goo blog サービス終了のお知らせ 

ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

第99回天皇杯JFA日本サッカー選手権大会2回戦 北海道コンサドーレ札幌vsHonda FC in札幌厚別公園競技場

2019-07-04 17:15:15 | サッカー観戦記

札幌のホームスタジアムで行われた一戦でありますが、大会の名目上あくまでも双方中立という立場。
故にいつものような札幌のホームを象徴する演出は無く、やや無機質な環境で行われたため一抹の寂しさが残る事となりました。
といっても札幌ドームのリーグ戦のように練習の最中にも大森健作氏が喋りまくるコーナーはどうかと思いますが
そのかわりチケット代は格安で、普段(リーグ戦・ルヴァン杯)のバックスタンドの値段よりも低価格でメインスタンドで観戦できるという有り難いシステムに。

一昨年の天皇杯ではいわきFCに敗れるという失態を演じ、同クラブが一躍メディアに注目される要因を作ってしまった札幌。
前年は4回戦まで進んだものの、ワールドカップ開催のため長期中断期間に2回戦(MIOびわこ滋賀戦)・3回戦(アビスパ福岡戦)が行われるというJ1有利な日程だった(J2以下は中断無しだった)ため評価が難しい年でした。(ちなみに4回戦でジュビロ磐田に敗戦)
そして今年の札幌の初戦の相手は、本田技研工業フットボールクラブ・通称HondaFC

立場上はJFLであるHondaですが、それというのも「完全なアマチュアチーム」という立場を貫いているから。
何度もJFLのリーグ戦を制覇し、成績上はとっくにJリーグに上がっても良いにも拘わらず、腰を据えてJFLの門番として立ちはだかっている信念が感じられるクラブであります。
(とは言うものの過去にJリーグ参入の意思を表明した際に地元・浜松市の受けが悪く断念したという歴史から来ているらしい)
しかし2009年から5年連続で優勝を逃すという低迷期もあり、2014年以降は元Jリーガーを支配下選手に組み入れるなど、「完全なアマチュア」から脱皮。その成果は以降5年間で優勝4度という栄冠に見事に現れています。
現所属では、大町・山藤(ともに元金沢)・古橋(元湘南)がJリーグ経験者。

    

駆け付けたサポーターの数こそ少なかったですが、このメッセージ性が籠った弾幕の嵐。
自分はこういうストレートな言葉に弱いので、この時点でもう心を奪われていました。
選手名の弾幕も、在り来たりなものでは無く非常に特色あるデザインでとても面白かった

 

札幌の前身クラブが東芝(正確には東芝堀川町サッカー部)である事を思い出させてくれる弾幕、Honda出身の現札幌所属である早坂・阿波加を応援する弾幕も出す等粋な事も。

Honda選手が登場、練習前にスタンドに挨拶……だけでなく。
サポーターの前で円陣を組むという新鮮さも披露してくれました。

札幌のウォームアップ。
中央辺りに居るコーチが、前監督である四方田修平氏でしょうか。

Hondaの練習の一面。
単なるトリカゴ練習かと思いよく見てみると……

 

ビブスの色が3色。
どうやら同色3人のグループを複数作ったうえでのトリカゴ、いやディフェンスの数が圧倒的に多いのでトリカゴとも呼べません。
敵の数的優位の中でのパスワークの練習らしく、これに圧倒的に時間を割いていました。

 

天皇杯という枠組みには逆らえず(?)、札幌側も無機質なスタメン発表。
それでも身長だけはしっかり出します。

双方のスタメンが出揃う。
札幌は駒井・宮澤が、故障離脱後初の実戦となりました。
それにしては周囲を固める選手が、軒並みサブかそれ以下の立場なのが気がかり。
なお石川は練習中に故障でもしたのか、試合開始時に中村(24番)と入れ替わり
一方のHonda、前の試合(JFL第13節・テゲバジャーロ宮崎戦)からスタメンを6人入れ替え。
といっても松本・山藤はレギュラーのドイスボランチ、白坂・佐々木も普段から出ているレギュラーであり、この日のために前節は休養していたと思われます。
ちなみに両チームとも、DFは上から順に右・中央・左、MFは右ウイングバック・右ボランチ・左ボランチ・左ウイングバック・トップ下(orシャドー2人)という規則正しい並びになっていました。運営の方の気遣いに感謝。

一週間前に引き続き、ボールパーソンを務めた北海道科学大学高校の方々。
ただ災難な事に入場の際もピッチへの散水が止まず、水を避けながらの入場となっていました(笑)。

 

選手入場、その後整列。
そして最後尾のドーレくんが、実質札幌のホームである事を証明してくれます。

 

さてキックオフ。
立ち上がり札幌はJ1の貫禄を見せるどころか、押し込まれて何本もシュートを許す展開に。
やはり1トップのロペス・WBの菅以外はサブメンバーで挑んだ事が裏目に出たか、全くゲームを作れずに時間を消化。

そして前半10分のHondaの攻撃、エリア内で池松のパスを受けた八戸がゴールライン際で倒されると、笛が鳴り早くもPKの決定機。
これをストライカーの遠野(といってもチーム得点王は富田と児玉ですが)が決めて先制。
石川の緊急交代も影響したのか、バタバタした印象を受けた序盤の札幌。

その後14分に宮澤のスルーパスを白井が受け取りシュートを放ち(DFがブロック)、札幌ペースになるかと思われましたがそんな事は無く。
16分には八戸が、20分には佐々木がシュートを放つなど俄然Hondaペース。
そして25分、エリア内に進入した富田が倒され、何と2本目のPKに。
これは富田の左へのシュートをGK・菅野が止めます。
しかし31分、後方のスルーパスで遠野が抜け出してGKと一対一に、きっちり決めて追加点。

早くも2点差が付きましたが、これでHonda側は気が緩んだか。
33分、キャプテン鈴木のクリアがプレスを掛けていた札幌・中村にブロックされると、そのボールが直接ゴールイン。

このラッキーともいえるゴールで息を吹き返した札幌、以降はロペスの個人技を主体に攻勢。
39分のシュートはブロックされますが、45分にはフェイントでDFをかわしそのままドリブルシュートを放ちます。(惜しくも枠外)
一方Hondaも、アディショナルタイムに古橋がドリブルからシュートを撃ちますがGK・菅野に阻まれます。
そして1-2でHondaリードのまま前半終了。

 

メインスタンドでの観戦は、監督の姿も近くで観れるのが旨味。
そんな訳で、ミハイロ・ペトロヴィッチ氏(以下ミシャ)のピッチ脇に立つ姿をば。
この日のミシャ氏は、前半PKを2本も与えた事で審判にお冠だったのか、後半はHonda側が反則を犯す度に第4審判に対し怒っていました。

後半開始、の前に札幌はルーカス・フェルナンデスを投入。(岩崎と交代)
後半もHondaはパスワークで試合のペースを握りますが、札幌もルーカスーロペスのラインが出来た事で、やられっぱなしでは無くなります。
後半4分には、藤村の右サイドへの展開から白井がクロス、これをエリア内でロペスがトラップしてシュート。(DFがブロック)

そして後半10分、カウンターで2対2のチャンス。
ルーカスのパスを受けた藤村がドリブルでエリア内に持ち込みシュート、飛び出したGK・白坂を抜いて見事ゴールゲット。

同点に追い付いた事で空気も変わり、特にHondaGK・白坂はその後キックミスを連発。
17分、あろう事かルーカスの正面に蹴ってしまうと、ルーカスはドリブルで持ち込み、DFをフェイントでかわしてゴール正面からシュート。
しかしこれは僅かにバーの上に外れ、札幌サポーターの歓声が溜息に変わりました。
この直後札幌は中原に代えてキムミンテが出場。

そんな冷や汗もののシーンも束の間、このゴールキックを再び白坂がキックミス、伸びないボールをセンターサークル手前で藤村がカット。
そしてスルーパスから、今度はロペスにシュートを打たれますがこれはジャストミートせず自らキャッチ。

流れ的にも札幌が逆転する雰囲気になりつつありましたが、それを一変させたのが元プロの古橋のゴールでした。
敵陣右サイド奥深くでのスローインからボールを繋ぎ、遠野のポストプレイを受けた古橋。
斜め45度より尚鋭いぐらいの角度でしたが、そこから巻くシュートで見事サイドネットを捉えるファインゴール、再びHondaがリードを奪います。

勝利が近づいてきた事でHondaサポーターも盛り上がります。
ギャラクシーの如く、ライトを両手に持っての応援でした。

一方勝ち越された札幌、苦しい崖を登りきったと思ったら、再び突き落とされたというような展開に。
そんな状況を打破すべく3枚目のカードを使い、中村→檀崎に交代するとともに、フォーメーションも4バックにシフトする動きを見せます。

しかし失った流れは取り戻せず、その後はHondaがシュートを浴びせまくる展開に。
パスワークで崩されては決定的な位置からシュートを打たれ、枠外に助けられたりGK菅野がセーブしたりと、プロ顔負けの攻撃に冷や汗の場面が続きます。

そして後半41分のHondaのコーナーキック。
キッカーであった古橋が32分に退いた(児玉と交代)ため、誰が蹴るのか迷っていた挙句遠野が務めたキックでしたが、これがゴールに結びつくのだからわかりません。
放たれたクロスは池松が落とすと、鈴木のリターンを受けた池松がシュートを打ちゴールイン。決定的な4点目を奪いました。

そしてそのままアディショナルタイムに入り、時間を使うHonda。
児玉のコーナーフラッグ付近でのボールキープ、時間が押し迫った状況での松本→清水への交代という具合に手を打ち続け、ついに迎えた試合終了の笛。
終始パスワークが冴え渡った、JFL最強クラブに相応しい勝利を手にしました。

敗れた札幌、2年ぶりに下位カテゴリーの相手に膝を屈する事となりました。
このところ過密日程なだけにターンオーバーは仕方の無い所ですが、結局故障明けの駒井・宮澤はフル出場。試合勘を取り戻させるのにファクターを割いているかのようでした。
最近ではリーグ戦で白井・藤村が途中交代で出番を貰っており、層は徐々に厚くなっているでしょうか。


2019YBCルヴァンカップ プレーオフステージ第2戦 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 in札幌厚別公園競技場

2019-06-28 11:08:08 | サッカー観戦記

この時期プロ野球はインターバル中で、平日だからコンサートも無い。
空いていたにも拘らず札幌ドームは使わず、厚別での開催となったプレーオフステージ。
「使用料か?使用料の問題なのか?」という疑念が浮かび上がっては消え、迎えたこの日。
まあ最初から決めていた可能性もあるのですが。
丁度今週地元ニュースなどでは札幌ドーム赤字問題が取り上げられてましたし

予選第6節で引き分け、結局はギリギリの結果となったものの1位通過でこの舞台に立った札幌。
ヤマハで行われたプレーオフステージ第1戦は、半レギュラーどころかリーグ戦では絶対起用されない選手のオンパレードで挑んだ札幌でしたが、唯一起用されたFW・ロペスと途中出場のMF・ルーカスのホットラインで2点を奪い勝利を掴みました。
内容的には磐田に倍以上のシュートを撃たれながらの苦しんでの勝利でしたが、とにかく勝つ事が求められるカップ戦では最良の結果といって差し支えないでしょう。

勝利+アウェイゴールを2つも持ち帰った事で確実に有利となり、迎えたこの試合。
開場前にひとしきり競技場周辺を闊歩すると、外から見えるバックスタンド側の販売所の一つにシャッターが降りているのが見えました。
つまりは営業を縮小してしまっているという事で、メインスタンドとの格差を改めて感じてしまった光景でした。
まあ予選突破できるか否かは不透明なだけに当然といえば当然ですが

そんな訳で、外の屋台でホットドッグを購入してから入場。
前回の反省を踏まえ、電光掲示板とカメラが被らない位置に陣取ります。

掲げられていた横断幕メッセージ。
先日行われたリーグ戦・鳥栖戦は見事な勝利でしたね。

いつもとは違う服装でのコンサドールズ・パフォーマンス。(ちなみにこの後いつものに戻してました)
ドーレくんがこちら(バックスタンド側)を向いた瞬間を撮りました。

練習前の整列。

磐田サイド、柔軟体操の図。
正面だったので撮りやすかった。(どうでもいい)

電光掲示板に映し出されるエンブレム。
並ぶのは、この日ボールパーソンを務めた北海道科学大学高校のサッカー部の皆さん。

スタメン発表の時間。
磐田の発表時に、何故か選手の身長だけ表示されていたのには微妙に笑えました。

 

この日のスタメン。
磐田はDF登録が5人になっているなど、この時点でフォーメーションは描けなかったです。
そういえば去年の札幌は登録上1-8-1になっていた試合がありましたね。

ロペスのみがレギュラーの出場だった第1戦と異なり、この日はDF陣とFW2人(といっても1トップ2シャドーのうちの2人だが)にレギュラー選手を起用。
またヤマハではベンチ入りメンバーを1人削るなど遠征者も絞っての戦いでしたので、ホームの地の利を最大限生かした戦いをするプランを最初から立てていたと思われます。

一方の磐田、ムサエフがすっかりカップ戦要員になっているのは寂しい限りですが、彼とエレンの控え組に加えてアダイウトン・ロドリゲスのレギュラー組の助っ人を組み合わせた布陣。
助っ人の力で不利な状況を打開したい……そんな名波浩監督の考えが透けて見えそうです。
実際行われたサッカーを見てもそれはあまり変わりませんでしたが。

 

この日ドイスボランチの2人。
ともにユース出身の生え抜きですが、中原の方はレンタル移籍を繰り返し今季復帰、しかも移籍先にタイのクラブが含まれていたりという苦労人。(他はガンバ・長崎)
藤村はFW登録ですが、コンバートの準備は万全でしょうか。

 

さてキックオフ。
自分の中でイメージを描けなかった磐田の布陣ですが、エレンが左ウイングバック、櫻内が右WBの3-5-2。中央は針谷・ムサエフ・上原が務めていましたが、誰がボランチだったのかは帰宅まで解りませんでした。(実際は針谷のワンボランチで3-1-4-2だった)

札幌のビルドアップ時は、左センターバックの福森が思い切りサイドに張る動きが目立っていた序盤。
ボランチが経験の浅い2人(中原・藤村)だったためか、自身はビルドアップの出口役を務めている。そんな風に映りました。
かくしてその福森は、前線に効果的なロングパスを何度も供給し攻撃のリズムを作っていきます。

それでも得点シーンは彼とは無関係な所から。
1点目は左からのコーナーキックが流れた所(一応キッカーは福森でしたが)、逆からの早坂のグラウンダーのクロスをロペスが収めてパス、これを鈴木が右足で決めました。
2点目は白井のパスを受けた鈴木がクロス、これが森下の手に当たったとされてハンドとなりPKに。キッカーを務めたロペスが決めました。

以降暫くはPK祭りが開催。19分は進藤の縦パスを受けたロペスがエリア内で藤田に倒されて反則。当然PKとなります
しかしキッカーを務めた岩崎のシュートは、GKの逆を突いたもののゴールポストを直撃。
3点目を逃すと、その直後にエレンの左サイドからのクロスが早坂の手に当たったとされ、これまたPK。キッカーのロドリゲスがしっかりと決め、2-1に。

これで試合の流れは磐田に移り、特に30分以降はチャンスを何度も作ります。
35分、針谷のスルーパスを受けたアダイウトンがエリア内に入りシュートを放ちますがこれはGK菅野が阻み、その後エレンのシュートもDFが防ぎます。
38分、エレンがロドリゲスとのパス交換からドリブルでエリア内に進入しシュート。DFがブロックして菅野がキャッチと際どい場面が続きます。

躍動する磐田の外国人選手。
左WBのエレンは何度も中央に入り、中央のMFムサエフは上下に動き回り攻守に顔を出します。
ロドリゲス・アダイウトンはリーグ戦時同様に、ポジションという枠組みが存在しないかの如く色々な所でボールを受けチャンスを作らんとします。
ただこの4人に比べ日本人選手の目立ちは今一つな印象で、黒子に徹している感がありありと伝わってきました。

聞く所によると、攻撃では何でも出来る存在のロドリゲスは、磐田ベンチから自由なプレーを許可されているとか。
そんな背景もあり、日本人レギュラーの存在が微小になるカップ戦では、汚い言葉を選べば「助っ人頼みのサッカー」と化してしまう。
ルヴァンでは出ていない正GK・カミンスキーの活躍も、それを促進させているのかもしれませんが。

ともかく2-1のまま前半が終わり、後半も磐田の助っ人パワーが札幌に襲い掛かります。
最も危なかったのは後半15分、バイタルエリアでロドリゲス・アダイウトンの2人がどちらがボール保持するのか解らない状況を作り、ロドリゲスが持つとともにアダイウトンは前へ。
ロドリゲスは進藤をフェイントでいなしてから強烈なミドルシュート、GK菅野が弾いた所をアダイウトンが詰めにいきシュート、これも菅野がブロックし難を逃れます。

しかし時間の経過とともに体力も落ちてきたか、磐田が脅かす場面はこの後減少。
38分のロドリゲスのポスト直撃のミドルシュートぐらいで、磐田が得点する事はありませんでした。
30分にムサエフが、33分にアダイウトンが退いたのも影響したでしょうか。(それぞれ森谷・中山に交代)

一方札幌はというと、目立ったのがロペスと交代で出場した金子。
特別指定選手ながら、リーグ戦ではベンチ入りの機会が増えてきている期待の星です。
ヤマハでは右WBでスタメン出場、この日はシャドー(トップ下?)で出場と、一定していないポジションはこれから定められていくのでしょう。

後半24分、その金子に絶好機が。
キムミンテの左→右奥へのロングフィードを、走り込んだ早坂がゴール前に折り返すとそこに居たのは金子。
走り込んでフリーの状態で合わせるも、シュートは力なくゴール左に外れてしまいました。
その後27分・45分とシュートを放ったものの、初ゴールはお預けとなった金子。
新人の中では最もレギュラーに近い存在だけに、結果も欲しかったと思いますが仕方ない。

そんなこんなで試合終了。
2戦とも2-1で勝利した札幌がプライムステージ、つまりベスト8進出を決めました。
これは22年ぶりの事で、前回は1997年。
札幌は未だJリーグ参入前の事で、JFLの立場だったという具合に非常にノスタルジー。

この時は鹿島に0-7の虐殺ゲームを演じられて敗退(2試合合計1-9)しましたが、今回はどうなるでしょうか。
再び鹿島と当たる可能性も低くありませんが、リベンジは出来るのか。


2019YBCルヴァンカップ第5節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス in札幌厚別公園競技場

2019-05-10 11:03:48 | サッカー観戦記

プレーオフステージ進出にリーチが掛かった札幌。
そんな状況も手伝ってこんな記事をupした自分ですが、それがものの見事にフラグになるとは試合前には想像もだにしていませんでした。申し訳ありません

まあそんな私事はともかく。

札幌のセカンドホームとして献身的に仕事をしている札幌厚別公園競技場
地下鉄の最寄り駅(大谷地駅)から徒歩で向かうには微妙に遠く、バスで向かうには微妙に近いという絶妙な位置にある点で印象に残りやすいと個人的には思います。(今思えば甲府はシャトルバス以外では無理だと思うほど甲府駅から遠かった)
もう少し駅周辺に賑わいがあればとも思いますが、年に数回しか開催しないとあっては仕方ない。

以前厚別に行ったのは昨年7月、札幌vs川崎の時でした。
この時はメインスタンドの指定席で、試合開始直前に入場した事もあり内部の構造・物販の場所などは何も覚えておらず。
ただスタジアム外に幾つか屋台があったというのは覚えています。ここら辺は甲府と同様ですね。

大谷地駅から徒歩でやってきて、早速発見したその屋台。
しかしこれが3件しかなく、貧弱な印象を受けました。
以前は確か5件ぐらいあったような……そうかルヴァン杯だからか。
そう納得しつつスタジアム内で食料を買う事に決め、行列に並ぶ事約10分。アウェイ側に近いバックスタンド席に陣取ります。
中でおにぎり2個を買って食してから、新さっぽろ駅側からの入口つまり自分が来たのとは反対側にメインの販売が集中していると知ったのはマッチデープログラムを見てからでした。
そして内部の物販も、メインスタンド側は結構充実していたとの事。南無三。
思えばこれがケチのつき始めでしたな。

メインスタンドの眺め。

今回はバッチリ試合前のコンサドールズショーを見れるかと思ったら、その前に「じんけんマッチデー」と釘打たれた一戦に従うかの如く、ドーレくんとともに「じんけん!思いやりサポーターフラッグ」を持って一周する彼女達の姿が。
まあ、確かに人権は大事なものですが、これから勝負の場と化す時にそんな思想的な催しは行うべきだったのでしょうかな……

 

それはともかく、試合前のショーの一面。とはいってもバックスタンドからであり全部後ろ向きですが。

GK練習、菅野キャッチングの図。菅野の髪の色は見分けつけるのに良いですな。(右は阿波加)
一方染髪で昨年目立っていた白井は、前日に黒髪に戻したらしく全く地味になっていました。
もっとも福森に菅にチャナティップといった主力組が髪を金ないしは白に染めるのを見ては、このまま染めていたら逆に目立たないと思っての事な可能性もありますが。

西日の影響でひたすら眩しかった試合前の札幌側のゴール裏
リーグ戦では無いので埋まり具合は半端でしたが、こうして観ると壮観ですな。

一方少数精鋭だったマリノスのサポーター集団。

名前の読み辛さに定評があるマリノスの監督。
前任のモンバエルツ氏も相当なものだったんで、一種の伝統なのか。かつてはアスカルゴルタ氏とかいたね

 

厚別独自(といっても北海道内では)の、細長い電光掲示板。
ロペスが飛び越えても安心だ。
※7/9追記-7月7日のリーグ戦で、札幌ドームでもこの細長い掲示板の存在を確認しました。申し訳ありません

カメラが見事に入ってしまっています。(※遠藤の名前は「渓太」です)
勝ち上がりに向け大事な予選終盤なため、双方ともレギュラー組のメンバーを組み入れたスタメン。 といっても出場したのは主に中盤から後ろ(DFやボランチ)のメンバーであり、守備を固めつつ攻撃の形はビルドアップをしっかりしてから。そんな思惑が窺えた試合前。
それにしてもこの電光掲示板、札幌ドームのより横幅が非常に短い。
おかげで登録名が長い助っ人選手はつぶれてしまい見づらいです。ルーカスが出て来たら大変だ。(※マリノスのシノヅカは日本生まれのハーフです、念のため)

 

他クラブからの新加入コンビ。(中野は仙台、岩崎は京都)
主にウイングバックの中野は、攻撃タイプのルーカスに対しバランサーとしての役割が主でしょうか。この日は4-4-2なため右サイドハーフに入りました。
五輪代表として期待される岩崎ですが、リーグ戦ではさしたる出番が無い今季。アピールは出来ているのか。2トップの一角でスタメン。

監督の紹介。(先月も撮ったもののピンボケていたので使わず)

リーグ戦では4月27日のマリノス戦で3-0で勝利と、完勝といってもいい結果だった札幌。
そのためこの日もいい勝負をするに違いないと思っていましたが……

この時の特徴は、徹底した各選手のマンマークでマリノスのビルドアップを封じ込め、マリノス側がそれに対応する前に複数得点を奪う事に成功したという印象。
また普段は3-4-2-1のフォーメーションが基本だったにも拘わらず、4-4-2にチェンジして相手のマーカーを整理するなど執念じみたマリノス対策も勝利の一因だったでしょう。
しかし今回はその立役者だった2トップ、ロペス・鈴木は居ません。(ロペスは故障で帰国中との事)

フォーメーションこそ当時と同じ4-4-2で挑んだ札幌ですが、FW経験が少ない早坂とまだ経験自体が浅い岩崎では強度が足りず、相手センターバックのチアゴ・マルチンスや畠中がパスを回すのを成す術も無い。また落ちてくる選手(扇原がメインだが、ティーラトン・山田が落ちる事も多々)へのチェックも甘い。
そうして悠々とパスサッカーを許しているかと思えば、ポジションチェンジを繰り返すマリノス中盤以前の選手への対応にも四苦八苦。
まあ一言で言えば、ほぼ完全にペースを握られていたという試合でしたね。

故障から復帰したマリノスの李忠成が、最前線でしっかり張っていたのも嫌らしかった。
ああなると他選手はポジション可変式なマリノス故スペースを突かれまくりで、サイド攻撃はかなり自由にやられてましたね。
李自身も後半14分、角度の少ない所から見事な2点目のゴールを決めました。

札幌の攻め手の多くは右サイド、中野が高い位置でボールキープした際に、この日DFで出場した白井が絡んだ場合。それでも中央にタレントがおらず、またマリノスの帰陣よりも早くエリア内に入る事が出来ず、クロスが上がっても何も起こらない場面ばかり。
可能性があったのはミドルシュートぐらいのものですが、何本か放たれたそれは枠外多し。
最も惜しかったのは前半40分の檀崎のミドル、これがマリノスGK・飯倉のセーブに阻まれ惜しくも得点ならず。(ここも中野の突破→カットインからでした)
前半最終盤の菅のロングシュートも、外れたとはいえ惜しかった。

ハーフタイム、バックスタンド側を闊歩するドーレくん。
この後自転車に乗り場内一周、その際にバックスタンド最前線で観客たちとふれ合っていました。

後半途中(2点差となった後)札幌はベンチに入れていたチャナティップ・ルーカスを投入し勝負に出ます。
しかしチャナティップは右FWだった岩崎と交代にも拘らず、左サイドに出張って勝負する場面が目立ちます。おかげで福森→菅→チャナティップと並ぶ白・金髪ラインが完成しただけだった
マリノス陣内をドリブルでかき回しますが、点差もある事で守りを固めた相手は崩しきれず。自身もシュートを撃てずに終わります。

終盤マリノスは椿・山谷に広島から移籍してきた和田と、若手と新戦力のお試し起用(?)が目立ちましたが、それでも前掛かりになっていた札幌ディフェンスはやられまくり。
結局後半だけで3回札幌ゴールネットは揺れ、最終スコアは0-4。綺麗にリーグ戦の借りは返されました。

アディショナルタイムに入った際撮影。(※椿の名前は「直起」です)
やっぱりルーカスの登録名長すぎ。

写真の通り、双方合わせてイエロー5枚。それも印象的なものが目立っていました。
開始1分で松原が貰えば、後半23分のキムミンテのものは3点目に繋がってしまった(FKからの攻めは一旦クリアするが、拾った檀崎が奪われ縦パス出されて決められる)。
そして最後は審判の判定への異議で扇原が貰って締め。
もっと言えば、この試合出場停止者が2人(ドゥシャン・仲川)とルヴァンではカード貰うのが目立っているマリノス。この日こそ大勝しましたが、今後は果たして大丈夫なのでしょうか。

湘南が長崎に勝った事も相成って、これで札幌は6節・湘南戦を負けてしまうと予選敗退してしまう状況に。
「突破はほぼ確定」なんてのたまっていた自分が恥ずかしくなりそうですが、そこら辺は切り替えて注目していきたいです。


2019YBCルヴァンカップ第3節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ in札幌ドーム

2019-04-12 11:20:26 | サッカー観戦記

故郷での観戦第一弾はやはり札幌戦。17:10頃に地下鉄福住駅に到着。

出口付近の壁に札幌選手とプロ野球・北海道日本ハムの選手を写した縦長パネルが各8個並べられているのがこの駅の特徴です。(人が多かったのでここでの撮影は自粛)
その選手の内訳は進藤・菅・深井に、クソンユン・チャナティップ・早坂・小野・ジェイの8人。駅ホーム側に若手生え抜き選手の前者3人が並べられているのが今季バージョンの凝りポイントでしょうか。
駅直結のスーパーで買い物後、徒歩で札幌ドームまで向かいます。

キックオフ時間の割には開場が遅めなのがルヴァン杯。
19:00キックオフで17:30の開場、そして会員の先行入場もあり。時間前に到着すると行列に並ぶ事となり、自分は待てない人間なので行列はストレスもの。
そのため着いた後は周囲を適当に歩き、列が少なくなってから並ぶ事に無事成功。
入り口でマッチデープログラムを貰って中に。これの内容の充実ぶりが札幌の特徴の一つだと思っています。(ちなみに他チームでは有料の事もある。先日の甲府は無料でした)

リーグ戦と違いバックスタンド自由席の競争率も断然小さく、下側の席をチョイス。
しかし撮影の事を思えばもっと上の席にした方が良かったか……?ちなみに上側はそこそこの埋まり具合でした。
この辺りで、DJさんの「湘南サポーターを心より歓迎いたします!」とのアナウンスが。札幌ホームでこの類のアナウンスを聞いたのは(自分は)初めてかも。

早速スタジアムグルメを、という事でラーメンを購入です。
「『赤黒』ラーメン」と釘打たれている通り、赤と黒のものがどんぶり内にあるのが売り。
今年のは……海苔ピーマン。うーむ、何か退化しているような。去年は黒コショウと糸唐辛子(名称「赤黒鶏塩ラーメン」)、一昨年は確か「一風堂」を彷彿とさせる赤だれと黒だれ(名称は忘れた)。
そして今年は「赤黒塩ラーメン」と、味も名称もシンプルになったような印象で、むしろ『赤黒』以外の具に選択されたホタテ貝柱・鴨肉チャーシューの方が目立っていたのでは。

ラーメンに心を奪われている隙に、コンサドールズ&ドーレくんのパフォーマンスをあっさりと見逃し。何やってんだか。
そして選手達は練習開始。写真撮りの練習も兼ねて何枚も撮影しますが、やっぱりもっと高い位置の席にすれば良かったと後悔。

それでも低い位置から動けなかったのは、電光掲示板の採り易さを考慮して。それでも角度的に、メインスタンド側(指定席)にすれば良かったと後悔その2。

札幌キーパー練習の図

湘南スタンドへの挨拶の図

 

札幌対面パス練習の図&ドーレくんを切り取ってみた図

 

湘南ウォーミングアップの図&ヘディング練習の図

札幌トリカゴ練習の図

そして迎えたスタメン発表。札幌はリーグ戦で3連敗中と流れが悪いのを憂慮してか、レギュラー組も半数近く起用して勝ちにいく布陣。
具体的には福森、宮澤、菅、鈴木、ルーカス・フェルナンデスの5人で、彼らのマンパワーでほぼ控え組の湘南を圧倒できるかどうか注目が集まりました。

ちなみに自分がひそかに応援している1人である湘南・中川は、リーグ開幕戦(これも札幌戦だった)こそレギュラーでしたが以降は控え組に陥落した模様でこの日はシャドーでスタメン。

メンバー表

 

サブGK菅野(すげの、と読む)。クソンユンの壁が厚くて目立ちませんが、かつて横浜FC・柏での正GKだったベテラン選手。
スイーパーのキムミンテは前のリーグ戦では交代出場でいいパフォーマンスを魅せており、この試合にレギュラー奪取をかけます(勝手な思い込み)。

 

頼れるプレースキッカー&ロングパサーの福森。ただ最近はDF本来の仕事である守備面が芳しくない気が。
今季加入のルーカス・フェルナンデス(以下ルーカス)。右サイドの攻撃の要で、他者との連携がハマれば強力な戦力なのは間違いありません。

 

いよいよキックオフ。札幌・湘南ともにフォーメーションは3-4-2-1が基本のチームで、ルヴァン杯でもそれは変わりません。
ただ札幌は第1節(横浜F・マリノス戦)の途中で4-4-2への変更を余儀なくされており、控え組だけでは基本を維持するのが心許ない。そんな思惑がミハイロ・ペドロヴィッチ監督(以下ミシャ)にはあったのかもしれません。

立ち上がりは湘南ペースで、前半1分に1トップに起用された大橋がシュート(枠外)。その後はシュートを打てませんが、開始1分で左ウイングバック・新井がイエローを貰うなど前線のプレスが激しく札幌は中々攻めを組み立てられません。
……というのは前半10分までの展開。控え組の湘南は早くも息切れし始めたか、14分に札幌・岩崎(今季京都から移籍)のクロスから鈴木がヘディングシュート。18分にはルーカスがドリブル突破からクロスを上げて岩崎がダイレクトシュートと立て続けにチャンスを作る札幌。
また21分にはGK菅野のフィード1本でシュートチャンスに持ち込む(岩崎パス→檀崎シュート)など、湘南側の守備の甘さも目立ち始めます。

そして23分。福森の自陣からのロングフィードが敵陣右サイドへ、これを受けた檀崎がルーカスにパスすると中央に向けドリブル突破。たまらず湘南DF・大野がファールしてしまい、PKを獲得。これを鈴木が決めて札幌が先制しました。
これが切欠かは不明ですが、その3分後にはイエローを貰っている湘南・新井が早くも交代、レレウが同ポジションで入ります。

追う展開になった湘南は当然攻めますが、コーナーキックを得るのが限界で中々札幌ゴールを脅かせず。すると40分に札幌・金子が自陣でのドリブルで1人交わしてからロングパス、これが見事に決定機を作ります。鈴木が湘南GK・冨居と一対一になると、シュートと見せかけて並走する檀崎にパス。ボールを受けた檀崎は悠々と決めて2点目をゲットします。
そしてその1分後、「金子君巧かったなぁ」という感想を吐く暇すら与えない鈴木のドリブルシュートで3点目。キックオフ直後で前に意識がいっていた湘南を、檀崎の浮き球のスルーパスで仕留めたものでした。
その後は湘南・大橋がシュート1本放ったのみで前半終了。

後半開始。早々に札幌はルーカスが何度かチャンスを作ります。
ペースは札幌か、そう思った矢先の後半5分に湘南はDF・秋野のグラウンダーのスルーパスに抜け出したレレウが仕留めます。まさかエリア内正面に左サイドのレレウが出て来るとは思っていなかったか、これで3-1。

それでも札幌ペースは動かず。8分にはエリア内左で鈴木がポストプレイした後福森がダイレクトで中央にパス、これをトラップした檀崎がボレーシュート。惜しくもゴールバーを直撃します。
10分には宮澤が前線にヘディングでボールを送ると檀崎・早坂・鈴木がショートパスを繋ぎ、最後は早坂のシュート。これも惜しくも冨居のセーブに遭います。
15分にもルーカスのスルーパスに檀崎が反応してシュート、しかしまたも冨居がファインセーブ。
18分には金子が、今度は敵陣でのドリブルで持ち込んでから自らシュートと、チャンスの数ではやりたい放題ともいえる札幌の攻撃。

そして20分、湘南の攻撃を防いだ後方からのパスを受けた岩崎が持ち上がり、エリア手前で鈴木へとスルーパス。これを冷静に決めた鈴木、見事なハットトリック達成で再び3点差にしました。
先日日本代表に選ばれ初出場を果たしたこの鈴木武蔵。長身でヘディングも強くスピードもある、と一見FWとしての総合力は安定して高そうですが、最も得意なプレーはこうしたスルーパスを受けるための裏抜けでしょう。
そのストロングポイントを完全に生かしきっての大量得点で、最近停滞するリーグ戦の今後にどう影響を与えるかが注目となりそうです。(ちなみにリーグ戦では、この裏抜けが無駄走りになってしまっている印象が強い)

一方の湘南はというと、ベテランの域に入りかけの大野・昨年レギュラーだった秋野が中心のDFラインがやられまくった印象。
実績では十分なはずですが、これだけ盛大に守備破綻してしまっては、リーグ戦では新加入のフレイレ・小野田に取って代わられているのが何となく解る気がしました。
※4/16追記-大野は故障離脱でのレギュラー陥落で、この日実戦復帰との事でした。リーグ戦7節(松本戦)にはスタメン復帰しています。陳謝

その後後半24分に、鈴木とルーカスが同時に交代し中野と高嶺が入ります。
岩崎の1トップ・ボランチだった金子が1列上がり、空いたボランチに高嶺が入るという布陣に移った札幌。(中野はそのままルーカスの位置だった右WBへ)
金子・高嶺という学生籍を置いたままの選手、通称「特別指定選手」が揃い踏みします。

既に活躍を魅せている金子はシャドーでもチャンスに絡み続け、ドリブルでかき回してラストパスを送る事2度。
一方の高嶺もコーナーキックのキッカーを担当します。
ただこの2人は自陣で1度ずつ逆起点となってしまい、湘南にシュートまで持っていかれる場面が(この間に札幌は宮澤→藤村に交代、この時再び金子はボランチに戻った?)。
良かった点も課題も散見され、若手のテストを見守るというカップ戦独特の雰囲気となってきました。(だがそれがいい)

その後は湘南も何本かシュートを放ち攻撃に出れましたが、結局スコアは動きませんでした。
中川は後半28分に若月(彼も特別指定選手)と交代。攻撃で目立った場面は後半1分のドリブルからのラストパスぐらいだったかな?

試合終了。
久々に勝利という結果を掴んだ札幌、悪い流れが払拭できたかどうかは土曜日のセレッソ大阪戦で明らかになるでしょう。
中2日で選手のコンディションも考慮しなければならないと思われ、ミシャ監督のスタメン選考にも注目が集まります。

 

そういえばドーレくんを撮っていないのに気付き慌てて撮影したの図。


2019年4月3日 J2第7節 ヴァンフォーレ甲府vsFC岐阜 in山梨中銀スタジアム

2019-04-09 14:12:23 | サッカー観戦記

いきなり私事ですが、観戦に行き易い曜日は水曜日。
しかし今年、J1のリーグ戦は水曜の試合は皆無。J2も2試合のみという日程なので、この日の遠征はどうしても外せませんでした。

問題はどこの試合を観に行くのかという事。
最初はジェフ千葉のホーム(vsFC琉球)を予定していましたが、フクダ電子アリーナには昨年も行ったのと、今年の千葉は開幕からゴタゴタしっぱなし(4節目で監督解任、5節まで未勝利)だったため急遽変更。
首都圏から比較的行き易い甲府の地に決めました。

(※予定変更してからというもの、千葉は昇り調子になりました。嗚呼……)

14:00に新宿駅で「あずさ19号松本行」に乗り込み、15:25に甲府駅に到着。
駅にはアウェイチームである岐阜のポスターまで見られ、「アウェイサポーター歓迎」の空気をスタジアムのアナウンス以外でも感じられたのは意外な発見でした。

その後はホテルにチェックイン→早めの夕食(ほうとうを食す。美味&満腹)→甲府駅南口へという流れで、17:30発のシャトルバスに乗り込み。
車内では甲府選手のボイスを使った車内アナウンスが流れましたが、道中の長さもあり約3分の2ぐらいをエンジン音のみで過ごします。
そして県道を外れた後の車道の狭さに肝を冷やしつつ、小瀬スポーツ公園に到着。
公園内の道を歩き、大量に咲く桜に目を癒されながら、ついに山梨中銀スタジアム前へ。

 周囲には豪華な、かつこの地方でしか食せないと思われるスタジアムグルメの屋台が並びます。(詳しくは忘却してしまったが、○○焼き鳥とか△△焼きそばとか。地名が入っている)
しかし既に満腹だったため軽くしか買えず、デザートの類である「ヴァンくん焼き」「ワッフルフォーレちゃん」を1つずつ購入しスタジアム入りします。
(言うまでも無いですが、甲府のマスコットである「ヴァンくん」「フォーレちゃん」がモチーフ)

造形は凝っていてかわいいが作り置きなヴァンくん焼き。
焼き絵のみの見た目だが注文後に作ってくれるワッフルフォーレちゃん。見事な一長一短ですな。

さてスタジアムに入ると、フィールド内にはマスコット2人組に加え、岐阜のマスコットであるギッフィーが。
「戦国ダービー」という謳い文句故マスコットも揃い踏みですが、同じ地方・ホームが近いからこそやり易いんでしょうなあ……(嗚呼北海道民)
そんな気分が頭に浮かんでは消しながら、マスコット3人によるアトラクション(チャンバラ&PK対決)を観る。

時計が進むにつれ気温も下がり、おまけに風も強くなってくる。さらにピッチへの散水という追い打ちが(笑)。
寒さが堪えてきた所で、ようやく全体練習の時間に。バックでかかる音楽「sandstorm」が良い味を出します。
その間に周囲ではマスコット3人組が場内一周を。

(下の写真は3人+代表家族でのフェアプレー宣言の際。時系列違い)

そしてスタメン発表の時間がやって参りました。
アウェイ側の時は無機質な紹介に終始するのが常ですが、この日は岐阜のホーム時のDJさんも来場しており、岐阜ホームバージョンでのスタメン紹介が。これがまたテンションを上げてくれました。
そして甲府の番へ。こちらも映像効果+動きを取り入れまくったもので、良い具合にテンションUP。(具体的には「熱くなれ」というスローガンの通り、選手が炎を纏うアニメーション)

この日のスタメンは、両チームとも中3日という日程により、レギュラーメンバーの欠場が何人か目立つ所謂「ターンオーバー」を多用していました。
岐阜はライアン・デ・フリーズがベンチ外、山岸がベンチとレギュラーFW2人の入れ替えが最大の相違点。
甲府もこれまで不動の1トップだったピーター・ウタカがベンチ、CBのエデル・リマがベンチ外。
助っ人外国人の休養が目を引く陣容で、唯一起用されたドゥドゥの活躍がキーになりそうな予感が。

(詳しいメンバー表はこちら

(写真はこれでお開き。素人丸出しの撮影・編集ばかりですいません、もう少し腕を上げたいですね)

キックオフ時間である19:30が迫り、選手入場の場面へ。この時のアナウンスが実に戦国時代のドラマにありがちなナレーション風でいい味を出します。
流石は武田信玄推しの山梨・甲府、と言った所でしょうか。

試合開始。立ち上がりは岐阜がペースをつかみますが、シュートを打てずにいると甲府がチャンス。コーナーキックからFW佐藤洸一がヘディングを合わせるも、GKヤン・オレ・ジーバースがナイスセーブで得点ならず。
その後は甲府ペースに移るかと思われましたが、ドゥドゥが倒されて治療を受けたり、中盤からFWへのパスミスで攻撃チャンスをフイにする場面が相次ぐなど甲府にとってはフラストレーションが溜まりそうな内容に。
24分にはパスミスから岐阜・石川が抜け出してチャンスを作りますが、何とかDFが戻って対応しシュートできず。その後も岐阜が攻勢に出ますが決定機は作れず、逆に甲府のカウンターも精度を欠きスコアは動きません。
前半終了間際には甲府・小出のDFラインからのグラウンダーのパス一本で決定機を迎えますが、佐藤洸一のシュートは再びGKジーバースに阻まれ、結局0-0のまま前半を終えます。

ハーフタイム中、ちょっとしたハプニングが。ピッチ上でサブメンバーの練習が行われるハーフタイム、選手・審判が全員ピッチから出た後、ボールボーイの方(多分)がピッチの中へ入っていた所悲劇(?)が。
突然散水が始まり自動スプリンクラーが発動、あえなくピッチ内の方はずぶ濡れになってしまいました。これには笑わせて戴きました。
結局練習は散水タイムが終わってからでしたが、唯でさえ気温が低いのにそれに拍車をかけるこの散水。
おまけに風が強いためピッチ隅に撒かれた水が大きく流され、陸上レーンまでもが水びだしになる始末(バックスタンド側)。

その副作用は後半開始直後に訪れます。タッチライン際に転がったボールを回収しようと走った甲府・横谷、ボールは残せたものの陸上レーンが濡れていたため止まることが出来ず。
その隙に岐阜・長倉がボールを回収しドリブル。これは新井がファールで止めたものの、流れが岐阜側に傾いたのを象徴するワンシーンで、その後は予想通り岐阜のペースに。

しかし先制したのは甲府。後半17分、今季初出場の田中が右サイドでボールを受けると、何故か岐阜ディフェンスはノンプレッシャーで悠々とクロスを上げます。
するとファーサイドに居たドゥドゥがこれまたノーマークでボールに合わせ、右足ボレー一閃で綺麗なゴール。嫌な流れをワンプレーで吹き飛ばしました。

ドゥドゥはこれで気を良くしたか、その3分後は自らドリブルでPエリア内に切れ込みシュート。
これはGKジーバースにセーブされますが、その3分後の後半23分。小椋からのパスを左サイドで受けた荒木が中に切れ込んでクロス、これを今度は頭で合わせたドゥドゥ。
この強烈なシュートもGKジーバースは必死にセーブしますが、弾いたボールはギリギリでラインを割ってゴールイン。
短い時間で甲府が立て続けに2点を奪いました。

やはりこの試合のキーマンはドゥドゥだったか。
今季の彼は1トップのピーター・ウタカのサポート役としての印象が強く、ストライカー兼ポスト役のウタカと対を成すスピードアタッカー。
しかしウタカ欠場のこの日はストライカー役を果たし見事な躍動を魅せてくれました。(といってもポジション上は1トップ佐藤洸一のシャドーだったのですが)

こうなると甲府は守りを固めるようになり、岐阜はボールキープこそするもののシュートを中々放てなくなります。
温存していた風間や山岸を交代出場させて勝負に出る岐阜ですが、逆に甲府は横谷がゴールを脅かすシュートを放つ事2度と、決して守備一辺倒で終わらずにプレッシャーをかけ続けます。
後半40分には甲府の交代出場・佐藤和弘があろう事か山岸にプレゼントパスをしてしまいヒヤリとしますが、山岸のシュートはGK河田がセーブし難を逃れます。
そのままスコアは動かず、2-0で甲府が勝利しました。

この試合の勝利で、まだ7節目ながらJ2首位に浮上した甲府。しかし次の8節は既に終わり(7日)、山形が代わって首位に立つなど上位陣は混迷を極めています。
一方J1では昇格組の大分・松本が善戦しており、特に大分の下馬評の覆しぶりは目を見張るものがあります。
今季はどのチームが昇格を果たすかは全く分かりませんが、J2クラブの熱意・盛り上げぶりを肌で感じる事が出来たこの日。
甲府・岐阜両チームには是非ともJ1の背中を捉えて貰いたいと思い、スタジアムを後にしました。