ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 ブラウブリッツ秋田vsザスパ群馬

2024-05-30 16:00:35 | サッカー視聴記(J2)

※前回の秋田の記事はこちら(15節・藤枝戦、0-1)
※前回の群馬の記事はこちら(15節・仙台戦、1-2)

<秋田スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 水曜にルヴァン杯3回戦(新潟戦、0-2)が挟まる。そこからの継続スタメンは河野・佐藤大の2人で、共に延長戦まで戦う。(佐藤大は延長前半8分に交代)
  • 前節(山形戦、2-0)出場停止だった佐藤大がスタメンに復帰。
  • 鈴木が東北リーグ・みちのく仙台FCへ育成型レンタル移籍となり、前節をもって登録抹消。
  • 中村が前節6試合ぶりに出場し、今節もベンチ入り。

<群馬スタメン>

  • 川本が清水から育成型レンタル移籍で加入(再加入)し、今節から登録されて即スタメン出場。
  • 14節(清水戦、0-3)で負傷交代した北川の詳細が発表されるも、全治は未定。

今季も「秋田一体」の下、ブレ無い戦いで中位を確保している秋田。
その戦いぶりは完全に定着したと言っても良いでしょう。それだけに新スタジアムへの状況・それに伴うライセンスの動向がより気になる所である

説明不要のパワーサッカーを繰り広げているのは言うに及ばずですが、前回観た際は、バックパスでの様子見を織り交ぜるなどらしくないシーンが見られ。
これが「秋田一体『プラス』」の部分となるのか、ないしは弱気な面の露呈なのかは意見が分かれる所ですが、同時に持ち味を貫くだけでは昇格争いに絡むには物足りないのも確かであり。
その試合では懸念の如く、終盤に息切れを起こして藤枝に敗れた訳ですが、水曜にルヴァン杯3回戦を戦った後となるこの試合ではどうか。

試合開始となり、監督交代して3試合目の群馬が最初にロングスローに辿り着く(前半4分、ただしセンターバックは上げない)という立ち上がり。
つまりは群馬サイドも、藤枝同様に秋田のパワーサッカーの土俵で渡り合う姿勢を見せ。
この左からの菊地のロングスロー、クリアが小さくなった所をエドオジョンが拾い、戻しを経て天笠がミドルシュート(ゴール左へ外れる)と有効打に繋げます。

しかし既にその前の3分に、コーナーキックから畑がミドルシュートを放っている(ゴール右へ外れる)秋田。
同じ土俵ならこちらが有利と言わんばかりに、その後はロングスロー・中盤からのフリーキックなど、セットプレーをふんだんに使いエリア内へボールを放り込み。
アクチュアリープレイングタイムの少ない試合展開も、J1に居る町田同様に、これが秋田のペースの握り方なのは疑いようが無く。

そんなサッカーを貫いているうちに、徐々に流れの中での攻撃も巧くいくようになる、まさにそんな流れを描いたでしょうか。
14分、藤山の低いロングパスを右サイドで青木がポストプレイ、小松のキープを経て上がって来た藤山を経由して逆サイドへ。
そして佐藤大が左奥へ切り込んでクロス、跳ね返りを小野原がダイレクトでミドルシュート(エリア内でブロック)と、フィニッシュワークはセットプレーと変わらないものながらも勢いを見せ付け。

そして20分、自身のクリアボールを小松ポストプレイ→藤山落としと浮き球で繋ぐ秋田、さらに佐藤大が倒れながらもスルーパスをワンタッチで送り。
これを受けた青木が左奥へ切り込み、戻しから才藤のクロスが上がると、大外で藤山が合わせヘディングシュート。
左寄りで浮き球を落としていた藤山が、まさかの逆サイドのターゲットとなる動きに群馬ディフェンスも対応しきれず、バウンドを経てゴール上部に突き刺さるボール。
幸先良く先制に成功しました。

リードを奪われた群馬、パワーサッカーでの対抗姿勢を取り止め、地上から繋ぐ体勢に。
そうなると次なる敵は秋田のプレッシングで、前線4人が群馬の3バック+アンカーにマンツーマンで嵌めるため同数での運びを強いられ。
結局ここから何も起こせないまま時間を費やすのみとなり。
30分には秋田陣内右サイドで秋田のFKとなると、素早くリスタートされたボールが、戻る最中に眼前を通ったエドオジョンを直撃。
これが妨害とみなされてエドオジョンが警告を受けるという具合に、判定の面でも運の無い状態であり。

7連敗を止めるためにも何とかしたい状況で、32分に左CKに持ち込むと、キッカー田頭のクロスが中央で混戦を生み。
河野のクリアミスでこぼれた所をすかさず高橋がシュートするも、小柳のブロックに阻まれ。
紛れからもモノに出来ない群馬、やはり主体的な攻撃でどうにかするしか無く。

直後の34分、左から前進の姿勢で菊地が持ち運んだのち戻すと、そのまま左サイド最前線へと上がって城和のロングパスを受けにいき。
これを受けて深さを取る事に成功すると、エドオジョン・和田・川本との細かな繋ぎを経てポケットを取り、最後は川本が中央からシュート。
しかしゴール上へと外れてしまい、会心の攻めも実りません。
それでもこの菊地の可変と、GK櫛引が前に出てパスワークに絡む姿勢で、秋田の前線に対抗する姿勢は何とか整えます。

そんな一匙の光明も、すぐさま秋田の攻勢に圧し潰され。
37分に右から小野原のロングスロー、跳ね返りから再度上がった小野原のクロス→河野落としをクリアするも、今度は左から才藤がロングスローと両サイドから圧を掛けられ。
この才藤の投げたボールを小野原がフリックし、浮いたボールを青木ヘッド→川の落としと空中で繋いだ末に、青木が反転しながらのボレーシュートに繋げ。(ブロック)

これにより、40分台に入ると群馬もロングスロー攻勢に持ち込むという具合に、再びパワーサッカーのぶつかり合いに。
45分のロングスローではついにCBも上げた状態(CKの直後だった事もある)で投げ入れる菊地、クリアボールをエドオジョンがダイレクトでシュートするも枠を捉えられず。

しかしそのまま突入したアディショナルタイムでは、再度秋田がロングスロー攻勢に持ち込むなど、本家には敵わずの状態に。
左から才藤が投げ入れたボールをニアで河野フリック、中央で小松が脚で合わせるもミートしきれなかった所を、奥で更に畑が脚で合わせるという重厚なフィニッシュ。
これはゴール左へ逸れてしまい追加点はならずも、殆ど群馬にペースを掴ませないまま前半を終えました。

共に交代無く、迎えた後半もほぼ同様の内容の立ち上がりとなり。
ロングボールを蹴らされてはボールを失う群馬を尻目に、ひたすら秋田が攻撃機会を重ねる展開に終始します。

後半6分、浮き球が右往左往する空中戦を経て、小松のフリックから敵陣右サイドでボール確保した秋田。
すると青木がクロスというよりはサイドチェンジのように左ポケットへ送ると、収めた才藤が切り返しを経て中央へ横パス。
そして小松がシュート(菊地がブロックしCKに)と、単なる縦突破→クロス攻勢では無い流れでの攻撃を見せるなど、徐々に良化。
こうした奥深さを常時見せられれば、まさに秋田一体プラスとなる所でしょうが……。

一方、15分まで攻撃機会皆無という防戦一方を強いられた群馬。
あまりにラインを下げる事もあり、3分には秋田の自陣からのFKではGK圍がフィードでは無くショートパスに切り替え。
そして右サイドを運ばれてクロスを許す(畑のクロスが青木を越え、河野に収まってシュート・高橋がブロック)という、それによる失態も招く事となり。

その15分、ようやく高橋が中央を持ち運び、右へ展開ののち和田がクロス。
これを高澤が合わせヘディングシュート(GK圍キャッチ)と、流れでの攻撃によるフィニッシュを作り上げ。
そして主体的な攻撃、つまりは最終ラインからのビルドアップの姿勢に再び入るようになります。
それは前半と同様、菊地を高い位置へと押し上げる可変を軸に、秋田のマンツーマンを揺さぶりに掛かる手法がメイン。
しかし秋田もそこから中々好機を許さず、再度停滞感漂う群馬。
22分には藤山の持ち上がりによる速攻を反則で阻止した田頭が警告を受けるなど、秋田の圧力に屈する未来が過る展開となり。

その直後に秋田ベンチの方が動き、佐藤大→大石へと交代。
それにより群馬も、流れを変えるために動かざるを得ず。
25分に2枚替え、エドオジョン・和田→中塩・杉本へと交代し、左ウイングバックに菊地が回り。
それと同時に高澤を頂点とした3-4-2-1へとフォーメーションを弄ります。

これにより、中塩→杉本→菊地という左サイドのラインが重厚に。
流動的に誰かがワイドを上がって付く事で、パスもスムーズに回り始め。

そして28分、左スローインからの繋ぎを経て、上げられた杉本のクロスがクリアされて逆サイドの田頭の下へ。
するとやはり好循環の左サイドに繋ぐ事を選択し、パスワークを経て再度杉本が奥へ切り込んでクロス。
これを大外で田頭が走り込んで脚で合わせるという、秋田の先制点と全く同じフィニッシュ(ヘッドと脚の違いは有れど)が放たれると、ゴールネットに突き刺さり。
田頭に付いていた大石が振りきられるという具合に、やはりファーが疎かとなるクロス対応はどのチームも難儀するものでしょうか。
ともかく、同点に追い付いた群馬。

秋田のキックオフで再開となり、再びリードを奪わんと圧力を掛ける秋田。
しかしその坂手を突く群馬、31分にまたも高い位置を取った菊地へロングパスを届け、その菊地の落としでエリア内へ。
受けた川本のポストプレイから、高澤がポケット奥へ切り込んでシュート(GK圍セーブ)と、同点止まりでは満足しない姿勢を見せ付け。

またも尻すぼみという展開は避けたい秋田、32分に左CKを得たというタイミングで3枚替えを敢行。
藤山・畑・青木→諸岡・中村・梶谷へと交代し、勝負を掛けにいきます。

ここからCK×2→ロングスローと、お馴染みのセットプレーにより再度流れを構築。
そして36分、後方から才藤がエリア内へ一気にロングパスを送ると、跳んだ小松を越えてバウンドしたボールを梶谷がヘディングシュートに持っていき。
これが左ゴールポストを直撃と、決められずも惜しいフィニッシュで気勢を高めます。
(38分に群馬は高澤→平松へと交代)

39分、ハイボールの競り合いで小野原が天笠のバックチャージにより倒れて反則・天笠に警告。
警告という形でダメージを溜めていく群馬に対し、得たFKからの二次攻撃で、才藤が左から入れたクロスをファーで小松が折り返し。
そして河野のボレーシュートが放たれ、右ゴールポストを直撃した跳ね返りが、丁度詰めていた中村の下へ。
しかしその決定機は突然訪れたというように、中村は合わせきれず身体に当てるだけとなってしまった結果、ゴール右へと逸れて勝ち越しはなりませんでした。
(直後に村松→蜂須賀へと交代)

秋田の悔やまれる逸機を経て迎えた終盤。
その落胆具合を突くように群馬が再度攻撃を組み立て、菊地の左→右へのサイドチェンジを受けた田頭がドリブルと、秋田の薄い所を突けるようになり。
ここからは田頭のアーリークロスを川本が合わせきれず終わり。

流れが悪くなってきた秋田も、45分には群馬のオフサイドによる間接FKでも、GK圍が放り込みを選択するという強引な運びで好機。
大石の左ポケットからのクロスで右CKになると(この時点でAT突入)、キッカー大石のクロスの跳ね返りを蜂須賀がミドルシュート(ブロック)と、あくまでセットプレーのパターンを貫くフィニッシュ。
苦しい時は基本に立ち返るという、最後は精神力勝負の様相に。

一方群馬もGK櫛引のロングフィードから好機、収めた平松のパスを経て川本が左ポケットを突き、ディフェンスに遭うも杉本が拾って継続。
そして右のスペースへ送った横パスに、走り込んだ田頭がシュートを放つも、中村がスライディングでブロックして防ぎ。
お互いフィニッシュが交錯する、エキサイティングな最終盤となり。

しかし最終的には、勝ち越し点が生まれないまま試合終了の時を迎える事に。
1-1で引き分けとなり、群馬は連敗こそ止めたものの、残留の為にはまだまだ足りず。
この勝ち点1を蜘蛛の糸とすべく、後半掴んだ好循環を形とする事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 ロアッソ熊本vsモンテディオ山形

2024-05-29 16:17:15 | サッカー視聴記(J2)

※前回の熊本の記事はこちら(14節・水戸戦、0-2)
※前回の山形の記事はこちら(10節・仙台戦、0-2)

<熊本スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 岡崎の負傷が発表され、5/9に発生して5/14に手術実施、全治約6週間との事。
  • 負傷離脱していた小長谷が、15節(横浜FC戦、0-0)に復帰して途中出場。

<山形スタメン>

  • 前節(秋田戦、0-2)はyahooスポーツナビでは3-3-2-2(3-1-4-2)との事で、今節再び基本布陣に戻す。
  • 菊地が清水から育成型レンタル移籍で加入し、12節(徳島戦、1-2)から登録されてベンチ入り、以降2試合にスタメン出場。
  • 10節で(HTで)負傷交代して以降離脱していた安部が、今節復帰してスタメン出場。
  • 吉田がプロA契約を締結。
  • 堀金の来季加入が内定し、その1日後に特別指定選手となり15節(水戸戦、0-1)から登録され、即途中出場を果たす。

ズルズルと後退を余儀なくされている山形。
前回取り上げた「みちのくダービー」で敗戦し、その試合後の一部サポーターの蛮行もあり、運気を逃がすのを止められず。
次節(愛媛戦、2-1)は勝利したものの、そこから敗戦が込む事となってしまい。

その間、菊地が加入したり、特別指定となった堀金を即起用したりと色々試行錯誤を繰り返し。
前節は3バックで挑んだものの、どうやら特異なスタイルの秋田対策という側面だったようで、今節また4-2-3-1(4-2-1-3)へと戻し。
安部・岡本ら離脱者も復帰する中、選択肢が増えたというべきか、ないしは迷走が止まらないというべきか。
この日の相手は、3-4-2-1への布陣変更で迷いを無くした熊本で、そのホーム(えがお健康スタジアム)に乗り込んでの一戦。

いきなりの前半2分に岡本(スタメン2試合目)が右からロングスローを投げ入れる、従来の山形とは一線を成した手法での入り。
これで主導権を得る事に成功したか、ボールを握って攻勢を掛ける山形。
プレッシングで対抗したい熊本ですが、ウイングバックの大本・岩下が、上がり目の位置を保つ山形ウイング(イサカ・氣田)によりピン止めを強いられ前に出れず。

前半5分、左サイドで前進の姿勢から南が藤本へミドルパス、跳ね返りを拾って右の岡本へ。
ハーフレーンからミドルシュートの体勢に入る岡本、しかしキャンセルしてイサカに託すと、マイナスのカットインで角度を付けてからのクロス。
これをファー奥で藤本が合わせる(ジャストミートせず枠外)という具合に、アタッキングサードで少しずつ変化を加え、先制を果たさんとします。

そんな山形の攻めを中々遮断出来ない熊本は、自身もポゼッションを高める事でファイティングポーズを取り。
既にお馴染みの距離感の近いパスワークは布陣変更後も健在で、山形のプレッシングに対してもボールを奪われず維持するシーンを増やし。
しかしアタッキングサードでは、手前からクロスを上げる選択が多く工夫が足りないという感じ。

それでも10分台には、大本の推進力を活かしながら右サイド奥を突けるようになり。
17分から3本コーナーキックを続けるなど、攻撃機会を増やしてペースを奪い返す熊本。
しかし一気呵成とはいかず、敵陣でパスを繋ぎつつも、戻して作り直しを選択するなど落ち着いた立ち回りも見せ。
遅攻には遅攻で対抗するその姿勢に、山形も次第にテンションを落としてハイプレスを控えめにするなど、ペース配分が良く考慮された試合絵図となりました。

こうした展開故に、先んじて未勝利状態から抜け出した熊本の精神的優位が目立つ事となったでしょうか。
23分、GKへの戻しで山形のハイプレスを誘ったうえで地上から繋ぎ、右サイド深めに追い込まれるも江﨑がロングパスで脱出。
大崎を狙ったこのパスは小西に遮断されるも、その小西が大崎と交錯した事でこぼれ球となり(反則無し)、拾った藤井が大本とのパス交換で右奥を突いてクロス。
GK後藤雅がパンチングで跳ね返すも、拾った豊田がミドルシュートを放ち、これが左ゴールポストを直撃し枠外となる際どいフィニッシュとなります。
一撃を受けた山形も、直後の24分に敵陣でのこぼれ球を確保したのち小西がワンタッチで縦パスを藤本に通し。
右ハーフレーンで受けた藤本、カットインで中央寄りからミドルシュートを放って(ゴール左へ外れる)やり返し。

お互い好機が交錯するも、次第に慣れてきた熊本が、WBを前に出してハイプレスを見せるようになり山形のビルドアップを規制。
また自身でのビルドアップも、伊東が降りてボールを受けるようになり流動化させんとします。
27分、上村周が前に出て縦パスをカット、そのまま速攻に入り右から大本が低いクロス。
これをニアで大崎が合わせシュートするも、GK後藤雅にキャッチされ先制ならず。
前節(徳島戦、2-1)プロ初ゴールを挙げた大崎、これでこの日もゴールという結果に向かう勢いが付き。
29分には豊田がカットしたボールを拾うとそのままドリブルに入り、西村をブリッジ気味にかわして一気にエリア内を突かんとするもGK後藤雅に抑えられ。
32分には中盤から上村周が一気に右ポケットへスルーパス、走り込んでダイレクトで撃ちにいった大崎でしたがゴール左へ大きく逸れ。

立ち上がりの勢いを失った山形は、次第に熊本のハイプレスにも苦しめら、後方から逃げのロングパスを強いられる状況に。
後藤優が交錯で痛むシーンも複数回起こるなど、ペースを取り戻さんとしても果たせずに時間を浪費していきます。
対する熊本も、それにより山形が後ろで構えるようになると攻めきれない流れとなり。
中盤からのフリーキックでも放り込みを選択するようになるなど、停滞感が蔓延し始め。

そのままアディショナルタイムに入り、熊本はGK佐藤優のロングフィードからの攻め、頭で合わせた大崎が自ら拾い右サイドで溜めを作り。
そしてパスワークで逆サイドへ運び、岩下が左ポケットを突く好機となるも西村に蓋をされて撃てず。
良い守備対応をした山形は、敵陣でボール奪取した小西が(伊東に)反則を受けてFKに。
右ワイド遠目という位置でキッカー後藤優はクロスを選択し、中央ややニア寄りに上がったボールを、西村がヘッドで合わせましたがGK佐藤優がセーブ。
CKで継続か、という所でしたが許されず、ここで前半終了の笛が吹かれます。

ボールポゼッションのぶつかり合い、といった前半の試合絵図でしたが、全体やや遅れを取った感のある山形。
そのため後半開始からギアを上げ、激しく攻め上がります。

後半2~3分、吉田が一気に左ポケットへロングパスを送り、走り込んだ後藤優が奥からラフにクロス。
これは跳ね返されるも岡本が拾い継続、敵陣でポゼッションを高めながらエリア内を窺うという攻撃に。
イサカが2度エリア内を突く場面を作ったものの、デイフェンスに阻まれ実らず。

しかしその圧力か、熊本は自陣でパスミスが目立つようになり、それによりさらに攻撃機会を重ねる山形。
4分にはこぼれ球を拾った岡本から速攻を選択し、スルーパスの連続で右奥を突いた末にイサカがグラウンダーでクロス。
これをニアで藤本がフリック気味に合わせ、対角線の軌道でファーを襲ったもののゴール左へ外れ。

この状況をモノにしたかった山形ですが、同時に前半の「遅攻同士のぶつかり合い」を崩す結果にもなり。
そして焦りの方が噴出してしまったか、7分左から吉田のアーリークロスに対し、合わせにいった藤本とイサカが被った結果頭部同士で激突してしまい。
両者とも起き上がり無事に継続したものの、藤本の方はダメージが大きかったようで、その後脳震盪による交代が取られる事となり。

これを境に山形は再びテンションを落ち着かせ。
13分に熊本の攻撃を浴び(スルーパスを受けた藤井が右ポケット奥からクロス気味にシュート、ゴールバー直撃)たのち、14分にGK後藤雅から組み立てる本来の姿による攻撃。
プレッシングを後藤雅のフィードでいなすと、左→右へとサイドを振りながらパスワークで前進し、イサカの右からのカットインが防がれるも中央で氣田が拾う好機。
そしてエリア内へ縦パス→後藤優のポストプレイを経てミドルシュートを放った氣田、江崎がブロックした跳ね返りをさらに藤本がシュートしましたが、枠外となり決められません。
この直後に、前述の通り藤本が退く事となり。(高橋と交代・同時に氣田→坂本に交代)

相手が動いた事で、熊本サイドも藤井→小長谷へ交代と動き始め。(18分)
負傷離脱から復帰したら、基本フォーメーションが変わっていたという状況を強いられた小長谷、この日はその後プレースキッカーを務める事が中心となり。

山形は前述のようにGK後藤雅を中心に後方で繋いでからのフィード、という手法で組み立てるものの、一転して中々攻撃機会を得れない時間帯に突入。
一方の熊本も、伊東を中盤の中継点として前進を果たしたい狙いは伺えましたが、好機は外回りからのサイド攻撃に終始。
膠着感が露わとなるなか、26分に山形ベンチは後藤優・イサカ→國分・杉山へと2枚替え。
熊本もそれを見てから動くというパターンで、31分に大本・伊東・大崎→阿部・石川・べジョンミンと3枚替えを敢行します。

このベンチワークを経て優勢に立ったのは熊本で、32分左から大西がアーリークロスを送ると、ニアでべジョンミンが胸トラップして浮かぶボール。
こぼれ球をワイドで拾った小長谷が杉山に倒された事でFKとなると、クロスが濃厚という位置ながらキッカー小長谷は右足でゴールに向かうボールを入れ。
これがクリアされて左CKとなると、さらに小長谷は直接ゴール狙いを含んだクロスを送る(GK後藤雅キャッチ)など、セットプレーでもダイレクトでゴールを狙う事でプレッシャーを与え。
続く34分には、山形の得意手であるGK後藤雅のフィードを阿部がカットして反撃に入るなど、交代で好循環が生まれつつあり。

一方、坂本・杉山の元熊本勢が揃い踏みとなった山形。
38分にその杉山に決定機が訪れ、左からの吉田のクロスが跳ね返されるも中央で拾って継続。
そして小西エリア内へ縦パス→高橋ポストプレイでフリーの杉山がシュートチャンスとなりましたが、ダイレクトで放った杉山のシュートは浮いてしまい枠外に。
古巣相手(一部サポーターからブーイングも上がっていた)で遠慮した……という訳では無いでしょうが、試合を決める事は出来ませんでした。
直後に山形は最後の交代、岡本・南→川井・松本へと2枚替え。
脳震盪による交代も絡んだため、6人全員(GK以外)投入する運びとなり。

終盤を迎え、お互い間延びも目立つようになる中、繰り広げられる精神力勝負。
42分、前に出て高橋からボール奪取した江﨑、そのまま左サイドに張り出して自ら持ち運び。
プレスバックにいった高橋が後ろから倒す格好となって反則・警告となり、再び左ワイドからのFKを得た熊本。
キッカー小長谷は先程と同様ゴールへ向かうボールを蹴り、ゴール上部を襲ったもののGK後藤雅のセーブに阻まれ。
その後の右CKでも、今度はキッカー豊田がゴール狙いの軌道で蹴る(上へ大きく外れる)など、「一発で決められるならば決めてしまいたい」という思惑も伺える攻撃。
後半追い風となったのもあるでしょうが、普段細かく繋ぐ熊本でもこうした思考に陥る辺りが、一つの勝ち点がシビアとなるサッカーという競技でしょうか。

そして迎えたAT。
山形は自陣から國分のスルーパスで一気に裏を突きに掛かり、クリアされ右スローインとなると川井がロングスローを入れる体勢に。
ロングスローで始まりロングスローで終わる、といったこの日の山形の攻撃でしたが、実際その通りになるとはこの時思いもよらず。
投げ込まれたボールは跳ね返されるも、確保した小西はクロスでは無く、右ポケットへのミドルパスでスペースを突き。
これを奥で受けた安部、キープする所に防がんと突き出された江﨑の足が、削ってしまう格好となり倒れ込む安部。
すかさず主審の笛が鳴って反則・PK獲得と、熊本サイドにとっては納得し難い判定となりましたが、モロに接触してしまった以上言い訳は利かず。
勝ち点を左右するものなったこのPK、キッカーは高橋が務め、ワンフェイクを入れてゴール左へとシュート。
GK佐藤優が届かない位置へとしっかり決め、土壇場で山形がリードを奪いました。

反撃の時間も殆ど無く、アバウトな攻めを余儀なくされる熊本。
それにより先程敵陣エリア内で痛んだ安部が、今度は自陣でべジョンミンとの競り合いで倒れる事を余儀なくされるという珍妙な絵図も生まれ。
結局ボール確保して時間を使った山形が、そのまま逃げきる事となりました。

これで6試合ぶりの勝利と、何とか負の流れを堰き止めた山形。
目標の優勝には周回遅れとなった感が否めませんが、次は好転させるフェイズに入る事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第17節 愛媛FCvs栃木SC

2024-05-27 16:00:59 | サッカー視聴記(J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(13節・徳島戦、0-0)
※前回の栃木の記事はこちら(15節・徳島戦、0-1)

<愛媛スタメン> ※()内は前節のスタメン

<栃木スタメン>

  • 前回も触れた通り監督を交代。田中誠氏・柳下正明ヘッドコーチの両名を解任(双方合意の上で契約解除)し、小林伸二氏を新監督に迎える。なお、空いたヘッドコーチの席は未だ埋まらず。

千葉に惨敗という、共通点が生まれてしまったクラブ同士の対戦。

昇格組ながら、上位を伺える位置で喰らい付いていた愛媛。
しかし前節、そこに待ち受けていたかのように千葉相手に徹底的に痛めつけられる事となり7失点。
当然ながら軌道修正を強いられる状況で、右サイドバックに尾崎を4試合ぶりにスタメン起用。
そして守備時にはパクゴヌがウイングバックの位置に降りて5バックの体勢を取るという具合に、守備を固めるテコ入れを施しました。

一方、8節に先んじて同じ目に遭わされていた栃木。(0-8)
その後未勝利と建て直しの気配は一向に見られず、とうとう監督交代という手段に手を付ける事となりました。

かくして、北九州を離れてフリーとなっていた小林氏に白羽の矢が当たり。
昇格請負人の異名を持つ当氏も、現実的には残留争いのミッションを強いられる今回の働きでしょうが、やる事は変わらず。
特にトレーニングからの意識改革の面で重要な役を果たしたようで、この日の放送内でも、選手達のコメントが多数(実況から)語られる事となり。
「こんなに充実したトレーニングはキャリアで初めて(うろ覚え)」等といったニュアンスの発言からも、そのチームマネジメントに衰えが見られない事が伺えます。
しかし前節は惜しい所で結果が出ず(仙台戦、1-2)となり、その即効性を形に出したい所。

始まった試合、その栃木の変革の賜物が存分に表れる試合絵図となり。
前監督の際は前線5人のみでのプレッシングが基本でしたが、この日はウイングバックも果敢にプレッシャーを与えに加わり。
そして愛媛の前線に縦パスが出れば、「喰い付く」というフレーズでは収まらない程にセンターバックが前に出て猛烈に規制を掛け。
とにかく後が無いというぐらいにプレッシングに舵を振り、全体の布陣も極端に圧縮される事となる、傍らからでもハッキリと判る変化を遂げておりました。

それでも前半2分に谷岡が藤谷に反則を受け、そんなサッカーが招いたと言わんばかりに直接フリーキックを得た愛媛。
やや遠目ながらも中央という位置で、キッカー石浦が直接シュートにいきましたが壁を直撃し実らず。
これを逃してしまうと、栃木の激しいデュエルに苦戦の色が表れ始め。
7分には森下が小堀の肘打ちを受けてしまうという具合に、判定面でもフラストレーションを溜めるのは必至という展開に。

15分、降りて受けに来た松田のレイオフが(平松のプレッシャーもあり)ズレた所を南野が拾い、ショートカウンターとなる栃木。
そのまま前進を経てミドルシュートを放ち、これはGK徳重にキャッチされるも、前節のようなスーパーゴールをこの日も狙う気満々といった南野。
そんな彼に引き摺られるように、尚も前向き姿勢を見せる栃木。
最終ラインから繋ぐ体勢も取り、左右のCBの片方が前に出たり、小堀が降りて出口役を務めんとするなど可変も見せ始め。
しっかりと地上でポゼッションを高めながら、ポケットを突きに掛かるその攻撃。
次々明るみに出るといった前体制からの変化に、小林氏が凄いのか、前体制がとても緩かったのか判別し辛いという気持ちにもさせられます。

一方守勢に回る事となった愛媛、栃木のプレッシングに対してあくまで基本は地上でのビルドアップで対抗姿勢を取り。
29分の愛媛はGK徳重からの繋ぎ、左からと見せかけて徳重へ戻して右で前進、森下の短めのスルーパスを石浦がダイレクトで今度は一気に裏へ運ぶスルーパス。
そこにパクゴヌが走り込むも、GK丹野が好判断の飛び出しでクリアして決定機とはならず。
35分再びGK徳重から繋ぎ、栃木のプレッシングを受けながらも左サイドでのパスワークを経て山口が中央へ運んでからのパスで回避。
森下の縦パスを前に出ていた谷岡がフリックするも、ラファエルに潰されて繋がらず(反則も無し)と、実りは少なく。

一方栃木は愛媛の専守の体勢を受け、ポケットを突くのは困難と見て右WBの森をフリーにし、そこにロングパス・ミドルパスを送り届ける攻めにシフト。
33分にはその森の奥への切り込みで得た右コーナーキック、キッカー南野の中央へのクロスに矢野が合わせ。
飛び出したGK徳重の手前でヘディングシュートを放つ事に成功した矢野ですが、ゴール上へと外れて惜しくも先制はなりません。
37分にはロングパスを受けた森が再度右奥へ切り込むと、今度は戻しからショートパス攻勢でポケットを突きに掛かり。
矢野のスルーパスに走り込む森の手前で遮断されるも、再度右CKとなると、キッカー南野はサインプレーでエリア手前へストレートのクロス。
これを森がボレーシュートにいきましたが、反応良く前に出た山口に防がれると、愛媛のカウンターが発動。
谷岡の持ち運びを経て藤原のスルーパスが左ポケットに入ると、受けてクロスを入れたのはパクゴヌで合わせにいったのは菊地。
しかしジャストミート出来ず、本来の得点力を発揮とはいきませんでした。

終盤を迎えると、再度愛媛選手が栃木の激しいチャージに痛むというシーンが続出。
粗さも目立つ、かつての田坂和昭監督時代の「ストーミング」を彷彿とさせる栃木のサッカー。
そしてそれは罪の部分も当然あり、アディショナルタイムも終わりを迎えようとする所、小川の裏へのロングパスに抜け出さんとした藤原がラファエルに腕で倒され。
これで反則・警告となるばかりか、前半最後の攻撃で絶好の直接FKを与えるおまけまで付く事に。
愛媛にとっては流れが悪いなかで是非モノにしたいセットプレーとなり、その通りにパクゴヌが直接シュートを狙い。
ゴール上を襲ったもののGK丹野がキャッチと、何とか凌いだ栃木。
スコアレスで前半終了となりました。

ともに交代無く、迎えた後半開始。
相変わらず狭い局面でのサッカーを強いられる愛媛、前半同様に苦戦の色は明らかであり。

しかし攻撃では最前線に絡み、守備では後方に回るという上下動激しいパクゴヌを軸として体勢を整え。
後半8分、自陣でそのパクゴヌのボール奪取から攻め、松田のレイオフから中央→左へと展開して前進。
そしてスルーパスに走り込んだ山口がクロスと、サイドバックが最前線に絡む攻め。
10分の栃木の攻撃、平松ロングパス→矢野落とし→森と繋げ、今度は持ち運びを経て逆サイドを使いにいった森により大森が左ポケットを突き。
そして放たれたシュートをブロックで防ぐパクゴヌ、という具合にその獅子奮迅ぶりが目立つ展開となります。

それでも栃木優勢は続き、12分にとうとうハイプレスを嵌めて右サイド深めで森がボールカット。
そして戻しを経て再度大森が左ポケットを突く絵図となり、クロスがディフェンスに当たり流れた所を大外で南野が胸トラップ。
そしてそのままボレーシュートにいきましたが、素早く寄せた山口がブロックして何とか凌ぎ。

再三森を躍動させていた前半からは一転し、逆の左の大森を使うという狙いを見せる栃木。
多彩な攻めを効果的に使う、組織立ったチームへの変貌は明らかだったものの、ここから逆に失速気味に。
森と違い、突破力に欠ける大森を重視した事で、パクゴヌの奮闘もあり結果的に愛媛にとっては防ぎ易くなった感がありました。

それでも栃木のプレッシャーの前に、松田や石浦が降りてパスを受けなければ前進が難しい状態は変わらず。
14分には中央で溜めを作った松田を経て、右でパスを受けた石浦からのクロス。
これをニアで菊地がフリーで合わせたものの、当たり所が悪くゴール右へ大きく外れてしまい。
松田が徹底チェックに遭うのが必至ななか、他選手がゴールを奪うのは勝利には必須でしたが、この日の菊地は残念ながら持っておらず。
18分には左スローインからの攻めで、山口のクロスを松田が脚で合わせるという、ようやくポイントゲッターを活かせる状況が出来たもののオフサイドで無効となり。

そうこうしているうちに、栃木に決定機が訪れたのが20分。
矢野狙いの藤谷のミドルパスはクリアされるも、跳ね返りを繋いで中央から攻め、奥田のエリア内へのスルーパスが南野の足下へ。
そしてディフェンスに囲まれながらも放たれた南野のシュート、これがゴールバーを直撃するも、息をつかせず拾って継続する栃木。
今度は神戸の強烈なミドルシュートが襲うも、森下が頭でブロックと決死のディフェンスで防ぎます。
これにより痛んでしまった森下ですが、脳震盪チェックからのピッチ外を経て何とか無事に復帰。
その間に栃木ベンチが最初に動き、小堀・矢野→大嶋・宮崎へと2枚替え。
その後森下が復帰した愛媛も、24分に谷岡・藤原→深澤・窪田へと2枚替えを敢行します。

ゴールまで後一歩と迫った栃木ですが、前述の通り前半程攻撃機会は得られず。
そうなると粗さが悪目立ちするのは必然で、16分には矢野が(菊地への)アフターチャージにより反則・警告。
28分に今度は深澤がパスを受けるという所に、後ろからチャージした奥田が反則・警告という具合に被害が広がり続け。

何とかそれを突きたい愛媛、綺麗な前進がままならないなか、前述のようなスローインからの繋ぎによる好機が中心となり。
31分に空中戦からボールを確保した愛媛、深澤が左スペースへラフにスルーパスを送ると、奥で受けた窪田がクロス。
これをエリア内の平松がブロックした所、腕に当たったとしてハンドのアピールをする愛媛選手一同でしたが判定は覆らず。
愛媛サイドが醜態を見せたと思いきや、その直後には石浦が浮き球を確保して前進する所、抜かれた藤谷が倒れながら止めにいかんとした結果掴んで倒してしまうという醜悪な絵図が。
当然反則・警告の対象となりこれで4枚目と、急速なチームの進化に付いていくのも難しいといった記録が残るに至ります。

時間が押し進んでも動かないスコア。
愛媛は奥の手を出すかのように、右サイドでパクゴヌ・尾崎の2段構えでの前進を見せ始め。
それによりCK攻勢に持ち込むなど押し込みますが、肝心のフィニッシュに辿り着く事は少なく。(試合通じてわずか4本)

34分に栃木は大森→石田へと交代。
一方愛媛は37分に石浦・松田→曽根田・ダンカンへと2枚替え。

39分に森がミドルシュートを放つ(枠外)など、シュートを撃てない愛媛を尻目に再度ペースを奪いに掛かる栃木。
それに合わせるように、運動量の激しかったパクゴヌがその直後に足を攣らせてしまい、倒れ込んで続行不可能に。
この日の功労者的な働きも流石に消耗は大きく、これにより茂木が入り。(曽根田が右SHに回り、茂木はトップ下)
代わって右に回った曽根田もパクゴヌの役割を務める事で、5バックシステムの維持を選択します。

攻勢に入る栃木、43分には長らくポゼッションを確保した末に右ポケットから神戸がクロス、大外で受けた石田がワイドへ流れてまたクロスとサイドを振り。
そしてファーで宮崎がヘッドで合わせましたが枠を捉えられずと、栃木サイドもどうしても止めを刺すフィニッシュが生まれません。
44分に最後のカードを使い、森・南野→福島・イスマイラへと2枚替え。
その穴を埋めるべくのカードであるイスマイラですが、守備面での難からして使い辛いタイプ。
しかしこうして、「リスクを気にせず攻める場面」のみ使うとなればその有用時間が極少になるというジレンマで、今後も小林監督の頭を悩ませる事となりそうです。

その後も押し込む栃木ですが有効打を放てず。
ATには石田のロングスローも使い始めるなど、何としてでも……という姿勢は見せたものの、時間の経過とともにゴールも遠くなり。
一方の愛媛も流れは既に壊滅的で、ATの最終盤には逆にダンカンが空中戦でのラフプレー(平松への頭部へのチャージ)により反則・警告。
これで4枚目で次節出場停止と、余分な被害を受ける事となってしまいました。

結局スコアレスのまま、試合終了で引き分けとなり。
栃木の方が連敗脱出、という面でウェイトの大きい一戦となりましたが、残留に向けて残された時は決して長くなく。
早く1勝を……という焦りも生まれ易い状況の中、どれだけサッカーの質を高め、後半戦に繋げられるでしょうか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 ファジアーノ岡山vsヴァンフォーレ甲府

2024-05-23 16:01:26 | サッカー視聴記(J2)

※前回の岡山の記事はこちら(12節・清水戦、0-1)
※前回の甲府の記事はこちら(11節・群馬戦、4-1)

<岡山スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 末吉が累積警告により出場停止。
  • 早川がJ1・浦和から育成型レンタル移籍で加入し、前節(長崎戦、0-0)から登録され即途中出場、今節初スタメンに。
  • 高校卒新人の藤井がスタメンで初出場。
  • 太田の負傷が発表され、5/2に手術実施して全治約3ヶ月との事。
  • 放送席の談では、グレイソンとガブリエル・シャビエルが故障離脱との事。(事実グレイソンは後日公式発表される)

<甲府スタメン>

  • GKコボンジョがJ1・鳥栖からレンタル移籍で加入(登録ウインドーの例外適用)し、12節(愛媛戦、1-2)から登録されて即ベンチ入り、14節(秋田戦、3-2)以降スタメンに。
  • 神谷が負傷離脱(脳震盪)から復帰し、13節(大分戦、1-2)から出場を重ねる。
  • GK河田の再度の負傷が発表され、4/12に発生して全治4~6週間との事。
  • 10節(熊本戦、3-3)で負傷交代したGK渋谷の詳細が発表され、翌日に手術実施して全治約2か月との事。またGKコボンジョの獲得に伴い、12節をもって登録抹消。
  • 同じく10節で(HTで)負傷交代した小林の詳細が発表され、全治約4週間との事。
  • エドゥアルド・マンシャの負傷が発表され、4・24に発生して全治約6週間との事。
  • 12節で負傷した孫大河の負傷が発表され、全治6~8週間との事。
  • 木村卓斗の負傷が発表され、5/1に発生して全治8~10週間との事。
  • 三平の負傷が発表され、5/10に発生して全治6~8週間との事。

故障者続出という、ヘビーかつホットな状態を強いられているクラブ同士の戦い。
とはいっても、岡山・甲府ともに開幕前の編成では万全(と思われる)の戦力を積み上げ、特に外国人選手の豊富さは(J2内では)目を見張るものがあり。
そして序盤は快調な滑り出しだっただけに、リーグ全体を見ればこの度のアクシデント多発で、バランスが取れてきたというべきか。助っ人ゼロの群馬がダントツ最下位な状態なだけに

それでも甲府の方は、日本人選手の離脱の方が目立ちそしてあまりにも数が多く。
この試合の後も、三沢の負傷が発表されるなどその流れは現在も継続中であり。
その影響で、既に最晩年のウタカを休ませる余裕も生まれ辛い苦しいベンチワークを強いられる事となっている篠田善之監督。

そんな状況で迎えた一戦。
岡山はハイプレスを掛ける事は無く、ミドルサードで構えながらカウンターを狙うという立ち上がりの姿勢。
一方の甲府は、その相手を見るや普段以上に最終ラインから地上で繋ぐ、ボールポゼッションを高めるスタイル。
お互いに離脱者続出で、サッカーのスタイル自体が変わったような絵図を描きます。

その通りに前半4分カウンターに持ち込む岡山、その起点で岩渕が倒されながら縦パス、それを受けたルカオがボールキープの最中今津に倒されるという事がありながらも泥臭く繋ぎ。
そして左から岩渕がカットインを経てポケットからシュート(飯田がブロック)と、狙い通りの先制攻撃を果たします。

一方で、その和を乱しがちに映ったのがJデビューとなった藤井。
全員がミドルサードで構えるなか、甲府・飯田がボールを持つ際に激しく喰い付くという、1人だけハイプレスをしているかのような立ち振る舞い。
しかしその隙を突かれる事が多く、裏を取られるばかりか、自身も飯田のドリブルに手も足も出ないシーンを目立たせてしまいます。
6分にその弱点から攻める甲府、藤井をかわして持ち運んだ飯田のクロスはクリアされるも、拾い直して再度右からの攻撃。
佐藤の間を通すパスを受けた鳥海が奥へ切り込んで再度クロス、グラウンダーで入ったボールをニアでウタカが合わせるも枠を捉えられず。

その後も、プレスに出て来ない岡山を尻目にボール保持の姿勢を強める甲府。
しかしそれが最悪の結果を招いてしまい。
11分、GKコボンジョから作り直しとなった所で、ルカオのプレッシャーを受けつつのコボンジョの間を通さんとした縦パスがズレて岩渕の足下へ。
ワントラップからそのままロングシュートを放った岩渕、前に出ていたコボンジョは防ぐ事が出来ずゴールに突き刺さります。
慣れない事をした報いか、それとも今後のためにポゼッションサッカーを展開すべきという思考に陥ったのか。
ともかく、狙いの形が崩れて先制を許す事となった甲府。

一方リードが転がり込んできた岡山はこれにより躍動。
12分左ワイドで持った藤井がカットイン、ルカオとのパス交換を経て中央→右へと展開し、柳貴のクロスに繋げ。
これをファーサイドでルカオがバイシクルにいくも、手前でクリアされ炸裂せず。
すると左スローインからの再開を経て、クロスの跳ね返りを柳育がヘッドでエリア内へ送り返すと、トラップしたルカオはまたもバイシクルの体勢を取り。
今度はミートするも大きくゴール上へと外してしまい、どれだけバイシクルを撃ちたいんだと言いたくなる絵図でしたが、それだけ先制点で重荷が取れたという事でしょう。

視界良好に見えた岡山ですが、続く14分、一旦GKまで戻して作り直さんとした所にプレッシャーを受ける格好に。
そして田上がウタカに奪われてしまい甲府のショートカウンター、こぼれ球を拾ったアダイウトンが左ポケット奥でGKブローダーセンを釣り出したうえでマイナスのクロスを入れると、ニアでウタカが合わせ。
2人の個人能力もあり、完全に決まったと思わされた流れでしたが、ミートがズレてゴール上へ外してしまったウタカにより命拾い。
ヒヤリとしたものの、その後は甲府のビルドアップを遮断しながら、攻撃機会を確保し落ち着きを取り戻す岡山。

甲府のボール保持の姿勢は変わらず。
21分に再度飯田がドリブルからクロスに持ち込み、ファーサイドで収めたアダイウトンがシュート(柳貴がブロック)と、突きたいのはやはり前述の通り藤井の居るサイド。
24分には飯田→鳥海へのパス出しで、上がらずにボールキープする鳥海に釣られてしまう藤井、そこからウタカへ縦パス→右に展開で出来たスペースを使われるという具合にやはり不安定さが目立ち。

甲府の次なる決定機は31分で、ここは右からの前進と見せかけて戻し→神谷ロングパスで左サイド裏を突く攻め。
そして受けた関口がカットインで左ポケット奥を取りマイナスのクロス、中央で鳥海が合わせシュートを放ちますが、GKブローダーセンのセーブに阻まれ同点ならず。

岡山も受けに回る過程で、何度か縦に速い攻めで甲府ゴールを脅かす展開。
26分にはその運びの最中でヘナトのアフターチャージ(アドバンテージで継続、その後ルカオがミドルシュートもGKコボンジョキャッチ)を呼び込み(ヘナトが)警告を受けるなど、本格的にポゼッションvsカウンターの様相を呈してきた試合絵図。

しかし30分過ぎ辺りから、そのカウンターの思惑は様子見だと言わんばかりに、岡山はハイプレスの姿勢を強め始め。
34分、GKコボンジョからの攻撃に対しプレッシングを掛ける岡山、関口→飯島のミドルパスはカットするもこぼれ球を繋がれて岡山陣内へ。
そして左→中央→右への展開を経て飯田のドリブルに持ち込むと、奥へ進入した所を後追いで藤井が倒してしまい反則と、思考を変えても弱点を露呈してしまう藤井。

このフリーキックからの攻撃を凌ぐと、変わった岡山の姿勢とともに流れも右往左往。
40分台に入ると、甲府のボール保持がそのハイプレスをかわすという形を採り始め。
先制点の場面で手痛いミスをしたGKコボンジョも、その後は間を通す縦パスをしっかり送り起点として機能します。
このまま前半が終わると思われましたが、44分を境に今度は岡山のペースに。
後方からロングパス・ミドルパスを蹴らせたうえで遮断という、こちらもハイプレスを機能させての好機。
45分には柳育の跳ね返しを早川足でフリック→ルカオスルーと意表を突く繋ぎ、そして右サイドで細かいパスワークに持ち込み。
そして早川が右ハーフレーンからミドルシュートを放ちますが、枠を大きく外して終わり。

結局1-0のまま前半が終了。
内容からして、ハーフタイムで(藤井ないしは早川の)交代があると思われた岡山でしたが動かず、双方そのままのメンバーで後半開始を迎えます。

岡山の流れで前半終了となった影響か、立ち上がりは甲府がバタバタとする展開に。
後半1分、関口の蹴り出しがあろう事かヘナトに当たって裏へと跳ね返り、ルカオに拾われる失態。(その後右奥からクロス→ブロックされコーナーに)
4分にもパスミスを早川が拾って岡山のショートカウンター、エリア内への岩渕へのパスを何とか遮断と、怪しくなり始める後方。

しかし岡山サイドも続く5分には自陣でパスミス、エリア内へと流れたボールをアダイウトンが走り込んでダイレクトでシュート(GKブローダーセンセーブ)と、ミスが即失点に繋がりかねない絵図を作り。
この混乱状態からどちらが立ち直るか。

甲府は9分、左からの前進もアダイウトンが詰まらされたのを受け、中央から佐藤が右サイド裏へロングパス。
右ポケットへ走り込んだ飯田が足で折り返し、中央でウタカが抜け出しシュートチャンスを作るもオフサイドとなり。
藤井の居る右サイド(岡山の左サイド)を突く、基本に立ち返る姿勢で立ち直りを果たさんとし。
一方の岡山は11分、敵陣右サイドで柳貴がボール奪取し、そのまま前進からのクロスでCKに。
こちらも縦に速い攻撃で我に返ると、このCK攻勢の2本目でキッカー早川のファーへのクロスに、田上が合わせヘディングシュートを放つもゴール左へ惜しくも外れ。

そして16分、岡山ベンチが最初に動き早川→木村へと交代。
局面を変えに掛かるとともに、末吉が出場停止なだけに、この1試合を藤井に託す腹積もりを見せたでしょうか。

しかしそうした姿勢が良い方に流れるとは限らず。
18分、木村の持ち運びが関口に反則気味に奪われると、敵陣から始められる甲府の攻撃。
ウタカ・飯島・鳥海の細かな繋ぎが中央でなされると、こぼれ球となった所を拾いにいった飯島が竹内に倒されて反則。
これにより先程の関口のチャージへの反則を猛アピールする岡山サイドですが、当然覆らず甲府の直接FKに。
一丸となっての戦いが、醜悪ぶりも招いてしまうという側面が表れ。
中央からという直接狙うには絶好の位置で、緊張のキックとなったこのFK、蹴ったのは神谷。
このシュートがゴール上部を襲ったものの、これもGKブローダーセンのファインセーブで何とか防ぎます。

決して悪い流れではない甲府ですが、得点出来ない状況に焦りも生まれてきたか。
以降飯田のロングスローを使い始めるなど無理矢理気味な攻めも交え。

岡山はそのロングスロー攻勢の最中に、田上が味方の藤田息のパッティングを受けてしまうというアクシデントもありました(田上は無事でピッチ外→復帰)が、これも凌いで反撃体制に。
強引な姿勢を見せ始めた甲府の逆を突くように好機を作り、甲府のクリアを柳育跳ね返し→木村フリック→ルカオと繋いだのが28分。
甲府はこれを凌ぐも、またもクリアボールが味方に当たり跳ね返り、左ポケットで岩渕が拾うという決定機を招き。
岩渕はカットインを経て中央からシュートを放つも、GKコボンジョが足でセーブと、ビッグセーブでミスを取り返す形となり意地を見せました。

29分に双方ベンチが動き、岡山は竹内・岩渕→輪笠・田中へと2枚替え。
甲府は鳥海→荒木へ交代します。

逆足サイドハーフの色が濃い荒木により、中央→逆サイドへの張り出しを目立たせ、空いた所に飯田が上がるというシステムで再度流れを作らんとする甲府。
34分、ウタカのミドルパスをアダイウトンが直接バイシクルで撃たんとしましたがジャストミート出来ず。
すると続く35分、右サイドでの繋ぎでウタカが奥を取ったのち、戻しを経て荒木がサイドチェンジのパスを左ポケットへ送り。
これを関口が折り返すと、トラップからまたもバイシクルを狙ったアダイウトン。
前半のルカオを彷彿とさせる一幕でしたが、これがあろう事か、クリアに入った阿部を蹴ってしまう事態に収束してしまいます。
当然ながら反則・警告を受けるアダイウトン。(阿部は肩にチャージされ多様で無事に継続)

何とか同点を狙う甲府ですが、ここで助っ人勢に時間切れが訪れたか、36分にヘナト・アダイウトン→中山・宮崎へと2枚替え。
中山はこれが今季初出場と、駒の薄いチームに良くある「交代するほど悪くなる」現象がチラつきかねない程、甲府の故障者続出は深刻であり。

そしてそれが現実のものとなり。
37分岡山は右スローインからの攻め、右サイドでのパスワークの最中に一旦カットされるも、輪笠が奪い返してすかさずエリア内へミドルパス。
これを収めたルカオが反転しながらシュートに持ち込むと、左ポスト内側を叩いてゴール内へ転がるボール。
最後はパワフルなルカオの実力が発揮され、リードを広げます。

これにより、意気消沈といった甲府を尻目に尚も攻める岡山。
スピード自慢の木村も果敢にゴールを狙いにいく展開となり、盤石に見えたものの41分にルカオが足を痛める(攣らせる)事態となりペースダウン。
同時に藤井も足を攣らせた事で、この2人を交代させる準備をする岡山ベンチでしたが、まずは甲府が先に動き。
といっても交代カードは既に使い果たしているので、3-4-2-1へとシフトして関口が右センターバック・荒木が左ウイングバックへと回り。
関口・飯田の2人を押し出す右サイド、という体制に掛ける事となりました。

岡山は44分に最後の交代、藤井・ルカオ→河野・齋藤へと2枚替え。
前半の様相からしてどうなるかと思われた藤井ですが、攻めにも絡み、弱点も一丸となってのカバーに助けられ良く破綻しなかったというまずまずのデビューだったでしょうか。

前節(千葉戦、2-2)はアディショナルタイムで追い付いた甲府ですが、2点差となると厳しいのは当然であり。
リトリートに徹する岡山に対し全員(GK以外)敵陣で攻め上がるものの、その堅守を崩す事は出来ず。
逆に岡山の敵陣深めでのボールキープにより、満足な攻勢もままならずとなりました。

2-0のまま試合終了となり、4試合ぶりの勝利を果たした岡山。
手術実施により帰国となるグレイソンは今季中の復帰は難しく、苦境の流れは続くでしょうが、この日のように泥臭く勝ち点3をもぎ取り喰らい付く事が出来るか。

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DAZN観戦 2024年J2リーグ第16節 鹿児島ユナイテッドFCvsV・ファーレン長崎

2024-05-22 16:00:58 | サッカー視聴記(J2)

※前回の鹿児島の記事はこちら(10節・愛媛戦、2-2)
※前回の長崎の記事はこちら(11節・横浜FC戦、1-0)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 武の負傷が発表され、4/5に発生して4/16に手術実施し、全治約3ヶ月との事。

<長崎スタメン>

  • ルヴァン杯2回戦(磐田戦、1-0)で負傷交代した岡野の詳細が発表され、4/30に手術実施して全治6~8ヶ月との事。
  • 負傷離脱していた新井が復帰しベンチ入り。

前半戦もこの試合含めて4戦と、折り返しが近くなり。
自身のサッカーを貫いてきた昇格組の鹿児島も、現在降格圏に至っているとあり、そろそろ何かしらの変化を示さなければ生き残りは難しい状況でしょうか。

変化といえど、一重に「変えれば良い」という訳では無く。
既存のメンバーが一回り成長を果たし、チームが良い方向へと回っていくのも一種の変化。
ここまでの戦いでそれが果たされたかどうかは傍らからでは不明ですが、前節から続く、清水・長崎と最上位に居るクラブが相手の試合である程度伺える。
そんな意気込みがあったかどうかは不明ですが、前節の清水戦は手酷い敗戦(0-4)に終わってしまい。
好機も殆ど作れずという内容だったようで、この日は長崎相手に、その負のイメージの挽回を目指す事となりました。

しかし13戦無敗という屈指の成績を維持し、2位に着けている長崎の牙城を崩すのは並大抵の事では無く。
前半3分、長崎のGKから始まる攻撃に対し、果敢にプレスを掛けにいったものの実らず。
田中隼のロングパスが一気に左奥の笠柳に収まった(その後カットインもすぐに奪われる)、その残像が強く印象に残る結果に繋がります。
以降、FW(守備時は鈴木が前に出て2トップ化)がプレッシャーを掛けにいっても、その他の選手が連動せず長崎のビルドアップを阻めないまま時間が進む事となり。

そしてそれが、「主体的な攻撃で何とかしなければならない」という意識を強めるに至ったでしょうか。
鹿児島の攻撃は特徴の通り、サイドバックが最初から前に上がり、サイドハーフと連動した「偽SB」戦術も絡めながらの前進。
ボールを握り、その立ち位置を取ってからサイドをパスで運ぶという攻撃ですが、それが悉く長崎の速攻に繋がる事となり。
9分、岡本が左サイド裏へロングパスを送り、(外山が内側を取ったうえで)ワイドを上がった福田に届けんとしましたが増山がこれをカット。
すると中央から秋野→ジェズスと縦を素早く運ぶ長崎、ジェズスは右へのスルーパスを選択し、外山も福田も上がった故のスペースをあっさりと突き。
受けたギリェルメが右ポケットに進入し、放たれた強烈なシュートがゴールネットを揺らします。
先制に成功した長崎に対し、前節同様開始から10分と経たないうちにビハインドとなってしまった鹿児島。

やり返したい鹿児島ですが、12分に右からの前進を経てワイドから五領が中央へパスを送ると、中原はスルーして奥の藤村に託したものの秋野にカットされ。
するとまたも長崎のカウンターとなり、ジェズスのミドルシュート(井林がブロック)にまで繋げ。
人数を掛けて攻撃する以上、好機を迎える前でカットされた時が怖い。
選手個人の力量が高い長崎が相手では尚更の事であり。

何とか14分、再び右からの前進で今度は五領がハーフレーンで縦パスを受け、星がワイドに。
この2人のパス交換の間に前に出た藤村に縦パスが通ると、スルーパスに走り込んだ星が奥からクロス。
そして中央ややニア寄りで鈴木が合わせヘディングシュート、GK原田にセーブされるも無事にやりきる事に成功します。

しかし守備面では相変わらず積極性は出て来ず。
SHが前に出るようになったものの、FWがアンカー秋野を気にした際は最前線までプレッシャーにいき、その結果SBが空く事に繋がり。
ここで更に後方の選手が連動すればハイプレスは嵌りそうですが、相手が3トップ故に、SBは常時ウイングにピン止め状態を強いられているためか出て来れず。
そしてボランチは、浮遊するジェズスを気にしなければならず、秋野に対して出られないという絵図が目立ち。

かくして、必ず(主に米田・秋野・ジェズスの)何処かが空くという状態になる長崎の地上でのビルドアップ。
時間の経過で、何とか慣れて嵌められるかという所で、秋野が最終ラインに降りる変化を見せ始めた(20分過ぎから?)のも大きな要素となり。

それでも27分、ロングパスを収めたエジガルに対し岡本が反則気味にボール奪取、右サイドを運んでいき五領が奥を窺う状況を作り。
そして戻しから藤村のクロスが上がると、ファーサイドで藤本がヘディングシュートを放ち。
しかしこれもGK原田のセーブに阻まれ、窮鼠猫を噛むといった同点弾とはなりません。

その後のコーナーキックからもモノに出来ないと、再開される長崎の激烈な攻撃。
それに対し鹿児島が無理矢理防ぎにいった結果反則も膨らむなど、個の力の差も表れ始め。
特に28分、ロングボールを収めたエジガルに対し、岡本が倒さんというアタックを掛け。
実際倒してしまうもそれでもボールキープを果たしたエジガル、起き上がった所を今度は中原に倒されて反則と、数人掛かりでも反則でなければ止められない結果に。
押し込まれる絵図の連続に、いつしかクリアした際のライン押し上げも全く出来ない精神状態を強いられたか、二次攻撃も簡単に許してしまう始末。

FKやCKから攻め立てる長崎、エリア内からギリェルメやジェズスがシュートを放ち(前者は31分・後者は33分)、鹿児島はそれを辛うじてブロックで防ぐという具合に防戦一方の展開に。
それでも35分、田中隼→米田のパスがややズレた所を星が奪い敵陣からショートカウンター、拾った藤本が右からクロス。
これが中央でバウンドして流れた所を、福田のヘディングシュートに繋げましたが、またもGK原田のセーブに防がれ。
長崎のカウンターを避けるべく中央での崩しを諦め、クロス攻勢に持ち込んでいた節のある鹿児島で実際狙いを的中させていたものの、三度とも原田に阻まれる手痛い流れを強いられる事となりました。
その後のCKでも、井林のフリック気味のヘディングシュートをセーブしたGK原田、とにかくこの日の当たり様は凄まじく。

結局その後も、長崎のポゼッションもカウンターも冴え渡る展開は続き。
45分のカウンターでは、ロングパスを受けたギリェルメが溜めを作り遅攻へと移行したのち、中央からショートパスでの崩し。
ジェズスがエリア内へ送り、エジガルのポストプレイを受け直した所で井林に倒されるも笛は鳴らずと、またも反則ギリギリでの凌ぎとなった鹿児島。
最後は鹿児島がボール保持したまま前半終了と、攻め手の無さも感じさせる絵図で締められました。

ハーフタイムでは交代無く、始まった後半。
何とか攻勢の流れを作りたい鹿児島、早々の後半1分で右から五領のクロスが上がると、ファーでトラップした鈴木がそのままバイシクルでシュート。(枠外)
気勢を上げるべくの派手な技の選択と推測しますが、これも効果は薄く。
結局は前半と同様、長崎の脅威に晒されながら反撃の糸口を掴むという展開を強いられます。

チャンスが訪れたのが6分、左ワイドからの繋ぎを経て藤村が対角線のロングパスを通し、受けた五領がカットインを経て斜めの縦パスを中央へ。
これを鈴木が受けてエリア内に進入し、シュートにいくも秋野のディフェンスと交錯して撃てず。
その後こぼれ球を何とか繋ぎ、星の右ポケットからのシュートが放たれるも枠を捉えられず。

前半と比べ、CBが持ち運ぶ場面が多くなった鹿児島のビルドアップ。
長崎は常時カウンター狙い故にハイプレスは掛けず、センターラインを境として構えたうえでのミドルプレスがメインの姿勢で、長崎2トップ(守備時)の脇を岡本・井林のどちらかが前進する体勢で隙を突かんとします。

それが結果に表れると思われたのが13分の攻め。
GK泉森からパスを受けた藤村、ボールキープでエジガル・ジェズスを引き付けて右へ出し、井林が持ち上がる状況を作ります。
そして左奥へ対角線のロングパスを送る井林、受けた福田の戻しを経て(逆サイドに流れて来た)星がエリア内へ縦パス。
しかしこれがカットされるとまたも長崎のカウンターに繋がり、先制点のシーンと同じくまたも福田・外山の2人が不在となった左サイド(長崎から見て右サイド)を突き。
ギリェルメが持ち運び、中央でパスを受けたエジガルのキープから今度はエリア内での華麗な崩しが発動。
右ポケットでパスを受けたギリェルメから加藤→米田と横パスの連続で、これを米田がスルーした事で奥のジェズスがフリーでシュート。
これが左足アウトで放たれた心憎いフィニッシュとなり、GKのニアを破ってゴールに突き刺さり。
力量差を見せ付けての、貴重な追加点となりました。
(キックオフ前にギリェルメ・笠柳→モヨマルコム・松澤へと2枚替え、増山が右WGに回る)

一方光明が見えて来たはずの方策が、逆に失点の道筋となってしまった鹿児島。
その後もカウンターの槍に脅かされる展開は続き、16分にはCKを跳ね返され、自陣からドリブルで運ぶ松澤に対しかわされた藤村が後追いで倒してしまい反則・警告。

流れを変えたい状況なのは明白で、鹿児島ベンチは18分に中原・五領→田中渉・ンドカへと2枚替え。
しかしその後も長崎の攻めは続き、20分には櫛引が持ち運ぶという鹿児島のやりたい事を逆にやる絵図となり、右側を切りに来た福田を剥がしたのちにパス。
そしてモヨマルコムのドリブルから細かく繋ぐ流れに持ち込み、エリア内でパスを受けたエジガルがシュート。(GK泉森キャッチ)
22分には右スローインで直接裏に投げ入れ、増山のダイレクトクロスから松澤がヘディングシュート(左ポスト外側に当たり枠外)と、どんな攻め手も冴え渡らせて相手の心を折りに掛かり。
この直後に鹿児島はさらに動き、福田→圓道へと交代します。
(長崎は25分に加藤・エジガル→山田・フアンマへと2枚替え)

以降もCBの持ち運びから好機を作らんとしますが、リトリートの色を強めた長崎の前に、敵陣に運んでも何も出来ないという状況が多くなり。
手詰まり感が漂うものの、27分に藤村が中央での持ち運びの姿勢から縦パスを送り、受けた鈴木がエリア内へスルーパス。
走り込んだ藤本が足下で受け、GKと一対一の状況を作ったものの、これも原田の好判断の飛び出しでブロックされ撃てず。
しかし息つく間も無く、拾った米田からまたもカウンターを発動させる長崎。
今度はジェズスのスルーパスをエリア内で受けたフアンマがGKと一対一という、完全なやり返しとなります。
フアンマはGK泉森を左にかわし、決まったかと思われましたが、奥へさらに切り込んだ結果ゴールラインを割ってしまい4点目はならず。
(29分に鹿児島は星・藤本→野嶽・有田へと2枚替え)

鹿児島にとってこの決定機からも被カウンターとなってしまう辺り、最初から最後までそれに対するケアが足りていない感が窺え。
その後も無理に打ち込む縦パスをカットされて長崎の攻撃に繋がるなど、その傾向は点差が広がった事もあり強まる結果に。
それ故に、守備を固める長崎に対し、裏へロングボールを送るか圓道の仕掛けに賭けるかという状況となります。

攻撃機会も減少し、意気消沈の感が滲み出る鹿児島。
それを尻目に長崎は39分に最後の交代を敢行(ジェズス→名倉)すると、直後の40分でした。
長崎陣内からの右スローインで投げ入れられたボールを、直ぐに奪いたい鹿児島サイドを嘲笑うかのようにフアンマが収め、コントロールを経てスルーパス。
これでガラガラのアタッキングサードを突く状況となり、増山の奥からのクロスをファーサイドで松澤が合わせヘディングシュート。
今度はしっかりゴールに突き刺し、松澤の嬉しいプロ初ゴールという副産物も併さった追加点となりました。

窮地となった鹿児島。
その後CK攻勢に持ち込んだものの、実らず再度長崎ペースとなると、最早それを剥がすだけの余力は残っておらず。
カウンターを仕掛けずとも、足が止まりがちな鹿児島ディフェンスをパスワークで揺さぶりながら、敵陣でサッカーを展開していく長崎。

そのままATへ突入し、勝利は九分九厘確定という状況で、ゴールを狙いにいくフアンマ。
右からの増山の低いクロスをヘディングで合わせたり(枠外)、中央から無理槍気味に中央突破を図ってシュートしたり(ブロック)と、欲が噴出したかのような絵図を描きます。

結局これ以上のゴールは奪えず、そのまま0-3で試合終了となり。
これで14戦無敗となった長崎、この良好な視界を、秋に控えた新スタジアム開場まで保てれば昇格は必至といった所でしょうか。

一方の鹿児島、上位相手に合計7失点と良い様に痛めつけられた2戦となり。
SBが軸となる攻撃のシステム上ある程度仕方無いとはいえ、カウンターのケアは必須というようなこの日の内容でした。
つまりは前年の藤枝のような方針転換で、残留のための「変化」は不可欠な要素という事が示された感じですが、何処でそれを選択するか。

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