速左サイドで詰まってシルバに奪われると、拾った松岡がそのまま持ち運んでカットインシュート(GK糸原セーブ)とショートカウンター。
何とか対抗したい鳥取は5分にGKへの戻しから組み立て直し、ショートパスでプレッシャーをかわすように右サイドを運んでいき。
そして再び戻しを経て左→中央→右とサイドをくまなく使い、右サイド奥からの田中のクロスにまで辿り着きます。(ブロックされCKに)

それでも苦しい状況は変わらず。
7分に自陣で大山がカットして富山が前進に移ると、松岡のドリブルを文が腕で止める格好となるも、止められずに繋がれアドバンテージという具合にデュエル勝負でも劣勢となり。(その後高橋がクロスもクリア)
球際勝負の影響で、8分には異議で長谷川アーリアが警告を貰ってしまう(おまけに4枚目で次節出場停止)など、上手くいかない苛立ちも露わになり始めます。

そして10分、GK田川のロングフィードから、セカンドボールを確保し敵陣でサッカーを展開する富山。
右ハーフレーンで松岡がボールを持つと、エリア内を窺う姿勢からカットインでシュートレンジへと流れ、そのままミドルシュート。
左に流れながらゴール右を狙ったそのシュートに逆を突かれたGK糸原は反応できず、豪快にゴールに突き刺さります。
この日右翼で再三突破力を発揮してきた松岡、これが今季初ゴールと、にわかには信じられない(もっと決めていても可笑しくないと意味で)成績であり。

一方これも今季初めてという、先制しながらも逆転される展開となった鳥取。
13分にGK田川のフィードを普光院が遮断し、拾った牛之濱がエリア内中央を突いてシュートという好機が生まれましたがゴール右へと外れ。
この直後にベンチも動き、長谷川アーリア・重松→田村・吉井へと2枚替えを敢行します。

直後の14分に吉井のプレッシャーでGK田川のパスミスを誘い、奪ったもののショートカウンターには繋げられず。
この交代策の前後が富山サイドもバタバタしていたという状態で、17分には普光院が松岡に反則を受けた事で中央からのフリーキック。
かなり距離があったものの、富山の壁が1枚のみという状況を見てキッカー普光院は直接シュートを放ちましたが、GK田川が正面でキャッチ。

その後整え直した富山のコンパクトな守備布陣の前に、シュートすらままならなくなります。
サイドから前進しても、しっかりとスライドしてくるブロックの前にクロスにすら辿り着けず。
間を通しても、素早い寄せの前に難しい繋ぎを強いられて奪われるの繰り返しで、反撃のペースを掴めない鳥取。
そのタイトなディフェンス故に富山サイドを反則を量産してしまうものの、結局その(サイドからの)FKからクロスを上げるのが関の山、といった状態に。

時間が進み、富山ベンチも交代カードを切る状況が訪れ。
26分にシルバ・高橋駿→碓井鉄平・大野へと2枚替え。
しかし直後の27分にアクシデントが発生し、再三良い流れを作っていた松岡が足を攣らせる事態に。
足を伸ばしてもらうものの結局起き上がれず、担架で運ばれて続行不可能となってしまいます。
早期に再度カードを切る破目となった富山、同ポジションで野口を投入します。

一向に攻撃権を支配出来ない鳥取、この辺りから再度ビルドアップの形を弄り。
世瀬が最終ラインに降りる3枚の形を基調とし、再び文が上がる体制を採る事となります。
右サイドの田中も当然ながら攻撃参加が目立ち、何とかサイドから圧力を掛けんとする攻撃。

32分にその体勢から、敵陣でボール奪取した田中が伊藤に倒された事で反則。
しかしその際素早くリスタートしにいった田中が、中々ボールから離れない伊藤の脚ごと蹴ってしまう事案が発生し騒然となるピッチ。
FK妨害という判定で伊藤に警告が出される事となりましたが、鳥取サイドの苛立ちも感じられる消化不良のシーンに映り。

ひたすらサイドを突かんとするも、富山の守備の硬さは相変わらずで、クロスに辿り着いてもブロックされ上げる事すらままならず。
35分に再びベンチが動く鳥取、牛之濱・富樫→東條・小澤へと2枚替え。

硬いブロックを崩さんと、左サイドでの小澤の仕掛けを交える事で毛色を変えんとする鳥取。
41分にそのチャンスが訪れ、ワイドで受けた小澤がカットインでエリア手前に流れると、シュートのようなクロスを入れ。
これを吉井がヘッドで合わせたものの、ボールはマイナス方向へ浮かんでしまいミート出来ずに終わってしまいます。
正直ここはシュートの方が良かった気がしましたが、それも結果論であり。

しかしこれ以降、小澤が試合を動かせる状況すら作れなくなる鳥取。
大野狙いのロングボール(その後大野がフリックで繋げる)や、レイリアのボールキープを敵陣で時間を稼ぐ事に利用する富山。
攻撃カードをこうして守備に利用される事程、追い掛ける側にとっては嫌な事は無く。
ATに残っていた交代カードを使い、末木・伊藤→林堂・神山へと2枚替え。
5バックシステム(林道をボランチとした3-4-2-1)で逃げ切り体制に入ります。

何とか矢印を反転させる鳥取、左からの文のアーリークロスがエリア内を突き。
今瀬がヘッドでクリアするも、これがゴール上へ際どく逸れるボールとなり、またもオウンゴールかという際どいシーンが生まれましたが決まらずCKに。
GK糸原も前線に上がり、最後の意地を見せたい所でしたが、二次攻撃でのクロスを強引に合わせにいった吉井はボレーシュートを空振りしてしまい万事休す。

結局1-2で試合終了となり、勝利を飾った富山。
2位以下の混沌とする状況は変わらず、ここまで来れば白兵戦で駆け抜けるだけ……という意識が高まる中、サッカーの内容で明らかな良化が見られるのは好材料でしょう。

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