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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第33節 鹿児島ユナイテッドFCvs水戸ホーリーホック

2024-10-01 16:00:49 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(29節・甲府戦、0-1)
※前回の水戸の記事はこちら(31節・栃木戦、3-2)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 岡本が累積警告により出場停止。
  • GK大野がオーバートレーニング症候群との事で離脱中。

<水戸スタメン>

  • GK本間が今季限りでの引退を発表。

テールエンドをひた走ってしまっている群馬が、ついに降格にリーチが掛かる事となった今節。
しかしそれを対岸の火事とする余裕は、中・下位クラブに無いのは当然であり。

とりわけ、群馬の一つ上である鹿児島は尚更の事。
中断明け以降全敗という有様では、残留争いを戦う事すら覚束なく。
攻撃サッカーを指標してきたクラブが、守備重視の戦いを取り入れる事で窮地を凌ぎに掛かったものの、それだけで結果が付いて来ればどれだけ楽な事だろうか。
この8連敗中、3点差以上での敗戦が皆無と接戦続きの成績を見て、そんな事を考えさせられてしまい。
ともかく、17位とこれ以上離される事は避けたいホームでの一戦。

入りの前半1分に、右スローインを奥で受けた鈴木がクロスを送るも、精度を欠いてしまい攻守交替。
すると水戸のターンになり、押し込んでスローイン(大崎のロングスローを含む)・コーナーキックの応酬。
4分の右CKでは、クロスの跳ね返りから放たれた長井のミドルシュートをGK泉森がセーブと、この日も細い綱渡りを強いられる戦いの予感を孕ませた立ち上がり。

この日の水戸のシステムは、攻撃時に大崎が左サイドバック化するというシンプルな可変式。
ボランチが降りる事は殆ど無く、オーソドックスな4-4-2の守備布陣を崩しに掛かります。

それだけに鹿児島は、前節(栃木戦、1-2)同様にベーシックな部分でどれだけ頑張りを見せられるかという試合となり。
17分草野に入れられたボールを井林が前に出て反則気味に奪い、矢印を反転させて好機に持ち込み。
左サイド奥を窺いながらのパスワークを経て、野嶽の手前からのクロスを選択すると、ファーで有田稜がヘディングで合わせましたがGK富居がキャッチ。
直後の18分にも、大崎のドリブルを稲葉が阻むという具合にデュエルで遮断に掛かるも、ここは水戸が繋ぎ直し。
そして逆サイドから展開し、スルーパスに走り込んだ長澤のクロスが奥から上がると、草野がヘディングシュート(枠外)と一進一退の攻防。

序盤はロングボール中心で安全第一、といった鹿児島の組み立ても、次第に地上でのビルドアップへ意識が移るようになり。
それは当然ながら、襲い掛かる水戸のプレッシングに難色を示す事を強いられますが、乗り越えなければ「ひたすら守勢からカウンター」の一本槍に陥るのは避けられず。
24分、センターバック→ボランチと経由させてのパスワークのなか、受けるプレッシャーの前にズレてしまうも藤村がスライディングで何とか繋ぎに成功。
そして田中が左ハーフレーンをドリブルで進んだ末にミドルシュート(GK富居キャッチ)と、剥がしてからの鋭い前進という攻めを見せ付けます。
これを機に攻撃権を掴みかけた鹿児島でしたが、良い所で遅めの飲水タイム(27分)が挟まれ。

それが文字通り水入りとなってしまい、明けたのちは水戸の一方的な展開に。
大崎が張り出す左サイドは元より、右サイドもターゲットを兼ねる長澤の前への意識の高さにより、結局は両ウイングバックが高い位置を取る攻撃に苦しめられる鹿児島。
30分にはその長澤がドリブル突破で奥を突いてクロス、大外で合わせた新井のヘディングシュートがゴールを襲い。
バーを直撃して跳ね返り、更に甲田が放った追撃のシュートをゴール前で戸根がヘッドでブロックと、間一髪の凌ぎを余儀なくされます。

これで相手を守勢に追い込んだ水戸、クロスの脅威を植え付けたのち他の手段を使う奥深い攻撃。
33分には新井がカットインからエリア内へライナーの縦パス、これを久保がダイレクトでシュートに持ち込みましたがゴール上へと外れ。
その後も甲田が執拗に右ポケットを抉り続け、38分にそこからのクロスの跳ね返りを拾い、櫻井のペナルティアークからのシュートがゴール左へ際どく外れ。

10分近く続いた水戸の攻勢を、何とか無失点で凌いだ鹿児島。
巻き返しはやはりプレス回避からで、42分にパスワークからのGK泉森の左へのフィードで脱出。
そして野嶽のスルーパスを受けた圓道が左ポケットを取り、カットインからシュート(GK富居セーブ)と決定機を生み出します。
これによりイーブンに戻された試合展開。

即ち上向きな流れは鹿児島にあり、直後のCKからの攻めが途切れるも藤村のボール奪取で再度攻撃。
右奥を取り溜めを作ったのち、上げられた藤村のクロスを有田稜が合わせヘディングシュート。
ゴール左へと突き刺さり、苦難を乗り越えた末の先制点に辿り着きます。
これが有田稜の移籍後初ゴールと、彼自身も多大な苦労の果ての結果となり。

結局そのまま1-0で前半終了。
有利なはずだった水戸、一転してビハインドを強いられた事でハーフタイムで動き。
長井→山田へ交代と、最終ラインの安定を図って後半に臨みました。

しかしその試みには時間が掛かるもので、ましてやキックオフ直後の乱戦という状況では尚更であり。
入りの後半1分、右スローインで直接ポケットを取った鹿児島がそれを突きに掛かり、田中がボールキープする所新井の腕でのチャージが反則を取られ。
これで右ワイドからのフリーキックを得た鹿児島、キッカー田中のクロスは跳ね返されるも、最後方からやり直しとなりそこから渡邉のロビングで一気にエリア内へ。
左ポケットで跳んだ鈴木を越えた奥で有田稜がヘッドで折り返すと、戸根が足から跳び込んでこれを合わせ、ゴールネットを揺らします。
水戸の意図を覆す、セットプレーからの攻めで貴重な追加点に辿り着き。

これで2点差と、前半より一層の攻勢が求められた水戸。
その後も何度もWBを活かしたサイドの推進を軸としますが、鹿児島サイドも集中して守り崩せず。

その中で、草野がドリブルに持ち込んだ所を反則で止めた田中が警告を受けた(6分)事で、持ち運びが有効打と踏んだでしょうか。
9分に大崎のドリブルが稲葉に腕で阻止された事で反則、左ワイドからのFK。
クロスに合わせた山田のヘディングシュートは枠外に終わるも、その傍らで有田稜がGK泉森との交錯で倒れ込んでしまい。
脳震盪の疑いが過るなか、長い時間を掛けて起き上がりピッチ外へ。

そしてその待機の最中に事件が発生し。
GK泉森のフィードが流れた所に田中が走り込むも、先んじてクリアした楠本を削る格好となってしまい反則。
これが副審の眼前という、しっかり田中の足裏が入ってしまったのを目撃される位置だったのが拙く、主審が確認の結果カードを出す運びとなり。
鈴木の懸命の異議も空しく、2度目の警告を受けた田中が退場処分となってしまいました。
しつこく異議を続ける鈴木を、大崎が突き飛ばすという更なる火種が生まれたものの、これ以上のカードトラブルは(主審の意図?により)何とか避けられ。
おまけにこれにより長らくピッチ脇で待ちぼうけとなった有田稜と、戦う意識の喪失が危惧される事となった鹿児島。

以降、鈴木が右サイドハーフに回る4-4-1にシフトと、あくまで基本の4バックを保ちに掛かり。
これで元からポゼッションを確保していた水戸が怒涛の攻勢に入る事となりますが、同時に「後は決められるかどうか」が試される展開とも化します。

その通りに21分、最終ラインからシンプルに左サイドを前進すると、新井が細かいタッチでのドリブルに入り悠々と奥を突いてマイナスのクロス。
ニアに入り込んだ草野の所でこぼされるも、拾った甲田がシュートを放ち(ブロック)、その幕が明けられます。
ベンチもそれに備えるべく、中島の投入(草野と交代、同時に甲田→齋藤へと交代)でフィニッシャーを増やしに掛かったのが22分。

しかし鹿児島も、12試合ぶりの勝利が現実味を帯びているスコア故にその結束力は衰えず。
中島の投入でクロスの有効性を高めた水戸に対しても、焦らず「ボールを持たせる状況」を貫く、2点差を活かす立ち回りに徹し。

それにより水戸も次のフィニッシュは遅らされ、28分にスルーパスに走り込んだ齋藤が右奥からクロス。
これがファーへと流れ、大崎折り返し→逆から更に齋藤折り返しと中々合わずに右往左往するボールを経て、確保したのち再び右へ展開して齋藤のクロス。
今度かカットインの姿勢からの鋭いボールで、これを中島が合わせたもののゴール上へと外れ。
クロス攻勢の恐怖は健在ながら、結局合わなければ……という流れも描く事となりました。

後半も遅めの飲水タイムとなり(28分)、その後さらに前田→黒川へと交代。
これで櫻井がアンカーとなる3-3-2-2(3-1-4-2)へシフトと、文字通り前掛かりな布陣と化した水戸。

一方鹿児島は、数的不利のピッチ内と同様にベンチも我慢を強いられていたようで、33分という段階で最初に動き。
圓道・有田稜→星・藤本へと2枚替えしいずれも同ポジションと、どちらかといえば運動量を保つためという交代策。

その後も必死の守備を貫く鹿児島ですが、34分に左サイドをブリッジで突破しようとした新井を、井林が倒してしまい反則・警告。
38分には水戸の左CKから、クリアボールを拾いにいった新井を削ってしまった星が反則・警告と、その姿勢が更なるカードトラブルを招きかねない流れに。

水戸もひたすら敵陣でサッカーを展開するも、奥を突いてのクロスという流れ、言わば単調ぶりを払拭するのは難しく。
結局フィニッシュを膨らませる事はままならず、41分に最後の交代。
長澤→村田へ交代すると、ベンチもそれを気に病んでいたのか、そのまま右WBに入ると思われた村田はシャドーに。
そして齋藤が右WBと、若干の変化を付けて残り時間に臨みました。

その姿勢の通り、43分にはワイドで持った齋藤が浅めの位置で中央へパス、これを櫻井がダイレクトでエリア内へ送り。
黒川のスルーで久保がシュート体勢に入る、理想的な崩しとなりましたが、放たれたシュートはふかしてしまい枠外に。
クロス以外の手段での決定機も、やはり決められなければ輝く事は無く。

そして後半もアディショナルタイム。
長い中断があったため目安は9分も、焦りとの戦いは避けられない水戸。

その生まれた隙に対し、鹿児島は左スローインから繋ぎ、野嶽ミドルパス→藤本ポストプレイ→星カットインと間隙を縫い好機。
奪い返さんと焦る水戸を尻目に、エリア内へのラストパスをフリーで受けた鈴木がシュートをネットに突き刺します。
ダメ押しの3点目に、沸き上がるホーム・白波スタジアムのサポーター。

それでも長期のAT、数的優位の水戸は決してノーチャンスでは無い残り時間。
既にアバウトな攻撃も必至ななか、大崎ロングスロー→ニアで山田フリック→中島落としに反応した楠本がシュート。
しかしGK泉森のプレッシャーもありゴール上へ大きく外してしまい。
尚も諦めず、新井のアーリークロスをファーで村田が落としと、ヘディングを駆使しての好機。
混戦のなか中島がシュートを放ち、稲葉がブロックするも拾った齋藤がドリブルに入り、右ポケットを突いてシュート。
しかしこれもGK泉森のセーブに阻まれ、どうしても決定機をモノに出来ない水戸。

結局3-0で試合終了となり、長らくご無沙汰していた勝ち点3の味をかみしめた鹿児島。
しかし同日大分が勝利(藤枝戦、2-0)したため、群馬が試合を待たずして降格が決定勝ち点差は10と縮まる事は無く。
そして次節は鹿児島も降格リーチ(といっても大分勝利and鹿児島敗戦のみが条件)に苛まれ、依然として厳しい情勢は変わりません。
果たして束の間の喜びとなるか、それとも奇跡の足掛かりとするか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第33節 ヴァンフォーレ甲府vsモンテディオ山形

2024-09-30 16:00:17 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(29節・鹿児島戦、1-0)
※前回の山形の記事はこちら(28節・藤枝戦、1-0)

<甲府スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 水曜に、ルヴァン杯勝ち残りのため順延となった30節(熊本戦、2-4)が挟まる。そこから中2日のため、スタメンはGK以外全員入れ替えに。
  • 林田が累積警告により出場停止。

<山形スタメン>

前の試合から、スタメン全員入れ替え(GK以外)vsスタメン変更無しというコンセプトマッチ。
といっても日程の違いが招いたもので、完全ターンオーバーという形になった甲府。

その甲府の水曜の試合は、前半だけで4失点する手酷い敗戦となってしまい。
相手が変幻自在の攻撃を繰り広げる熊本で、根底の部分が丸ごとひっくり返された格好でしょうか。
フォーメーションも4バックへ変更と、あらゆる所を変える事で修正を図りに来た感があり。

入りのボール争いを制した山形が、前半1分にはや(川井が右から)ロングスローを投げ入れる体制に持ち込み。
激しい昇格争いの真っ只中であり、「どんな手を使ってでも……」という思惑が表れたかと思いきや、その後は持ち味のパスワークの本領を発揮。
ハイプレスに出たいもののウタカの1トップ故にままならない甲府ディフェンスに対し、サイドチェンジの多様で揺さぶりに掛かる、相手の出方を見ての崩しはこの日も健在でした。

甲府が唯一勝利のチャンスを見出すとすれば、この山形の出方を窺う時間だったでしょうか。
5分、最初の好機が途切れたのちに山形のクリアボールを荒木が直接スルーパス、アダイウトンが左ポケット奥でそれを受けて継続しに掛かり。
ここはフィニッシュに繋がらずも、相手の陣形が整う前にゴールを狙いたい思惑はその後も表れ。
7分に木村縦パス→ウタカで間を通して素早く運んだ末に、中央ペナルティアーク付近から木村がミドルシュート。
ブロックされるも左で拾ったアダイウトンがカットインを経てさらにミドルシュート(枠外)と、中距離からの主砲に繋げる攻撃を繰り広げ。

しかし徐々に山形の攻撃に晒されていくと、好機に持ち込む事すら難しくなり。
小西が最終ライン左に降りる事で甲府の前線の守備を無効化する形を貫く、この日の山形のビルドアップ。
それにより、しっかり構えるというよりはプレスに出れずに構えさせられている絵図が強く。
14分に最終ラインでの保持を経て右から高江が一気にロングパス、裏を取って受けたディサロが中央からエリア内を突くも、ヘナトのカバーで何とか撃たせず。
自身で道筋を作れずに、山形のサッカーを軌道に乗らせてしまった立ち上がり。
得点は出来ずとも、攻勢の流れをしっかりと築ければその後の展開も違った可能性は大きかったでしょうが……。

19分の山形、甲府の攻撃を切ったのち速攻に入るも、実らずクリアされたボールを確保すると遅攻に切り替え。
降りるディサロのポストワークを挟みながら人数を掛けて細かく繋ぎ、山田の前進が阻まれた所を高江がこぼれ球をミドルシュート(ブロック)と、判断も精度も良好の流れとなってきた山形の攻め。
迎えた21分、GK後藤雅から地上でのパスワーク、ハイプレスに出て来た甲府を冷静に右サイド→中央→左への繋ぎでいなし。
そして山田縦パス→土居ポストプレイ→國分スルーパスで一気に左ポケットを突くと、走り込んだディサロのシュートで、綺麗にGK渋谷の股を抜きゴールに流し込みます。
構築した攻めの流れを、見事に先制点という結果に繋げました。

その後もこの流れを保たんとする山形、27分に再びGK後藤雅からの組み立てで、安部縦パス→ディサロフリックで前線へ運び。
そしてドリブルに入った土居がミドルシュート(孫がブロック)と、前に出て来る甲府サイドの裏を取っての攻めは脅威となり得。

一方の甲府、敵陣でアダイウトンやウタカがボール奪取する場面を作るものの、前線の守備はそうした彼らが機能すれば……という気まぐれの面が強く。
期せずして、ピッチサイドの大塚真司監督の檄も強まりを見せ、時にはテクニカルエリアを越えてピッチ内に足を踏み入れる場面(誰も気づかず)も生まれます。
ただし聞き取れるその内容は、ウタカに対してもっと走る事を求めたりと、精神論に偏りがちなものが目立ちましたが……

それでもビハインド故の必然性か、ボール保持の時間が多くなった甲府。
その中で崩しを図らなければならないなかで、31分に山形のプレゼントボールに対し、受けたGK渋谷は直接裏へロングフィード。
一気に左サイド奥を突くボールとなり、走り込んで確保した三平から攻撃を展開(パスワークの末に戻して作り直し)と、やや狡猾な姿勢での好機で流れを変えに掛かったでしょうか。
38分の左スローインでは、佐藤和が受けにいく前に高江が倒されるという絵図になるも笛は鳴らず、そのまま佐藤和がカットインからミドルシュートを放つもゴール右へと外れ。

その間に山形は35分に決定機を迎え、土居のスルーパスでまたも完全に抜け出したディサロ、今度はGKと一対一の局面に。
しかし右にかわさんとした所をGK渋谷が足で阻み、モノに出来ず。
これを最後に、甲府のボール保持の姿勢もあり山形は攻撃機会を得る事が出来なくなります。

甲府は42分、ここもヘナトの反則気味のボール奪取から前進し、中央バイタルを突いたアダイウトンがボールキープしながらそのままエリア内へ進入。
そして右へ横パス→三平クロス→ウタカヘディングシュートがゴールマウスを捉えるも、西村のブロックに跳ね返され。
尚も右ポケットで持った三平のクロスが、ブロックに当たりゴールに向かう(左へ逸れてコーナーに)という分厚い攻めを繰り出し。
この流れのうちに決めきりたい甲府は45分、木村縦パス→三平ポストプレイを経て、三沢がドリブルで再び中央バイタルを取ってミドルシュート。
GK後藤雅のセーブに阻まれるも、判断良く詰めたウタカが右ポケットでボール確保し、戻しを受けた飯田がシュート。
山形の戻りのために狭い所と化しながらも、そのニアサイドをぶち抜いてゴールに突き刺します。
良い時間帯でしっかり決めきり、同点とした甲府。

+4分と長くなったアディショナルタイムですが、選手の交錯で痛むシーンが長くなる消化不良の時間と化し。
1-1のまま前半終了となり、勝負の後半戦へ。

万全なはずの流れを堰き止められ、スコアも追い付かれた山形。
そのため後半も、前半の立ち上がり同様自分達の流れを構築する時間となります。
そのために最終ラインで繋ぐ山形に対し、甲府サイドも前線から規制を掛ける体制に。
ウタカが高江を切りながら構えるのを軸とし、他のメンバーでプレッシャーにいく姿勢を主とし、山形にペースを握らせない時間を保たんとします。

何度か山形がサイド奥からのクロスに辿り着くも、基本はこの両者のぶつかり合いによる睨み合いとなった後半立ち上がり。
当然フィニッシュも生まれずに時間が進み、その均衡を破るのはどちらかという展開に。

11分の甲府、ゴールキックからのロングフィード→ターゲットの三平を越えてアダイウトンという流れで確保すると、すかさず入れられたアーリークロスにウタカが走り込み。
跳ね返されるも尚も左サイドで繋ぎ、一旦遮断されるも奪い返した佐藤のクロスが直接ゴールに向かうボールに。
GK後藤雅がセーブと、際どいフィニッシュを生み出しましたが、やや偶発性に頼ったものであり流れを得るには至りません。

その後も一進一退の攻防で、その流れに乗るかのように交代策も両者同時となり。
18分で甲府はウタカ→マクーラへ交代、山形は土居・國分→高橋・坂本亘へと2枚替え。
どちらも采配で局面を動かしに掛かったのは明白でしたが、結果甲府は以降尻すぼみとなってしまいます。
結果論ですが、大ベテラン・ウタカの前半の動かなさ故に、ある程度時間が経ったら交代すると決めていたかのような采配に映った大塚監督。
しかし後半のウタカは動く機会は少ないながらも、その守備姿勢(他選手がウタカを巧く守備に組み込んでいたともいう)は山形のペースを巧く乱していた風でもあったので、正直この交代は疑問符が付くものでした。
スタミナに不安な選手にありがちな「行ける所まで行く」というタイプでは無いウタカ故に、90分近くまで任せても良かったと思います。

そのウタカに代わって投入されたマクーラは、直後の19分こそ荒木の左からのクロスをニアで合わせる(眼前でブロックされCKに)という場面を作りますが、以降活躍機会は殆ど無く。
前線の守備は迷いが目立ち、山形のボール保持を遮断できる機会は大きく萎み。
攻撃では中央に張る時間が長くなるもボールに触れる機会が訪れず、リズムに乗れないなかでのポストワークも精度を欠くという悪循環に陥ります。

よって必然的に山形の攻撃機会が膨らむ展開に。
プレッシングに迷うようになった甲府の裏を突くように、一転アーリークロスが多めとなるも、その跳ね返りを拾う事で深さを取って押し込み。
守勢を強いられる甲府は、27分に敵陣で三平がボール奪取するも、すかさずのロングシュートを選択。
フィニッシュ自体はゴール上を襲い、外れるも際どいものでしたが、苦し紛れの一手の感は拭えません。

そして甲府が苦境を打破せんと次の交代を用意する最中、山形はポゼッションを続けた末に迎えた31分。
GK後藤雅への戻しからのフィードを、左サイドで降りて受けたディサロから攻めを展開。
敵陣でサイドを移しながら繋いでいき、左からの崩しを選択すると、ディサロの前進からのアーリークロスがファーサイド奥へ。
走り込んだイサカが足で折り返すと、高橋がディフェンスと縺れながらもレイオフした所に、詰めてシュートしたのは山田。
ディサロの尚も後方から一気に走り込んで来た存在に甲府サイドも成す術無く、ゴールネットが揺れて勝ち越し点が齎されました。

善戦空しくリードを許した格好の甲府、キックオフ前にヘナト・三平→井上樹・鳥海へと2枚替え。
その後も山形の攻撃に晒されるなか、何とか同点を目指す状況へ突入します。

33分、左サイドで縦パスを受けたマクーラのポストワークを経て、アダイウトンがドリブルに持ち込みカットインからミドルシュート。(GK後藤雅キャッチ)
劣勢ななか助っ人の一撃に賭ける、というこの流れも、35分にアダイウトンが退いた(村上と交代、同時に佐藤和→中山へと交代)事で途切れ。

何とか敵陣に持ち込んで攻撃を展開させるも、何処かで無理をしなければ崩せない状況で、(ウタカ・アダイウトンが退いた事で)その無理が出来る人材に欠ければ得点の機運は高まらず。
40分アタッキングサードでの繋ぎから、最後方中央から孫がパス&ゴーでエリア内に入り込みその役目を果たさんとし。
そして荒木のクロスをニアサイドで合わせるという、流れの中でセンターバックのフィニッシュと変わり種を齎した孫でしたが、枠には飛ばず実りません。

一方前半とは違い、相手が好循環を得れずにいる中でのリードと余裕が生まれた山形。
冷静に甲府の攻撃に対処し、マイボールの際は保持の姿勢を強める逃げきりも視野に入れた立ち回り。
44分に高江が足を攣らせてしまうも、すかさず最後のカードを切り(山田・高江→坂本稀・南)盤石の体制を築きます。

AT突入後もそれは変わらず、右サイド奥でサッカーを展開する山形、相手の時間を着実に奪っていき。
甲府にとっては、徐々に胸が締め付けられるというような感覚だったでしょうか。
何とかゴールキックによるマイボールになると、山形サイドが判定に異議を示した事で隙が生まれ。
ロングフィードを収めた鳥海から右サイドを前進、スルーパスに走り込んだ飯田から上がったクロス。
最後の好機といったこの絵図、ファーサイドで村上が折り返し中央にマクーラ……という絶好の流れを築きましたが、マクーラは反応できずボールは無情にもバウンド。
そしてGK後藤雅が抑えた事で潰え、最後まで試合に乗れないマクーラ、といった絵図を示してしまいました。

試合はそのまま1-2で終了。
波に乗れない甲府を振りきる形で、昇格戦線への歩みを続ける山形。
毎年恒例となってきたそのシチュエーションですが、まずは3年連続となるプレーオフ出場の立場を固めたい所でしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第32節 ジェフユナイテッド千葉vsレノファ山口FC

2024-09-24 16:00:36 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(28節・仙台戦、4-2)
※前回の山口の記事はこちら(30節・徳島戦、1-2)

<千葉スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 天皇杯準々決勝(京都戦、0-3)からのスタメン継続は無し。田中和・松田が途中出場。
  • 前節(秋田戦、0-1)負傷交代した風間はベンチ外。(後日離脱が発表されて全治約6か月との事)

<山口スタメン>

  • GK関が試合前練習での負傷(放送席の談)により、控えの田口潤と入れ替わり。(つまり実質控えGK不在か)

ともに天皇杯で、準々決勝まで勝ち残っているクラブ同士の対決。
しかしJ1クラブがACLとの兼ね合いで、その日程にズレが生まれた結果千葉は今週・山口は来週に開催という差異が生まれました。

先んじて挑む事となった千葉ですが、中2日の連続という日程で、言い方は悪いが半ば「捨てる」事を選択。
完全ターンオーバーを敢行した結果、京都に成す術無く完敗となりましたが、リーグ戦に専念出来る環境が出来たのはプラス要因。
風間の長期離脱といった誤算は有れど、メンバー調整かつ固定を果たしての終盤の戦いに幸が生まれるかどうか。

試合開始直前という段階で、山口がGK関のアクシデント発生により入れ替えを余儀なくされ。
田口潤が今季初スタメンとなりましたが、それにより試合中も不測の事態が絡み続ける展開を強いられたでしょうか。

ボール争い重視の立ち上がりから、前半4分に山口が、新保のロングパスによるセカンドボールを拾った山本のミドルシュート。(枠外)
その直後にも中盤でのボール奪取から、またも山本がミドルシュートを放つ(ブロックされコーナーに)など、苦境を跳ね返すべく積極的に入る山口。
7分に千葉に早くもカードトラブルが生まれた(野寄に反則を犯した横山に警告)のを尻目に、さらにテンポを上げ。
続く8分も、中盤で田邉のパスカットから素早く攻め込み、野寄が左ポケットへスルーパス。
しかし走り込む若月の手前で相田に当たってしまいズレるという具合に、その前向き姿勢による空回りも生まれてしまい。

一方の千葉は前回観た際の、最終ラインでのプレス回避を巧く取り入れての攻撃を継続。
以前の一本調子なスタイルを改めたようなその姿勢で、ハイプレスが特徴の山口をいなしに掛かります。
10分に自陣右サイドでキープする横山がプレッシャーを受けるも、落ち着いてGKまで戻してからの前進を選択。
そして左からのパスワークで、佐々木縦パス→小森スルーで受け直して右へ展開と、セカンドトップの立ち振る舞いで流動性を齎す横山。(その後杉山が右ポケットへ進入しシュート、枠外)

山口の気迫を巧く逸らしたものの、15分の山口の攻撃で、右奥でキープする間に対し肘打ちに近い形でチャージしてしまった小川が反則・警告。
早くも2枚目の警告と、委縮しかねない流れも生まれ。
しかしその後は落ち着きを取り戻し。(20分には山口・平瀬も小森への反則で警告)
ポゼッションを高め、敵陣でパスワークを展開するも戻して作り直しを選択という具合に、かつての一辺倒なスタイルはかなり改善され。
縦に速い攻撃は、山口の攻めを遮断してのカウンターへ温存するという形で、両面性を巧く醸し出してペースを確保していきます。
そうして千葉のボール保持の局面が膨らんだ影響で、中々プレーが切られなかったため飲水タイムは28分と大幅に遅れ。(しかも山口・志垣良監督のアピールでたまらず取ったという絵面)

相手の術中に嵌りたくない山口、ブレイク明けの30分に敵陣右サイドで河野がパスカットと、相変わらず前向きの姿勢を貫き。
ここから相田のロングスローを炸裂させる従来通りのスタイルで、クリアボールを拾った河野が右からカットインを経てミドルシュート(エリア内でブロックされCKに)と、押し込みからのセットプレーで先制を狙いにいき。
この右CKから、キッカー新保クロス→ニアで河野フリックで落とし→若月脚で合わせるという綺麗な流れを作るも、フィニッシュが浮いてしまい決められません。

尚も同様の流れで攻め上がり、40分に右スローインを収めた山本がそのままバイシクルでロビングを送ってからの攻め。
エリア内へこぼれた所を野寄が走り込んでシュートしますが、GK鈴木椋のセーブに阻まれCKに。
クロスからのクリアボールが上空へ浮かび、平瀬が合わせにいくも打ちきれずと乱戦模様に持ち込まれ。
その後も前のバイシクルでの折り返しなどを挟んだ末に、後方から新保がミドルシュート。(杉山がブロックしてさらにCKに)

こうした状況で得点出来れば山口ペースの試合となったでしょうが、果たされずに終わると、ひたすら前向きとなったツケを支払わされる事となり。
さらに続いたCKから齎されたのは逆に千葉のカウンターで、田中和が敵陣右サイドで溜めを作り、遅攻に切り替えたのちパスワークでの崩しを図り。
右ポケットを突くも戻して高橋壱のクロスと、あくまで決定機まで待つというそのスタイルの末に、クリアボールを確保したのちエドゥアルドが後方からミドルシュート。
GK田口潤がセーブするも、眼前にこぼれたボールを確実に詰めた小森によりゴールが生まれます。
天皇杯での姿勢を活かすべくの、先制点を挙げた千葉。

これにより、逆に押し込んでCKを得るなど全体の流れも千葉のものとなり。
田中和のロングスローも絡めるなど、完全に山口のお株を奪う格好に。
アディショナルタイムの最中、山口のクリアボールを確保してそのトランジションを突く攻めで、右ポケットで受けた小森が中央へカットイン。
そしてエリア手前で切り返しシュートを放つも、ここはGK田口潤がキャッチ。

追加点はならなかったものの、リードと流れの双方を得て前半を終えた千葉。
逆に巻き返しを図らなければいけなくなった山口は、ハーフタイムで交代を敢行。
野寄→酒井へと交代し、河野が左サイドハーフに回ります。

こうして後半開始を迎えたものの、入りは千葉ペースと前半の流れそのままに。
早速の後半1分、敵陣での長い繋ぎを経て右から杉山がクロス、大外で収めた田中和がそのままの勢いで中央へ切り込むもGK田口潤が何とか抑え。

その後も千葉の攻撃機会が重ねられ、何とかひっくり返したい山口。
4分に右スローインから前進し、若月がドリブルで切り込んでカットインでエリア内を突き。
しかし松田に奪われ撃てずに終わるとカウンターになり、松田縦パス→横山スルーパス→小森で一気に好機に持ち込む千葉。
ここは小森のカットインをヘナンが奪って防ぐも、6分にまたもや千葉の攻撃、敵陣左サイドで細かく繋ぐ体勢に。
田中和が奥へ切り込む姿勢を見せてからの、戻しを経て小川のスルーパスでポケットを取る攻めで崩し、奥からマイナスのクロス。
そしてニアに走り込んだ杉山が潰れた末に、中央に流れたボールを横山が押し込んで仕上げ追加点。
優勢の状況下、しっかり得点を重ねる事で勝利へ進撃します。

2点差となり、さらに山口は悪い事が続き、8分にエドゥアルドに反則を受けた河野が起き上がれず。
チャージが深く入ってしまった事で続行不可能となり、交代を余儀なくされてしまいます。
小林成が同ポジションで投入され、同時に田邉→ユーイェンと2枚替え。

その後、小林成の推進から好機を作り、CK攻勢に持ち込むという前半の良い時のような流れを作りかける山口。
しかし千葉も、2本目のCKでのクリアボールを確保した杉山、山口のゲーゲンプレスを受けるも倒されながらボールキープ。
そして繋いでプレス回避を果たし横山のスルーパスで逆に好機を作るという具合に、相手の流れを遮断するプレーが光り。
ここから敵陣で繋ぎに入った千葉、サイドをくまなく使った末に横山のスルーパスが左ポケットに入ると、受けた田中和が酒井に倒され。
完全にチャージが田中和の足に入っていたように見えましたが、反則を告げる笛は鳴らず仕舞いとなり。
山口にとっては振り回され続けた末に、ボックス内まで戻りを強いられた酒井が……という最悪に近い流れでしたが、命拾いを果たします。

反撃体制を整えたい山口は、19分にユーイェンのボール奪取から速攻は選ばず、中盤の底での繋ぎを経てユーイェンが間を通す縦パス。
小林成に渡るとドリブルで中央バイタルに持ち込み、果敢にミドルシュート。
しかしこの思い切りの良いフィニッシュも、左ポストを直撃して実りません。
その後20分に若月→奥山へと交代、彼が右SHに入る事で山本がFWへと回り。

24分に飲水タイムが挟まれ、第4クォーターへ。
しかし千葉にもアクシデントが発生し、千葉エリア内での空中戦でエドゥアルドが山本との交錯で痛んでしまい。
そのまま起き上がれずに交代の憂き目に遭うという具合に、河野の負傷退場の要因となってしまったためか、報いを受ける格好となり。
これで交代を余儀なくされた千葉ベンチですが、代わりに投入されたのが田口泰とその層は厚く。(同時に杉山→椿へと交代、田中和が右SHに回る)
また山口も同時に、山本→末永へと交代します。

お互いアクシデント塗れとなりますが、田口泰が加わった千葉はやはりそのゲームメイクに衰えは見られず。
その後もボール保持で山口の攻めっ気を逸らしながら、機を見て追加点を狙う立ち回りを徹底します。(32分に横山→ドゥドゥへと交代)

そのため突破口が欲しい山口は、攻撃機会自体が少なく。
37分に右スローイン→酒井ポストプレイから組み立て、左へ展開ののち新保のアーリークロス。
ファーに上がったボールをGK鈴木椋がパンチング、そのこぼれを狙い前がミドルシュートを放つも、鈴木椋が跳び出したままセーブ。
久々に放ったフィニッシュも防がれると、再び千葉のターンとなり沈黙に入るという具合に(数的優位だった徳島戦とは事情が違い)攻勢を作れません。

それでも41分、千葉のクリアボールを拾った平瀬がラフに高い浮き球を送ると、相田が確保に成功しそのまま右サイドから攻め。
奥山が縦突破から低いクロスを入れると、クリアが小さくなった所を小林成がレイオフで繋ぎ、相田のミドルシュートが放たれ。
GK鈴木椋がセーブするも、千葉の1点目同様綺麗に酒井の眼前へこぼれる格好となり、悠々と詰めネットを揺らします。

ようやく1点差に詰め寄り、意気を高める山口。
平瀬をFWに上げ、徳島戦のように4-1-3-2に近い布陣で勝負を賭ける体制を採ります。(相田がセンターバックに回る)
しかし千葉のキックオフで再開したその初手、佐々木のロングパス一本で一気にエリア内を突き、走り込んだ小森がループシュート(枠外)とあわやゴールという絵図に。

点差は縮まったものの、これにより展開自体は保たれたままとなり。
つまりは千葉の攻勢が続く中、山口がその間を縫わなければならない状態。
45分、敵陣での千葉のパスワークをカットした新保から、速攻を仕掛ける山口。
しかしドリブルに入った末永を松田がナイスディフェンスで阻むと、千葉のカウンターへと反転し、そのまま右奥まで上がってボールを持った松田。
結局戻して作り直しとなるも、何度も上下動を強いられる山口は同点への機運を高められずにATを迎える事となります。
そして千葉は残されていた交代枠を使い、純正CBの山越(といってもサイドバック兼任ですが)を投入し守備を固め。(同時に田中和→岡庭へと交代、佐々木が左SBへ回る)

依然優位を保つ千葉、その止めはやはりカウンターからでした。
山口は自陣からのFKで放り込みの体勢を取り、キッカー新保のフィードはエリア手前を選択するも、カットして椿がボール確保。
そして前線へ繋ぐと、左サイドを抉ったドゥドゥの低いクロスを、走り込んで合わせたのは小森。
得点王争い単独トップに躍り出るゴールで、再度2点差に突き放し勝利を決定付けました。

尚も諦めない山口に対し、冷静にいなしてその背後を突く千葉。
高橋壱のスルーパスを受けた岡庭が、右奥を窺う姿勢を経てパス&ゴーでポケットを取ると、田口泰のスルーパスがそこに入り。
典型的なポケットを利用した崩しに対し、新保がディフェンスに入るも岡庭を倒してしまった事で反則を告げる笛が鳴り。
これでPK献上と、結果的にATの決定機にともに絡んでしまう格好となった新保。
失意を隠せない山口サイドを余所に、千葉はゲットした岡庭がキッカーを譲らないという珍妙な絵図を生み出すに至り。
結局ドゥドゥの説得?もあり小森がキッカーに落ち着き、しっかりとゴール左へ決めきり4点目。
同時に小森もハットトリック達成と、終わってみれば大量点という展開となりました。

山口は最後に小林成がミドルシュート(枠外)と一矢を放つも、それ以上の事は出来ず。
そのまま試合終了となり、4-1で勝利した千葉。
これで両クラブ順位は逆転し、山口を追いやる形でプレーオフ圏の6位へと浮上を果たしました。

一方、次週は天皇杯(マリノス戦)も控えており打ちひしがれている暇はない山口。
千葉と違い中3日なものの、同じくリーグ戦への注入の姿勢を見せなければならないなか、そのメンバー選択にも注目が集まる事となるでしょう。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第32節 横浜FCvs大分トリニータ

2024-09-23 16:01:59 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の横浜FCの記事はこちら(30節・愛媛戦、4-1)
※前回の大分の記事はこちら(26節・熊本戦、2-1)

<横浜FCスタメン> ※()内は前節のスタメン

  • ユーリが累積警告により出場停止。
  • グエン・コン・フォンが海外移籍のためチーム離脱。(この日に移籍先(ベトナム2部・ビンフオックFC)が発表される)
  • 負傷離脱していた三田が復帰しベンチ入り。

<大分スタメン>

  • 前節(徳島戦、1-3)出場停止だった香川がスタメンに復帰。
  • GK新井栄聡がJ1・町田へ完全移籍となり、28節(岡山戦、0-0)をもって登録抹消。
  • ユース所属のGK南・平野の2名が2種登録選手となり、28節から登録される。

前回観た試合での勝利から一転し、またも未勝利街道をひた走る事となってしまった大分。
このままでは降格圏転落の危機で、クラブからお気持ち表明が行われる(試合現場では、憤るサポーターに対する説明もあったらしい)など、序盤戦の徳島を彷彿とさせる退潮ぶり。
一致団結を図って臨んだ前節ですがその徳島に完敗と、目も当てられないシーズン終盤戦になってきました。

そんな状況で首位クラブとの対戦を強いられましたが、前節は香川の欠場(+ペレイラの欠場明け)であまりにも歪な最終ラインになっており。
ウイングバック型の選手が3センターバックの左右を務める、脆弱な布陣では開始早々に失点を重ねるのはある意味道理。
当然修正が図られ、締め直しの効果をもってこの試合に臨めたのは良かったでしょうか。

開始早々、横浜FCはロングパスを受けにいった山根が(野嶽に)反則を受けた事で右ワイドからのフリーキックに。
キッカーは当然福森と、早くもその悪魔の左足へお膳立てをする格好に。
しかし大分サイドも、前半3分に中盤で弓場が小倉に倒された事でFK。
遠目ながらも放り込みを選択し、そのキッカーは野村と、古巣・横浜FCのファンにとっては懐かしい姿が。
第1クォーターは、その福森(FK3度)と野村(FK2度・コーナー3度)のキッカー対決という節が見られました。

流れの中では、大分が積極果敢なプレッシング。
肝となる福森に対しての規制で、そこから繰り出されるはずの縦パス・フィードを封じ込めた事でペースを掴みます。

そして自身がボールを握って攻撃の組み立てを図り。
その内容は一重に、前節CBでのプレーを強いられたWB2人が本来の仕事である高い位置を取り、どうそこに繋げるかというもの。
立ち上がりは、直接裏へと届けるボールが目立ち今一つ有効打にならず。
しかし徐々に、最終ラインとWBの間に配置する選手を利用しての縦パスでペースを掴み始め。

しかしその形は両サイドで差異があり、野嶽の居る左サイドには、シャドーの野村が降りてその役割を務め。
一方の右は、最終ラインのペレイラが前に出る事で果たすという変則型。(といってもビルドアップの形としては王道だが)
そして吉田の攻撃力というよりは、そのペレイラの攻めっ気が発揮された序盤戦となりました。
6分に決定機を迎え、右サイドでの繋ぎを経て中川の裏へのボールに走り込むペレイラ、そのまま最奥からマイナスのクロスを送り。
ブロックを掠めてニアに入り、走り込んだ池田は小倉と縺れて撃てずも、中央で弓場が拾い継続し野村へ横パス。
そして野村からシュートが放たれましたが、山根のブロックで防がれ先制ならず。

そんな大分の前向き姿勢をまともに受けた横浜FC。
福森のセットプレー以外に好機を作る事が出来ずと、窮鼠猫を噛むといった内容のまま、飲水タイム(24分)でブレイクとなり。

明けた直後も、27分に大分のFK、30分に横浜FCのFKでいずれも野村・福森が放り込み。
キッカーの競演で幕を開けると、それに従うように展開自体もさほど変わらず。
即ち大分のボール保持の局面が目立つ状況のままとなります。

横浜FCにとっては不利な内容で、ユーリ不在な分の守備力低下が響くような展開。
しかし32分、大分のゴールキックでのロングフィードからボール争いを経て、確保した横浜FCが縦に速い攻めを繰り出し。
そしてそれは福森の縦パスと、大分サイドが最も警戒していたはずの起点によるもので、そのまま高橋利ポストプレイ→カプリーニスルーパスにより裏を取った小川。
この速攻を大分ディフェンスは防ぎようが無く、GK濱田が高い位置取りでゴールを空けていた所を、あえなく小川のロングシュートで付かれる格好となり。
ゴールネットが揺れ、全てをひっくり返すような横浜FCの先制点が齎されました。

ペースは掴んでいるだけに、早めにやり返したい大分。
35分に2度目の決定機が訪れ、左サイドで野村が降りての組み立てによる前進の姿勢から、中川のサイドチェンジで右奥を窺い。
受けた吉田からポケットへパスが送られ、池田のポストプレイを経てペレイラがシュートを放ち、GK市川がセーブした跳ね返りを弓場が突く願っても無い絵図となり。
しかし井上がブロックして防いだ横浜FC、尚もこぼれ球を繋いで野村のスルーパスが左ポケットに入り、走り込んだ野嶽の手前で遮断されたこぼれに鮎川が走り込み。
この決定的な場面もGK市川が前に出て撃たせずと、エリア内の局面で流石の横浜FCの堅守が光る格好となりました。

その横浜FCは、リードを得た事で自身もポゼッションを高める思考を強め。
右サイドでカプリーニの推進力と、山根のクロスとの噛み合いで何度も好機を作り、流れを反転させに掛かります。
それでも、全体落ち着きを得る効果の方が強いといった格好で、決定機は作れず。
しかし大分の流れも失われ、全体尻すぼみといった感じで前半戦の幕は閉じられました。

共に交代無く迎えた後半。
横浜FCは後半2分、自陣での左スローイン→福森のラフな蹴り出しで一気に大分の最終ライン裏を突きに掛かり。
この高く難しいボールに対し、クリアが小さくなった所をカプリーニが拾うという形で好機となり。(その後右からクロスもクリアされる)
形を重視する大分(あくまで印象ですが)に対し、どんな手を利用しても流れをもぎ取らんとする横浜FC、という対比に移ったその最初のシーン。

これにより立ち上がりの5分間は横浜FCのペースとなり。
追い掛ける大分にとっては面白くない展開ですが、それでもどういった形でもこれを反転させなければ話にならない状況。
6分に左からの攻めで、野村のレイオフを受けにいった池田がガブリエウに倒されて反則。
これで池田とガブリエウがヒートアップする一幕が見られましたが、これによる左からのFKという好機。
キッカー野村の中央へのクロスを、安藤が掠めるようにヘディングシュートを放ちましたが、GK市川のセーブに阻まれ決められません。

しかしこの乱戦めいた絵図から、再度攻勢に入る大分。
前半からやや形が変わったようで、前述の好機のように左サイドで野村が高い位置を取る場面が増え。
左に降りる役目は中川となり、池田がボランチの位置に降りる……といったマイナーチェンジで目線を変えに掛かったでしょうか。
そして逆の右サイド奥を突き、走り込む吉田がマイナスのクロスという場面を2度作るなど、両サイドをくまなく使う攻めを駆使。

それでも得点出来ず、それに伴い早めに動く片野坂知宏監督。
14分に攻撃の肝となっていた野村を退かせ高橋大を投入と、変化に舵を切ります。(高橋大が右シャドーで、池田が左に回る)

そして18分、右からの攻めでCKを獲得するとこれが運命の分かれ道に。
キッカー高橋大のクロスが跳ね返されると、それを読んだか前に出た福森に直接渡りドリブルの体勢に。
横浜FCのカウンターかと思われましたが、足が速くない福森故に囲まれて奪われてしまい、拾ったカプリーニも弓場に奪われて逆カウンター状態に。
吉田が持ち運んで右ポケットへスルーパスを送ると、走り込んだ高橋大がグラウンダーでクロス、そして中央で鮎川が合わせ。
ゴールネットに突き刺し、ノンストップで決めきり同点に追い付きます。
一方横浜FCサイドは、福森のロストの場面が反則気味だった事で異議を唱えますが、(仮に反則だったとして)カプリーニが拾ってアドバンテージの形になっていた事が主審の判断を難しくした格好に。
意見の分かれる判定である事に疑いようは無いものの、納得し難い失点になってしまいました。

ペースが乱れるのを嫌った横浜FCは、キックオフの前に2枚替え。
中野・カプリーニ→村田・パウロへと代え、新たな駒の推進力に賭ける格好となりました。
村田の推進力は言わずもながで、パウロの能力も申し分無いものの、これにより山根がカプリーニとの連携を失ってしまったのがその後の展開を分けた感じであり。

一方逆転を目指したい大分、23分にまたも中川の左→右へのサイドチェンジが吉田に渡り、奥を窺いつつのパスワーク。
そしてその最中に吉田が(小倉に)反則を受けた事でFKとなり、キッカー高橋大のクロスをペレイラが合わせヘディングシュート。(枠外)
前半とは打って変わって、セットプレーでもカウンターでも……という、横浜FCが持ち併せている勝負に徹する思考に落ち着いた感がありました。

このフィニッシュ直後に飲水タイムが採られ、勝負の第4クォーターに。
そして横浜FCはさらに交代カードを切り、27分に小川・高橋利→伊藤・櫻川へと2枚替え。
これにより、脅威である櫻川を中心とする高さを活かす立ち回りへと傾倒し。

32分の横浜FC、縦パスを受けたパウロが溜めを作って左へ展開、そのまま福森のアーリークロスがボックス内を襲い。
ニアで伊藤が跳ぶも越え、ファーで櫻川が足で跳び込むも合わずという結果になるも、右ポケット奥で山根が拾い継続させ。
しかし再度入れられた山根のクロスは大きく精度を欠いてしまいます。
良く「クロス数リーグ1位」と放送席で称賛の声が目立つ山根ですが、その精度に関しては言葉に苦しむ、という格好であり。(逆サイドでは福森の精度があるだけに尚更)

一方大分も33分にカードを切り、久々にベンチ入りとなった長沢を投入します。
鮎川と交代(同時に中川→屋敷へと交代)し、1トップに入るかと思われましたが、左シャドー。
そして同時投入の屋敷が1トップを務める形になりました。(池田がボランチに回る)

この変節が巧くいかなかったか、以降横浜FCが一方的に攻撃機会を得る流れに。
左サイドから、村田の推進や福森のクロスを駆使して好機を作らんとし。
その一方で逆の右からは、山根がアーリークロスを入れてはフイにするという絵図ばかりが目立ち。
先程のクロス失敗で色を失ってしまったように映り、折角の展開からもフィニッシュに結び付けられません。(36分に井上→三田に交代)
唯一41分に右サイドからのアーリークロスで好機が生まれましたが、その際上げたのはパウロで、内容もカットインでハーフレーンに移ってから逆足で鋭いクロス。
これをファーで村田が足で折り返し、櫻川が跳び込むも僅かに合わずというシーンを演出します。

一方受けに回った大分、最後の交代は42分で香川・弓場→デルラン・小酒井へと2枚替え。
これ以降も凌ぐ状況が続きましたが、45分に横浜FC攻勢の隙を突くように、高橋大の裏へのロングパスに屋敷が走り込み。
右サイドで受けると思われた所で、ンドカのチャージに遭い倒れてしまいますが、反則の笛は鳴らず。
タッチライン際という事で、大分ベンチも総出で異議を噴出させる事態となります。
終盤故に熱くなるのは必然なものの、得点シーンでも判定が味方したような格好だったため、運としか言いようが無く。

そして突入したアディショナルタイムも、ひたすら続けられる横浜FCのクロス攻勢。
流れの中でガブリエウもエリア内へ入り込み、ターゲットとなるなど半ばパワープレイのように攻め上がります。
しかし単調さが浮き彫りとなり、大分ディフェンスも集中力を切らさず。
ボックス内ではフィニッシュに持ち込めず、パウロや村田のミドルシュートも決まらずと、攻撃を続けている割にはゴールが遠く。

そして8分あった目安時間も過ぎ去り、試合終了の笛が鳴り響き。
1-1で引き分けに終わり、横浜FCにとっては今後の首位戦線に不安を覗かせる試合となった感がありました。

一方の大分は何とか勝ち点1を積み上げ。
伸びてくる降格圏の魔の手を振り払い、苦しいシーズンを凌ぐ事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第31節 栃木SCvs水戸ホーリーホック

2024-09-19 16:01:50 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(29節・長崎戦、1-1)
※前回の水戸の記事はこちら(25節・長崎戦、2-1)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

<水戸スタメン>

  • GK富居が加入後初のスタメン出場。
  • 24節(横浜FC戦、2-2)で負傷交代した山本隼が復帰、ベンチ入り。

残留争いで重要な局面となる一戦は、「北関東ダービー」においても同様であり。

前半戦は群馬含め、3試合とも引き分けで終わったダービーマッチ。
そのため後半戦に雌雄を決する事となりましたが、水戸は群馬に対し勝利。(28節、2-1)
一歩前に出たのみながら、その一歩がとてつもなく大きい。
この日水戸は勝利すれば文句無しに戴冠が決まり。
逆に栃木は2戦残っているとはいえ、最低でも1勝が求められる状況に。
そんな悪く言えば「場外での戦い」を抜きにしても、降格圏脱出を狙う栃木に対し、水戸はその魔の手から逃れるというコンセプト溢れる一戦となりました。

しかしその天候は芳しくなく、試合前から弱く降り注いでいた雨が、キックオフ後徐々に強まりを見せ。
そんな中で前半1分、いきなりスローインを受けようとした久保が倒された事でフリーキックと、水戸のセットプレーという入りになり。
お天道様もピッチ上のサッカーも、波乱を予感させるものだったでしょうか。

栃木は前回観た際と同様、地上での繋ぎ+宮崎へのロングボールを組み合わせた、ハイブリッドと表現したくなる攻撃面。
それに加えこの日は果敢なハイプレスも冴え渡り、5分には水戸最終ラインのパスミスを誘発し、ショートカウンターの姿勢も森俊貴→宮崎のパスが遮断されてスピードダウン。
しかし左サイドで組み立て、神戸の手前からのクロスが上がると、ファー奥まで走り込んだ福島が折り返し(繋がらず)とピッチを広く使っての好機を生み出し。

すると直後の6分、今度は最終ラインでのパスワークから、ラファエルのロングパスで裏を突くという疑似カウンター的な好機。
受けた宮崎が左ポケット奥へ切り込み、その勢いのままマイナスのクロスを送るも中央に走り込む南野には合わず。
流れた所をまたも福島が合わせ、シュートのために足を振りましたがミートせずさらに逆サイドへ流れ。
しかしこれが丁度宮崎の足下へ戻るボールとなり、放たれたシュートがGK富居の股を抜いて右サイドネットを揺らします。
ゴール前で右往左往するボール・クロッサーがフィニッシャーを兼ねるという、何とも珍妙な絵図でしたが先制点に辿り着いた栃木。

早々に追う立場と化した水戸ですが、ダービー故に依然テンションは高く。
8分右サイドで長澤がカットしてこぼれた所、長井が1タッチで裏へロングパスを送り好機。
受けた久保が右ポケット奥を突いてマイナスのクロスと、先程の宮崎をトレースするようなチャンスメイクをしましたがシュートには繋がらず。
しかしクリアして栃木が拾った所、ゲーゲンプレスで長澤が奪い返しさらに攻める(長井が右ポケットを突いてクロス)、という具合。

それでも組織的には、栃木のハイプレスに悩まされてビルドアップがままならない状態に。
1トップ・2シャドーの栃木の前線に対し、長井が最終ラインに降りる「ミシャ式」の布陣での繋ぎで対抗せんとする水戸。
しかしそのシステムは、サイドに出した所にウイングバックが強烈に詰めに来る栃木と噛み合ってしまう形となり、前進が困難となります。

そんな閉塞感を打破したのが縦突破で、15分左ワイド後方から大崎がドリブルし、草野とのワンツーも混ぜて前進に成功したのちスルーパス。
受けた新井が奥へ切り込んでマイナスのクロス、今度は中央の久保の脚に合うという所で、プレスバックした神戸と絡み合う格好に。
すかさず笛が鳴ると、神戸の反則という判定でPKが齎されます。
これはとても微妙な判定で、一瞬久保の反則にも見えるようなプレーでしたが、栃木サイドの懸命な異議も当然実らず。
ゴール裏の栃木サポーターのブーイングを浴びながらのキックとなったキッカー久保、それを打ち破る様にゴール左へ強く蹴り込むと、GK丹野のセービングも届かずネットを揺らし。
結果同点となり、振り出しに戻した水戸。

しかしその後も同様の展開で、水戸はプレッシャーによるパスミスを頻発。
好機は23分、右ワイドで長澤がドリブルを仕掛けたものとやはり縦突破でしたが、ここは森俊に止められて実らず。
そして悪天候と、かつてのグリーンスタジアムを彷彿とさせる芝の状態の悪さによる影響も見られるようになり。
23分、栃木の裏へのロングパスをGK富居がヘッドでクリアするも、切り返さんとした大崎が転倒して拾えず栃木の攻撃が継続。
拾った南野のスルーパスに走り込んだ宮崎が右奥からクロスを入れるも、中に合わせる選手は居らず助かる格好に。

表面上はタイスコアも、栃木優勢の流れで飲水タイムが挟まれ。(25分)
ブレイク後もそれは継続され、27分にはまたもパスミスを拾った栃木の好機となり、右サイドからクロス攻勢。
神戸の2度目のクロスをセーフティにクリアする破目となり、左コーナーキックで継続すると、キッカー青島はニアサイドへクロス。
そして藤谷フリック→中央で福島ヘディングシュートと、ゾーン守備の水戸の間を縫った末にピンボールのようにゴールに吸い込まれ。
好循環をしっかり結果に繋げ、再度リードを奪いました。

反撃したい水戸ですが、相変わらずサイドからの推進力に頼る以上の事が出来ず。
新井や草野がドリブルでサイド奥を突かんとし、成功したときのみ好機が訪れるという流れ。
36分には栃木の攻撃も、森俊のクロスをカットした櫻井からカウンターに持ち込み。
草野が中央をドリブルと、毛色の違う好機になりそうな所で南野に反則で止められ、南野に警告が出たものの形にはならずに終わりました。

そして終盤は、無理にロングボールを送っては栃木に跳ね返され、逆襲を受けるの連続という目も当てられない展開に。
45分にはその反転を(新井が)反則で止めてのFKから、ラファエルがヘディングシュートを放ちましたがGK富居がキャッチ。
何とか追加点だけは防ぐ格好で、前半を終わらせました。

1点差ながら、巻き返しは必須と言える流れの水戸はハーフタイムで動き。
山田・牛澤→楠本・山本隼へ2枚替えと、センターバック2人を退かせる選択します。

根底の部分を変えて挑まんとしましたが、それに待ったを掛ける事態が発生。
それはひっきりなしに雨が降り注ぐという天候で、後半のキックオフ直前にとうとう雷鳴が轟く状況にまで発展し。
ピッチ上も水が浮き始める深刻な状態で、始めるか否かという選択を迫られ、結果中断する事となります。

その時間は実に1時間半にも及び、その間に形成された水たまりを、手作業で取り除く事に追われるスタッフ。(放送席の談では、栃木のメンバー外の選手も参加したとの事)
何とか再開の段取りになりましたが、ここで大きく動いて来たのが水戸・森直樹監督。
先程の2枚替えに追加する形で、甲田・草野→前田・中島への交代を敢行と合計4枚替え。
これで4-4-2の布陣となり、最終ラインは右から長澤・長井・楠本・大崎、ドイスボランチは櫻井・前田と、大きく変えて後半に臨みました。

水たまりは大部分が除去されたとはいえ、地上での繋ぎは期待出来ないピッチ上。
そのため水戸の戦術は、久保・中島の2トップ目掛けたロングボールがメインとなりました。
これが実に良く機能し、栃木ディフェンスがセーフティなクリアを強いられると、すかさず送られる大崎のロングスロー。
秋田を彷彿とさせるその割りきったスタイルで、前半の閉塞感は見事に打ち破られます。

これを見た栃木も、押し込まれるのを受けて宮崎狙いのロングボールへと傾倒。
しかしここは、投入された楠本が彼との空中戦にほぼ全勝と機能させず。
大胆な采配が見事に全方面で当りとなれば、流れが反転するのは道理であり。

開始10分で、実に水戸(大崎)が放ったロングスローは4本と量産体制に。
ひたすら押し込む流れを得て、12分に得た左CKから、キッカー櫻井のクロスを久保が合わせヘディングシュート。
ゴール左を襲ったものの、森俊のブロックで跳ね返されて惜しくも同点ならず。
しかし右スローインからも大崎のロングスローで継続し、混戦が生まれた所を長澤がシュート。
これをブロックして防いだ福島が痛んで倒れ込む(その前にも、大崎のクロスを鳩尾で防いで痛む場面があり)という具合に、フィニッシュの嵐に対する必死の守備の絵図は拭えなくなってきた栃木。

そしてさらに継続した右CK。
キッカー大崎のクロスを、今度は楠本が合わせてのヘディングシュート。
外から中央に入り込む形でマークを外し、ゴールネットに突き刺して同点弾を齎します。
狙い通りの展開に持ち込み、再度振り出しに戻した水戸。

一気に劣勢を強いられた栃木。
15分に右スローインからの繋ぎで、アタッキングサードでパスワークに入る好機。
左から神戸のクロスが流れ、右奥で拾って継続させるという所で、福島が新井の反則気味のアタックで奪われ。
すると低い位置から新井がドリブル突破を見せた事でカウンターとなり、スルーパスを受けた久保はカットインから中央に託し、走り込んだ中島がシュート。
ラファエルのブロックで防ぐも、依然として水戸の流れという事を示す攻防に終わり。

何とかしたい栃木は、宮崎を囮としつつの裏抜けという形で組み立て始め。
しかしここも、ロングパスに走り込んだ南野に対し蓋をして防ぐ楠本。(19分)
結果的に、その守備面での貢献は大きな要素となりました。

そして21分、栃木はイスマイラの投入に踏み切り。(奥田と交代)
宮崎と並べる事で打開を図る、という意図なのは一目瞭然でした。

しかし、反撃しなければという焦りの方が強まった感があり。
22分、後方から藤谷が放り込まんとした所を久保が詰めてブロック、こぼれ球に対し新井が拾いにいくという危機が生まれ。
これをラファエルが彼を倒す形で止め、笛は鳴らずと際どい凌ぎを強いられるのは変わらずであり。
その後も、中島・久保の2ターゲットを狙う水戸の攻撃に難儀する栃木ディフェンス、幾度もエリア内を脅かされるなどその展開は変えられません。

そして28分、ここもゴールキックでのロングフィードと、一気に前に運ばんとするも楠本の跳ね返しが待ち受け。
このクリアを収めた久保、浮き球のまますかさず裏へと送り、中島が走り込む事で決定機を迎えた水戸。
栃木が前に出た所を綺麗に突く格好となり、エリア手前という位置で果敢にシュートを放った中島。
ゴール右へと突き刺さり、とうとう逆転に辿り着きます。

流れを変えられなかった代償は、痛すぎるものとなった栃木。
その後も水戸の押し込みを受け、一向に反撃の気運が巡って来ず。
それにしては交代カードを切らなかったのは不可解ですが、ピッチコンディション故に活きる駒が無いと踏んだのか、ないしは中断により体力消耗は浅いと判断しての事か。

転機は37分で、最終ラインからラファエルがドリブルで仕掛けた末にスルーパス。
ここは繋がらずも、以降前掛かりとなり攻めに加わるラファエル、時には流れの中でエリア内でターゲットとなるシーンも見られ。

再びペースを掴み、4-4-2へと変更した水戸ディフェンスの隙を窺うように、サイドチェンジも使いながら敵陣でサッカーを展開する栃木。
イスマイラがロングボールを落とすという絵図も増えましたが、それでもその道筋は盤石では無く。
フィニッシュは38分のイスマイラのヘディングシュート(GK富居キャッチ)ぐらいのものに終わります。

水戸は42分に最後の交代、久保→村田。
村田は当初FWに入るも、時間が進みアディショナルタイムの半ばで、右WBに回る事で再度5-4-1で逃げきり体制を形成する役目となり。

そのATで栃木ベンチはようやく動き、福島・南野→大森・山本桜。
守備を固める水戸に対し、最後の反撃を試み。

後方から神戸のロングパスが、エリア内のイスマイラに渡るというロングボールでの好機が訪れ。
ワントラップからボレーシュートを狙ったイスマイラですが、距離を詰めたGK富居のプレッシャーもありふかしてしまう結果に終わり。
繰り広げる攻勢ですが当然隙もあり、それを突いて新井が持ち運ぶ絵図を作る水戸。
平松が反則で止める事を余儀なくされる(警告)など、流れの悪さは最後まで拭えずとなりました。

結局2-3のままスコアは動かず。
試合終了の笛が鳴り、北関東ダービー制覇が決定付けられた事で歓喜に沸く水戸サイド。
不測の事態も絡んだ試合を、対応力と力強さで制したその姿は、文字通り優勝カップを手にするのに相応しいといえるでしょう。

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