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ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第35節 ベガルタ仙台vs横浜FC

2024-10-21 16:01:20 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の仙台の記事はこちら(31節・藤枝戦、2-3)
※前回の横浜FCの記事はこちら(32節・大分戦、1-1)
※前回の両クラブの対戦はこちら(7節、横浜FC 1-2 仙台)

<仙台スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 松井が累積警告により出場停止。
  • 30節(群馬戦、0-0)で負傷交代した有田の詳細が発表され、全治約10週間との事。
  • 32節(甲府戦、2-2)で負傷した實藤の詳細が発表され、全治約6週間との事。

<横浜FCスタメン>

  • 前節(鹿児島戦、1-0)から昇格リーチで、今節はさらに条件緩和となり勝利で無条件に昇格。引き分け以下の場合は、3位の長崎も引き分け以下になると昇格決定。
  • 移籍先が決定(ベトナム2部・ビンフオックFC)したグエン・コン・フォンが、33節(清水戦、1-1)をもって登録抹消。

盤石の戦いぶりを続け、ついにあと一つという所まで辿り着いた横浜FC。
20戦無敗を継続中という成績にも色濃く表れ、残り4戦で全敗するとはとても考え辛い状態に。
つまりここから3位以下への転落は殆ど考えられない立ち位置ですが、勝負事故にいち早く決めて落ち着きたいのも確か。
そしてそんな思考が、この日はマイナスに作用してしまったでしょうか。

一方の仙台、その相手含めた上位2チームがほぼ盤石故に、プレーオフ圏を固める戦いへと突入。
現在はその6位以内には居るものの、僅差での争い故に最後まで気が抜けないのは必至であり。
ここで昇格(予定)クラブを叩く事で、プレーオフでの戦いも含めた今後の気運を高められるかどうか。

仙台はこのシーズン最終盤という局面で、自慢であった「敵陣でのボールゲインからのショートカウンター」を見せ付ける戦いが減って来た印象であり。
特に前回観た藤枝戦のような、GK含めた最後方からの繋ぎが洗練されたクラブになると、その戦いぶりはもう駄目になるといった感じ。
しかしこの日は、いきなりの前半1分にパスを受けるユーリから相良がボール奪取(直後にユーリに倒され反則)という絵図でスタート。
ここ最近の低調ぶりを払拭するには十分な入りとなりました。

前線からの守備、特にエロンの規制が巧くいき、横浜FCの起点となる福森にフィードを蹴らせない立ち回りを徹底し。
相手のストロングポイントを封じると迎えた6分、仙台の最後方からの攻撃という形から、プレッシャーを呼び込んで小出が右奥へロングパス。
走り込む郷家の前でンドカが蓋をしてボール確保するも、すぐさまゲーゲンプレスを受けるという形になった結果、苦し紛れのヒールパスをカットした郷家。
「ストーミング」にも似た展開で好機に持ち込んだ仙台、すかさずの郷家のクロスから、その跳ね返りを相良がダイレクトでボレーシュート。
綺麗に仕留めたというフィニッシュがゴールネットを揺らし、開始からの経緯・ゴールの絵図ともに幸先の良いスタートを切りました。

その後は、ビハインドを取り戻さんとする横浜FCの積極姿勢の下、お互いプレッシャーのなかボール保持を目指すという展開に。
10分に横浜FCが、それを嫌がるようなンドカのロングパス一本で、クリアが乱れて右コーナーに持ち込み。
そしてキッカー福森を冴え渡らせるという、綺麗にいかずとも前進を果たした末のセットプレーにより早期に同点を狙います。

リードを得た仙台にとってその強引とも取れる手法は、圧に屈する危険もある反面、粗雑となった所を突く好機でもあり。
15分に再び最後方から主体的な攻撃に入ると、自陣最終ラインでサイドを動かしながらのパスワークでプレスをいなす良好なビルドアップ。
しかし右ワイドから中央に入れた所、鎌田が(プレッシャーは殆ど無いにも拘らず)雑に1タッチパスを前に送った結果ユーリにカットされ横浜FCが反転。
そしてパウロが中島に倒されて反則になると、フリーキックを素早くリスタートさせてスルーパスに走り込んだパウロがシュート(工藤蒼がブロック)と、ヒヤリとする場面を作られます。
相手がしゃかりきに出て来てくれる状況で、自身も立ち回りを雑にしたくない所。

一方横浜FCのビルドアップも、仙台のプレッシャーを利用するべく1タッチパスを重視した前進を採用する局面が多くなり。
20分最後方から1タッチパスを続けるも、敵陣で工藤蒼がカットして仙台のショートカウンターに。
そして鎌田が中央からミドルシュート(ゴール左へ外れる)と、こちらも不用意な1タッチでのプレーが仇となる未来が過ります。

展開的には、横浜FCがボールを握る絵面が増えていく半面、相変わらず福森がエロンのプレッシャーもあり思うようなパスを出せずに手詰まり感が漂う状況に。
そのため逆の右センターバックであるガブリエウからの展開を試み、28分にはそのガブリエウのスルーパスに走り込んだ山根が右ポケット奥からマイナスのクロス。
そしてニアサイドでパウロが合わせるも、逆ベクトルへのボールとなった結果撃ちきれずに終わり。

次第に攻撃機会が減ってきた仙台でしたが、32分に再びGKから前進する局面を迎えると、右ワイドへの展開から郷家が1タッチで中央へミドルパス。
エロンのスルー(これにンドカが釣られる)を経て中島が抜け出す好機になると、たまらず反則で阻止したガブリエウが警告を受け。
これで得たFK、中盤寄りからという遠い所でしたが、キッカー鎌田のロビングを中央やや左寄りで菅田が合わせ。
ゴール右隅を襲ったこのヘディングシュートをGK市川がセーブするも、すかさず走り込んだ郷家が右ポケットからマイナスのクロスを送り継続となり。
そして手前でブロックを掠めるもエロンが合わせきり、ゴールネットを揺らして追加点を齎します。
首位相手に思いがけぬと言っては失礼ですが、2点リードを奪った仙台。

その後もラフなロングパス→横浜FCのクリアミスや、縦パスをカットしてのカウンター→反則と、相手の自滅気味の流れで好機を作る仙台。
2点差となり焦りが一層目に見えるような横浜FCでしたが、何とか落ち着かせて再度保持の流れを築いたのが終盤、という展開に。
福森が抑え込まれるのを受け、中野が先陣を切ってドリブルで左奥を窺い、そこからの戻しで福森のクロスを使うという左サイドの攻撃へと切り替え始め。
これで左右をくまなく使う姿勢となるも、仙台の守備ブロックもあり、それにより遠目からのクロス攻勢を強いられた感も出てきました。

フィニッシュを放てないままアディショナルタイムに突入し、福森の縦パスで左ポケットを突きに掛かるも、パウロのクロスはブロックに遭いやはりこじ開けられず。
その後こぼれ球を繋いだものの、ガブリエウの遠目からのミドルシュート(工藤蒼がブロック)に留まり。
苛立ちが募る状況で、犯したパスミスから仙台が敵陣で攻撃開始となり、持ち運んだ相良のラストパスを経て中島がシュート。
GK市川がセーブしてコーナーに逃れるという具合に、ひたすらボールを握るもその実りは限りなく少ない、といった前半の横浜FC。

2-0のまま前半終了となり、迎えたハーフタイムで横浜FCは2枚替えを敢行、ガブリエウ・小川→中村・伊藤へと交代。
後半も同様の展開が予想され、上がってのプレーが求められるなかで、有効打となり易い中村へと代えた右センターバック。

そして開始した後半、やはりその中村の持ち運びからゲームを組み立てに掛かる横浜FC。
これにより山根を高い位置へ押し上げ、彼へ預けてからのクロスを槍とする立ち回り。
後半2分にはその体勢から左へのサイドチェンジを通す中村、受けた中野が左奥を窺っての戻しから、中央への展開を経てパウロがミドルシュート。(ブロックに当たり枠外)
両ワイドをフルに使う姿勢で、一方的な展開へと持ち込む事に成功すると、4分にはクロスの跳ね返りを拾ってさらに前進と分厚い攻め。
左サイドの高い位置で持った福森が真瀬に倒され、反則となりFKに。
ワイドからなため、キッカー福森は十中八九クロスを選択するという予想のなか、それを覆すように放たれたキックは直接ゴールへ向かい。
そして左ポストを直撃して跳ね返るボールと、専守を敷いた相手に再三裏を掻く事で好機を量産します。

前半とは打って変わって、ひたすら殴られるという状況に陥った仙台。
11分に相良→オナイウへと交代(右サイドハーフに入り、郷家が左SHに回る)と、素早く動いて打開を図るも中々好転せず。
4-4-2のブロックでは、5レーンをフルに使う相手にはどうしてもサイドで後手に回るのは避けられず。
2列目の選手が降りての対応でボックス内への進入を防ぎに掛かると、横浜FCサイドもそれを見て遠目からのフィニッシュを狙い続け。
主にパウロが右ワイドからカットインし中央へ流れてのミドルシュートにも、それを崩さずにブロック体制に入るという具合に、とにかく間を抜かれての進入だけは許さない守備体制。

これにより再び焦れて来た横浜FCは、エリア内へ縦パスを通さんとする姿勢へと移り変わり。
これを遮断してのカウンターを展開する仙台、17分にオナイウドリブル→左へ展開ののち郷家スルーパス→中島で奥を取って溜めを作り。
そしてポケットへのパスを受けた工藤蒼がシュート。(枠外)
続く19分にも真瀬のパスカットで矢印を反転させ、オナイウのボールキープで遅攻となったのち、右から中島クロス→ファーで郷家ボレーシュート(枠外)とフィニッシュに結び付け。

負けパターンが過り始める横浜FC、20分にスルーパスを受けた山根(この日はアーリークロスに傾倒する姿は見られず)が奥へ切り込んでクロス。
逆サイドへ流れるも中野が拾い継続し、中央後方から福森が浮き球を送ると、高橋の落としで乱戦となるエリア内。
こぼれ球を福森がシュートに持ち込み、菅田がブロックした跳ね返りをさらにユーリがシュート、これも工藤蒼がブロックと必死の攻防。
さらにこぼれ球を高橋レイオフ→パウロシュート(工藤蒼ブロック)と追撃し、跳ね返りを尚も繋げてパウロが右奥からカットイン。
そして右ポケットからシュート(GK林キャッチ)と、ボックス内を良い感じに突けた怒涛の4連撃もゴールを奪うには至りませんでした。
直後にさらにベンチが動き、高橋→櫻川へと交代。

その後も中村が高い位置を取るのを軸に、山根が右奥からクロスを入れ、福森が後方中央寄りで舵取りに専念する後半の基本姿勢を貫く横浜FC。
必死に決壊を防ぐ仙台も、26分に石尾・エロン→奥山・梅木へと2枚替え。
エネルギーを充填しに掛かりましたが、その最初の局面である27分に中村のパスカットから矢印を反転させる横浜FC、福森が中央を持ち運んだのを契機にアタッキングサードに侵入。
そして中野が左奥を窺う体勢になると、クロスでは無くカットインから中央への戻しを選択した末に福森がミドルシュート、それも逆の右足でのものと徹底的に裏を掻き。
これをGK林が何とかセーブ、跳ね返りを櫻川が詰めましたが体勢悪く枠外に終わります。

何とかこじ開けんとする横浜FCですが、30分にパウロ→カプリーニへ交代と、前線の駒も入れ替わりを余儀なくされ。
櫻川の高さ・パワーを活かしに掛かるのも手となるでしょうが、そうなると単調ぶりが顔を出すという戦略的敗北が脳内を侵食しかねない。
そんな葛藤があったか、以降失速気味となり思うように攻勢に入れません。

35分、仙台のクリアボールを確保ののちパスワークで前進を図る横浜FCですが、出足の良い仙台デイフェンスの前に自陣でボールロスト。
それもボランチの鎌田が前に出てバックパスを遮断という形でショートカウンターへと移り変わり、こぼれ球を梅木が1タッチでスルーパス、受けた中島がエリア内へ進入した末に右のオナイウへ横パス。
こうして迎えた決定機ですが、切り返しを経て放たれたオナイウのシュートはGK市川が足でセーブ、跳ね返りからの梅木のボレーシュートもGK市川が腕でセーブ。
2連続のビッグセーブに阻まれ追加点はならなかった仙台。
しかし横浜FCサイドも、迷いながらの前進は相手に付け入る隙を与えるのみという事を示してしまう、痛み分けの絵図だったでしょうか。

何とか機運を取り戻さんと、38分に最後のカードを使った横浜FC。(ユーリ→小倉)
ボランチの展開力を高める事で、(ユーリの守備力を犠牲としてでも)再度敵陣での攻勢を強めに掛かる巻き直しの体制に。

その後長いボール保持による攻撃機会を作り(39分)、狙い通りの展開が生まれかかり。
しかし41分、仙台は後方からオナイウの持ち運び→中島のキープから最終ラインへ戻し、保持に入った事でそれを落ち着け。
そしてベクトルを前に向けると、右サイドを小出縦パス→オナイウスルーパスで一気に前進に成功し、真瀬が奥からマイナスのクロス。
ガラガラとなった所に送られたボールを、後方から走り込んだ工藤蒼が合わせてのシュートで、ゴールネットを揺らし止めを刺します。
ここでの横浜FCの対応は真瀬についていた中野が、ボールを持ったオナイウへのチェックに切り替えるも、マークの受け渡しは福森では無く小倉となった結果真瀬の抜け出しを許し。
そしてボランチ不在の結果のどフリー、余って浮遊する福森が如何にも心象悪いという、堅守のチームらしからぬ絵図となってしまいました。

ゴールを決めた工藤蒼ですが、同時に足を攣らせてしまい倒れ込み。
そのまま相手ゴールライン側からピッチ外に出される事態となり、キックオフ前に交代の運びとなります。
同時に残っていたカードも使い工藤蒼・中島→松下・モラエスへ2枚替え、その結果5バックシステムへと移行(モラエスが左CBに入った3-4-2-1)し逃げ切り体制に。

残り数分で3点差と、勝利ならびにこの日の昇格(長崎の試合が翌日なため)は絶望的な状況となった横浜FC。
再開直後の44分、中村ミドルパス→櫻川ポストプレイを経て、抜け出さんとしたカプリーニが奥山に倒されて反則。
これによりエリアからすぐ手前の直接FKと、名キッカーに絶好の見せ場が訪れます。
当然それは福森で、右ハーフレーンという横位置から直接狙ったものの、壁を直撃と実らず。

こうして迎えたAT、時間も押し迫った事で後方からのロングパス攻勢を余儀なくされる横浜FC。
しかしこうなると仙台もただ跳ね返すだけでOKとなり、6分という目安のなか攻撃機会は3度のみに終わる事となりました。

結局3-0で終了を迎えたこの試合。
昇格を決められなかった横浜FC、翌日長崎が勝利した事で、文字通り寸前で足止めを喰らった今節。
一方の仙台は昇格を近づける勝ち点3……と思われましたが、ライバル(千葉・岡山・山形)が全て勝利したため勝ち点差は変わらず。
意味合いが両者全く異なると見せかけ、双方とも変化無く次節を迎えるという珍妙な結果となりました。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第34節 V・ファーレン長崎vs大分トリニータ

2024-10-10 16:03:08 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の長崎の記事はこちら(31節・いわき戦、2-0)
※前回の大分の記事はこちら(32節・横浜FC戦、1-1)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

<大分スタメン>

  • 前節(藤枝戦、2-0)出場停止だった弓場がスタメンに復帰。
  • 長期離脱していた町田が前節復帰し途中出場。(今季初出場)

リーグ終盤の熱い戦い、というタイミングで開場を迎えた、長崎の新スタジアム。
その名も「PEACE STADIUM Connected by SoftBank」で、全部横文字なのが今風を感じさせるものでしょうか。(単に同じ「ピース」の単語を利用している広島のスタジアムと区別をつけるためな気がしますが)
かくして完遂した「長崎スタジアムシティ」プロジェクトにより、選手とは別になったヴィヴィくんの入場口とか何もかもが新しくなり迎えた一戦。

しかし雰囲気は一新されても、それまでのリーグの成績は当然ながら残り。
この開場を昇格争いの最中に迎える事が出来たものの、逆にこの日が、上位である横浜FC・清水に昇格リーチが掛かる状況。
それを防ぎ、かつ今後奇跡の逆転昇格を果たすには勝利あるのみと、ある意味後が無い状態となっている長崎。

一方対戦相手は、下平隆宏監督の前職という事で温かく迎えられた大分。
こちらも切羽詰まった状態ですが、長崎とは逆に残留争いの渦中で、勝利すれば19位・鹿児島が今節降格の可能性が出る試合となり。
前節ようやく掴んだ勝ち点3が齎すであろう上昇機運を、この場にぶつけたい所。

最初に好機、即ち相手のボックス内を突けたのは長崎で前半3分。
立ち上がりでお馴染みの流れである空中戦→ラフなロングパスという初手で、その米田のロングパス、というには語弊がある殆ど前に飛ばない天高く上がったロビングを増山が逆サイドで収め。
そしてジェズス・ギリェルメの持ち運びで前進し、一度は遮断されるもパスカットで継続と、敵陣に入ってからはマンパワーを押し出し。
バイタル付近での繋ぎを経て、ギリェルメのパスを左ポケットで受けた米田、巻くようにクロス気味のシュートを放った(枠外)のが新スタジアムの記念すべきファーストシュート。

しかしその後、好機という面では沈黙。
といっても無駄に時間を過ごすのとは違い、長崎のボール保持に対し大分がミドルプレスの位置で構えるのを崩さないが故に起こった事であり。
頂点の鮎川がアンカーをしっかりマークするのを軸とし、滅多な事(バックパスのトラップに乱れが出た時とか)では前に出ない姿勢を維持する大分。
それに対し長崎も、サイドに出してサイドバック⇔ウイングのパス交換で相手の動きを窺いながら、センターバックに戻すという様子見を繰り返し。
エキサイティングとはかけ離れた、最終ラインでの保持の絵図が長く占めるその姿は、まるでクラシコ(バルセロナvsレアル・マドリード)を観ているような感覚であり。
新スタジアムの開場に伴いサッカーの内容も海外リーグ仕様に……とは言い過ぎか。

そんな状態が続くなか、12分敵陣右サイドで吉田がボールカットして動きかけますが、奥で拾いにいった鮎川にすかさずヴァウドが蓋をして事故にはさせず。
しかし直後のゴールキック、当然長崎はショートパスから地上での繋ぎを再開させるも、しっかり嵌めた大分はミドルパスを蹴らせて弓場がカット成功。
ここからのショートカウンター(鮎川→野村へのエリア内へのスルーパス)は遮断されるも、弓場が再度ボール奪取して継続と分厚い攻めに入り。
そして再度こぼれ球を拾った弓場がミドルシュート、ブロックされるも尚も継続してコーナーキックに持ち込み。
この右CKから、クロスを安藤が合わせヘディングシュート(枠外)と、ボールを支配されていた側の大分が跳梁を見せます。

保持(15分までの保持率は79%)を攻撃に繋げたい長崎は、17分に最終ラインから、田中はワイドでは無く同レーン(左ハーフレーン)への縦パスを選択。
ジェズスフリック→名倉と前線に繋げてギアチェンジ、ドリブルでエリア内へ切り込み横パスと好機を迎え。
これはギリェルメの手前で遮断され、拾った澤田も撃てずにこぼされるも、右へと流れたボールに増山が走り込んでシュート。
これがゴールバー上を直撃してラインアウトと、際どいフィニッシュになります。

お互いフィニッシュを浴びせた事で展開にも変化が起き、20分過ぎ辺りから大分もボール保持の意思を見せ始め。
元来地上での繋ぎに定評はあり、前節カウンターに勝機を見出し成功したというだけで、守勢からのカウンター一辺倒なチームにはあらず。
長らくパスを繋ぎ前進を図るも、戻して作り直しという、序盤の長崎のような立ち回りへと入ります。
それでも22分に長崎のプレッシャーの間を通し、野村のスルーパスで左奥を突く(野嶽が受けるもヴァウドに阻まれる)という具合に、大分よりも積極性がある長崎の前線だけに可能性は見られ。

しかしそんな矢先の24分、最後方つまりGKまでの戻しを選択した大分。
ムンキョンゴンの前方(弓場)・右(安藤)・左後方(香川)と3通りのパスという選択肢も、弓場は安部に付かれ、香川への戻しもギリェルメが詰められる位置に居るため追い込まれるのみ。
そのため安藤を選択し、横を切るジェズスの側を抜かんとするパスを送ったものの、これがジェズスの伸ばした足に引っ掛かる大失態という絵図に。
当然その後は無人のゴールへ蹴り込むジェズスと、大分サイドにとっては憮然たる得点が生まれました。(結局三方とも切られていたため、フィードにすべきだったでしょうか)
絵図的にはあっけないものの、最終ラインの繋ぎの精度での差を示す、新スタジアムの初ゴールだったでしょうか。
それと同時に飲水タイムが採られます。

再開後長崎がボールを握る展開へ戻ると、大分は追い掛けなければならなくなった事で隙が生まれたでしょうか。
30分ここも最終ラインからですが、アンカー秋野を経由して縦に運ぶ事に成功すると、名倉がドリブルからミドルシュート。
ゴール右へ外れるも、中央から前進出来るようになる程に、自身のミスでの失点による影響は甚大なようであり。

32分にも左サイドでボール奪取した澤田から、中央へと移したのち前進を図る長崎、ギリェルメのドリブルは阻まれるもこぼれ球はそのままラインアウトし左CKに。
そしてキッカー・ギリェルメの中央へのクロスから、ヴァウドがヘディングシュートを放ってゴールに突き刺します。
ファーへのジェズスを警戒していたか、その手前で跳び出し抑えんとしたGKムンキョンゴンの更に手前で合わせる格好でのフィニッシュ。
自身の長崎での初ゴールという要素も相成り、歓喜に沸く長崎サイド。

これで2点差と苦しくなった大分、35分にプレッシャーを掻い潜ってのパスワークで左奥へ運び、野嶽がカットインを経てマイナスのクロス。
ニアの鮎川が合わせきれず、ファーに流れたボールを高橋大が撃ちにいくも、澤田と交錯してこぼれ球に。
倒れ込む高橋大を尻目に尚も攻める大分、クロスの跳ね返りを落とした池田が、さらにジェズスに倒された事でたまらず反則の笛が鳴り。
長らく痛んだ高橋大が何とか起き上がった所で、中央から直接フリーキックの好機となった大分。
何としても決めたい所でしたが、その高橋大が放ったシュートは落ちきらずゴール上へと外れてしまいます。

結局(第2クォーターで)大分の見せ場はそれだけとなり、以降は再び長崎がボール保持する時間に。
大分は従来の構える姿勢か、ビハインドを跳ね返すべく前に出るかで迷っている風であり。
その中でアディショナルタイム、FKから右サイドでのパスワークを経て、安部の手前からのクロスが直接ゴールを襲い。
これが左ポストを直撃と、あわよくば3点目という流れも構築されつつありました。

結局2-0のまま前半が終了。
巻き返しを図る大分は、ハーフタイムで高橋大→保田へと交代。
アンダー代表(U-19)から帰還したての保田の投入で、陣容を固めに入りました。

この保田がボランチに入る事で、池田が一列上がってシャドーとなる。
そんなポジションチェンジを想定していましたが、実際始まった後半では、池田は一列どころか最前線まで上がり。
つまりは3-3-2-2(3-1-4-2)へとシフトしたようで、保田は主にシャドーの立ち位置に。

しかしその変更が馴染まないうちに、押し込みを掛ける長崎。
後半3分にFKから好機を作った(放り込みと見せかけて地上から、米田がスルーパスに走り込んでシュート、GKムンキョンゴンキャッチ)のちの、大分のゴールキックからでした。
地上で繋ぎを図る大分に対しプレッシャーを掛け、安藤の縦パスを秋野が綺麗にカットしてショートカウンターに入り。
そしてエリア内へ進入したジェズスの、ディフェンスを十分に引き付けての横パスで、受けたギリェルメがGKと一対一に。
冷静にゴール右へと決めたギリェルメにより、長崎がさらに点差を広げます。
新スタジアムの名称のような、平和的とはとても言えないスコア(3-0)に。

一層目の色を変えなければならない大分。
アンカーは弓場のようでしたが、状況によっては野村がその位置に降りる事もあり。
視覚的には、3ボランチによる3-5-2といった方が正しいでしょうか。

それにより、本格的にボールポゼッションを高めて反撃に掛かる大分。
前回観た際と同様に、WBに高い位置を取らせてどうにかそこに繋がんとする姿勢での攻撃。

サイド奥に切り込み、押し込んだ成果であるCKも何度か得るものの、肝心のフィニッシュの数は膨らまず。
11分、野嶽が左ワイドから斜めに切り込んでポケットを取り、スイッチで引き取った池田がシュートコースを探すもディフェンスに阻まれ。
こぼれ球を弓場がミドルシュートにいった所、名倉のチャージを受けながら撃つ格好になったため、枠外ののち反則の笛が鳴り。
エリアからすぐ手前での直接FKの好機となります。
これを受けた長崎、既に交代準備はしていたものの、悩んだ末に壁の高さを増すためにフアンマ投入という選択をします。(名倉と交代・同時に澤田→笠柳に交代、ジェズスがインサイドハーフに回る)
そしてキッカー野村の直接シュートが放たれるも、ゴール上へ外れとそのベンチの執念が実る格好に。

直後に大分ベンチも動き、野嶽→茂へと交代。
これにより勢いを増した左サイド、香川も積極的に上がって絡む事で押し込みますが、やはり決定機は生み出せず。
吉田のロングスローという手法も組み込み、何とか1点を取りにいきますが、実る事は有りません。
それにより長崎のカウンター→CK→大分のカウンターと、前半とは打って変わって慌ただしい展開(23~24分)も生まれた末に、25分に飲水タイムが挟まれます。

明ける際に大分はさらにカードを切り、野村・鮎川→町田・長沢へと2枚替え。
これに併せて4-4-2へシフトしたようで、SBは右に吉田・左に香川、SHは右が町田・左が茂というサイドの構成となり。

しかし28分、長崎は敵陣でジェズスのパスカットから好機となり。
左奥を突いたフアンマがカットインと、中央でターゲットが主の彼の予期せぬプレーにより、ペレイラが後追いで倒した末に反則・警告。
これによりワイドの位置からのFKとなったものの、エリアからすぐ脇という事もあり、直接シュートを選択したキッカー・ギリェルメ。
これがゴールバーを掠める惜しいフィニッシュと、依然として長崎の迫力の方が目立ちます。

30分にさらに吉田→宇津元へ交代と、矢継早に動く大分ベンチ。
宇津元が左SHとなり、茂が空いた右SBに回るという具合に、ポジションチェンジも忙しなく。

さらに35分に(増山ロングパス→ジェズス落としで)フアンマがエリア内で決定機、放たれたシュートをGKムンキョンゴンが前に出てセーブ。
終盤も近くなり何とか流れを変えたいなか、直後に自陣で受けた反則から、FKを素早くリスタートさせて一気に運ぶ大分。
左奥を突いてCKに持ち込み、フィニッシュには持ち込めずもその後中盤でボール奪取して再度攻撃。
そして香川のスルーパスで左奥を突いてCKと流れを作ると、キッカー保田がクロスの跳ね返りを自ら拾ったのちそのままカットイン。
左ポケット奥へ切り込むと、後ろからジェズスにに倒される、PKかという絵図を生み出しましたが無情にも笛は鳴らず。
さらにこれに激高した保田が異議で警告を貰うという具合に、直接FK以降シュートが皆無の時間が続くなか、踏んだり蹴ったりの展開を描くのみとなります。
直後の39分に、長崎は安部→山田へと交代。

40分、大分は右サイドからの運びで、ペレイラミドルパス→長沢ポストプレイでプレッシャーをかわして茂がドリブルに入り。
そしてサイドチェンジを受けた香川が左ポケットを突いてシュートと、ようやくフィニッシュに辿り着いたものの増山のブロックに防がれ。
左スローインになると、香川のクロスから放たれた宇津元のヘディングシュートがゴールバーを掠めるという具合に、徐々にゴールへの近付きを果たし。

しかし既に終盤であり、3点差を跳ね返すのは至難の業に。
43分に長崎が最後の交代(増山・ギリェルメ→青木義・松澤、笠柳が右ウイングに回る)を敢行したのを契機に、ペレイラが前線に上がるパワープレイ体制を取り始める大分。
後方は弓場がCBを、池田がボランチを埋める形となり。

そして44分にそれが実り、クリアボールを保田フリック→長沢落としとヘッドで繋ぎ、宇津元が左サイドからのドリブルでポケット奥を取り。
入れられたマイナスのクロスをペレイラが合わせる、その変節が見事に奏功する形でゴールネットを揺らします。
ようやく1点を返した大分。

しかしキックオフから保持に入り攻め込む長崎、大分はそれを闇雲気味に止めて反撃に入るしか手立ては無い状態。
それが仇となり、左奥に進入した松澤を町田が倒してしまい反則・ワイドからのFKを与えてしまいます。
これはゴールに繋がらずも、クロスからの競り合いで倒れた事により試合が止まった事で、長崎のドロップボールで再開。
これが右ワイドからとほぼFKの状況からで、ショートパスで地上から崩す事を選択した長崎、笠柳が秋野とのワンツーを経て中央からエリア内へ切り込み。
そしてシュートを放ってゴールネットを揺らし、止めとなる4点目を叩き出しました。
距離の近いスタンドによる新たなゴールパフォーマンス(リボンビジョンに笠柳が座って勝ち誇る)と、ここでも新スタジアムの顔となりそうな光景を見せる長崎サイド。

結局そのまま4-1で試合終了となり。
こうして新スタジアムの初戦を快勝した長崎ですが、横浜FC・清水がともに昇格リーチの状況に変わり無く。
彼らは今後1勝した時点で昇格決定と、止めるのは正直難しい所ですが、この新たな本拠地での興奮は奇跡を信じる気にさせてくれたでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第34節 栃木SCvs愛媛FC

2024-10-09 18:08:40 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(31節・水戸戦、2-3)
※前回の愛媛の記事はこちら(30節・横浜FC戦、1-4)
※前回の両クラブの対戦はこちら(17節、愛媛 0-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 長期離脱していた佐藤祥が32節(鹿児島戦、2-1)で復帰し途中出場、前節(いわき戦、0-0)スタメン復帰。

<愛媛スタメン>

  • 夏に加入した今野が32節(山形戦、1-3)で初出場、以降スタメンに定着。

この日と、前回のホーム(32節)での2試合は、栃木県グリーンスタジアムでの開催となった栃木。
言わずと知れた、現在のホーム・カンセキスタジアムとちぎ(以下カンセキ)が会場するまでの本拠地で、専用スタジアム→競技場への移転は訝しく思えたものです。

カンセキの開場は2020年の終盤の事で、その前年に残留争いの戦いの場となったこの地。
残り4試合で降格圏の21位に位置し、20位との勝ち点差6という厳しい状況に追い込まれたものの、その後3勝1分の成績で逆転を果たして残留に成功。
そして今季も、17位との勝ち点差6とほぼ同じシチュエーションで「ファイナル5」を迎えていますが、縁起の良い(そもそも低迷していたためこう言うのは憚られるが)このスタジアムで再現の足掛かりを作る事が出来るでしょうか。

相手の愛媛も、目下5連敗中でその争いに巻き込まれかねない位置にまで下降を余儀なくされているクラブ。
そのためお互いロングボール主体の入りが一層顕著となり、リスクを掛けずに敵陣へ運ぶ事に趣が置かれるものとなりました。
デュエルも当然激しくなるなか、反則により愛媛がフリーキック中心のセットプレー攻勢という流れで推移。
それでも放り込みが増えるのみに終わり、逆に7分の栃木のファーストチャンスで、大森の反則気味のボール奪取からショートカウンター。
左ポケットをドリブルで突いた大島が、切り返しから巻くシュートを放ち(ゴール右へ外れる)ファーストシュートに結び付け。

以降栃木はまた停滞を余儀なくされ、愛媛のセットプレー中心の攻撃が続き。
本来は地上からの組み立ても出来る栃木ですが、相手の出方を観察し、アバウトな手法が主体と見るやそれに付き合う形に。
あえてそうしている感が強く、何処でその意識から切り替えに掛かるかが注目される事となり。

愛媛はパクゴヌが3試合ぶりにスタメン復帰とあり、彼が上下動する事で可変するお馴染みの「攻撃時4バック・守備時3バック」というシステム。
連敗中のためか両サイドバックを中心にスタメンも色々変節を見せている事もあり、練度の面での不安からアバウトな立ち回りを選択した風に見えました。
その中で、肝となるパクゴヌは裏へのボールにひたすら走り込むなどこの日も献身的に動き回り。

そんな試合の様相が変わったのが22分で、栃木が裏へのロングパスに、2.5列目から青島が抜け出すという意表を突く仕掛け。
これに追いすがった小川が彼を倒してしまうも、反則の笛は鳴らずホームのスタンドがどよめきます。
しかし流れを変える効果はあったか、以降対角線のロングパスを多用する組み立てで愛媛ディフェンスを揺さぶり。
ボランチの位置で佐藤祥がそのフィード力を駆使し、片割れの青島が先程のシーンのように浮遊していくという関係性も明確になり。

大きな展開で逆サイドを突いてのクロス攻勢、というパターンで綺麗にペースを掴んだ栃木。
巻き返したい愛媛ですが、栃木のプレッシングの前にボールを運べない状態に陥り。
29分にはミドルパスで脱出せんとするも、石浦のトラップ際を突かれて佐藤祥がボール奪取。
そして中央でのスイッチから、受けた南野がミドルシュートを放ち、小川にブロックされるも左コーナーで継続。
ファーへのクロスがクリアされた所を、佐藤祥がダイレクトでシュート(枠外)と、故障の影響を微塵も感じさせない佐藤祥の活躍が目立ちます。

愛媛のシステムに合わせるように、栃木も攻撃時は、福島がSB化しての4バックとなって繋ぐ時間が長くなり。
それに伴いサイドハーフとなる森が、ワイド一辺倒とはならずに動き回る事で流動性を高め。
中々掴み辛い状況となる愛媛ディフェンス、パクゴヌも最終ラインを保ち5バックで凌ぐ絵図が増えるなど、苦戦の色が高まります。

しかし栃木も決定打は中々放てず。
プレッシングを強める愛媛に対し、宮崎狙いのロングボールでの脱出も有効性が高まったものの、フィニッシュには持ち込めず時間が過ぎていき。
一方の愛媛も、立ち上がりのアバウトな攻めからの軌道修正は難しく、保持せんとして細部でのミスが目立つ流れとなり。
そのため、慎重な流れをお互い引き摺るかのように、まるで攻撃機会が膨らまない展開と化した終盤戦。
結局スコアレスのまま、前半を終える事となりました。

全体として不完全燃焼だった前半から、どれだけ積極性を出せられるかといった後半の展望。
その入りの後半1分、ボール争いのなかプレッシャーを掛けにいった青島がボールを腕に当ててしまいハンド。
これにより左サイドからのFKと、前半同様セットプレー攻勢の様相となった愛媛。
しかし位置的に苦しいなかでキッカー茂木は直接シュートを選択(枠を大きく外す)と、シュートの意識を高めに掛かった節が見られ。

一方栃木の最初の好機は、エアバトルの最中で(松田の)反則に拠るFKとこちらもセットプレー。
右サイド浅めからキッカー南野がクロスを入れ、クリアが逆サイドにこぼれた所を宮崎が折り返してチャンスボールに。
そして平松が跳び込みヘディングシュート(GK辻キャッチ)と、枠内のフィニッシュに繋げる差異を生み出しました。

栃木の勢いが勝る格好になると、試合展開もそれに準ずるものに。
前半同様、地上での繋ぎ・宮崎狙いのロングボール双方を組み合わせてのビルドアップで、愛媛を守勢に追い込み。

そして10分、栃木は後方からのロングパスで、クリアボールを確保した愛媛に対するプレッシャーで佐藤祥がボール奪取。
敵陣で攻撃スタートとなると、森が右ハーフレーンで溜めを作り、それを追い越してポケットを取る福島に対しスルーパス。
完全な崩しを経て入れられたグラウンダーのクロスを、大外からニアに入り込んだ大島が合わせるという、これまた目線をズラしてのフィニッシュでゴールネットを揺らします。
ロングボール→拾われた所を奪取という、5年前の残留争いにおける「ストーミング」らしき手法ながら、当時と段違いな繋ぎの練度により辿り着いた先制点となりました。

これで苦しくなった愛媛。
尚も勢いを増す栃木のプレッシングの前に、ロクに組み立てられずにアバウトな手法に頼る状況は前半と変わりません。
それを尻目に栃木は13分にも決定機、右サイドでの浮き球の繋ぎを経て青島がサイドチェンジ、受けた大森は前進を経てアーリークロスを選択。
クリアされるも大森自らヘッドで入れ直すと、ファーサイドで宮崎のヘディングシュートが放たれましたが右ポストを直撃。
詰めにいった大島の前でクリアされ、惜しくも追加点は得られません。

巻き返しを図るべく、14分に2枚替えを敢行(茂木・石浦→窪田・曽根田)した愛媛・石丸清隆監督。
しかし問題なのは後方からのビルドアップという状況なので、2列目の駒を代えたのみでは変えられず。
それどころか、15分に福島のボール奪取から、宮崎が中央からのミドルシュート。(ゴール左へ外れる)
16分にも大森がパス先に対するプレッシャーでボール奪取、その刹那三原に倒されて反則・敵陣でFKゲットと、ショートカウンター主体の好機を浴び続け。

この流れで仕留めたい栃木、20分に右スローインから保持→クロス攻勢に入り。
クリアボールも拾い続け、最後はポケットへのスルーパス(森→福島)がディフェンスに遭うもCKに繋がるという具合にゲーム支配の絵図を高めます。
このCKから、クリアボールを佐藤祥がミドルシュートとフィニッシュで終わるも、これは精度を欠き大きく外れ。

一向に反撃の橋頭堡を作れない愛媛。
25分、左サイド深めからの攻撃スタートになると、今野の持ち運びに対し栃木のプレッシャーで監獄状態となりかけ。
「ここも前進出来ずか……」と思わされるこの絵図から、狭い所を縦パスで通すと、その先でも曽根田が(福島に)倒されながらのポストプレイと際どい繋ぎ。
これでプレス回避し敵陣へ運び、松田へのミドルパスはカットされるも曽根田が拾い、前進を経てそのままミドルシュート(GK丹野キャッチ)と苦しみながらもフィニッシュにまで持っていきます。
続く26分にも中盤でのボール奪取から好機、左サイドで対角線のミドルパスを受けた窪田がカットインからミドルシュート。(ブロック)
直後にベンチも再度動き、谷岡・パクゴヌ→石渡・ダンカンへと2枚替え。
これにより通称「パクゴヌシステム」(自分しか呼んでいないと思う)から、松田・ダンカンが2トップのオーソドックスな4-4-2へとシフトします。(曽根田が右SHに回る)

一匙の光明が見出されるも、28分には最終ラインでのコントロールミスで南野に奪われる(その後保持→戻して作り直し)という具合に、依然として怪しさが入り混じった状態。
そんな後方が、この直後に綺麗なビルドアップの道筋を作ってゴールに繋げるのだから分かりません。

29分、最終ライン⇔ボランチでのパス回しを続けて栃木のプレッシャーを呼び込んだのち右への素早い展開。
そのワイドで三原が、大森に詰められる前に1タッチで縦パスを送ると、ダンカンのスルーでラファエルも喰い付かせる事に成功。
松田も1タッチのスルーパスを選択し一気に右サイド裏を突く、完全に崩した末の曽根田のクロスが上がると、中央に走り込むダンカンを越えて大外で石渡がボレーで合わせ。
流れるようなパスワークで奪った、これまでの閉塞感は何だったのかという気持ちにもさせる同点ゴールとなりました。

追い付かれた栃木、どうしても勝ち点3が欲しいチーム状況なので気分的には追い掛ける側へと移り。
32分に森・大島→石田・奥田へと2枚替えを敢行し、その燃料にせんとしますが、一度崩された好循環を取り戻すのは容易では無く。
ゴールとともに流れも奪った格好の愛媛、33分には攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスで松田が奪い返してゴールに迫り。
ダンカン右ポケットへスルーパス→三原走り込んでクロス→窪田シュートと繋げましたが、オフサイドとなり実らず。(シュートもミートせず右へと逸れ)

35分に双方交代の絵図となり、栃木は大森→高嶋(右センターバックに入る)へと交代し、ウイングバックは右に福島・左に石田へとシフト。
愛媛は松田→尾崎へ交代と、DFを追加する事で再度?3バックへ戻す格好となりました。(尾崎は右CBで、三原が右WBに)

この采配を勝ち越しに繋げたい両チーム。
栃木は39分に敵陣で保持を続け、左からの前進を経てポケットを取った奥田がクロス。
クリアが小さく浮き上がった所を、宮崎がヘディングシュートに持っていくもGK辻がセーブ。
直後の40分に愛媛も、ダンカン狙いのロングボールの跳ね返りを繋げ、左からの前進の末にスルーパスでポケット奥を取り。
そして窪田のクロスをニアサイドでダンカンが合わせヘディングシュート、しかしGK丹野がキャッチ。
主砲のヘディングがゴールを脅かしたものの、共に決まらず。

栃木ベンチの執念は尚も続き、41分に最後の交代を敢行。
南野・宮崎→小堀・矢野へ交代するとともに、ラファエルが前線に上がって4-4-2の布陣となり(小堀は右SH)、パワープレイに近い格好で最後の勝負に出ます。

しかし同時に、これまで貫いて来た地上での繋ぎ、ならびに組織力を発揮しての攻撃を放棄する事にも繋がり。
44分にロングフィード→矢野フリック→小堀と繋がり、こぼれ球を拾ったラファエルがエリア内を突いてシュート(ゴール左へ外れる)と一定の成果は出たものの、失点前の攻勢のような「ゲーム支配」の感は生まれず。

アディショナルタイムに突入すると、石田のロングスローもこの日初めて使いましたが、結局これが打ち止めとなり。(直後に石渡のドリブルを反則で止めてカウンター阻止した石田に警告)
以降は後方から何とかロングボールを送れれば……という状態に陥り、それ以上の好機は生まれずとなりました。

結局1-1で試合終了となり。
非常に意味の分かれる勝ち点1で、愛媛は降格圏の栃木に勝ち点差(8)を詰められずに済み。
一方の栃木は、敗戦した大分との勝ち点差を1しか詰められず、依然としてあと2勝分の勝ち点が欲しいのは変わりません。
地上での繋ぎ・ロングボール攻勢の双方を巧く使っていた栃木も、残留争いも最終局面を迎え、今後どんなサッカーが顔を出すのか注目したい所です。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第34節 藤枝MYFCvsいわきFC

2024-10-07 16:00:43 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の藤枝の記事はこちら(31節・仙台戦、3-2)
※前回のいわきの記事はこちら(31節・長崎戦、0-2)

<藤枝スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(大分戦、0-2)退場となった山原(警告2度)・中川創がともに出場停止。
  • 前回同様、DAZNのスタメン予想では梶川トップ下の3-4-1-2。

<いわきスタメン>

  • 山口が累積警告により出場停止。
  • 前回同様、オリジナルフォーメーションはアンカーシステムの3-3-2-2(3-1-4-2)だが、守備時は3トップの立ち位置なため3-4-2-1に近い感覚。

昇格2年目同士の対戦。
そしてそれを、ともに昇格争いに加わった中で迎えるとは誰が予想したか……と感慨深くなるのは全てが終わった時で良いでしょう。
そんな思いとは裏腹に、悪天候となった藤枝ホーム・藤枝総合運動公園サッカー場での一戦。

気象条件に加え、最終ラインに2人も出場停止者が出た藤枝。
そのため立ち上がりはいわきのプレッシャーもあり、中々本来の形である、GK北村が加わっての最終ラインのパスワークの姿勢を取れず。
モヨマルコムのスピード・推進力を活かす立ち回りが中心となりました。
そんな中で前半5分、川島が低く鋭いロングパスを供給し、収めた矢村の右への展開からボールを持ったモヨマルコム。
ここでは追い越した久富を使い、スルーパス→久富がグラウンダーでクロスという流れを経て矢村のシュートに繋げ。(柴田がブロック)

一方のいわきは、純粋に浮き球の長いパス主体に組み立て。
有馬をターゲットとしたボールを送り、そこから敵陣で組み立てを図るというパワーサッカーの典型を描きます。
しかし12分、敵陣でのパスワークをカットされて藤枝のカウンターになる(モヨマルコムが持ち上がるも、遅らされて鈴木の左からのクロスで終わり)という具合に、それだけではペースを掴めず。

14分藤枝が中盤でパスミスを犯し、拾って矢印を反転させると、ミドルパスを受けた有馬のスルーパスで右奥を突いての好機。
クロスでは無くポケットを窺っての戻しを選択し、柴田がミドルシュートを放つも枠を捉えられず。
続く15分には最終ラインで保持する藤枝でしたが、川島のロングパスが眼前で有馬にブロックされてショートカウンター。
ボール確保したいわき、左から坂岸のアーリークロスを谷村がヘディングシュートに持ち込み、ゴールを襲ったものの右ポストを直撃して跳ね返り。
ハイプレスを有効にさせた事で、間近の得点をもぎ取らんとします。

委縮しかねない流れでしたが、次の局面でGK北村が前に出てのパスワークを解禁。
すると16分、鈴木の中央への縦パスを起点として前進し、左サイドを突いた大曽根のクロスは流れるも逆サイド奥でモヨマルコムが拾い継続。
相手も守備が固まりここからどうするかという所で、戻しを経て手前からのクロスを選択すると、新井のクロスが前に出たいわきデイフェンスの裏を突いた所に矢村が走り込み。
そしてアクロバティックにボレーで合わせてのシュートがゴールネットを揺らし、先制点に辿り着きます。
本来の形での初手を、最高の結果に繋げた藤枝。

これで自信を得たか、19分にもいわきのプレッシングをGK北村の縦パスでいなし、中央での前進から右へ展開。
モヨマルコムを追い越した久富のクロスがブロックされコーナーキックになり、尚も右スローインで続きセンターバックも上がったまま継続。
そしてパスワークを経て上げられたクロスを川島が合わせるも、このヘディングシュートはゴール上へ惜しくも外れ。

相手に局面を大きく変えられてしまったいわき。
それに従うかのように、自身も地上での繋ぎへと攻撃の軸を切り替えに掛かり。
22分に大森→石田→坂岸→柴田と繋ぐショートパスでプレス回避に成功すると、堂鼻ミドルパス→谷村フリック→有馬と前線へ届け。
そして有馬が倒されながらも左に展開し、坂岸が左ポケットへ切り込んだものの、戻ったモヨマルコムの反則気味のデイフェンスに阻まれます。
攻撃だけでなく、守備でもモヨマルコムの身体能力に悩まされる格好に。

その後も地上でショートパス・縦パスを駆使して反撃せんとするいわきですが、やはりそれ以外の手段の方が効率良く映り。
藤枝も自身の攻撃姿勢を崩さずにペースを維持せんと努める時間帯のなか、展開されたのがカウンター。
32分にクリアボールを坂岸レイオフ→堂鼻ミドルパスで敵陣へ届け、さらに山下のスルーパスで裏を突いたものの、エリア手前で受けた加瀬からそれ以上は前進出来ずに終わり。
35分には藤枝のCKから直接カウンターという願っても無い絵図となり、連続のスルーパスで裏を突くも、2度目の坂岸→加瀬へのパスがオフサイド判定に引っ掛かり。
結局カウンターも実らずという結果に。

藤枝は41分、最終ラインでプレッシャーを浴びてGK北村がロングフィードで逃げ。
しかしそのセカンドボールを拾う形で、確保ののち右からモヨマルコムが切り込む絵図となると、スルーパスと見間違うようなアーリークロスがグラウンダーでエリア内へ。
走り込んだ矢村が跳び込んで合わせ、威力が足りずGK立川にキャッチされるも、遅攻・速攻どちらもが巧くいかなくなったいわきの心を突くような好機を作り上げ。

その通りに、残り時間は藤枝が攻撃権を握り続けるも、追加点は得る事が出来ず。
1-0のまま前半終了を迎えると、順風なはずの展開が劇的に変えられる事となりました。

後半を迎えるに辺り、降りしきる雨は一層勢いを増し。
それに伴い、ピッチ上の水分が絵図を変えるのに一役買う、つまり「田んぼサッカー」に塗り込められるのは必至となった試合。
そして追い掛けるいわきは、それに伴うように坂岸・西川→五十嵐・近藤へと2枚替え。
ターゲットとロングスロー要員を入れる、アバウトな展開が予想される試合に備えての采配となりました。

迷いの無くなったいわきは、入りでいきなり敵陣でのボール奪取から好機。(有馬の左からのクロスを近藤が合わせるもミートせず)
続く後半2分にも五十嵐のボール奪取から前進し、有馬の左ポケットへのスルーパスに谷村が走り込み。
そしてシュートしに足を振るも、ブロックで方向が変わりファーへのクロスのように浮き上がると、加瀬が大外で押し込みましたが枠を捉えられず。

いきなり泥臭くペースを掴んだいわき。
対する藤枝も、パスワークによる組み立てがままならないと踏んでロングボール主体へと切り替え。
これにより乱戦模様となる展開で、みすみすいわきの術中に嵌るようでしたが、天候に逆らえないのは必然であり仕方無く。

それでも8分GK北村が直接裏へロングフィード、受けた矢村→大曽根へのスルーパスに堂鼻が蓋をするも、大曽根が奪い返し。
その勢いのまま堂鼻に反則を受けた事で、左奥からのフリーキックを得た藤枝。
キッカー梶川のクロスは跳ね返されるも、再度左で受けた梶川のクロスがゴールに向かうボールとなり、GK立川が辛うじてCKに逃げるセーブ。
続くCKからもキッカー梶川のクロスの跳ね返りを矢村がミドルシュート(枠外)と、悪天候への順応姿勢を見せ始めます。

しかし12分に藤枝ベンチが動くと、キッカーの片翼を担っていた梶川に代えて河上。
この悪コンディションを嫌ってか、早めに頼れるベテランを退けるリスク回避の格好となりましたが、それに伴い失速傾向に陥り。
加えてピッチ上の水分も増し、特にメインスタンド側はバウンドせず着水という、最早綺麗なサッカーに期待する方がおかしい状態と化します。

15分にその通りの絵図が生まれ、空中戦で右往左往した末に、左サイドに「着水」し止まるボール。
それをすかさず五十嵐がスルーパス、左奥に蹴り込まれた所に有馬が走り込んでクロス(クリア)と、その条件を積極的に味方に付けんと振る舞ういわき。
采配面でも、17分に加瀬→ブワニカへ交代と露骨なターゲットの増員を図ります。(有馬が右ウイングバックに回る)

もう一つ期待されたロングスローという面では、左サイド深めで獲得し、CBを上げる状態となっても短く投げ入れる絵図が目立った五十嵐。
20分に逆の右サイドでのスローインになり、わざわざ五十嵐がやって来て同じ体制を取ったものの、ここでも短いものを選択した末に石田がクロス。
GK北村がパンチングで弾き返すも尚も攻めは継続し、逆の左から山下のクロス、再びの跳ね返りを拾った谷村がミドルシュート。
ブロックされるもエリア内での空中戦の末に右CKに持ち込み、キッカー山下のニアへのクロスをブワニカが合わせ。
フリック気味ながらも鋭いヘディングシュートが襲いましたが、ゴール上へと外れ同点ならず。

元来のいわきのパワーに加え、水流も襲い掛かるといった展開で守勢となる藤枝。
25分にさらにベンチが動き、ウエンデル・アンデルソンの両助っ人を投入。(世瀬・大曽根と交代)
ウエンデルが左CB・アンデルソンが左シャドーに入る事で、鈴木が左WB・河上がボランチへシフトとポジションチェンジを絡め、強度を高めに掛かりました。

浮き球パス→フリックというアバウトな手法の定番も、ブワニカのフリックが高く舞い上がり、結局自ら拾いにいく事となる(28分)などこの悪天候で乱れがちに。
それ故に五十嵐のスローインも、小細工せず直にロングスローを入れる姿勢へと切り替わりを見せ。

いわきが攻撃機会を重ねる展開がずっと続いたものの、迎えた33分。
いわきのクリアボールが水たまりで止まった所をモヨマルコムが拾うという、天候が味方する形で藤枝のターンになると、河上のミドルパスですかさず右サイド裏を突きに掛かり、長距離を走った千葉がクロス。
ブロックに当たるもアンデルソンが拾い継続(右奥でパスワークもズレてタッチを割って終わり)と、こちらも泥臭いサッカーに慣れを示し始めたでしょうか。
その後は中盤からのFKでも放り込みを選択と、開き直りを見せ対抗する藤枝。

こうなると、1点ビハインドのいわきは更に上回る手段が必要であり。
37分に柴田→熊田へ交代と、アンカーを退ける思い切った手法を選びます。
すると石田を右サイドバックに置いた4バックへ切り替えると、アンカー山下の4-1-2-3へシフト。
有馬・谷村をインサイドハーフとし、残りのターゲットマンがそのまま3トップという大胆な布陣と化しました。
谷村も再三最前線でフィニッシャーに回るため、4トップとも取れる絵図を前面に押し出し。

この超攻撃的といえる布陣で、藤枝の牙城を崩しに掛かり。
41分、藤枝のクリアミスでこぼれた所をすかさず五十嵐がエリア内へ浮き球を送り、ブワニカが脚で合わせて右ポケットへ流れた所に近藤が走り込み。
辛うじてクリアされるもセカンドボールを拾い継続と、総員突撃のように攻め上がった末に左CKに繋げ。
そしてキッカー山下のクロスからまたもブワニカがヘディングシュート(枠外)と、再三押し込んだ末のセットプレーが脅威となり得る流れと化し。

そして43分、藤枝の攻撃を凌いでのクリアボールを、近藤フリック→熊田→谷村スルーパス→ブワニカと1タッチでの運びで、前掛かりな相手の裏を突き。
クリアされて左スローインになるも、五十嵐のロングスローが満を持して襲い掛かり、ニアに入ったボールに合わせにいく大森。
競り合いのなかクリアされるも、小さくなった所を有馬がボレーシュートに持っていくと、ゴール左へと突き刺さります。
FW総動員の姿勢がついに実り、同点に追い付いたいわき。

落胆しても可笑しくない土壇場での失点ながら、その色は見せない藤枝。
直後のキックオフ、いきなり矢村がセンターサークルからのドリブルで意表を突きに掛かり。
溜めを作ってからの左への展開で、河上のアーリークロスに千葉が合わせるという状況を生み出し、足から跳び込んで放たれたそのシュートをGK立川が何とかセーブ。
これにより少ない残り時間ながら、双方我武者羅に勝ち越しを狙う、ほぼ同等の立場である両クラブが織り成す熱い展開に突入します。

アディショナルタイム突入後も、激しい好機の入れ替わりの連続となるも、やはりパワーに勝るいわきへと針が振れ。
堂鼻が右ワイドで前に出てボール奪取と、4バックのCBとはかけ離れたような果敢な姿勢から好機を作ると、スルーパスに走り込んだ石田が右奥からクロス。
そして谷村のヘディングシュートと、得点ランキング2位のフィニッシュがこの局面で襲い掛かるも、GK北村のファインセーブに阻まれ。
尚も攻勢を続けるいわき、その後クリアボールを素早く繋ぎ左からの近藤のクロスを、フリーの熊田が合わせる決定機。
しかしこのヘディングシュートはゴール上へ外れてしまい、モノに出来ず終わり。

結局1-1のままスコアは動かず、痛み分けで終了。
プレーオフ圏入りを目指す中で手痛い引き分け、特に藤枝にとっては厳しい状態となりましたが、泣いても笑っても残り4試合。
駄目でも失うものは無いという、思いきった姿勢で臨んで欲しいものです。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第33節 ザスパ群馬vsロアッソ熊本

2024-10-03 16:01:35 | サッカー視聴記(2024年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(25節・甲府戦、0-1)
※前回の熊本の記事はこちら(26節・大分戦、1-2)

<群馬スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 今節が降格リーチで、大分の勝利or群馬の敗戦で降格決定(群馬引き分けの場合は、大分が引き分け以上)というシチュエーション。そして前日大分が勝利(藤枝戦、2-0)したため、試合前にJ3降格が決定。
  • 佐川が累積警告により出場停止。
  • 小柳が秋田からレンタルで加入(再加入)し、28節(水戸戦、1-2)から登録されて即スタメン出場。
  • 城和が山形へ完全移籍となり、27節(横浜FC戦、1-2)をもって登録抹消。
  • 玉城がJ3・鳥取へレンタル移籍となり、28節をもって登録抹消。
  • 高澤の負傷が発表され、7/27に発生して全治3~4ヶ月との事。
  • 秋元(新潟医療福祉大)の来季加入が決定し、同時に特別指定選手となり27節から登録される。

<熊本スタメン>

  • 水曜に、甲府のルヴァン杯勝ち残りの関係で順延していた30節(4-2)が挟まる。よって↓の変更点はその試合を参照。
  • べジョンミンの負傷が発表され、8/28に発生して全治約6週間との事。
  • 30節で負傷交代した唐山はベンチ外。

浮上の兆しは全く見えず、とうとう今節にも降格決定という崖っぷちまで追い込まれた群馬。
サッカーの内容的には、前節(長崎戦、0-2)は上位相手にフィニッシュの打ち合いという試合に持ち込む、土俵際の意地は感じるものであり。
ここからどれだけ粘れるかの戦い……を演じる事すら許されず。
前日大分が勝利して勝ち点3を積み上げたため、残り6試合に全勝しても19差を埋める事は出来ず。
よって降格確定の運びとなってしまいました。

かくして自分がサッカーを観始めてから(2017年)、2度目のJ3降格となった群馬。
tonan前橋の所為と言って片付けられるような前回と違い、シーズン前にはさらに上を目指さんとしていた矢先の事だったためそのダメージは半端無く。
その雑感は最終戦の際に書くとして、まずは残りの試合に向き合う事が大事であり。

試合開始から、持ち味のショートパス主体の攻撃を繰り広げる熊本。
対する群馬はそのパスミスから、前半2分に拾った樺山が自陣からロングシュートを狙い。(届かずにGK田代キャッチ)
立ち上がり故に熊本も繋ぎの精度が今一つで、それを突いて何度か攻撃に入ったものの、群馬の方も(樺山が)スリップなど予期せぬミスが絡んで不発に終わり。

しかし6分、ポゼッションを高める熊本は三島⇔小長谷のパス交換から、小長谷のスルーパスで一気にエリア内を急襲。
そして松岡がシュートを放ちますが、GK櫛引が足でセーブと何とか防ぎます。
それでもこぼれ球を確保した熊本、バックパスを経て再度保持に入り長らくパスを繋ぐという具合に一貫した姿勢。

群馬は前節(の前半戦)同様5-4-1でのリトリート(ミドルプレスかもしれないが、熊本のパスワークで結局自陣に引き籠る事数多)で、隙を作らせずにかつカウンターを狙うスタイル。
14分にそのカウンターチャンスが訪れ、右サイドで奪ったエドオジョンから素早く前進、仙波のスルーパスで平松が抜け出したもののGK田代が前に出てクリアと実らず。

熊本はリトリートする相手には、あくまでじっくり繋ぐ姿勢を崩さず。
2年前はひたすらアーリークロスを打ち込む姿勢から、隙あらばミドルシュートという攻めが主たるものであり。
しかし杉山(現千葉)・坂本(現山形)とカットインシュートが強力なウイングは既に居らず、喰い付かない相手にもパスワークで隙を作る事に徹しなければならないという苦しさが見て取れました。
そのため、保持率は常時7割前後という高さでも、攻撃機会の面(自分の集計、アタッキングサードである程度アクションを見せないと加算しない)ではほぼ五分といった展開に。

そんなポゼッションスタイル故の難点が付きまとう熊本。
25分辺りから、「最終ラインから右サイドで前進の姿勢→戻したのち逆の左サイドへロングパス」というパターンを何度か続け。
サイドを揺さぶる基本手で、左奥でそれを受ける松岡からの展開に活路を見出さんとします。

しかしその矢先の28分、群馬もボール保持を長らく続けて隙を伺う体勢に入ると、GKへの戻しからのロングフィード(→川本フリック)で前線に届け。
ここはフィニッシュには繋がらずも、続く29分にも最終ラインからの運びの姿勢を取ると、群馬と違い果敢にプレッシングに出る熊本の隙を綺麗に突く事に成功します。
左サイドを風間・山中の2人で崩すと、山中が切り込みと見せかけての左足アウトでのスルーパスで裏を取り、川本が奥へ進入してグラウンダーでクロス。
そしてニアに入り込んだ平松が合わせてゴールネットを揺らし。
熊本とは一味違った、前進の鋭さを見せて先制を果たしました。

これで勝利への進軍といきたかった群馬ですが、1点で安心できるはずも無く。
その後も何度か攻撃機会を作ったものの、33分の熊本の攻撃で流れをひっくり返されます。
岩下のロングパスのセカンドボールを拾った事で敵陣から始まる攻撃で、左サイド奥を突いて松岡がクロス。
クリアが小さくなった所を右ポケットで大本が拾い、そのまま跨ぎフェイントを交えた末にシュート。
これがブロックでは無く、前方に居た小長谷に当たった事で、ループの軌道になってゴール左へと吸い込まれ。
記録は小長谷のゴールとなり、あっという間に同点に追い付いた熊本。

ホーム故にあくまで対抗姿勢を崩さない群馬、直後の34分に疑似カウンター気味に、最終ラインでのパスワークから仙波が一気にロングパス。
走り込んだ平松がエリア内からシュートと、前掛かりな熊本の裏を突いたものの、江﨑のブロックに阻まれ勝ち越しならず。
ここからコーナーキック攻勢も見せるなど、決してノーチャンスでは無いといったこの試合。

しかし42分、熊本はこれまでの残像を活かす攻め。
即ちサイドからパスワークでの前進の姿勢からの戻しで、また対角線のロングパスを送ると思いきや、中央から間を縫う縦パスで切り込み。
そして石川のポストワークから右へ展開してクロス攻勢に入ると、2度目の左からのクロスをファーで小長谷が落とし、豊田のシュートに繋げ。
ブロックされて右CKを得ると、キッカー豊田はグラウンダーでエリア手前へクロスと変化を付け、さらに石川のスルーを挟んだ末に小長谷がシュート。
反応良く前に出た小柳がブロックするも、脇にこぼれた所を再度シュートに持ち込んだ小長谷。
ゴール左上へと突き刺さり、堅守の姿勢を変化で崩しきって勝ち越しに成功しました。

このリードで不穏な空気も晴れたか、前残り時間は熊本の縦パス攻勢が冴え渡り。
そして小長谷や松岡のシュートでゴールを狙うという、本来の熊本の攻撃サッカーが展開されるも、追加点は奪えずに前半が終了します。

共に交代無く、後半開始の時を迎え。
逆転された群馬は、これも前節同様後半から積極的な守備姿勢へと切り替える手法に。(前節は前半スコアレスでしたが)
しかしそれは思うツボと言わんばかりに、後半1分にスローインから最終ラインに戻したのち、江崎縦パス→石川受けてミドルシュート(枠外)とそれを突く攻撃。
続く2分も、右サイドでキープする大本に対し監獄状態に追い込む群馬ですが、脱出されて逆サイドに展開されての前進でCKを得た熊本。
前節もこの姿勢を見せた途端に後半2失点と、現状の群馬では下手に前掛かりになるのは死を招きかねないといった所でしょうか。

逆に熊本の積極性は衰えず、8分には右サイド深めで石川がプレッシャーで奪い、群馬デイフェンスに当たりラインアウトでCKに。
10分にもゲーゲンプレスでまたも右サイドで奪い、今度はショートパスを繋いで逆サイドに持っていく組み立て。
そして松岡がカットインでポケットへ切り込んでシュート(エドオジョンがブロック)と、群馬はボール保持も奪取も出来ずと苦境に追い込まれつつありました。

こうして後半は、一気に攻撃機会で大幅に上回られる事となった群馬。
4分に左スローインからポケット奥に切り込み、山中のクロスの跳ね返りを小柳がミドルシュート(ブロックを掠めCKに)、という好機を作ったものの目立ったのはそれだけであり。
そしてベンチも先に動き、15分に風間・平松→天笠・河田へと2枚替えを敢行します。

流れを変えに掛かったのは明白ですが、これまで結果が出る事があまり無かった群馬の交代策。
しかし直後の16分、瀬畠→川本へ縦パスを通して左へ展開し、またも山中が天笠とのコンビネーションで左サイドを攻略。
そして今度は山中自身がクロスを入れると、大外から入り込んでいたエドオジョンがヘディングシュート。
GK田代にセーブされるも、樺山が詰めてゴールネットを揺らします。
同点に追い付き、前節とは打って変わって撃ち合いをスコアで示す群馬。

追い付かれた熊本は、キックオフ前に松岡→竹本へと交代。
小長谷が左ウイングに回るポジションチェンジも加わると、以降熊本のパスワークは一層流動的に。
何処でもこなせる竹本や小長谷がその通りに動き回り、群馬ディフェンスを切り裂くように翻弄していきます。
そのため群馬も、再び自陣でブロックを固める姿勢に落ち着かざるを得なくなり。

20分に石川のポストプレイに対し高橋が反則を犯した事で、中央からの直接フリーキックに。
距離はややあったものの、小長谷が直接シュートを狙い、壁を掠めてエリア内にこぼれた所に竹本が撃ちにいく決定機に。
しかしジャストミートはせずGK櫛引が何とか抑え、流石に前半のような脆さは見せない群馬。

それでも熊本の猛攻の前にいつ決壊するか不透明故、勝ち点を得るにはもう1点が欲しい。
24分、小柳のミドルパスを収めた河田から保持に入り、最終ラインへの戻しを経て仙波が一気に裏へロングパス。
これを左ポケット奥で山中が受ける絶好機となり、切り返しから放たれたシュートはGK田代がセーブ。
その後のCKからの攻めも防がれると、再び守勢に回る事となる群馬。
細かいパスワークの前に、31分には竹本に反則を犯した天笠が警告を受けるなどカードトラブルの面も不安視される流れとなり。

34分に双方ベンチが動き。
熊本が大本→藤井へ交代し、群馬は樺山→北川へと交代。
これが熊本最後の交代と、中3日かつアウェイの連続(30節ののち地元に帰らず、甲府から直接群馬の地へ)という過酷な日程の中でも、スタメンを信じる姿勢を取った大木武監督。

押し込む事でセットプレーも増えて来た熊本、変化を付ける姿勢(先程の直接FKも、小長谷のシュートの前に蹴り出し)から、次第にニアにクロス→江﨑フリックというパターンに固定化されてきた風であり。
ダメージを蓄積させた末に、シンプルさで打ち破る腹積もりだったでしょうか。
39分にヘディングの応酬から、エリアからすぐ手前という位置で確保した石川に対し瀬畠が反則を犯し。
今度は近い位置での直接FK(横位置は中央~右ハーフレーンの中間ぐらい)となり、キッカー上村周は柔らかいボールでの壁越えでゴール右を狙い。
これをGK櫛引が辛うじてセーブし、さらに右CKで継続すると、ニアにクロス→江﨑フリックを経て石川がヘディングシュート(枠外)とひたすらにゴールを脅かす流れに。

何とか守勢を脱したい群馬。
44分にクリアボールを河田が落とし、仙波が収めるもののハンドを取られてしまい。
そして熊本がFK(中盤から)で放り込みと、脱出もままならなくなり。
決壊が先か、時間切れが先か……という終盤戦の風であり。

ベンチもそれを痛感したか、アディショナルタイムに突入すると、間も無く最後のカードを使った武藤覚監督。
エドオジョン→田頭へ交代し、何とか前へのエネルギーを加えに掛かりましたが、現実は非情なものでした。

直後に熊本が左スローインで再開すると、受けた岩下はそのままアーリークロスを選択。
これがターゲットを大きく超えるボールとなりましたが、直接ゴールに入ってしまい得点を叩き出すに至ります。
呆気にとられたかのように対処できなかった群馬、やはり熊本の攻撃によるダメージは相当溜まっていたでしょうか。
ともかく、劇的な時間帯で勝ち越した熊本。

急転直下なフィニッシュによるゴール。
それに伴い、群馬も小柳を前線に上げるパワープレイ体制に残り時間を掛けたものの、やはり慌てて……という感は拭えず。
最後の最後に、田頭の右からのアーリークロスを、河田がヘディングで合わせたものの枠に飛ぶ事は無く。
そして試合終了の笛が鳴り響き、群馬にとってはifの世界を考える事が出来る勝利は挙げられずに終わりました。

そんな最下層から抜け出せない群馬を尻目に、これで4連勝達成となった熊本。
この間の得点も12点と、遅まきながらその攻撃力の本領発揮といった所でしょうか。

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