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DAZN観戦 2022年J1リーグ第11節 サガン鳥栖vsセレッソ大阪

2022-05-04 16:51:01 | サッカー視聴記(2022年J1)

<鳥栖スタメン> 3-4-2-1
GK 朴一圭
RCB ファンソッコ CCB 田代 LCB ジエゴ
RWB 飯野 DH 小泉 DH 福田 LWB 岩崎
IH 森谷 IH 菊地
FW 垣田
<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 西尾 LSB 丸橋
RSH 毎熊 DH 原川 DH 奥埜 LSH 清武
FW 加藤 FW 山田

前回記したように、実績の劣る選手達をスターダムにのし上げたい立場のセレッソ。
しかしシーズン途中にマテイ・ヨニッチが復帰し早速スタメンに定着するなど、 相反するような方策が目立ち始め。
おまけに7節・柏戦(0-1)では、途中交代の際にピッチから退いた乾が不服な態度を示したとして、クラブから謹慎処分が発表されるという事態も起こりました。
幅を利かせんとする主力のベテランと、それ故の弊害が露わになっているようでもあり、傍らから見ていて混迷気味のようであり。

一方対戦相手の鳥栖は、そんな名選手が不在(現れてもすぐ引き抜かれる)という状況もありますが、選手の飛躍に関しては非常にスムーズ。
開幕前に数多の選手の移籍に苛まれても、すかさず他クラブから選手を搔き集めては、戦力に仕立て上げるそのスピード感で今季も上位争いを繰り広げており。
相変わらず経営的な綱渡りが続く中、何度攻撃(?)を受けても倒れないという執念は、地方クラブがJ1に生き残るのには最も大切なものかもしれません。

そんな鳥栖の今季のサッカーは、数多の選手ならびに監督が代わっても(川井健太氏が今季から就任)、基本は変わらず。
ハードワークとボールポゼッションを両立させ、数多の好機を生み出してゲームを支配していく事を目指し。
タレント不足のため得点力に欠ける試合が目立つものの、札幌戦(7節)での5-0や柏戦(10節)での4-1など、ハマればゲーム支配の成果が見事に報われるというのが特徴的。

この日も立ち上がりから長短織り交ぜる攻撃で、相手のセレッソを押し込み。
根底であるポゼッションにロングパスを効果的に加えつつ、一度敵陣で展開すると、左右のセンターバックも攻撃に加わるなど人数を掛け。
その圧力に苦戦を強いられるセレッソ、というのが基本の試合絵図となります。

前半10分、押し込んだ成果が表れてコーナーキックを得た鳥栖、ここから3分間で5本もCKとなる攻勢に。
2本目の左CK、キッカー原川の中央へのクロスに垣田が合わせにいく形となるも、誰も触れずにファーにこぼれた所を福田が詰めにいき。
乱戦の中GKキムジンヒョンが弾き、拾った飯野がシュートするもブロックで何とか防ぐセレッソ。
その後も右から菊地・左から森谷がクロスを入れ続け、そのクロスがゴールに向かいGKキムジンヒョンが何とか逃れるシーンも生まれる等脅かします。

しかしセレッソも簡単にはやらせず、その後は鳥栖も攻撃機会の多さに比して中々フィニッシュシーンを作れず試合が進み。
その要因としては、セレッソのビルドアップも、しっかりと選手間の距離を取って長めのパスを繋ぐ体勢が取れていた事が大きく。
鳥栖は札幌戦のように敵陣で執拗なプレスを掛けてボールを奪い、文字通りに相手を「壊し」たい所でしたが、プレッシングが冴え渡ってもロングボールを蹴らせるのが精一杯で終わります。
つまりセレッソはボールを攻撃に繋げられずとも、危機を招く失い方はせずという形で、鳥栖対策を見せていたでしょうか。

そのような下地を作れれば好循環も生まれ、次第に攻撃機会を増やしていくセレッソ。
しかしこちらも火力不足というべきか、フィニッシュに繋げられるのは稀であり。
37分は右サイドのスローインからの攻撃で、加藤のスルーパスに走り込んだ山田がシュート。(GK朴キャッチ)
41分には相手のお株を奪う奥埜の敵陣でのボール奪取から、拾った原川のエリア内右へのスルーパスに走り込んだ加藤がシュート。(GK朴キャッチ)
終盤にFWにシュートが生まれるも、ゴールを奪うには物足りずといった攻撃に終始。
鳥栖の方も、セレッソのプレスをショートパスの連続でかわしての攻撃を続けるも、フィニッシュという成果は今一つ。
結果必然ともいえた、スコアレスでの前半終了となります。

共に交代無く始まった後半。
セレッソが好機を得たのは後半2分で、自陣で毎熊がボールカットしてマイボールにすると、ヨニッチ→清武→加藤と縦に繋いで左サイドで加藤がキープ。
ここからカットインでハーフレーンに移りそのまま前進、エリア内に進入してシュートを放ちますが、ブロックに阻まれ。
前線の橋頭堡として奮闘する加藤ですが、前年チーム得点王になったとはいえ7得点では物足りなく。
この場面のように前線で一人でシュートまで持っていけても、迫力に欠けるといった印象で、更なる成長が待たれる所。

個の力の弱さが露呈したセレッソ、案の定その後鳥栖にペースを握られてしまい。
7分の鳥栖、上記のセレッソの攻撃のように、自陣で田代のボール奪取から縦に速い攻撃。
福田のスルーパスに走り込み左サイドで菊地が受け、エリア内左でのバックパスを経て岩崎がシュートするも枠を捉えられず。
この攻撃の最中にパスを出した小泉をアフターで倒した奥埜が警告を受ける等、セレッソにとっては目に見える危機といった感じでしたが、鳥栖サイドもこれで小泉が負傷してピッチ外で治療を受ける等痛み分け。(小泉は3分程時間を要した末に復帰)

続く11分に次なる危機に襲われ、セレッソのパスミスを小泉が拾って鳥栖が好機、ドリブルから右サイドへ展開したのちファンソッコと飯野のパス交換を経てクロスが上がり。
ファーサイドで収めた菊地が、コースを探してのシュートを放ったもののブロックに阻まれます。
危ういボールの奪われ方を犯してしまったセレッソ。

14分に両ベンチともに2枚替え、鳥栖は森谷・菊地→堀米・本田へと交代。
セレッソは加藤・清武に代え、ブルーノ・メンデスとジェアン・パトリッキを投入してきました。
不足がちな個の力を埋めるような交代を敢行したセレッソですが、上記の危機を引きずるように鳥栖ペースが続き。
セレッソは後方からのロングパスが巧く繋がるか、鳥栖の攻撃を凌いだのちの素早い展開でしか好機を作れない状況となります。

一方の鳥栖も、相手を打ち破るための強力な矛が望まれる展開。
最初にカードを切ったのはセレッソと同時でしたが、先んじて2度目のカードを切りに掛かり、22分に垣田・岩崎→小野・中野嘉大へと2枚替え。
尚も圧力を掛けるものの、シュートまでは辿り着けずに試合は進みます。

セレッソも25分にベンチが動き、毎熊・山田に代えて中原とアダム・タガートを投入。
メンデスとタガートという、助っ人パワーを期待しての2トップになります。
そしてその体制がモノを言ったのか、ないしは単に「ロングパスが巧く繋がる」という延長か。
26分、セレッソのゴールキックからのフィード、合わせにいったメンデスが競り合ってこぼれたボールをフリーで拾ったパトリッキ。
一気に左サイドを抉って奥からマイナスのクロスを入れると、中央で合わせたメンデスのシュートを鳥栖・田代がブロック。
しかし慌ててブロックに入った結果、閉じていない腕に当たってしまいハンドの反則となり、PK獲得+警告という結果が齎されます。
マイナスのクロスを入れる体勢を作った時点で勝負ありという、まさに助っ人の力で得たPK、このキッカーを務めるのは当然ながらメンデス。
今季は失敗も1本あるものの、落ち着いてゴール右へと蹴り込んでGK朴の逆を突き。
劣勢の中、価値ある先制点を奪ったセレッソ。

こうなると面白いもので、リードを奪った事でセレッソが攻勢を掛ける展開に移り変わり。
得点直後、鳥栖のキックオフからの攻撃をパトリッキが奪い、ドリブルからエリア内へスルーパスを送る早い攻め。
走り込んだメンデスのクロスがブロックされて左CKとなり、キッカー原川のクロスの跳ね返りを丸橋がダイレクトでミドルシュート。(GK朴キャッチ)
反撃したい鳥栖は、攻撃するも逆にカウンターを招いてしまうなど、リードされた焦りが目に見えて表れる展開を強いられ。

ここでベンチは動き3度目の選手交代、飯野→藤田へ交代するとともにフォーメーションも弄ります。
<後半31分からの鳥栖> 4-4-2(おそらく)
GK 朴
RSB 小泉 CB ファンソッコ CB 田代 LSB ジエゴ
RSH 堀米 DH 藤田 DH 福田 LSH 中野嘉
FW 本田 FW 小野
両サイドハーフがベッタリとワイドに張るのが特徴的で、4-4-2というよりは3トップにも見える布陣。
巻き返しに掛かる鳥栖、33分にはその左ワイドに張った中野嘉が細かいタッチで前進、エリア内左へ進入した後も尚も切り込み。
そしてラインぎりぎりでマイナスのクロス、これを堀米が合わせてネットに突き刺し同点か……と思われましたが、ラインを割っていたためゴールキックに。

ぬか喜びとなったもののペースには持ち込んだ鳥栖、37分には再び左からクロスを入れる体勢に持ち込みCKをゲット。
キッカー堀米のクロスはクリアされるも、エリア手前右で拾った藤田が中央へ流れると、そのままミドルシュート。
豪快に放たれたボールがゴール右上へ突き刺さり、起死回生という同点弾が、古巣対決となった藤田により齎されました。

追い付かれたセレッソは奥埜→鈴木へと交代、これで両チームともカードを5枚とも使いきり。
直後の39分に、右サイド奥でのパスワークから、中原がカットインを経てのシュートを放つもGK朴がセーブ。
その後のセレッソの攻勢を凌いだ鳥栖は41分にカウンター、エリア内を突いたのちの戻しを経て再び藤田が中央からシュート。
しかし2度決まる程甘くはなく、GKキムジンヒョンがキャッチ。

そして45分に再び2度目の……というシーンを作る鳥栖、CKの二次攻撃から再度クロスが上がり、跳ね返りを拾って左サイドで組み立て。
中野嘉がエリア内へスルーパスを送り、走り込んだ堀米からラインぎりぎりでのマイナスのクロスが入り、ファンソッコが合わせシュート。
しかしこれもラインを割ったという判定が下されてしまいました。(尚、シュートはブロックされる)

最後はセレッソがCK攻勢に持ち込むも、結局勝ち越しゴールが生まれる事無く試合終了の笛が鳴り。
名残惜しい引き分けとなり、ゴールデンウィークの最中の連戦も終盤戦に向かいます。


DAZN観戦 2022年J1リーグ第8節 名古屋グランパスvs北海道コンサドーレ札幌

2022-04-14 16:05:45 | サッカー視聴記(2022年J1)

<名古屋スタメン> 4-2-3-1
GK ランゲラック
RSB 宮原 CB 中谷 CB 藤井 LSB 吉田豊
DH 稲垣 DH レオ・シルバ
RSH マテウス・カストロ CH 柿谷 LSH 仙頭
FW 酒井
<札幌スタメン> 3-4-2-1
GK 菅野
RCB 田中駿太 CCB 宮澤 LCB 福森
RWB 金子 DH 駒井 DH 高嶺 LWB 菅
IH 荒野 IH 青木
FW ガブリエル・シャビエル

開幕から6戦連続引き分けと、前年から飛躍か低迷かという審判が中々下されず、生殺しの状態が続いていた札幌。
そこから一転するように、前節はまさかの夢スコアでの敗戦(鳥栖戦・0-5)、内容的にも鳥栖のハードワークの前に全くペースを掴めずとあり。
低迷へと針が振れる不安に苛まれつつ迎えたこの試合。
名古屋との対戦という事で、古巣対戦となるシャビエル・青木をスタメンに加えて挑みました。

試合が始まり、名古屋は1トップ・酒井のポストワークを絡めて攻め込まんとするも、効果は今一つ。
またその酒井を中心とした、前線でのプレッシングも整理されていないといった感じで、札幌は悠々と最終ラインからのビルドアップを敢行。
特に中途半端なプレッシングの所為か、名古屋の高い最終ラインを突くようにロングパスが楽々と通るシーンを頻発させ、ゲームを組み立てていきます。

前半13分までに3本コーナーキックを得る等、立ち上がり優勢な流れを掴んだ札幌ですが、それでも最終的な優劣が付くのはスコアであり。
そんなメッセージを与えるかのように14分には名古屋が逆襲、クリアボールを拾ったレオ・シルバから柿谷→宮原→マテウスと渡り、右サイドからクロスを入れる展開に。
このマテウスの低いクロスに対し、中央で頭から跳び込んだ酒井がヘディングシュート、しかしGK菅野が至近距離でセーブ。
跳ね返りを酒井自ら詰めんとするもシュートはミート出来ずと、決定機を逃してしまった名古屋。

冷水を浴びるような失点の危機を招いた札幌ですが、ペースは譲らず。
相変わらず対角線のロングパスを中心に攻撃を組み立てつつ、敵陣でボール奪取する機会も作っていき攻撃機会を増やしていき。
全く攻撃機会を作れずにいた前節の相手・鳥栖と比べ、名古屋の強度の違いは歴然としていた印象でした。

4月にも拘らず暑さ激しい中とあり、飲水タイムが設けられたこの試合。(前半のみ、23分)
その後も札幌は後方での繋ぎで名古屋のプレスをかわし、福森や高嶺がロングパスを通すというビルドアップを悠々と敢行していき。
そしてそのロングパスを受け取るのは金子と、大分パターン化されていながらも、決まってガラ空きの状態で受ける事に成功する金子。
それでも名古屋の守備スライドを受けて、その後エリア内を突くパスを送るも容易には繋がらず、シュートまでは持っていけません。

一方の名古屋はこの状態を憂慮したか、前半の終盤にはサイドハーフ同士の位置を入れ替え、仙頭が右・マテウスが左へと移ります。
それに対して札幌は、荒野と駒井の位置を入れ替え、荒野がボランチでプレーして駒井がシャドーに。
度々左サイドバック・吉田豊が中に絞って構えるというのがこの日の名古屋の守備ブロック。
そのため左ワイドに人がおらず、また仙頭の守備位置も札幌・荒野の動きに釣られているのか曖昧なため、金子がフリーになるという現象のようでした。

そして入れ替えをした直後の38分の札幌の攻撃。
ここも結局宮澤の対角線のロングパスが金子に通ってからで、右サイドで長くパスを繋いだのち、田中駿の斜めの縦パスを受けた駒井がエリア内右へスルーパス。
そこに走り込む金子と、阻止しようとした吉田豊がもつれて倒れ込んでしまい。(反則無し)
上記の主要因の2人が揃って痛んでしまうという珍妙なシーンとなりました。(ともに1分程で起き上がる)

結局左へと移ったマテウスもその部分をケアできる人材では無く、以降も金子へロングパスが渡るシーンは続き。
またそのパスの出し手への規制も緩いままと、依然として主導権を握られる条件を揃えてしまっている名古屋。
それでもシュートに辿り着けない札幌としては、得意手である金子のカットインからのシュートが、中を絞る吉田豊によって封じられているのが一因でしょうか。
この日長期離脱が発表された興梠の不在が嘆かれがちですが、むしろ逆サイドで得点に絡める存在の無さが厳しいようで、その意味では小柏が離脱中というのが大きく。

前半はスコアレスで終え、押されていた名古屋にとっては僥倖。
そんな考えを実現しようと、ハーフタイムで後半頭から温存していた相馬の投入に踏み切り、仙頭と交代でSH(左SH、マテウスが右SHに戻る)に入ります。

入りは名古屋が酒井を裏に走らせるも、直後に札幌もシャビエルを裏に走らせる攻撃を展開。
ともに1トップを使うという攻撃を見せたのち、札幌がセットプレー攻勢を掴み。
後半2分の右CKの攻撃を終えたのち、こぼれ球を拾いにいった高嶺が名古屋・相馬に倒されてフリーキックへと移り変わり。
この左ハーフレーンからのFKで、キッカー福森はクロスを選択してファーサイドへ高いボールを送り、走り込んで合わせたのは宮澤。
放たれた強烈なヘディングシュートがゴール左へと突き刺さり、ようやく試合内容をスコアに反映出来た札幌が先制します。

リードされた名古屋、こうなると内容を改善しなければ勝利が望めないのは明らかであり。
しかし依然として札幌が押し気味の流れを止められず、時間は進んでいきます。
この時間帯はロングパス攻勢は影を潜め、後半入りのようなシャビエルを使う攻撃を仕掛けるも、シュート数は膨らまない札幌。
16分にこぼれ球を拾ったレオ・シルバが札幌・菅に倒され、名古屋がFKを得た所で双方ベンチが動き。
札幌はシャビエル→中島に、名古屋は柿谷→長澤へと交代します。

直後の名古屋のFK、キッカー・マテウスは直接シュートかクロスか解り辛いボールを入れるも、ゴール左を襲った事でGK菅野は何とかセーブ。
これに酒井が詰めにいくという前半の決定機と類似したシーンとなりますが、酒井のシュートはミートせず左ゴールポストに当たるという具合に、結果も酷似する事となってしまいました。

名残惜しそうにポストにしがみついて悔しがる酒井のシーンに象徴されるように、落胆ぶりを隠せない名古屋はその直後(18分)、最終ラインからのパスをカットされて札幌のショートカウンターを受ける事に。
カットした荒野がドリブルで持ち込み左サイドに開く青木にパス、青木は切り返してカットインと見せたのちクロスを送ると、ファーサイドで捉えたのは中島。
マークを外してのヘディングシュートがGKランゲラックを弾いてゴールに転がり、2点目を得た札幌。
シュート数(試合通じて4本)から見ると省エネと表現したくなる効率の良さですが、ひたすら名古屋に主導権を渡さない立ち回りが奏功してのリードとなりました。

その後の名古屋は、先程の交代の際に変えた布陣による反撃体制に。
<後半17分以降の名古屋> 3-3-2-2
GK ランゲラック
RCB 宮原 CCB 中谷 LCB 藤井
RWB 相馬 DH レオ・シルバ LWB 吉田豊
IH 長澤 IH 稲垣
FW 酒井 FW マテウス
3バックにしてサイドを押し上げ、何とか点を返さんとします。
正直前半に金子フリーの現象が起きた際にこのシステムを採り、5バックでスペースを無くす策を採った方が良いと思わされましたが、過ぎた事は及ばざるが如く。

しかし21分に田中駿が長澤のアフターチャージを受け、再度札幌のセットプレーが炸裂する事に。
今度は右ハーフレーンからの福森のキック、ファーサイドへのクロスを中島が折り返し、中央で高嶺が足で合わせてゴールネットを揺らし。
3点目かと思われましたが、VARチェックの結果中島の位置がオフサイドとされ、止めを刺し損なった札幌。

布陣変更に合わせるように、25分に再度カードを切る名古屋。
吉田豊・稲垣→森下・阿部へと2枚替えを敢行します。
これでフォーメーションも馴染みを見せたか、27分に決定機を迎え。
左サイドでマテウスが絡んでボールを握り、森下のクロスがファーサイドに上がると、相馬がボレーシュートで合わせ。
しかしここもGK菅野のセーブに阻まれ、逃してしまう事に。

その後もめげずに、左右のCBが攻撃参加で押し込んでいく名古屋。
32分に宮原のドリブルから、相馬が右サイド奥を突いてクロスを入れ、ファーサイドで酒井が合わせにいく所をGK菅野が何とか弾いてCKに逃れ。
一転して守勢を強いられた札幌は、ここで青木→深井へと交代。
中央を固めつつカウンターの姿勢を取りますが、その橋頭堡となるべき金子にアクシデントが発生。
33分に名古屋・マテウスのスライディングで奪われた際、倒れて起き上がれなくなり担架で運ばれてしまいます。
ルーカス・フェルナンデスと交代し、予期せずして3回の交代機会を使いきる事となってしまった札幌。

同時に名古屋も3回目の交代(HT含めれば4回目)に踏み切りましたが、酒井に代わって入ったのは本来DFであるチアゴ。
長身故のターゲット役を務める事となり、まさに形振り構わないという状態の名古屋。
その後ルーカスをバックチャージした藤井が警告を受けたり、中島が川崎のレアンドロ・ダミアンを彷彿とさせる、浮かせるトラップ→バイシクルを狙いにいくシーンがあったりと、依然札幌に余裕が感じられる流れが続き。

40分に名古屋は左サイドやや深めでのFKを得、キッカー・マテウスの低いクロスをニアサイドで長澤が跳び込んで足で合わせ。
この絶妙なループ気味のシュートがゴール右を襲うも、ポストを叩いてしまいゴールならず。(その後レオ・シルバが拾うも、ゴールに向かうクロスはGK菅野がキャッチ)

名古屋は好機を作る事は作りましたが、得点出来る運気が無いといった感じで、試合はとうとう札幌が逃げ切り体制を迎え。
右サイド奥でのボールキープを目立たせ、奪わんとする名古屋はレオ・シルバが反則で警告を受ける等苦戦。
アディショナルタイムに、そのレオ・シルバがミドルシュートを放ちますが惜しくもゴール右へと外れる等、最後まで名古屋のシュートが得点を齎す事はありませんでした。

待ち焦がれた今季初勝利(J1通算100勝目だそうな)を手にした札幌とは対照的に、今後にも暗い影を落としそうな敗戦を喫した名古屋。
今季就任した長谷川健太監督も、サッカーの落とし込みに時間が掛かっているというよりは、迷いの方が目立っていたような印象を受け。
救いは、降格枠が常態(2プラス1)へと戻った事でしょうか。(それは札幌も同様か)


DAZN観戦 2022年J1リーグ第7節 ジュビロ磐田vs川崎フロンターレ

2022-04-08 18:31:18 | サッカー視聴記(2022年J1)

<磐田スタメン> 3-4-2-1
GK 三浦
RCB 大井 CCB 伊藤槙人 LCB リカルド・グラッサ
RWB 鈴木 DH 遠藤 DH 山本康裕 LWB 小川
IH 大津 IH 大森
FW 杉本
<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB 山村 CB 谷口 LSB 佐々木
DH 橘田
IH 脇坂 IH 遠野
RWG 小林 CF 知念 LWG マルシーニョ

前節で2敗目を喫した川崎(セレッソ戦・1-4)は、早くも前年のシーズン敗戦数に並んでしまう事となり。
この試合に勝てなければ、今節終了時の順位でも柏に首位を譲る事態に陥るなど、「王者」の足踏みに何時以来かの感覚を覚えたりします。

そんな川崎の黎明期、つまりまだ強くなかった時代を知る男、伊藤彰氏が今季から監督を務めているのが磐田。
現役時代は社員選手という枠組みであった伊藤彰氏が、こうしてJ1クラブの監督として川崎の前に立ちはだかるのは感慨深いものがあり。
その伊藤彰氏が率いているのが、かつてJリーグで黄金時代を形成した経験を持つ磐田。
成功体験を得ている当時の選手や指導者、つまりOBで無ければ文化摩擦に悩まされ易いというのが、こういったクラブの弱点でもあります。
磐田もそんな時代からの世代交代に失敗した末に、J1~J2を往復するという立場にまで落ち込んでいるのが現状であり、そのサイクルを絶ち切るか否かという難しい立場の伊藤彰氏。

この日は大井が右センターバックに回り、伊藤槙が中央を務めるという変節を見せた磐田。
川崎への対策の一環か、ないしはレベルの高いJ1かつ大井の年齢故の強度の低下を考慮しての事なのかは不明ですが、左CBに新助っ人のグラッサが入った事もあり斬新に映り。
前半10分にはそのグラッサが、クリアボールを中央で拾いすかさず遠目からミドルシュート(枠外)と積極性を見せます。

現在の川崎の弱点としては、ディフェンスの脆弱さでしょうか。
敗戦はいずれも4失点してのものと脆さが浮き彫りになり、ジェジエウをはじめ車屋・登里といった離脱選手も数多く。
山根・山村がフル回転なうえ、左サイドバックには新人の佐々木が起用・定着するなど、極端に層が薄くなってしまっています。
それを突きたい磐田、チャンスとあれば積極的にフィニッシュに持ち込みたい所。

しかし腐っても鯛というべきか、川崎が攻撃権を支配する苦しい展開を強いられる磐田。
この日は最終ラインが広く距離を取ってのビルドアップを敢行します。
恐らくは中央に有力選手が集まっているという、磐田の布陣を意識しての事でしょうか。
相手のプレッシングにも距離を使わせ、分散とスタミナ削りという目的が窺えました。

家長やレアンドロ・ダミアンの温存もあり、個の力で打開する場面は見られず。
また家長を中心としたパスワークも無いので、サイド奥を崩されてのクロスもあまり無かった(手前からクロスを上げる事が多かった)序盤。
16分には右寄りで受けた小林がエリア内右へスルーパス、走り込んだ遠野がシュートを放つも枠外に。
そんな万全では無い川崎の弱点を突きたい磐田、24分に右サイドのスローインから組み立て、一旦奪われるも遠藤のパスカットで継続。
大森のエリア内右へのパスを、入れ替わって受けた大津が奥からマイナスのクロスを入れ、ディフェンスに当たり方向が変わった所を小川がシュート。
しかしGKチョンソンリョンがセーブと、最後の壁に立ちはだかられます。

川崎の攻撃で、脅威となったのは遠野とマルシーニョのスピード。
2人とも左サイド寄りのポジションというだけでも相当なプレッシャーですが、かつインサイドハーフの遠野が自在に顔を出す事で全方位にダメージを与えんとします。
この存在で、時間が進むにつれて攻撃権を独占するに至った川崎。
32分左サイドでマルシーニョのスルーパスを受けた遠野が前進して低いクロス、ニアサイドで知念が頭から跳び込みヘディングシュートを放つも枠を捉えられず。
35分には谷口のロングパスを知念が落とし、遠野のダイレクトでのスルーパスにマルシーニョが走り込み、受けてエリア内からシュートを放ちましたが惜しくもオフサイドとなります。

次第に王者らしい圧力を見せ付ける展開となりますが、それでも磐田は粘り強く得点を与えず。
勝つ試合でも、前年のような相手を圧倒する力を発揮できない今季の川崎。
この日も例外では無いようで、前半の終盤では山村が右サイドに開き、あたかもSBのような位置を取ってのビルドアップを見せ。
それは新たな形なのか、あるいは得点出来ない苛立ちからなのかという不安を覗かせます。
結局スコアレスのまま前半を終え。

川崎の攻撃を凌ぎ、少ない好機で確実にフィニッシュに結び付けるという理想形が垣間見えたこの日の磐田。
しかし前者は目標達成しつつありましたが、後者は今一つといった前半戦。

後半が始まり、磐田は最初にその数少ない好機に持ち込みます。(後半2分)
右サイドからの攻撃で大津がクロス、逆サイドに流れたボールを拾ったのち小川が左からクロスと、クロスの応酬ののちの跳ね返りに大井が後方から走り込んでシュート。
エリア内で川崎・谷口にブロックされるも、尚も繋いで左からの大森のクロスに持ち込み、大津がヘディングシュート。(GKチョンソンリョンキャッチ)
連撃を放ち、王者からの金星(といっても今季は価値が落ち気味ですが)を期待させる入りとなりました。

しかしその後は川崎の本領発揮というべきか、ひたすら攻撃に晒され耐え続ける時間帯となります。
何とかマイボールにしても自陣ないしは中盤で奪われ、更なる攻撃を浴びるシーンが目立ち。
6分にはGK三浦のフィードを直接脇坂がボールカットし、そのままミドルシュートを放つもGK三浦がセーブ。
しかしマルシーニョが拾ってさらに続き、脇坂の左からのクロスを小林が合わせシュート。(枠外)
14分にはGKチョンソンリョンからの組み立てで、山根が一気にスルーパスを最終ライン裏へ通し、エリア内で受けた知念。
ドリブルでGKをかわさんとするも、何とか三浦が抑えて防ぎ。

そんな状態故に、完全に数少ない好機をモノにするべき展開に陥った磐田。
何とか王者の猛攻を凌ぐと、17分に自陣左でのスローイン→杉本のポストワークから組み立て。
中央の鈴木を経由して右へとサイドを代え、大井のスルーパスに奥へ走り込んだ大津のクロスが上がると、ニアでの杉本の潰れを経てファーサイドに掛け込んだのは大森。
ボレーシュートが放たれるも、川崎・山根の顔面ブロックに阻まれ。
思惑通りに決定機を作るも、後一歩の所で跳ね返されてしまいます。

しかしこれで覚悟が固まった磐田、攻撃権を奪い返して敵陣でボールが回せるようになり。
新人・佐々木が守る左サイド(磐田から見て右サイド)が弱点と見たでしょうか、ひたすら右からクロスを上げる攻撃を仕掛けます。
20分にはエリア近辺での長いパスワークを経て遠藤がクロスを入れる体勢になり、一度跳ね返されるも遠藤が拾って再度クロス(ファーサイドで小川が跳ぶも撃てず)と、徹底ぶりが伺えたシーン。

川崎は21分、家長の投入に踏み切り。(遠野と交代、同時に脇坂→小塚へと交代)
直後の22分、敵陣で攻撃を展開している所に知念が磐田・伊藤槙のアフターチャージを受けて反則、直接フリーキックを得ます。
右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という絶好の位置でしたが、脇坂が退いた後というのが噛み合わせが悪くもあり。
放たれたキッカー・小塚の直接シュートは、ゴール上へと大きく外れ。
何とか先制点に辿り着きたい川崎、この辺りから知念と小林の位置が入れ替わり、小林がセンターフォワードとなります。
一方の磐田も、24分に最初のカードを切り。(杉本→ジャーメイン良)

しかし以降川崎は停滞し、中々攻勢を掛けられず。
32分に切り札としたダミアンを投入する(小林と交代・同時にマルシーニョ→宮城へと交代)も、それでも流れを変えられません。

それどころか直後に、磐田の右サイドでの攻撃を川崎・谷口が反則で止めてしまいFKに。
このキッカー遠藤のクロスはクリアされるも、そこからの二次攻撃でした。
大森のボール奪取から、伊藤槙→大森→ジャーメイン→鈴木と渡りやはり右サイドから、鈴木のグラウンダーのクロスが入り。
このGKとDFの間を突くボールに走り込んだのは大森で、放たれたシュートが豪快にゴールネットを揺らし。
とうとう理想通りの先制点を挙げた磐田。(直後に大津→吉長へと交代)

逆にリードを奪われた川崎、連敗となってしまえば、実に2018年の5月以来となり。
最後のカードを切ったのが35分で、橘田→塚川へと交代すると共に布陣も変更します。
<後半35分以降の川崎> 4-4-2
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB 山村 CB 谷口 LSB 佐々木
RSH 家長 DH 小塚 DH 塚川 LSH 宮城
FW 知念 FW ダミアン
2トップへと変更し、磐田へ圧力を掛けんとします。
その最中の37分に、GK三浦が知念との交錯で痛んでしまい試合が止まるなどあったものの、ようやく最後の攻勢の流れへ。

41分、ミドルパスを左サイドで受けた宮城が、カットインの姿勢からクロスと見せかけて直接シュート。(GK三浦セーブ)
その直後にも再び左で宮城がボールを持つ展開、今度はエリア内へ送ると、受けたダミアンが切り返しからシュート。(GK三浦セーブ)
続く42分にも三度宮城が持ち、カットインからシュートを放ち。(GK三浦キャッチ)
左サイドから脅威を与えたものの、三浦の好守に阻まれ続けてしまい。
とうとうアディショナルタイムへと突入し、4年ぶりの連敗が現実味を帯びてきた川崎。

そのAT前に磐田は最後のカードを切りにいきましたが、グラッサが足を痛めた事もあり、用意していた鹿沼では無く森岡を投入。
伊藤彰氏も、悲願ともいえる川崎戦での勝利まであと一歩まで来た事でやや浮足立っていたようにも見え。(正直2人とも投入すれば良かったのでは?)
この混乱気味に映った最後のベンチワークで、運が逃げてしまったでしょうか。

何とか敵陣でボールを繋ぐ川崎、家長の右サイド手前からのクロスが上がり、中央で知念が合わせたもののボールは遥か上空へ。
しかしジャンプして抑えにいったGK三浦が、あろう事かボールをこぼしてしまい、すかさず知念が詰めてシュート。
ボールは無情にもゴールに突き刺さり同点に。

これで文字通りに息を吹き返し勝利への執念を押し出す川崎、ロングフィード→ダミアンの落としから最後の好機を作り、エリア内で拾った知念がGKを右にかわしてシュート。
磐田・伊藤槙がブロックで防ぐも、右へ転がったボールを家長が拾ってクロスが上がると、再度知念がヘディングシュート。
しかしGK三浦がセーブと、ミスにもめげずその後も集中力は途切れない所を見せます。

そしてそのまま1-1で試合終了。
最後の最後で決定的なミスから勝利を逃したものの、十分磐田は良くやったと言えるでしょうか。
逆に川崎に不安が残る内容であり、王者に相応しい姿をいつまで続けられるか。
相手の磐田の歴史ような、黄金時代からの転落ぶりは描いてほしくない所ですが……。


DAZN観戦 2022年J1リーグ第6節 ヴィッセル神戸vs京都サンガFC

2022-04-05 16:20:35 | サッカー視聴記(2022年J1)

<神戸スタメン> 4-2-3-1
GK 飯倉
RSB 酒井 CB 菊池 CB 槙野 LSB 小林
DH 山口 DH 大﨑
RSH 初瀬 CH アンドレス・イニエスタ LSH ボージャン・クルキッチ
FW 大迫
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 上福元
RSB 白井 CB 井上黎生人 CB 麻田 LSB 荻原
DH 川﨑
IH 福岡 IH 松田
RWG 宮吉 CF ピーター・ウタカ LWG 武富

毎年のようにホットな話題を振りまく神戸ですが、今季もそれは例外では無いようで。
ただし今回は負の要素が溢れ出ているといった感じですが。

既知の通り、代表ウィークを迎えた所で、依然勝利の無い神戸(ACLプレーオフでは勝利しましたが)は監督交代に踏み切り。
三浦淳寛氏に代わり、前年途中までJ3・今治の監督を務めていたリュイス・プラナグマ・ラモス氏(今季からヤングプレーヤーデベロップメントコーチに就任していた)が就任する事となりました。

前年のガンバと同様、サッカーの内容よりも結果を求める姿勢を強めた事のツケ(低迷する=チーム崩壊に直結する)が出たという感じで、経験豊富かつJリーグの経験もあるリュイス氏にチームの建て直しを一任するのまでは納得できる動き。
しかしそれで終わらなかったのがこのクラブの宿命でしょうか。
リュイス氏の肩書は暫定監督となっており、それに合わせてスポーツ・ダイレクターに就任したのが永井秀樹氏という事で、蜂の巣をつついたような騒ぎが起こる事となりました。

 

永井氏はご存じの通り、前年発覚したパワーハラスメント問題によりヴェルディの監督を辞任、それに伴い1年間のライセンス停止処分を受けている立場。
この人事を成立させた三木谷浩史氏はそれを周知しているようであり、にも拘らず強行したようでもあります。
外野の騒然とした声が大きくなる中、JFA会長・田嶋幸三氏や、先日チェアマンに就任した野々村芳和氏もパワハラをあたかも容認するかのようなコメントを残した事も火に油を注ぐ結果となり。

この人事の是非については今更語るまでも無いですが、個人的には、これから監督を務めるリュイス氏の心境が非常に気になる所です。
あくまで「暫定」の立場という事で、「永井氏の処分が解けたら、成績如何に拘わらずすぐさま(永井氏と)監督交代されるのでは無いか」という懸念は拭えず。
外野の憶測でしかない意見ですが、それを想像させるには十分な人事で、仮にそうでは無いとしてどうして実行したのかが不透明というレベルであり。
海外(スペイン)でも監督経験を重ねている指導者(リュイス氏)に対して、使い捨てるような扱いにも見て取れ、傍らから見てどうしても納得出来ないという結論に至ってしまいます。

前置きは長くなりましたが、こうした状況の中で、過去にパワハラ問題で監督辞任を経験した曺貴裁(チョウキジェ)氏率いる京都との対戦が組まれているのは運命の悪戯か。
「ダイヤモンド型4-4-2」というフォーメーション上の落とし所を長らく強いられるなど、非常に難しいチームの引継ぎを任されたリュイス氏。
これに加えてセルジ・サンペールや武藤の故障離脱という、マイナス要素満載の神戸の現状。
選択したのは4-2-3-1という布陣で、イニエスタトップ下・ドイスボランチを両立させる手段を採りました。

GK飯倉がロングフィードを選択する場面が目立つも、その飯倉のキックが乱れるシーンが量産される等、立ち回りがグラついている印象を受けたこの日の神戸のサッカー。
それでも相手の京都は、監督交代後の初戦という事で出方を窺っていた節があり、普段のような果敢なプレッシングはあまり見られず。

神戸はサイドチェンジを多用するなど、ゆったりとした展開に持ち込みたいという節が伺え。
それに対して京都はマイボールになった際のスピード感は健在で、前半15分には武富が中央をドリブルで持ち上がりミドルシュート。
ブロックされるもクリアボールを福岡が落とし、右サイドからウタカがボレーシュートにいきますがミートせず枠外に。
押し気味に映った京都でしたが、負傷したのか24分に早々に武富が交代する事となります。(金子と交代、松田が左ウイングへシフト)

慣れないながらも、徐々にボール奪取するシーンを増やす京都。
31分には敵陣で福岡がボールカットし、松田のパスを受けたウタカがドリブルで神戸DFを振り切り、エリア内に進入する絶好機。
しかしGK飯倉が前に出てブロックし、何とか防いだ神戸。

神戸の好機にはやはりイニエスタの美技が絡み、35分にはクリアボールからの山口のポストプレイを受けたイニエスタ、そのまま山口と2人でパスを繋ぎながら前進。
そしてエリア内を突いてイニエスタのダイレクトでのヒールパスから、山口がシュートしましたがゴール左へと外れ。

結局前半はスコアレスで終え。
様子見という意識が強かった中、神戸は守備のソリッドを高め、ウタカを中心とした京都の攻撃を防いだという印象。
そして後半勝負という算段を立てていたようでした。

先に仕掛けたのは京都で後半2分、ポジションチェンジを駆使して敵陣でパスを繋いで攻撃を展開。
その中でウタカは左サイドに開いてチャンスメイクに徹し。
この場面ではシュートには繋げられませんでしたが、このエースの献身性がのちの展開を左右する事となりました。

京都が押し気味に見えた入りでしたが、神戸は4分に自陣での山口のボール奪取から速攻。
イニエスタ→初瀬と経由して左サイドに渡り、ボージャンがドリブルでエリア内左を突き、中央へパスを送った先には上がってきたイニエスタが。
直前でカットされるもこぼれ球をエリア内で大迫が繋ぎ、最前線まで上がっていた初瀬がダイレクトでシュート。
強烈なボールがGK上福元のセーブを弾いてネットに突き刺さり、先制点とともに自身のJリーグ初ゴールを挙げた初瀬。

苦境を跳ね除けるような先制点に盛り上がるホーム(ノエビアスタジアム神戸)の中、さらに好機を作る神戸。
8分槙野の左→右への対角線のロングパスに酒井が猛然と走り込み、奥からクロス。
クリアされて右からのスローインで組み立て、イニエスタのミドルパスがエリア内右を突き、走り込んだ山口のマイナスのクロスを大迫がシュート。(ブロック)
その後CKを得て、キッカー・イニエスタのニアサイドへのクロスを菊池が合わせヘディングシュート、しかしGK上福元がセーブ。

決定機を逃し激しく悔しがる菊池の姿に、初勝利へのムードも高まりつつありましたが、そうは問屋が卸さず。
10分の京都の攻撃、こぼれ球を拾ったウタカがドリブルするも先程と同様にサイド(右)に開いたのち、中央へミドルパス。
受けた荻原がエリア内左を突いて側の金子にパス、その金子のクロスがブロックされこぼれると、すかさず荻原が詰めてボレーシュート。
神戸・槙野のブロックも及ばずゴールネットを揺らし、こちらはJ1初ゴールと、神戸・初瀬と同様に記念すべき得点を挙げた荻原。

冷水をぶっ掛けられたような状況の神戸、直後のキックオフでは、ボールを受けたイニエスタがそのまま中央をドリブル。
絵になるようなイニエスタの中央突破を見せる事で、流れを掴まんとしましたが、その思いは果たされる事無く。(この攻撃はイニエスタが右へとパスを出してから繋ぎ、左からボージャンがシュートも枠外)

13分再び京都の攻撃が始まると、中盤で神戸のディフェンスに遭いながらも前進し、ウタカが左サイドへ展開。
受けた荻原が今度はクロスを供給し、ファーサイドで福岡が足で跳び込む所にGK飯倉が跳び出し。
キャッチにいくも弾いた飯倉、こぼれた所を宮吉が詰め、シュートはゴール上部に突き刺さり。

あっという間に逆転を果たした京都、2得点ともウタカが囮となるようなチャンスメイクに徹した動きで、他選手が見事に活かされた結果となり。
神戸にとっては、ウタカのフィニッシュを第一に警戒する意識があったでしょうか。

一気に雰囲気も変わり、京都の攻撃を受け続ける事となる神戸。
何とか空気を代えようと、19分には最終ラインでのビルドアップから槙野が左サイドをオーバーラップ。
山口の左→右へのサイドチェンジを経て、中央へ渡ったのちにイニエスタがエリア内へ縦パスを送ると、受けたのは槙野でさらに大迫へラストパスを送るもGK上福元に抑えられ撃てず。
上福元が大迫と交錯して痛む中、20分に神戸は交代カードを切り初瀬→汰木に代えると共に、慣れ親しんだダイヤモンド型4-4-2の形へとシフトします。(大迫・ボージャンの2トップ、上福元は無事にプレー続行)

その後は汰木のスピードを活かす形で攻め込む神戸。
24分には大迫のエリア内へのスルーパスに走り込み、右からシュートを放った汰木でしたがゴール左へと外れ。
それでもその存在は京都にとって脅威となり、28分に京都も布陣変更に踏み切ります。
福岡→メンデスへ交代すると共に、3バックへとシフト。
<後半28分以降の京都> 3-3-2-2
GK 上福元
RCB 井上黎 CCB 麻田 LCB メンデス
RWB 白井 DH 川﨑 LWB 荻原
IH 金子 IH 松田
FW 宮吉 FW ウタカ
湘南戦でも使った手口で、その狙い通りに神戸ペースを剥がします。(同時に神戸もボージャン・大崎→リンコン・中坂へと交代)

直後に京都は敵陣での松田のカットから好機、ウタカがここでもエリア内へスルーパスを送る役を務め、走り込んだ松田が左からシュート。
しかしGK飯倉が顔面でセーブし、何とか防ぐ神戸。
30分には神戸のスローインを奪って攻撃、金子のドリブルからパスを受けたウタカが中央エリア手前からシュート。(ブロックに当たり枠外)
今度はフィニッシュを務めたウタカの姿に、京都サイドに余裕が生まれているような印象を受けた時間帯。

何とかビハインドを跳ね返したい神戸ですが、交代で入ったリンコンは殆どプレーに絡めずに時間が進み。
かといって大迫もこの時間帯はボールタッチが少なく、やや機能不全といった感じの2トップとなっていました。
ポゼッションを高めて攻め込まんとするも、ロクにシュートを放つ事は出来ず、時間はとうとうアディショナルタイムへ。

その最中に、京都は残っていた交代枠を全て使う3枚替えを敢行。
宮吉・白井・荻原→山田・アピアタウィア久・本多へと交代し、空いた右ウイングバックに井上黎がシフトします。

するとその直後の好機、こぼれ球をウタカのポストプレイで繋いだのち左サイドを抉り、奥に進入した松田がカットイン。
そしてエリア内左から低いクロスを送ると、投入されて間も無い山田が左足で合わせ、ネットに突き刺します。
この土壇場で山田のJ初ゴールが生まれ、決定的な追加点を挙げた京都。

最後は何とかフリーキック攻勢に持ち込んだ神戸、エリア内の乱戦から大迫シュート(ブロック)→酒井シュート(枠外)と連撃を浴びせるも、ゴールを奪う事は出来ず。
1-3で京都が勝利し、開幕節以来の2勝目を挙げました。

黒い噂が交錯する中、記念すべきゴールの交錯という結果となったこの試合。
人を成長させるのはやはり成功体験を得るのが大事だと思うので、この日のゴールシーンが良い底上げになれば……といった所でしょうか。


DAZN観戦 2022年J1リーグ第5節 ガンバ大阪vsアビスパ福岡

2022-03-23 08:11:59 | サッカー視聴記(2022年J1)

<G大阪スタメン> 4-3-1-2
GK 石川
RSB 高尾 CB 三浦 CB 昌子 LSB 黒川
RIH 齊藤 DH 奥野 LIH 倉田
CH 石毛
FW 小野瀬 FW パトリック
<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB 湯澤 CB ドウグラス・グローリ CB 宮 LSB 志知
RSH ジョルディ・クルークス DH 前 DH 中村駿 LSH 田中
FW フアンマ・デルガド FW 山岸

福岡は「5年に一度」の呪いからは解き放たれたものの、その爪痕は各クラブとの対戦成績にしっかり表れています。
この日の相手であるガンバに対しては、リーグ戦で最後に勝利を挙げたのが1997年という遥か遠くの出来事らしく。(放送席の談)
2001年の初降格以降J1で戦う機会が減少し、その少ないシーズンも降格同然の成績ばかりとあっては、こうなってしまうのはある意味当然であり。(2013年にはJ2同士で相まみえていますが)

そんな過去の記憶を掘り起こしてみましたが、趣は違うもののガンバもその思考にあるでしょうか。
近年の低迷ですっかり「強いガンバ」のイメージは薄れてしまっており、昔日の面影無しといった感じ。
2020年にリーグ2位に入ったものの、「勝ててはいるが内容が悪い」試合の連続であり、ACLも日程に加わった翌年つまり前年は再度落ち込み13位。
自分としては、前年観た際の大惨敗が強く印象に残っており、どうしても前向きなイメージが浮かび辛く。
今季も相当な起爆剤が無ければ変わらないだろう、と思っていた所にGK東口と宇佐美の長期離脱というダブルパンチが襲い、我慢の戦いを強いられる状況となっています。

今季から監督を務めるのは片野坂知宏氏で、名将と評される地位を大分監督として築いたのは記憶に新しく。
しかしこの日の入りは4-3-1-2というフォーメーションでスタートと、選手の特性に当て嵌めて弄り過ぎた結果なのでは……という予感が過り。

前半2分、福岡のクリアボールが左サイドに出ると、スピンが掛かってタッチライン際で内側へと軌道が変わり。
これに三浦は意表を突かれたか福岡・フアンマに置いていかれてしまい危機を招きます。(パスワークで右へとサイドを移し、クルークスがクロス)
入りでまず予想外の事態に弱さを見せてしまうと、その後福岡にペースを握られ続けてしまう事となります。

フアンマをターゲットにした福岡の攻撃に、前述のシーンで浮足立ったかのようにガンバ守備陣は手を焼く場面が多く。
そして迎えた10分、クリアボールをフアンマが拾って福岡の攻撃、左サイドへ展開したのち田中のスルーパスに走り込んだ山岸から横パスを中央で受けたフアンマ。
エリア内へ進入してからさらに右へと横パス、フリーになっていたクルークスに託すと、その期待通りにダイレクトのシュートでGK石川の股を抜いたクルークス。
起点とラストパスの双方をこなしたフアンマの存在感が光り、福岡が先制します。

そのフアンマですが、立ち上がりからガンバの激しいチャージを受けており。
4分にはGK石川との激突で倒れ込み、7分にはこぼれ球を拾おうとした際にガンバ・齊藤のスライディングで倒され。
普段からポストワーク役なので相手のチャージも激しくなるのは日常茶飯事ですが、この日はポストワーク以外で痛むシーンが目立っていました。
それ故フラストレーションの溜まりも早かったようで、17分にロングパスを収めにいったフアンマ、再びガンバ・齊藤に反則を受け。
納得できないという表情をする齊藤を見て、とうとうヒートアップする場面を作ってしまいました。(腕が頭部に入っていたので反則は妥当)

試合の方は、11分に山岸がシュート(ガンバ・昌子がブロック)、15分にはフリーキックからクルークスがボレーシュート(枠外)と相変わらずの福岡ペースが続き。
やはりフォーメーションがしっくり来ないと見たのか、その後は小野瀬が一列降りて右サイドハーフらしき位置を取るガンバ。
<前半15分~前半終了までのG大阪> 4-2-3-1?
GK 石川
RSB 高尾 CB 三浦 CB 昌子 LSB 黒川
DH 齊藤 DH 奥野
RSH 小野瀬 CH 石毛 LSH 倉田
FW パトリック
これで何とか破綻を押し止め、反撃を試みていきます。

福岡のプレッシングを浴びつつ、ボールを保持し攻撃を組み立てていくガンバ。
奥野がセンターバック2人の間に降りる、3枚での最終ラインを基本としてのビルドアップ。
しかし後ろ3枚の割にはサイドバックが高目の位置を取る事が出来ず、急造感が溢れたような繋ぎに終始します。
それをカバーするように、倉田が中央~右サイドへと移動してボールを引き出すなど個々の孤軍奮闘が目立ち。

そんな四苦八苦ぶりを嘲笑うかのように、27分にカウンターを浴びせる福岡。
クリアボールを中央で山岸が拾い、フアンマとのスイッチを経て右へ展開し、受けたクルークスがドリブルでエリア内に持ち込み。
そしてシュートを放つも、ここはGK石川のセーブに阻まれます。

ボールを握る事により、福岡ディフェンスの寄せの速さを味わう機会も増えていくガンバ。
32分にエリア内へのスルーパスに走り込んだガンバ・小野瀬が福岡・宮と激しく競り合い。
それにより両者ヒートアップするなど、フアンマ以外も苛立ちを隠せない試合様相となっていったでしょうか。

何とかそんな感情を攻撃に繋げていきたいガンバ、前半の終盤は攻撃権を握っていきます。
これまではクロスの大半は手前からとなり、サイド奥へ進入しようとすれば福岡のディフェンスに阻まれるというパターンで攻撃に実りが無いシーンの連続。
しかしこの時間帯は長短のパスを巧く使い、サイド奥を突いて攻撃を展開させていき。
40分にはそこから得た右コーナーキックで、キッカー石毛のクロスを中央ニアサイド寄りで三浦が合わせヘディングシュート、しかし枠を捉えられず。

結局前半は0-1で終え、ガンバはハーフタイムにさらに動き。
高尾→柳澤へと右SBを代えると共に、フォーメーションにも手を加えます。
<後半頭~後半35分までのG大阪> 4-4-2
GK 石川
RSB 柳澤 CB 三浦 CB 昌子 LSB 黒川
RSH 小野瀬 DH 齊藤 DH 奥野 LSH 石毛
FW パトリック FW 倉田
マイナーチェンジを繰り返していく片野坂監督。

福岡の攻撃が続いた入りを経て、後半4分のガンバ。
CBの昌子が持ち上がって右へ展開、斉藤を経由し小野瀬へ渡ると、カットインでエリア内に進入してシュート。
しかしゴール上へと外れてしまいモノに出来ず。

立ち上がりに見せ場を作ったガンバでしたが、ミラーマッチとなった影響か、福岡のストロングポイントである寄せの速さが冴え渡る結果となり。
おかげで前半同様に福岡の攻撃を受け続ける展開を強いられます。
1点目の得点パターンである、「左サイドで前進し、中央を経由して右サイドのクルークスへ渡す」という流れは終始健在であり、クルークスが中心となってのクロス攻撃を浴びせる福岡。
7分にはそこから山岸がヘディングシュートを放ちますが、GK石川がセーブして何とか防ぎます。

ビッグセーブで高揚感もあったか、その後はガンバのビルドアップに加わるシーンも目立ったGK石川。
12分にはCKから柳澤がエリア内でシュートを放つ(ブロック)など、徐々に同点への期待度が高まっていくも、直後の落とし穴に嵌ってしまいます。

続く13分、中村のラフなキックで自陣に上がったボールを、山岸が胸で落としたのち前が左へ展開。
すると左サイドで志知ドリブル→中央で山岸ポストプレイ→前右へパスでクルークスに渡るという鉄板パターンから、クルークスのクロスがファーサイドへ上がり。
フアンマの頭に僅かに合わなかった所を、その奥で田中が合わせてのヘディングシュートがゴールネットを揺らし。
自身の攻撃を貫き続けた福岡、2点差に突き放しました。

その後16分にフアンマがお役御免となり、ルキアンへと交代。
フアンマの次はルキアンの脅威に晒されそうな予感が漂う中、19分にガンバベンチも動き。
石毛と齊藤に代えて福田とレアンドロ・ペレイラを投入、ペレイラがFWに入って倉田がボランチへと移動します。

予想通りに、交代後はルキアンの収めを起点としつつ、余裕を持って攻撃を展開していく福岡。
サイドを突いてもクロスは入れずに戻すといった選択肢も見られ。
得点どころか、攻撃の流れを掴む事すら難しくなってきたガンバ。
29分には右CKを得て、キッカー山本(小野瀬と交代で出場・27分)のクロスをファーで柳澤が折り返し、そのボールをパトリックが合わせましたが枠を捉えられず。
得点への意欲は見られるも、31分にはボールを抑えたGK村上に対してパトリックが勢い余ってチャージしてしまい、反則・警告を受けるなど悪目立ちしてしまいます。(福岡は30分に山岸・クルークス→城後・金森へと交代)

ガンバ最後の交代は35分で、奥野→チュセジョン。
しかしその直後に左サイド(福岡から見て右サイド)で福岡・金森にボールを奪われ、戻りながらの守備を強いられるガンバ。
金森がドリブルからクロスを入れると、戻って防がんとした柳澤が中央でクリアに入ったものの、ボールは無情にもゴールに吸い込まれるオウンゴールとなり。
この時間帯で、ダメ押しのような3点目が福岡に入ります。

しかし直後のキックオフ、三浦を前線に上げるパワープレー体制を採るガンバ。
それは見事に実り、三浦狙いのロングパスはクリアされるも山本が拾って攻撃は継続され、柳澤のクロスがこぼれた所を福田がエリア内左で拾い。
そしてカットインを経て巻くシュートを放った福田、ゴール右へと綺麗に突き刺さります。

1点を返したガンバ、その後も三浦を前線に残して攻め上がり。
<後半36分以降のG大阪> 3-4-1-2
GK 石川
RCB チュセジョン CCB 昌子 LCB 黒川
RWB 柳澤 DH 山本 DH 倉田 LWB 福田
CH 三浦
FW ペレイラ FW パトリック
三浦はトップ下ではなくセカンドトップと言うべきでしょうか。
しかしパワープレイらしく、後方からロングボールをドカドカと上げるだけの攻撃へと傾倒するガンバ。

39分に福岡も手を打ち、田中→熊本へと交代して布陣変更。
<後半39分以降の福岡> 3-4-2-1
GK 村上
RCB 熊本 CCB グローリ LCB 宮
RWB 湯澤 DH 前 DH 中村駿 LWB 志知
IH 金森 IH 城後
FW ルキアン
ハッキリとした5バック体制を敷き。

ルキアンの落としから、右サイド奥でボールキープする時間を作る福岡。
それを何とか終わらせたガンバ、既に足を攣らせ気味の湯澤に代表されるように、プレスが掛からない福岡を尻目に反撃体制を作るも時間はアディショナルタイム。
チュセジョンロングパス→エリア内左でパトリック落とす→ペレイラ拾うという流れでゴールへ迫り、ペレイラの折り返しがクリアされて引き続き左からのスローイン。
倉田の左からのクロスはGK村上に弾かれるも、逆サイドからチュセジョンのクロスが上がり、低く速いボールに対してペレイラはフリック気味に合わせ。
これがゴール左へと突き刺さり、土壇場で1点差に迫ります。

尚も攻撃権を独占し、次々と3人のターゲットへとボールを蹴り込むガンバ。
左から黒川の対角線のロビングから、三浦→柳澤→ペレイラと頭で繋いでシュートにいきましたが枠を捉えられず。
圧力は存分に見せたものの、流石に3点差を追い付くのは無理があり。
結局2-3で、福岡が何とか振り切って今季初勝利を挙げました。

ガンバはこの日3度もフォーメーションチェンジをするという具合に、やや迷走感が表れた格好となり。
まだ序盤でチーム戦術が固まっていないという趣もありますが、名将・片野坂監督といえど、クラブ規模の大きいチームでの指揮は初めてであり。
その辺りの適応性はどうなるでしょうか。