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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 徳島ヴォルティスvsファジアーノ岡山

2024-08-20 16:00:44 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の徳島の記事はこちら(23節・甲府戦、3-1)
※前回の岡山の記事はこちら(23節・仙台戦、2-0)

<徳島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 加入決定していた岩尾・ターレス・鈴木輪太朗イブラヒームが24節(仙台戦、2-0)から登録される。岩尾は即スタメン出場。
  • 鹿沼がJ1・磐田から完全移籍で加入し、25節(愛媛戦、1-0)から登録されて途中出場。
  • 山口が愛媛から完全移籍で加入し、前節(山形戦、0-1)から登録され即スタメン出場。
  • J3・大宮からのレンタルの身であった高田颯が、完全移籍へと移行。
  • レンタル移籍(ポルトガル・ボアヴィスタSCへ)していた渡井の復帰が決定。(登録は未だされていない)
  • J3・八戸へレンタル移籍となっていたオリオラ・サンデーが、J3・大宮へ完全移籍となり籍を離れる。
  • 玄理吾が栃木へレンタル移籍となり、25節をもって登録抹消。
  • 橋本がJ1・新潟へ完全移籍となり(以下同文)
  • GK後東がJ3・YS横浜へ育成型レンタル移籍となり(以下同文)
  • 棚橋がJ3・相模原へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 中野がJ3・八戸へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。

<岡山スタメン>

  • 嵯峨がいわきから完全移籍で加入し、24節(栃木戦、1-1)から登録されて途中出場、25節(山形戦、1-1)からスタメンに定着。
  • 一美がJ1・京都から完全移籍で加入し、25節から登録されて即スタメン出場。
  • 神谷(元清水)が韓国・江原FCから完全移籍で加入し、25節から登録されて途中出場を続け、今節初のスタメンに。
  • 仙波が群馬へレンタル先変更という形で移籍(レンタル元はJ1・広島)となり、24節をもって登録抹消。
  • ガブリエル・シャビエルが双方合意の下で契約解除となり、25節をもって登録抹消。
  • 河野が鹿児島へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 23節で負傷交代したルカオは以降ベンチ外。
  • 家坂(中央大)の来季加入が決定、同時に特別指定選手となり24節から登録される。
  • 藤井海和(流通経済大)の来季加入が決定、後日特別指定選手となり今節から登録される。

リーグ序盤の暗黒期から脱し、昇格を狙える状況にまで浮上してきた徳島。
波乱万丈な軌跡をドラマティックに締めるかのように、夏の移籍期間では岩尾の獲得・復帰が決定となり、待っていたかのようにボランチとして即スタメンに定着する運びとなりました。

その岩尾の入団の際のコメントが、心を打たないファンは居ないと言いたくなるような内容であり。
この流れを狙って作り上げたのならば素晴らしいの一言ですが、だったら序盤の迷走はやる必要は無い、と一言放ちたくもなってしまい。
ともかく再び前を向く事に成功したフロントは、橋本の個人昇格というトラブルに対しても、すかさず隣県(愛媛)から山口を引き抜き補強するという具合に対処が早く。

一方の岡山も夏場に激しく動き、昇格という目標への向き直しを図ったチーム。
加入した嵯峨・一美・神谷が揃ってスタメン出場となったこの日。
一美の獲得は負傷離脱したグレイソンの穴埋めなのは言うに及ばずで、彼の他にシャビエルも突然の契約解除に襲われ。
ルカオの負傷離脱も絡んだ事で、GK以外は日本人選手を主体としての戦いを余儀なくされた格好ですが、その顛末や如何に。

徳島のホーム(ポカリスエットスタジアム)ながら、近隣である岡山も大挙してサポーターが訪れた一戦。
どちらも勝ち点3が欲しいのは当然で、試合開始から徳島は追い風を生かす、それも柿谷の飛距離の長いスローインからの攻勢。
それを裏で受けたブラウンノアが田上に倒され、以降左奥でのフリーキック→コーナーキック2本と、ひたすらセットプレーを続けるという流れに。

ボール保持に長けた徳島らしからぬ流れは、それを象徴するような得点で締められます。
6分、左サイドから柿谷がスローインを裏に送り、タイミングよく左奥へ抜け出したブラウンノアと先程と類似した絵図に。
そしてダイレクトでマイナスのクロスが中央に入ると、走り込んだ渡が果敢にダイレクトシュート。
鈴木喜のブロックを掠めて方向が変わり、GKブローダーセンの逆を突いてゴールに突き刺さります。
大胆な姿勢が見事結果を齎し、徳島が先手を取るという幕開けになりました。

ビハインドとなった岡山は、以降最後方からボール保持を試みるという、追い掛ける立場を如実に示す絵図となり。
可変の肝となっていた柳貴博が不在のなか、やはりその右サイドで新たな形が見え。
神谷がセンターバック(本山)とウイングバック(嵯峨)の間に降りてパスを引き出す事で、ミラーゲームとなっている状態を動かしに掛かるビルドアップが主体となりました。
これにより、CBの本山も前線に絡みながらのパスワークを軸として押し込みを図り。

しかしその間にも、徳島は柿谷のロングスローでボックス内を脅かす等攻め手を緩めず。
13分にはGKブローダーセンのフィードをエウシーニョにカットされ、渡がレイオフで繋いだボールを受けたブラウンノアがミドルシュート(ブロックに当たり枠外)と、圧力をまともに受けた末に少ない手数で仕留められるという流れは中々覆せない状況に思われました。

それでも15分、上記の攻めの形から神谷が裏へミドルパスを送り、セカンドボールを拾うという組み立てを経て中央→左へとサイドを移し。
そして左ポケットでパスを受けた末吉が奥へ切り込み、クロスに辿り着いた事で左CKを得ると、その二次攻撃でした。
クロスの跳ね返りからすかさず左奥でキープする状況を作ると、鈴木喜のクロスがピンポイントにニアサイド一番手前に位置取っていた岩渕に合い。
そしてフリック気味に綺麗に放たれたヘディングシュートが右サイドネットを揺らし、早期に同点に追い付く事に成功した岡山。

振出しに戻ると、徳島は思い出したかのように本来のボール保持の体勢に。
18分にGK田中颯の縦パスを降りて受けた岩尾、それに対し藤田息が喰い付いた事で、戻しを経てのGK田中颯のロングフィードが生まれたスペースへ。
収めた柿谷のポストプレイから、青木がさらに裏へロングパスを送りブラウンノアが走り込む(繋がらず)という具合に、ロングボールによる攻撃でもキッチリと相手を動かして崩す意識が見られるその徳島のポゼッション。
やはり「縦に速い攻撃」を指標した吉田達磨前監督の時期は無d

一方岡山もロングボール主体の攻めに意識を移し、徳島の攻勢の裏を突きに掛かり。
しかしハイプレスは仕掛けずに陣形を保つ徳島ディフェンス、メインターゲットとなる一美を囮としつつその裏で岩渕が合わせにいくという攻めに対しても、CBは釣られずにしっかりと対処するなど中々綻びは生まれません。

復帰した岩尾の動きは多彩の一言で、自ら中盤の底でパスを散らすプレーを主体としながら、時には25節で魅せたような最前線への抜け出しも混ぜ合わせ。
自ら相手のプレッシャーを剥がすという事はあまり期待出来ずも、こうしたプレーにより岡山サイドも、彼に対しボランチの守備対応が曖昧となり。
前述のように何度か喰い付いて規制を掛けにいくも、効果的とはならず次第にリトリートを強いられる状況になっていきます。

この日は何故か飲水タイムは挟まれず、25分過ぎ辺りから徳島の反則が目立ってきて試合がブツ切りになると、しきりにピッチサイドで水分補給にいくという絵図が目立ち。
それに伴い停滞する徳島の隙を突き、GKブローダーセンのロングフィードから左CKを迎えた岡山。(31分)
キッカー神谷のニアへのクロスに、本山は合わせられずもこぼれた事でボックス内で紛れが生まれましたが、シュートは撃てずに終わり。

何とか失速からの失点は避けられた徳島、34分にバックパスを受けた岩尾、児玉に託すとともにパス&ゴーで最前線へ。
児玉はその動きを囮として自ら持ち運び、中央から果敢にミドルシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
39分今度は右サイドからの攻めでエウシーニョが軸となり、縦パスを送ってブラウンノアポストプレイ→児玉裏へミドルパスに走り込むエウシーニョ。
これは遮断されるも渡がこぼれ球をさらに裏に送り、結局繋がって最奥からエウシーニョのクロスがファーに送られると、柿谷が合わせヘディングシュート。
しかしゴールポストを直撃と、惜しい所で決められず。

その後もボール保持で主導権を握る徳島。
突入したアディショナルタイムでも、パスワークで上下動させた末に、最後方からのロングパスで一気に裏を突いての決定機。
渡が収めてエリア内からシュートを放つも、GKブローダーセンがセーブと守護神に立ちはだかられ決められません。
結局1-1のまま前半終了となり。

共に交代無く迎えた後半は、岡山が追い風を得る状況となる事でその変化が予想される試合展開。
どちらかといえば、アバウトな攻めが脅威となり得る岡山のスタイルだけに尚更であり。

しかし後半3分、敵陣でGKブローダーセンのフィードを岩尾がカットして徳島の攻撃。
右サイドで溜めを作ったエウシーニョが中央へ縦パスを打ち込むと、渡のスルーを経て、ダイレクトで放たれた柿谷のシュートがゴール右を襲い。
惜しくも外れたものの、後半になっても泰然自若という様相で好機を作りにかかる徳島。

それでも岡山はハーフタイムで修正を施したようであり。
守備時は、岩尾に対しボランチがマンマーク気味に付く事を徹底してボールタッチを減らしに掛かり。
攻撃時は竹内が最終ラインに降りるという具合に形を変え、保持力を高めて敵陣に押し込みを図ります。

直ぐに流れは変わらず、9分にも徳島の攻撃でエウシーニョが右から切り込んでクロス、ファーに走り込む柿谷の手前でクリアするも左CKに。
クロスの跳ね返りをエリア内で拾った森のシュートをGKブローダーセンがセーブと、必死のディフェンスで何とか流れを変えんとする岡山。
そしてその姿勢は報われ、12分の徳島の左サイドからのFK、この日初めてキッカーを務めた山口(それまでは全て岩尾)のクロスは精度を大きく欠いてしまい。

失速の気配が漂った徳島に対し、14分に岡山ベンチが先んじて動き。
末吉・神谷→高橋・木村へと2枚替え、前線に変化を付けに掛かります。

そして16分、右サイド・アタッキングサードでパスを受けた嵯峨が、ボールキープに努める所山口に腕でのチャージを受けて反則。
これによるFKから、CK2本と続いてのセットプレー攻勢で、攻めの時間を増やすとともに徳島の焦りと苛立ちを膨らませる流れに。

流れの中での攻撃では、最終ラインに加わる竹内からの間を通す縦パスで崩しを図り。
それによりアタッキングサードでの展開を増やしますが、リトリートに徹する徳島も中々崩れず。
特にマンマークで喰い付くという姿勢は他チームに比べ少なく、細かくパスを繋いでも決定的な場面を生み出す事は難しい岡山。

そうこうしているうちに時間が経過するも、後半も飲水タイムは取られず。
これが誰の意思決定なのかは不明ですが(湿度が低かったからか?)、実際プレーが途切れた際の水分補給は岡山サイドの方が盛んに行っていた節があり、ホーム側が運営レベルで暑さを若干甘く見ていた感があったでしょうか。

その因果関係は不明ながら、25分辺りから目に見えて失速が目立ってきた徳島。
28分に動き、ブラウンノア・渡→チアゴ・坪井へと2枚替えを敢行して流れを変えに掛かった増田功作監督。
しかし、前岡山なため必然的に生まれるチアゴへのブーイングにより、そうはさせまいという岡山サポーターの意気込みがヒシヒシと感じられるスタジアム内。
その通りに、以降も全く好機を作れないままの徳島の攻撃。

この流れのなか、仕留めたい岡山は34分に右サイドからのFKという好機。
キッカー高橋のクロスがファーサイドに上がると、田上が身体を崩しながら合わせヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、思惑通りの勝ち越し点か、と思われたもののオフサイド判定に引っ掛かって残念ながらノーゴールに。

34分に再度動く徳島ベンチ、後半は目立てなかった岩尾に代えて永木を投入。(同時に柿谷→杉森に交代)
それを見た岡山サイドも、36分に藤田息・嵯峨→田中雄・柳育へと2枚替え。
シャドーに入った田中雄・右CBに入った柳育に伴い、木村が右WBへ、本山がボランチへ回りました。

共に采配が交わり局面がどう変わるか、という所で徳島はさらにアクシデントに見舞われ。
エウシーニョが倒れ込み、その様相は足を痛めたか攣ったか不透明なものであり、交代を余儀なくされてしまいます。
すぐさま高田颯を投入し、5人の枠を使いきる格好に。

運動量を保つのも難しくなってきた徳島。
40分に岡山がカウンターに持ち込んだ所、一美の中央突破に対し森が反則を犯してしまい警告。
その後も45分に同様のシチュエーションで一美を反則で阻止し、今度は児玉が警告を受けるなど被害は膨らむ一方となり。
これらに加え、43分の杉森のハンドも絡んで岡山の敵陣でのFKの局面が目立った終盤戦。
キッカー田上が中央から直接シュートを狙う(ゴール上へ外れる)など、この有利な状況で勝ち越しを果たしたい岡山ですが決められず。(42分に岩渕→齋藤へと交代)

そのまま突入したAT、岡山サイドも息切れが目立つ状況で、後は気力勝負。
それを示すかのように、左から本山のロングスローを一美がフリック、ファーに流れた所に走り込む田中雄。
しかしGK田中颯を削ってしまい、田中に対する田中の反則という珍妙な絵図を作り上げるのみに終わります。

その後徳島も攻め上がりCKにまで持ち込むも、それが精一杯で再度岡山の攻勢に。
ゲーゲンプレスをいなし、田中雄がドリブルに持ち込んだ所をまたも(高田颯が)反則・警告で阻止する破目となった徳島。
ここからFK→右CKとセットプレーを続けた岡山もフィニッシュには持ち込めず。
結局1-1のまま試合終了、序盤の点の取り合いから全く動かないという、痛み分けというフレーズが最も相応しい内容の引き分けとなりました。

物語性を盾に浮上したい徳島は、さらに渡井がレンタル復帰という形で再加入。
これらの補強に伴い、玄をはじめ若手選手は軒並みレンタル移籍にかける運びとなりましたが、ハッピーエンドの結末に辿り着けるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第27節 清水エスパルスvsヴァンフォーレ甲府

2024-08-19 16:00:27 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の清水の記事はこちら(25節・仙台戦、1-2)
※前回の甲府の記事はこちら(25節・群馬戦、1-0)

<清水スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 原は体調不良との事(放送席の談)でベンチ外に。
  • 高木がプロA契約を締結。

<甲府スタメン>

  • 水野がJ3・岩手へレンタル移籍となり、前節(藤枝戦、3-0)をもって登録抹消。

富士山ダービーという事で、熱狂する清水・甲府の各サポーター。(観衆は16,943人)
しかし清水のホーム(IAIスタジアム日本平)故に、甲府はアウェイの空気を跳ね除けるまでには至らず。
ちなみにこの試合で累計入場者800万人を達成したとの事で、ホームゲームの強さとも相成り、難攻不落にも思える状況に。
そんな空気のなかパンイチで選手入場の後に付いてきた甲府のマスコット・ヴァンくんのメンタルの強さよ

それをサッカーで跳ね返したい、という甲府。
その手段は前線からのプレッシングで、立ち上がりから果敢に清水のビルドアップを阻みにいくという、最近のスタイルに反する立ち回り。
特に古巣対戦となったヘナトのモチベーションは相当なもので、規制を掛けられつつも送られる清水最終ラインの縦パスを、前に出て悉くカットに成功。
前半4分にそのヘナトのパスカットから、拾った荒木を経由し中央でウタカに渡ると、宇野に倒されて反則。
この直接フリーキック、距離はあったもののヘナトが直接狙いにいき、ゴール上へ大きく外す結果になったものの意気込みの強さをひしひしと感じる絵図となりました。

そんな相手の立ち回りに度肝を抜く格好となった清水。
5分には中山のラフな裏へのロビングを、走り込む鳥海に対し住吉が防ぎにいくも、交錯しながら鳥海がボールキープに成功し反則の笛も鳴らず。
そのまま左ハーフレーンからカットインしてミドルシュート(GK権田キャッチ)と、精神的に優位なうちに仕留めに掛かる甲府。
そして10分に最大の決定機が訪れ、自陣で関口が反則を受けると、そのFKを素早くリスタートさせ直接裏へとロングパスを送る関口。(この際さらに北川に倒されるも流される)
絶妙な位置へ落ちたボールにウタカが走り込むと、前に出たGK権田に先んじて触ったウタカのループシュートがゴールへ向かい。
権田を抜いて完全に決まったと思われたこのフィニッシュに、必死に戻った高橋がスライディングで掻き出しに成功、間一髪で失点を防ぎます。
しかしプレーは継続し深めでのプレス脱出を強いられた清水に対しヘナトが縦パスをカット、そして鳥海を経由して中山が左からカットインを経てミドルシュート(GK権田キャッチ)と、同様のパターンで締められた攻撃。

ゴールは生まれずも明らかに甲府ペースという立ち上がり。
反撃したい清水は、17分に最終ラインのパスワークで徐々に押し込んだのち、宇野の前進を経て左サイド奥でカルリーニョスに持たせる絵図を生み出し。
そしてマイナス方向へのカットインからミドルシュートが放たれ、枠外となるもブロックを掠めたためコーナーキックに。
ここから3本も続いたCKののち、スローインを挟んで尚も2本CKが続くという長丁場のセットプレー攻勢に入ります。

甲府の攻めたいという気持ちをそらし、焦りを生むには十分な攻勢。
しかし5本目の右CKののちの二次攻撃で、左から乾がクロスを上げたその刹那、突如ピッチが真っ暗に。
照明トラブルなのは明らかで、数秒後に復帰・再点灯した際ボールは既にファーサイド奥に転がるという状況に。
これで甲府のドロップボールから再開となりましたが、乾ならびに清水サイドは恐らく「クロスののち誰も触っていなかったためこっちボールだろう」という異議を主審に向けたものの、徒労に終わる事となり。
結局流れが途切れてしまい、そのまま0-0で飲水タイムに入ります。

ショートカウンターに持ち込みたいのは明らかな甲府の立ち回り。
第2クォーターでもそれは継続され、27分にもヘナトが距離を詰めて宮本のパスをブロックし、拾った荒木がウタカへ向けた裏へのロングパス。
しかし精度を欠いて右側へと流れてしまい、ウタカが走って拾ったものの結局遅攻となってしまう状態に。(その後右からクロス→アダイウトン合わせるも北爪に防がれる)
ハイプレスに舵を切ったものの、以前の頃(篠田善之前監督の全盛期)からは迫力も精度も落ちるのはある意味当然といった所でしょうか。
しかし29分またも敵陣で鳥海がカットし、こぼれ球をヘナト1タッチで縦パス→ウタカポストプレイを経て、アダイウトンが左ワイドからのカットインでエリア内へ突撃。
そして高橋を剥がした末に放ったシュートが、住吉のブロックを掠めてゴールを襲いましたが、ゴールバーを直撃してしまい跳ね返り。
またも決定機を逃す形になってしまうと、以降尻すぼみを余儀なくされる事となります。

清水のターンとなると、最後方からの組み立てで、乾をはじめ流動的に動く前線の選手へと縦パスを通す攻めが冴え始め。
そして32分、ブラガが送った縦パスを北川のポストプレイで受け直し、左へ展開ののち乾を経由して奥から山原のクロス。
ニアで北川が跳んだその奥で、カルリーニョスが脚で合わせるという完璧な流れで放たれたフィニッシュがゴール右へと突き刺さります。
失点を防ぎ続けた末に待っていた、先制点に辿り着いた清水。

その後も相手に流れを渡さず、37分に縦パス攻勢で前進の末に宇野がミドルシュート。
ブロックを掠めて外れるもここからCKを2本続けるなど、リードした事で「甲府に焦りを生ませる」ミッションは概ね成功しつつあり。

何とか攻撃権を取り返した甲府ですが、その手法は縦に速い運びのみという感じに。
ビハインドとなった事で必然的に主体的な攻めをしなければならない状況となりますが、間を通す縦パスを成功させても、その後スルーパスかサイドへの展開と前へのベクトルしかない状態となります。
熊本や山口の得意手である、敵陣でパスを上下動させる事で清水ディフェンスの弱点(バックパスに喰い付いて裏を取られる)を誘発させられれば、もう少し展開は変わったかもしれませんが……。

結局3分あったアディショナルタイムも、清水がボールポゼッションを貫く時間が大半で終わり。
甲府は立ち上がりの優勢ぶりは雲散霧消……という展開を強いられ、1-0のまま終了となりました。

現場もそんな空気を敏感に感じ取ったか、ハーフタイムで2枚替えを敢行。
中山・ウタカ→木村・マクーラへと交代し、反撃の狼煙を上げに掛かります。

後半のキックオフ、という所で、左側のゴール(前半は清水ゴール)ネットの補修作業のため先延ばしに。
立て続けに起こる運営レベルでのトラブル、これに苛立ちを見せたのはキックオフする側の清水で、改めて笛が吹かれると蹴り出されたボールを乾がそのままロングシュート。
貯め込んだストレスを吐き出すような手段で、とりあえず空気を整えに掛かったという立ち回り。

これを抑えた甲府は早速ベクトルを反転させ、GK渋谷のロングフィードをマクーラがフリック、アダイウトンに渡ってアタッキングサードを突く攻撃と化した清水キックオフからの流れ。
しかし一旦パスワークを経て戻して作り直しとなると、(関口が)再度マクーラを狙ったロングボールを送り、これが事件へと発展する事に。
今度もフリックで繋いだマクーラ、競り合った高橋と激突するのを尻目にまたも受けたアダイウトンが、エリア内へ切り込む決定機が生まれます。
ところが生まれたのは得点では無く、GK権田が前に出て抑えた所を勢い余ってチャージしてしまったアダイウトン、たまらず反則を告げる笛が鳴り響き。
そして主審(窪田陽輔氏)がカードを突き出した所、その色が一発退場を示す赤だった事で一転して騒然となるピッチ上。
納得出来ないという態度を示すアダイウトンですが、それと同時に激突した高橋とマクーラの容態も案じられたためそれ所では無くなった清水ゴール前。
マクーラは無事だったものの、高橋は倒れたまま起き上がれず、そのまま交代の運びとなってしまい。
蓮川が投入される事となり、高橋は自力で何とか起き上がりピッチを去るもその足取りは覚束ないものに。
しかし判定に不服な甲府はそれに対し苛立ちを見せてしまった(恐らく思いやりの無い遅延行為をアピールしたと思われる)事で、大塚真司監督自身が警告を貰ってしまい(なお放送席は、ベンチの今津が貰ったと勘違い)、この騒動は集結となりました。

数的不利となった甲府は、以降も3バックを継続し、ヘナトをアンカーとした3-5-1(5-3-1)の布陣を選択。
後半9分にはヘナトが乾から反則気味にボール奪取し、そのまま右へ流れてドリブルで運ぶという強引な好機の作り方。
そして右スローインに移ると、ポケット付近に投げられたボールをマクーラが胸でフリックし、鳥海が狭い所をカットインで抜いて中央からシュート。(住吉がブロック)
一人一人がより頑張らないと、この苦境は跳ね返せないという好機の作り方。

しかし俄然優位な清水。
この日ベストなプレーを見せていた高橋の負傷交代も、代わって入った蓮川の持ち運び能力が10人の甲府を自陣に押し込むのにうってつけとなった事で怪我の功名に。
彼が左ハーフレーンを運び、甲府ディフェンスがそれに対応せんとするとカルリーニョスが手薄となるので、簡単に左サイドアタックが成立する状況を生み出します。

そして12分、CKでの好機から戻して作り直すと、右→左への対角線のロングパスがカルリーニョスに届けられて再度アタッキングサードを突き。
カットインで中央に流れて右ポケットへスルーパスを送ったカルリーニョス、走り込んだ北爪のクロスはブロックで防がれるも、再度送ったクロスが大外の乾に収まり今度は左ポケットから仕掛け。
忙しなくサイドを動かした末に、戻しを経て放たれた山原のシュートがGK渋谷にセーブされるも、跳ね返りを眼前でブラガが詰めてゴールに突き刺します。
位置的に山原の左足でのシュートはクロスともとれるもので、却って他選手が合わせに前に出る姿勢を誘発できたでしょうか。(手前では北川が合わせにいっていた)

これで2点差となり、その後も清水は14分にカルリーニョスが突破から低いクロス、ニアで北川が合わせる(枠外)という具合にストロングポイントを押し付け。
何とか前に出んとする甲府の裏を突くシーンも数多で、16分には縦パスをカットした山原から、逆に縦パス→乾受けてスルーパス→北川で完全に背後を取り。
そしてエリア内へ進入し、小さいループシュートでGK渋谷を抜いた北川ですが、右ゴールポストに当たりモノに出来ず。
2点目と同じく眼前に詰めたブラガも今度は合わせられずと、得点にはならずも甲府を委縮させるには十分な決定機。

一方の甲府は、15分に村上→武富へ交代した事で微調整。
関口を右サイドバックとした4-4-1の布陣へ代え、前への人数を保つ事で対抗姿勢を取りに掛かります。

しかし19分、ここまで奮闘してきたヘナトが、スライディングで守備をした所で足を攣らせてしまい。
普段以上に稼働していた感が強く、その分限界も早く訪れたという感じでした。
古巣の清水サポーターからの声援にも応えながら、ピッチを去ったヘナト。(今津と交代し、林田がボランチに回り穴埋め)

その後もカルリーニョスの突破力に難儀し、押し込まれる状態を打開できずに時間を消費していく甲府。
25分に地上での繋ぎで敵陣へ運ばんとするも、右ワイドで持った関口はアーリークロス気味のロングシュートを選択せざるを得ず。
ゴールバーを掠めるあわよくばの軌道となりましたが、手法という面では苦し紛れの域を出ないものであり。

25分に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターとなってもやる事は限られる甲府。
その最初の好機(27分)では、敵陣でマクーラがボール奪取に成功し、拾った鳥海から受け直したマクーラがそのまま単騎突撃。
フェイントを混ぜながらエリア内へ進入し、その所為でスリップし転倒してしまうもそれでもキープを果たすマクーラ。
何とか林田へ横パスを繋げたものの、この個での奮闘もシュートには結び付きません。
その直後、後方でのパスミスを突かれて清水のカウンターとなり、カルリーニョスの中央突破からのスルーパスがエリア内へフリーで走り込む乾の下へ。
決定的なシュートが乾から放たれるも、ゴール左へ外れて何とか命拾いと、好循環を僅か一手でフイにされるという流れに。

直後に清水は2枚替え、宮本・カルリーニョス→中村・矢島へと交代。(ブラガが左サイドハーフに回る)
これにより前面に押し出していたカルリーニョスの突破力が無くなるも、矢島を加えてのパスワークが冴え渡る流れへと移行します。

それに対し甲府は何とかプレッシングで対抗せんとしますが、やはり1人少ないという状況を変えられず。
後方でも巧みにかわす清水、時にはボックス内でGK権田もパスワークに加わりながら、数的優位を活かしてプレス回避を果たしていきます。
40分にはGK権田から右へ展開した清水に対し、浮き球パスを受けにいった北爪に荒木が寄せてこぼさせるも、住吉に拾われた事で結局繋がれてしまい。
そして空いていたボランチから運ぶ清水、という具合に何処かに空きが出来る状態はどうにもならず。(その後敵陣でポゼッションによる攻めもシュートは撃てず)
41分に最後の交代を敢行、鳥海→内藤へと代えるも、既にベンチワークで変えられるというものでも無く。

一方清水の最後の交代は38分で、ブラガ・北川→吉田・ヤクブへと2枚替え。
吉田が左SBに入る事で、山原が左SHに回って最終布陣となります。

大きく展開が変わる事無く迎えた最終盤。
44分から長らく最後方でポゼッションを続ける清水、それに対し甲府も関口が前に出て吉田に規制を掛けるなど懸命に対抗しますが、無残な結末に終わり。
住吉ミドルパス→ヤクブ胸でフリックにより一気に裏を突かれ、抜け出した矢島がエリア手前まで持ち運んだ末にラストパス。
そして並走していたヤクブが仕上げのシュートを放ち、止めの3点目を齎しました。

突入したATも、最後の意地を見せんとする甲府を嘲笑うかのように、清水がその裏を突く展開に。
何度もヤクブが脅かさんとし、GK渋谷が前に出てそれを防ぐという際どい守備を強いられます。

そして試合終了の笛が鳴り、3-0で快勝という結果に辿り着いた清水。
群馬・甲府と、監督交代を経て未だ組織力がいささか不透明な相手での連勝であり、その本質は推し量れないものの首位キープしている事実は変わらず。
この日のように受けに回る事無く、流れを維持出来るサッカーを上位相手にも行えるかどうかがカギでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第26節 大分トリニータvsロアッソ熊本

2024-08-15 16:01:53 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の大分の記事はこちら(21節・鹿児島戦、0-3)
※前回の熊本の記事はこちら(24節・千葉戦、2-0)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(山口戦、0-2)は中川アンカーの3-3-2-2(3-1-4-2)だが、そこから微調整しドイスボランチの3-4-2-1に。
  • 吉田がJ1・マリノスから育成型レンタルで加入し、22節(甲府戦、0-0)から登録されて即スタメン出場。
  • 高橋大悟がJ1・町田からレンタルで加入し、前節から登録されて即スタメン出場。
  • 来季加入が内定している宮川(順天堂大)が特別指定選手となり、前節から登録される。

<熊本スタメン>

  • 岡田がJ1・札幌からレンタルで加入し、前節から登録される。
  • 岡崎がJ3・岐阜へレンタル移籍となり、前節(栃木戦、0-2)をもって登録抹消。
  • チーム離脱していた道脇の移籍先が決定し、ベルギー2部・SKベフェレンへレンタル移籍。
  • 東郷が四国・FC徳島へレンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
  • 宮㟢が東海1部・FC刈谷へレンタル移籍となり(以下同文)
  • 酒井がJ3・福島へレンタル移籍となり(以下同文)

クラブ30周年記念マッチという事で(その他、亀祭りなどイベントも絡め)、大分のホーム・レゾナックドーム大分に大観衆が殺到した一戦。
その数実に28,359人と、J2らしさを微塵も感じさせないスタンドの環境となり。

その大分は、30年の間に実に浮き沈みの激しい歴史を歩み。
J2の強豪という位置付けながら中々昇格出来ず、やっと上がったJ1の座を守り通さんとして財政難・クラブ消滅の危機に陥るという具合に、その内容は望んで振り返るべきものとは言い難く。
それでもこうして根強い集客の下地は整い(当然、アウェイの熊本サイドの力も加わりましたが)、その期待に応えたい所ですが果たして。

試合開始から間も無く、ペレイラがボールキープする所反則を受け、右サイドからのフリーキックを得た大分。
ほぼ中盤という位置ながら早くも放り込みを選択すると、跳ね返りを藤原がミドルシュート(枠外)とファーストシュートに辿り着き。
決してチーム状態は良くなく、得点力不足かつ長沢・渡邉(2人で11得点)がベンチ外な状況で、どんな形でも良いからシュートそしてゴールが欲しいという思いが溢れ出たシーンとなりました。

組み立てとしては、基本の3バックから、ペレイラが右サイドバック化する変形を見せての最終ラインでのビルドアップ。
新加入(とはいってもこれが5試合目)の吉田に高い位置を取らせ、矛とする攻撃を目立たせ。

しかし熊本の攻撃サッカーが火を噴き始めるとたちまち劣勢に。
前半4分、右スローインを受けた唐山がそのまま持ち運び、右ポケット奥まで切り込んでシュート。
GKムンキョンゴンがセーブするも跳ね返りをさらに岩下が追撃し、ゴール前で保田がブロックと何とか凌いだ大分。
直後の右コーナーキックでも、サインプレー気味にエリア手前へのグラウンダーでのクロスから上村周がシュート(ブロック)と、直ぐに熊本がフィニッシュを放ちまくる展開へと移行します。

8分またも熊本の攻撃、石川の前進がペレイラに反則気味に止められるも小長谷が繋いでアドバンテージ。
さらに中央での唐山のポストワークも倒されますが、右へのパスが繋がってまたも継続し、大本がカットインからミドルシュート。
しかし野嶽のブロックで跳ね返されると大分がカウンターに持ち込み、右サイドから野村のスルーパスに吉田が走り込んでクロス、ブロックされてCKと激しく入れ替わる攻撃権。

その後熊本がポゼッションを高める流れとなり、こちらの基本は3バック+アンカー(上村周)の立ち位置から、唐山がポストワークを務めに降りて来る所を大本が上がって追い越す形がメイン。
大分は上記の8分のシーンで、果敢に潰しにいくも繋がれた事で、リトリートの意識を高める守備体勢に落ち着いたでしょうか。
熊本は労せず全員敵陣に進入してのポゼッションに持ち込む絵図を増やし、15分にはその状況から左サイドで小長谷を軸としてのパスワークで、受け直した小長谷がエリア内中央へ送ったパスを石川が右へと切り返してシュート。
しかしこれもGKムンキョンゴンがセーブと、前節同様にゴールが遠い状況となり。

続く16分には最後方から、岩下がドリブルで持ち運び野村と中川の2人を剥がすという積極性が見られるなど、人数を掛けて敵陣で展開する姿勢を強めるものの得点には結び付きません。
一方大分も、20分に保田の中央の持ち運びから、右ハーフレーンでパスを受けたペレイラがワイドの野村に託すとそのままオーバーラップ。
吉田のワンタッチのスルーパスに走り込んで、トラップでそのままポケットを突いてグラウンダーでクロス(ニアでキムヒョンウが合わせにいくもオフサイド)と、こちらも積極的な上がりを見せるセンターバック。

スコアレスのまま飲水タイムが挟まれ(24分)、続く第2クォーターも概ね同じ展開に。
しかし熊本が次第にボールを持たされる状況となり、フィニッシュに辿り着けずに時間を潰していき。

後は大分次第という所で、30分にGKムンキョンゴンのロングフィードから、キムヒョンウがフリックで流したボールに鮎川が走り込んで(熊本ディフェンスに遭い)CKに持ち込み。
この右CKで、キッカー野村のニアへのクロスが吉田にドンピシャで合わせるも、放たれたシュートはGK田代が片手でナイスセーブ。
セットプレー一発で仕留めんとしますが果たせず、以降こちらも攻撃リズムの悪さが影響し際立った好機は作れない状況に陥ります。
その結果長らく熊本がボール保持するも、何も起こせず時間が進むという絵図は最高潮に達し。
37~42分の間、どちらも攻撃機会を得れない状態に。

そして終盤、大分がCK→吉田のロングスローと再度セットプレー攻勢に。
先程の吉田のヘディングシュート然り、セットプレー守備が今一つハマっていない風の熊本は、GK田代のパンチングなどで何とか凌ぐ格好に。
それを振り払わんと、その後は素早い前進から石川にラストパスを託す攻めを見せましたが、2度とも彼の手前で遮断されて実りません。

結局0-0のまま前半が終了。
共にハーフタイムでの交代は無く、膠着状態のなかどう動くかも注目の的となり。

そして始まった後半。
熊本は前半同様に攻勢を掛けんとするも、その流れは今一つ。
前半に比べて積極性を増した大分のディフェンス、前線五角形で果敢に熊本の最終ラインに規制を掛けにいきます。
対する熊本、その内側に上村周が位置取り、あくまで3CB+アンカーの姿勢で抗戦。
上村周がパスを引き出しつつはたくも、結局はロングパスに頼る事となり。
そこでターゲットとなるべき唐山ですが、収められないというシーンが目立つなどこの日は不調気味。

それに伴い大分が攻撃機会を増やし。
後半5分保田が上村周のプレッシャーで倒されるもそのままキープ、起き上がってドリブルに入った所を今度は石川に倒されるも、鮎川がレイオフで繋いだためアドバンテージ。
中川→野嶽へのスルーパスが繋がらずに終了するも、熊本の前進をゲーゲンプレスで阻み、野村が奪取して再度攻撃。
その野村に対しても藤井が激しくアタックして倒してしまい、こぼれ球を中川が繋いで継続と、前半とは一転して熊本が反則紛いのディフェンスも止められないという流れに。
その後保田のミドルシュートが放たれ、江﨑のブロックで左CKとなると、キッカー保田のクロスは直接ゴールへと向かう軌道となり。
安藤が合わせに圧を掛けるなかGK田代がパンチングで弾き、さらに右ポケットからの縦パスを跳ね返した所を吉田がシュート(枠外)と、数多フィニッシュを浴びた事で劣勢さが浮き彫りになります。

このまま決壊しかねない所でしたが、7分に藤井がスパイクの異常が起こり(紐が切れたとの事)、交換のためブレイクが挟まれ。
落ち着きを取り戻した熊本は、その後大分の前線の守備に対しては意地を張らずに上村周を経由しない攻撃に活路を見出し。
12分、右ワイドの大西から縦パスを受けた藤井、そのまま自身もワイドを前進に入り大本とのワンツーで野嶽を剥がして切り込み。
そしてカットインでポケット奥を突いてマイナスのクロスを送ると、中央でフリーで受けた岩下がシュートと決定機を作りましたが、これも吉田のブロックに阻まれゴールならず。
1点もののディフェンスを果たした吉田が気合のガッツポーズを見せるなど、大観衆のなか勝利に辿り着かんと奮戦する大分選手。

その作り上げたムードの通り、攻め込む大分。
主に右サイドから、ペレイラの上がりを利用しながら前進し、スルーパスで奥を突くも肝心のクロスはブロックに遭い不発が続き。

一方後半は一転して、攻撃機会の差で後手に回る事となった熊本。
唐山が無理にドリブル突破を図り、藤原に止められるなど折角のアタッキングサードでの展開も好循環を齎せず。
やはりベンチも先に動き、20分に藤井→神代へと交代。
石川がトップ下に回り、ポジションチェンジも絡めて流れを変えんとします。

22分大分が最後方から組み立て、GKムンキョンゴンが野嶽へ縦パスを通し、その戻しを中川がワンタッチでミドルパスを送って前進に成功。
鮎川・キムヒョンウを経由し、野村が中央を前進してエリア内へ決定的な縦パスを送ったものの、受けた保田はフリックか(右に居たペレイラへの)ポストプレイか中途半端なトラップになってしまい実りません。

これで流れが再度熊本へ移り、敵陣でボール保持する状況を作り。
そして24分、最後方への戻しからのパスワークを経て、左からの前進を選択して岩下のスルーパスに走り込む小長谷。
入れられた低いクロスは、GKムンキョンゴンの正面に飛んだものの、あろう事か戻ってクリアせんとした安藤がゴールに入れてしまうオウンゴールに。
これが大観衆故の緊張か、ないしはコーチングが聞こえなかったのか、痛いミスといえる失点になってしまった大分。
一方貴重なリードを奪った熊本、同時に飲水タイムが挟まれます。

ブレイク明けのキックオフで再開、苦しい状況となった大分はGKムンキョンゴンがロングフィード→キムヒョンウがフリックと、コリアンコンビの黄金連係でアタッキングサードに運び。
そこから左ポケットに持ち込むも、鮎川のキムヒョンウへの横パスはカットされて実らず。
その後中川のパスミスから好機を作る熊本、小長谷がドリブルで左ポケットを突くと、中央の神代へ横パスを送るもこちらもカットされ。

今度は大分が流れを変えたいという状況で、選んだ手段は一挙3枚替え。
野嶽・野村・キムヒョンウ→宇津元・高橋大・伊佐へと交代します。
なお伊佐はFWでは無くシャドーに入り、鮎川がトップに回り。
これを見た熊本も31分、大本・小長谷→黒木・松岡瑠へと2枚替え。
一瞬、黒木が最終ラインに入る事で岩下がウイングバックに回るという采配が過ったものの、黒木がそのまま右WBに入りました。

32分に再度大分の左CK、キッカー保田はまたもゴールへ向かうクロスを送り、中央で安藤が跳んで圧を掛けにいくもGK田代がパンチング。
掻き出されたボールは、高橋大が右ワイドからカットインを経てミドルシュートとフィニッシュに繋げ、大西がブロックで防ぐも尚も攻め続ける大分。
後方からの放り込みで、エリア内で空中戦に持ち込むと、クリアボールを拾ったペレイラがミドルシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
36分には今度は流れの中で、中央でボールキープする保田が松岡瑠のプレスバックで倒されかけるも、踏ん張ってアドバンテージとなり鮎川とのワンツーで前進。
そして並走する鮎川へ横パスを送り、ペナルティアークからシュートが放たれましたが、これも左ゴールポストを掠めて枠外と「惜しい」の連続。
(33分に藤原→デルランへと交代)

交代策が交わった事で大分へと針が振れ、劣勢を強いられる熊本。(36分に石川→大崎に交代、唐山がトップ下・神代が右ウイングに回る)
39分に大分のCKからの攻めを凌いでカウンターに持ち込み、神代のスルーパスを受けた大崎がエリア内でシュートするも、吉田のブロックに阻まれ。
その姿は堅守速攻のようにも映り、最早普段の攻撃サッカーを貫ける状況では無く。
そしてその布陣が決して「堅守」とはいえない点が、綻びに繋がる事となり。

41分、GKムンキョンゴンのロングフィードで一気に左奥を突き、追い付いた宇津元がクロスに辿り着いた事で再び左CKに。
キッカー保田は三度ゴールへ向かうクロスを送り、今度はニアサイドで合わせにいくボールとなりますが宇津元・デルラン共に触れず。
しかしそのまま流れた結果ボールはバウンドを経てファーサイドに突き刺さり、とうとうこじ開けて同点に追い付いた大分。
熊本は前半から見られていたセットプレーの対応の拙さが、最後まで修正できずの失点となってしまいました。

キックオフの前に中川→小酒井へ交代し、尚も前へ向く姿勢を高める大分。
熊本はそれを突くように44分に好機を迎え、右から黒木のクロスが跳ね返されるも、拾った保田から大西がボール奪取して再度攻撃。
そして唐山がエリア内へ進入してシュート(安藤がブロック)と好機を作るも、結局これが最後のフィニッシュとなり。
以降運動量の衰えにより、オープンになる守備はおろか、攻撃もロングボール偏重の単調さが目立つばかりとなります。

そして突入したAT、勢いは完全に大分のもの。
勝負を分けたのは自陣からのFKで、GKムンキョンゴンの右への放り込みを安藤が折り返し。
さらに伊佐の浮き球パスが中央のペレイラに渡ると、ペレイラは逆向きでDFを背負ったまま、ゴールを見ずにそのままヒールでシュートを放ち。
これがゴール左へと突き刺さるフィニッシュと化し、誰もが予想外な形でもぎ取った勝ち越し点に歓喜に沸く大分サイド。
ユニフォームを脱いでゴール裏スタンドに向かったペレイラ(当然ながら警告)に他選手が殺到して祝福と、大観衆の終結が実を結ぶ絵図になるレゾナックドーム大分。

その後も形にならない熊本の攻撃を尻目に、クリアと敵陣でのボールキープに勤しみ時間を進め。
そして無事に試合終了の時を迎え、ホームでは実に5節以来の2勝目(鹿児島戦、3-0)となった大分。
それだけ今まで不本意なシーズンだったという証明でもありますが、この大成功の一日が転換期となるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第26節 レノファ山口FCvs栃木SC

2024-08-13 16:23:39 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の山口の記事はこちら(23節・鹿児島戦、1-0)
※前回の栃木の記事はこちら(21節・千葉戦、2-1)

<山口スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 本来のチームカラーはオレンジだが、「まちじゅうエヴァンゲリオン」のイベントとのコラボで紫がメインカラーに。
  • 加入決定していた酒井・奥山・下堂・ユーイェンが24節(秋田戦、0-1)から登録される。酒井は即スタメン出場。
  • 移籍決定していた梅木・加藤が24節をもって登録抹消。
  • 今井がJFL・高知ユナイテッドSCへ完全移籍となり、前節をもって登録抹消。(7/23をもってチーム離脱)
  • 22節(水戸戦、1-1)で負傷交代したシルビオ・ジュニオールが、リハビリのため母国(ブラジル)へ帰還。
  • 磯谷(福岡大)の来季加入が内定し、後日特別指定選手となり前節から登録される。

<栃木スタメン>

  • 坂がJ1・ガンバから完全移籍で加入し、24節(岡山戦、1-1)から登録されて途中出場、前節(熊本戦、2-0)からスタメン出場。
  • 玄理吾が徳島からレンタルで加入し、25節から登録されて途中出場。
  • 山本桜がJ1・柏から育成型レンタルで加入し、今節から登録されてベンチ入り。
  • GK中島がJ1・磐田へレンタルバックで復帰となり、24節をもって登録抹消。

プレーオフ圏以上の位置に居るクラブで、異彩を放っているのが山口。
前年の残留争いから状況を一変させたその姿は、観ている者の心を打つとともに、一年一年が勝負というスピードの速さを示すものであり。
シーズン中にも大規模な移籍期間が挟まり、目まぐるしく変わる編成に付いていく必要性が生まれるサッカー界。
2018年に上位に着けていた際は、それに付いていけずに主力(小野瀬)の引き抜きが絡んだ結果昇格争いから脱落してしまう苦い経験もありましたが、今季はどうなるか。

その山口の立ち回りは、中断期間が挟まった事もありビルドアップの形は非常に流動的に。
これまでは新保を高い位置に上げた左肩上がりがメインとなっていましたが、新保が最終ラインに残ったまま攻撃を始める機会が膨らみ。
一方で逆サイドの前はただ上がるのでは無く、「偽サイドバック」的に絞る位置取りをメインとし。
これらを基本としながら、時には前・新保の両者がワイドを上がり、ボランチが降りての3枚という具合に様々なものを使い分け。
栃木のハイプレスに対し的を絞らせないという思惑なのは明らかで、その通りに立ち上がりはロングパスを交えながらのプレス回避がメインとなりました。

そのため、ボールを持たされる時間が必然的に増える栃木。
前半6分、山口は前に出た新保へロングパスを送るも、森のヘッドでの跳ね返しを繋いで逆に栃木の攻撃に。
宮崎の落としから敵陣でボール確保し、坂が後方から上がり押し込みを図りましたが、その坂のエリア内への浮き球パスが合わずに終わり。
地上での繋ぎはクオリティに欠け、山口のSBが上がる隙を突かんとしてもどうしてもスピードが遅れる破目となり。
ならばと9分、クリアボールを拾った青島がそのまま中央突破を敢行、山口のドイスボランチの間を抜いた末にバイタルへ。
ヘナンに止められて実らずも、突破力に優れるボランチという異色の能力を発揮しに掛かるこの日の青島。

地上でのビルドアップに勤しむ栃木に対し、当然ながら山口はサイドハーフの片割れが最前線に出てのプレッシングを敢行。
それに伴い、栃木のウイングバックに対してSBが果敢に前に出て規制を掛ける姿勢を取り。

これにより栃木は中々前に運べなくなり、状況的に山口有利か……と思っていた所で迎えた17分。
山口が地上から繋ぐ局面になると、最終ラインに降りた相田→佐藤謙への間を通すパス出しが読まれ、プレスバックした奥田により全方位を囲まれる状態となった佐藤謙。
そしてワンタッチでのバックパスがその奥田にカットされて栃木がショートカウンター、スペースを突いて前進し左ポケットに進入した奥田に詰めにいった山口ディフェンスですが、逆に空になった中央へのパスが通ってしまい決定機に。
そして神戸はさらに横パスを選択と、細かく繋ぎきった末に大島がダイレクトでシュートしてゴールゲット。
本来の得意手であるハイプレスが突如襲い掛かる格好で、先制点に辿り着いた栃木。

思わぬ流れでリードを許した山口。
キックオフから、戻し→ヘナンが止める→板倉が左に開いた酒井へロングパスと、試合開始時と全く変わらぬ手法を取るもペースは握れず。
長らく好機が作れない時間も出来る(18分~22分)など停滞感が極まったものの、23分に相田のロングスローからの二次攻撃で、新保の左奥からのクロスをニアで河野がダイビングヘッドで合わせ。
GK丹野にキャッチされるも、期待感を持って飲水タイムが挟まれ(24分)第2クォーターに突入します。

これで冷静さを取り戻したか、26分に栃木のハイプレスを突き、板倉ミドルパス→吉岡落としでWBと左センターバックの裏を取って若月が右サイドをドリブル。
そして右ハーフレーンから一気にエリア内を突き、入れられたクロスに対し走り込む酒井の手前でスライディングでクリアに入った坂。
しかし体勢悪く、ゴール方向に蹴る格好となりオウンゴールと、完全に崩された故に仕方が無いという絵図になりました。
ブレイク明けから間も無く、すかさず追い付いた山口。

その後も山口は、この栃木の裏を突く攻めを徹底し。
32分に若月を走らせるロングパスが跳ね返されたのち、右からの攻めに切り替えると吉岡スルーパス→走り込んだ前がスルーパスと、連続スルーパスでまたも裏を狙ったものの酒井には合わず。
一見有効打に見えましたが、素早い攻めを意識する以上精度に欠く面もあり攻撃機会は膨らみません。

逆に栃木はボールゲインを頻発させて好機を量産しに掛かるも、こちらもフィニッシュまでは持ち込めず。
しかしサイド奥へと持ち込む流れは構築しつつあり、43分に左ポケット奥へ進入した神戸により、左コーナーキックへ持ち込み。
キッカー青島のニアへのクロスを大島がフリック、ゴール前に浮いた所をGK関が福島の手前で何とかパンチング。
しかし尚も攻めを続ける栃木、右からの奥田のダイレクトクロスも流れるも左で拾って継続、戻しを経て手前からの(大森の)クロスを選択。
急角度で上がったこのクロスに、GK関は再度パンチングにいったものの、ヘナンと被ってしまい掻き出せず。
そしてこぼれ球をファーサイドで待ち構えていた宮崎がボレーでしっかり合わせ、ヘナンのブロックも及ばずゴールに突き刺さり。
鉄壁を誇っていた山口ディフェンスの綻びもあり、再度リードを奪いました。

これで前半を終えたかった栃木。
しかし突入したアディショナルタイム、山口は最終ラインから地上で栃木のプレッシングをかわし、右サイドからアタッキングサードに持ち込み。
前のクロスは跳ね返されるも、拾って再度仕掛け、今度はスルーパスで奥を取った末に若月のクロス。
この低いボールをニアで跳び込んだのは前と、「偽SB」の本領発揮というシーンになりましたが、彼を越えて中央に流れた所を河野が森と交錯しながらも合わせ。
そしてゴールネットが揺れ、またも低く鋭いクロスにより同点弾が齎されました。
その後山口ペースとなるも、時間が足りずに2-2のまま前半終了。

良いムードで後半を迎える事に成功した山口は、入りから積極的に仕掛け。
裏狙いで栃木の最終ラインを脅かすも、2度オフサイドを取られ不発となり。

後半も流動的な最終ラインからビルドアップを図る山口ですが、縦関係となるボランチ同士のパス交換が目立つようになり。
1失点目に繋がったこの動作をブレずに交えるという具合に、サイド攻撃が中心ながら、あくまで中央を意識させる事に努めていた感がありました。
一方栃木は、テンションを上げて襲い掛かる山口のプレッシングの前に、前半とは一転して好機を作れない状況に。

今度こそ優勢となった山口ですが、統制取れたサッカー故に消耗も激しく、先んじてベンチが動き。
後半9分に若月→野寄と交代し、河野がFWにシフトとポジションチェンジを絡めた采配。

尚も攻勢を保つ山口は、11分からCK→相田ロングスローとセットプレーで押し込み、後者の二次攻撃で左サイドから新保のクロス。
そしてファーサイドでヘナンが折り返し、河野へチャンスボールが上がるも撃てず、さらにヘナンが合わせにいったところ平松と交錯してしまい反則で終了に。
両者倒れ込み、平松は頭部から出血するという具合に、(褒められたものではありませんが)猛攻に対し無傷で凌ぐ事が出来ず仕舞いの栃木。

そして18分、右からまたも相田がロングスローを入れ、一気に中央まで飛んだ所を河野が収める絶好機に。
何とか掻き出すも、ミドルシュートにいった前と奥田が交錯する格好となり、両者倒れ込んだものの奥田の反則に。
結果山口の直接フリーキックで継続と、攻撃を浴び続けてしまいます。
このFKは新保が直接狙い、ゴール右へ外れて何とか命拾いとなるも、反撃の手段も雰囲気も無く。

当然ながらベンチが動く栃木。
早い段階で動く姿勢は取っていたものの、山口のセットプレーが続く展開もあり間を置いた結果、22分に大森・奥田→小堀・南野へと2枚替え。
WBを1人削る格好で、誰が右WBに回るかと思っていた所、小堀がそのまま務め。(森が左に回る)
これまでFWかシャドーという小堀の役割でしたが、適応力が試される事に。

一方それを見た山口ベンチは、24分に一挙3枚替え。
吉岡・河野・酒井→奥山・小林成豪・山本駿と、前線の駒を一気に代えに掛かりました。

直後の25分、これらの要素が交わって試合が動きます。
GK関からの組み立てでヘナンが左へ展開すると、小堀はハーフレーンの相田に付いたために新保がフリーとなってワイドで受け。
そしてスルーパスが山本駿へ供給されると、そのまま左ポケットまでドリブルで進んだ末にグラウンダーのクロスが送られ。
中央で走り込む小林成の手前で福島がスライディングでクリアに入るも、またもゴールへ入れる格好となる、1点目を左右対称としたかのようなオウンゴールに。
懸念の小堀の所で綻びを見せてしまった栃木により、この試合初めて山口がリードを奪いました。

追い掛ける立場となった栃木、最終ラインからの組み立てに活路を見出す他無く。
これに対し山口は依然としてハイプレスを掛けるも、燃料補填したはずの前線が反則を量産する流れとなり。
その中で、31分に青島を後ろから倒してしまった野寄が警告を受け。
これで受け身にならざるを得なく、その意識が、33分にゴールキックでの再開が遅れてしまいGK関が遅延行為で警告と更なる被害を生み。
しかもベンチの不満も噴出した結果、中山元気コーチまでも警告を貰う破目になり、建て直しを図るべき状況に陥ります。

35分に栃木が動き、青島と宮崎に代えて玄・山本桜の補強選手を揃って投入。
すると山口もこれを見て最後の交代、佐藤謙→キムボムヨンへと代えるとともに、3-4-2-1へとシフトする守備固めの体制を採りました。(前がボランチに、野寄が右WBに回る)

攻撃はシンプルで、跳ね返しが巧く繋がれば……という意識へシフトした感のある以降の山口。
しかしそれが最大の結果に繋がり、37分相田のクリアボールに走り込んだ奥山により、栃木はタッチラインに逃れるもまたも相田のロングスローからセットプレー攻勢に。
またも中央まで投げ込まれる飛距離の長いスローから、ヘナンがヘッドで浮かせた所を山本駿がボレーシュート。
綺麗に仕留めたかに見えましたが、距離を詰めたGK丹野が足でセーブし、さらにヘナンの追撃のシュートも福島がブロックと防いだ栃木。
それでも右CKで継続した結果、キッカー新保のクロスが直接ゴールに向かい、GK丹野はキムボムヨンと競り合いながら何とかセーブ。
しかし大きく弾けず、ゴール前での乱戦となった末に、拾った小林成のシュートがゴールネットを揺らします。
守備重視の布陣から、まさかの追加点でリードを広げた山口。

心を折られるような失点ですが、諦めは許されない栃木。
41分に最後の交代を敢行し、大島→石田。
石田が右WBに入るかと思われましたが、距離が遠かった事かつ山口の左スローインで再開だったため、当初はそのままシャドーに入った石田。
しかしその1分後には入れ替わり、石田右WB・小堀シャドーとなって最終布陣に。

地上で繋がんとしても、5-4-1でリトリートする山口ディフェンスの前に崩しは厳しく。
突入したAT、ならばと平松クリア→小堀フリック→山本桜ヘッドから収めと空中での繋ぎから好機を作り。
玄とのパス交換から右ポケットへ切り込みシュートを放つ山本桜、ブロックされるも拾い直し、尚も右奥からクロスと劣勢のなか奮起を見せる新戦力。

そして最終盤のAT+5分、左スローインからの細かな繋ぎで、左ポケットへのパスを受けた山本桜。
そのまま強引に奥へ切り込み、キムボムヨンを剥がした末に放ったシュートがGK関のニアサイドを破ってゴールに突き刺さり。
土壇場で1点を返し、望みを繋ぎに掛かります。

しかし流石に時間が足りず、再開後暫くしてそのまま試合終了。
4-3で乱打戦という一見のスコアですが、シュート数は9対6に留まり。(オウンゴール2つが絡んだのもありますが)
山口にとってはヒーロー物とのコラボに相応しい、数少ない好機を一気呵成にモノにしての勝利といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第26節 いわきFCvs愛媛FC

2024-08-12 16:00:52 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回のいわきの記事はこちら(24節・山形戦、2-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(22節・熊本戦、0-4)

<いわきスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 大森が累積警告により出場停止。
  • 柴田がJ1・湘南から育成型レンタルで加入(J3・八戸からレンタル先変更)し、今節から登録される。
  • 熊田がJ1・FC東京から育成型レンタルで加入。(ベルギー・KRCヘンクでレンタル終了、登録はまだされていない)
  • 坂元が東北1部・ブランデュー弘前FCへ育成型レンタル移籍し、前節(秋田戦、2-0)をもって登録抹消。
  • パクジュンヨンが双方合意の上で契約解除。
  • 鏑木がJ3・八戸へレンタル移籍となる。(登録抹消はまだされていない)
  • 加藤大晟(鹿屋体育大)の来季加入が内定し、同時に特別指定選手となり前節から登録され即途中出場、今節もベンチ入り。
  • 加入内定していた山内(仙台大)が特別指定選手となり、今節から登録され即ベンチ入り。

<愛媛スタメン>

  • 前節(徳島戦、0-1)退場となった石浦が出場停止。(2試合の1試合目)
  • 浦がJ1・神戸から育成型レンタルで加入し、23節(群馬戦、0-4)から登録され以降毎試合途中出場を続ける。
  • 山口竜弥が徳島へ完全移籍し、今節をもって登録抹消。
  • 武藤(中京大)が2026年から加入内定し、同時に特別指定選手となり前節から登録される。

中断期間を挟み、本格的に昇格へ向けた戦いへと突入したいわき。
経験も予算規模も劣るなかで、クラブ一体とならなければ目標を達成するのは難しく。
編成面での動きは尚も活発で、この試合の前日に熊田の加入が発表される(今節には間に合わず)など、レンタルながら有力な補強を敢行して文字通りの一体感を生み出さんとしています。
その姿は、パワフルなフィジカルを前面に押し出して走り抜けるピッチ上のスタイルそのものといった所でしょうか。
「降格しないように戦う(感からの脱出)」という大倉智社長の理念がまさに現実化せんとしており、厳しいと言われていたJ2での戦いも2年で……という衝撃の展開は果たして実現するかどうか。

そんな文字通りのフィジカルモンスターと相対する事となった愛媛。
試合の入りは当然ながらロングボールによるプレス回避が中心となり、相手の脅威とともに、自身の出場停止・移籍が絡み大幅なメンバー変更を余儀なくされている苦しさを醸し出し。
しかし前半2分、そのプレスを受けつつのGK辻のフィードを菊地フリック→曽根田落としと繋ぎ、曽田が溜めを作ってのスルーパスを追い越して受ける曽根田。
そして右ポケットへ進入してシュート(ゴール左へ外れる)と、相手の隙を突いてあわよくば……という理想の展開が顔を出しかけます。

システム的には、愛媛は4-2-3-1時代からの名残である、右ウイングバックとなったパクゴヌを前に押し出しつつ尾崎がサイドバック化する(攻撃時)という可変式。
一方のいわきは、守備時に同じく右WBの加瀬がハイプレスに参加する事で、4-4-2の布陣で守る風にも見受けられ。
ともに右WBが肝となるようなシステムで、オリジナルフォーメーションと同様にミラーゲームの雰囲気を漂わせます。

しかし実際のピッチ上では、とにかく少ない手数で相手の裏を突くという攻撃が目立ち。
9分に愛媛のロングパスを跳ね返したボールを、山口がワンタッチで裏を突くミドルパスを送っていわきの好機。
収めた有馬が左ポケット奥まで切り込んでクロス、跳ね返りを拾い繋いだ末に、ミドルシュートを放ったのは最終ラインの堂鼻。(GK辻キャッチ)
アバウトな攻めから全体を押し上げた末のフィニッシュと、いかにもフィジカルで相手を押し込むスタイルに相応しい絵図となり。

対する愛媛はコーナーキックでのサインプレー(15分、ユイェチャンがエリア手前へライナーでクロス→菊地ボレーシュートもミートせず)などで対抗姿勢を見せるも、それが逆にいわきのセットプレー攻勢に屈する流れを呼び込んでしまったでしょうか。
以降CK、サイドからのフリーキック、五十嵐のロングスローをふんだんに使ういわき。

そして21分、クリアボールを拾った谷村のスルーパス一本で、最終ラインの裏を取った有馬がエリア内で受けるという手数の少なさ極まれる好機。
放ったシュートはGK辻にセーブされ、尚も拾い直して辻との一対一を継続させるも、撃てずにこぼれた所をクリアされ。
決定機も実らずとなる所を、五十嵐のロングスローで継続させ、ニアでの堂鼻のフリック(と思われたがDFに当たったボールが綺麗なフリックとなる形)を経て谷村がヘディングシュート。
ゴール右へと突き刺さり、パワーサッカーの神髄を如何なく発揮しての先制点に辿り着いたいわき。

追う立場となった愛媛、25分にトランジションの部分で曽田がボール奪取すると、拾った窪田のドリブルで一気に左ポケット奥を突くこちらも手数の少ない攻撃。
そして送られた低いクロスに、中央で曽根田が走り込むも僅かに合わずと鋭い槍を見せ付けた所で飲水タイムに突入します。
尚ブレイク明けに、いわきは左右のセンターバックの位置を入れ替え、前節と同じ堂鼻=右・石田=左という布陣に。

いわきの自陣深めからの左スローインで再開も、圧力を掛けて自身の右スローインに変えた愛媛。
そしてエリア内へ投げ入れたボールを窪田がワントラップからシュートに持っていき、ブロックされて右CKに。
キッカー・ユイェチャンのクロスを尾崎が合わせヘディングシュート(ゴール上へ外れる)と、セットプレーでやり返す流れを構築しに掛かり。

しかし流れの中では、依然としていわきの圧力に屈する絵図を変えられず。
以降全く攻撃機会を得れない展開に突入し、またもいわきが五十嵐のロングスローを使いながら攻め続ける状態に。
苦境ななか、37分には小川が最終ラインからユイェチャンとのワンツー→自身で持ち運びとそれを跳ね除けんとするも、逆に奪われて危機を招き。
ボール奪取した谷村のスルーパスを西川が受けて右ポケットへ切り込みと、またもスルーパス一本での好機が生まれる(すかさずシュートもブロック)という具合に、厳しさを拭えません。

このままでは大量失点で負けかねない所でしたが、39分にそれを塗り替える一撃が。
GKからの繋ぎで、いわきは(1トップの有馬以外)ハイプレスに出れない所を、石渡が持ち運びを経て最終ラインの裏を突くミドルパス。
そして走り込んだ曽田がエリア内からダイレクトでシュートを放つと、豪快にゴール左上へと突き刺さり。
まさにワンチャンスをモノにする格好で、同点に追い付いた愛媛。

スコアはイーブンになり、いわき圧勝の流れは堰き止められたものの、展開自体は変わらず。
直後の40分にロングパスのセカンドボールを拾いバイタルを突く好機となると、山口が右からのカットインを経て、ミドルシュートをコントロール重視で放つも枠を捉えられず。
44分には自陣左サイドで山口がパスカット、ゲーゲンプレスを掻い潜った末にサイドチェンジで加瀬に渡っての好機。
そして中央へ縦パス→谷村ポストプレイを経て、堂鼻が石渡と交錯しながらもキープを果たしてミドルシュートを放つも、ゴール右へと外れ。

相変わらず愛媛がいわきのスタイルへの対抗姿勢を示すなか、アディショナルタイムにはGK立川からショートパスで繋ぎプレスをいなす等、変節を見せに掛かるいわき。
その際左サイドで五十嵐がパスを引き出し、パクゴヌのアタックで倒されながらも繋ぎを果たすという具合に、本来の持ち味である(と個人的に思っている)ビルドアップ能力が顔を出し。
6節(山形戦、0-0)でも見られたその能力は、果たしてチームに更なる高みを齎すものとなり得るかどうか。

かくして同点のまま前半が終わり、共に交代無く後半に。
しかし接近する台風5号の影響か、30分頃から左→右方向への風が強まるという変化が起きていたピッチ上。
後半は愛媛が風上に立つ状況でのスタートとなりました。

それを利用したロングボール攻勢で、入りから優勢に立つ事に成功。
左サイド深めでのスローインに持ち込んだ早速の後半1分、ユイェチャンのクロスはブロックされるも、こぼれ球を繋いだ窪田が左ハーフレーンからミドルシュート。(GK立川キャッチ)
3分にもGK辻のロングフィード、これが曽根田の頭を越えるといういかにも風の影響を感じさせる絵図から繋がり、右ハーフレーンで拾った曽田がカットインを経てミドルシュート。
ゴール左へ惜しくも外れるも、立て続けのフィニッシュでムードを高めに掛かる愛媛。

しかし4分のいわき、前半終わり間際に見せた地上での繋ぎで敵陣へ持ち込むと、右サイドでパスを受けた加瀬が菊地に倒されて反則。
これが頭部に腕が入るというチャージで、いわきサイドはカード無しに終わった事で不満を露わにする一幕が見られると、このFKでの位置取りを巡っても五十嵐とパクゴヌがやり合い注意が与えられ。
そしてこのワイドからのFK、キッカー山下のクロスがニアに低く入ると、堂鼻が身を屈めての強引なフリックでゴール前へ浮き上がるボール。
そして有馬が跳び付くも合わせられず、乱戦となりましたが結局フィニッシュには繋がらず終わります。

それでも流れを変える効果はあり、前半同様のセットプレー攻勢で押し込むいわき。
7分に右奥からのスローインで戻しを経て逆サイドに運び、石田が左ハーフレーンから果敢にミドルシュート。
GK辻も虚を突かれて反応できずのフィニッシュとなるも、惜しくも左サイドネット外に終わり。

結局後半も、愛媛が押し込まれ続ける展開と化し。
入りの愛媛ペースも、所詮は風を味方にしての流れといった感じであり、9分にも敵陣からの戻しを経てGK辻のロングフィードが一気に最前線のパクゴヌへ。
そして右奥からダイレクトでクロス、ニアに走り込んだ曽田が受けるも収められずと、いわきのプレッシャーを掻い潜るべくの少ない手数と激しい上下動に頼った攻めを繰り返すしか無く。
直ぐにボールを相手に渡してしまい、必然的にいわきの攻撃機会も膨らむ事に。
12分に堂鼻のミドルシュート(枠外)、14分に加瀬のクロスから五十嵐がヘディングシュート(枠外)と、ひとしきりフィニッシュが重ねられ。

16分のいわきの攻撃、五十嵐のライン際での芸術的な浮き球の収めから、そのままラフに裏へとロビングを送るという、繊細さと強引さが重なったようなプレーからアタッキングサードでの展開。
左ポケットから石田クロス→有馬ポストプレイ→西川の流れは遮断されるも、右サイドで継続して加瀬の低いクロスがまたも有馬の下へ。
放たれたボレーシュートは谷岡がブロックして防ぐと、石渡が拾った事で一転愛媛のカウンターとなり。
しかしこの際も裏へのロングパス→跳ね返りを拾うという流れで、いわきの戻りを受けて窪田のミドルシュート(GK立川キャッチ)と、ボックス内を突くには至りません。

17分には石渡が有馬に頭部にチャージされ出血と、絵柄的にもいわきの圧力に傷付く格好となる愛媛。(石渡は20分に復帰)
その後もいわきの攻撃に晒される展開で、22分にはいわきの自陣からのFKで、生駒のロングパスが直接エリア内の有馬に収まるという好機に。(その後のシュートは枠外)
常に集中力が試される厳しい状況を強いられます。

25分となり飲水タイムには格好の時間帯となった所で、いわきベンチが動き西川→加藤大。
しかしここでは挟まれず、その後いわきの攻撃が途切れた所でようやく挟まれ。(26分)

明ける際に愛媛ベンチも動き、曽根田・窪田→舩橋・茂木へと2枚替え。(舩橋がFWに入り曽田がシャドーに回る)
文字通り流れを変えに掛かったものの果たせず、押し込んだいわきは五十嵐のロングスローで立て続けにボックス内を突きに掛かり。
その2本目、クリアボールを繋いで舩橋がドリブルに入った事でカウンターに持ち込む愛媛ですが、またもいわきの戻りを受け遅攻に持ち込まれ。
何とか右ポケットに曽田が切り込むも、クロスを跳ね返されると逆にいわきのカウンターを誘発し、縦パスを受けた加藤大が中央をドリブル。
これをユイェチャンが彼を倒して止めるも、反則無しという結果に再度いきり立ついわきサイド。

矢印が常に前を向いているような相手だけに、乱戦に持ち込んで何とか決められれば……というのが愛媛の思惑だったでしょうか。
30分、ロングパス→跳ね返りを拾っての敵陣からの攻撃で、右奥からパクゴヌがカットインでポケットへ進入。
そしてマイナスのクロスに石渡がニアで合わせるという、先程のシーンで冷静さを欠くいわきの隙を突くような好機が生まれましたが石田がこれをブロック、更に曽田が拾うも撃てずに終わり。

ゴールしか観てないというような、終始攻勢を見せるいわきでしたが、32分に加瀬が足を攣らせてしまい。
流石にここではボール保持から戻してストップさせに掛かり、担架で運ばれる加瀬に代わって坂岸が投入されます。(五十嵐が右WBに回る)

推進力に長けた加瀬が退いたものの、展開は大きく変わらず。
相変わらず攻め手に欠く愛媛に対し、36分にはそのロングボールをクリアした谷村が、加藤大のフリックに走り込んでそのままダイレクトでエリア内へスルーパス。
有馬が走り込んで決定機になりかけた所を、ユイェチャンが戻って何とかクリアと、乱戦の負の影響が露わになり始め。

そして37分、いわきは最終ラインからのパスワークで右へ展開したのち、五十嵐がサイドを突破してクロス。
ニアで跳び込んだ有馬には合わずも、その奥でクリアにいった谷岡がミート出来ず、逆方向にボールが向かった結果左ポスト内側を叩いてゴールイン。
積み上げられたダメージが、最後はオウンゴールという形で現れる格好となりいわきが勝ち越しに成功しました。

ここから点を取らなければならない愛媛、38分にパクゴヌ・曽田→浦・佐藤へと2枚替え。
パクゴヌが退いても、攻撃時に浦が最前線まで上がるシステムは継続し、何とか活路を見出さんとします。

依然として苦しい状況で唯一の決定機は42分に訪れ、右からの前進と見せかけて中央を狭い距離間のショートパスで繋ぎ、菊地がエリア内を突いて好機到来。
そして佐藤が左ポケットへ流れ、ヒールパスからユイェチャンのクロスが上がると、クリアが小さくなった所を中央で舩橋が収め。
そこにすかさずスイッチのように茂木が跳び込んでヘディングシュートを放ちましたが、ゴール右へと外れてしまいモノに出来ず終わってしまいました。
(直後に菊地→谷本へと交代)

その後も諦めずに攻める愛媛でしたが形にならず、そのままATへ突入。
いわきが着実に時間を使っていくなか、ライン際で谷村が足を攣らせて倒れ込み、そのまま交代準備が出来ずピッチ外へ出る事を余儀なくされ。
しかし10人のままボール保持し、五十嵐が茂木のチャージを受けて反則・警告と、このアクシデントにも冷静に対応。
そしてブワニカを投入すると、そのブワニカが敵陣奥でボールキープし時計の針を進めていくという具合に、勝利への進軍を崩さないいわき。

結局愛媛が一度も好機を作れないまま、試合終了の笛が鳴り。
しっかりとホームで勝ち点3を確保したいわき、昇格圏外での最上位(7位)に着けるその立ち位置は、他の上位クラブからさぞ不気味に映る事となる……といった所でしょうか。

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