<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB 西尾 CB 鳥海 LSB 丸橋
RSH 中原 DH 奥埜 DH 原川 LSH 清武
FW 北野 FW 加藤
<FC東京スタメン> 4-1-2-3
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 渡邊 CB 木本 CB 森重 LSB 小川
DH 青木
IH 安部 IH 松木
RWG 紺野 CF ディエゴ・オリヴェイラ LWG アダイウトン
個人的に非常に難しい立ち位置だと思っているのが、今季のセレッソ。
順風かと思われたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督時代に、半ば強引に別れを告げてしまったのがそもそもの始まりであり。
おかげで前年はセレッソとロティーナ氏双方に、幸せで無い未来が襲い掛かりました。
セレッソはレヴィー・クルピ氏を4度目の監督として招聘したものの、試合が消化されるにつれてチームは機能不全に陥ってしまい途中解任となり、その後を小菊昭雄氏が受け。
一方セレッソを去ったロティーナ氏は、同じJ1である清水の監督に就任するも、ガラパゴス状態に陥っているような清水というクラブ風土に合わず。
こちらも途中解任の憂き目に遭い、日本から去る事となりました。(なお本人は再度Jリーグクラブの監督就任を望んでいるとの事)
さてセレッソの今季はというと、過去2年のオフに搔き集めた、下位カテゴリからの選手が犇めいているという編成。
DFに鳥海・毎熊・舩木、MFに上門・鈴木・中島・中原・新井、FWに加藤という具合に集団を形成。
この日スタメンの、下部組織出身である西尾や北野も絡めての彼らの成長度合いが期待される、といった所でしょうか。
しかし若手の成長に舵を切れば成績も不安定になりがちであり、その辺のバランス取りを託されるのが監督経験の浅い小菊氏、という事でどちらに転ぶのかは判らず。
既に築き上げられた4-4-2というフォーメーションをベースとするのは変わらず。
放送席の話によれば、前年までのベースへ縦に速い攻撃を落とし込みたいというようであり。
しかし立ち上がりから、今季からアルベルト・プッチ・オルトネダ監督(登録名をアルベルト→アルベルに変えたとの事で)が就任し、ポジショナルプレーへの歩みを取り始めたFC東京が優勢に。
右サイドバックの渡邊が、ウイングの紺野を追い越してのプレーが顕著であった右サイドから攻勢を掛け。
この変則的な攻撃の組み立てに対応出来ず、押し込まれていくセレッソ。
何とかフィニッシュには持ち込ませなかったものの、10分過ぎからは攻撃も封じ込まれていく事に。
プレッシングをガッチリと嵌められ、自陣でのボールロストを頻発させてしまいます。
攻撃・守備双方とも抑え込まれる格好になったセレッソの前に、FC東京のフィニッシュ攻勢が始まり。
前半15分、木本のロングパスを右サイド前線で受けた渡邊を経由し紺野のクロスが上がると、クリアに入られ上空へこぼれたボールをアダイウトンがバイシクルでシュート。(ゴール左へ外れる)
18分には再度木本が、今度は対角線のロングパスを送ると、受けたアダイウトンがカットインを経て左ハーフレーン・エリア手前からシュート。(GKキムジンヒョンセーブ)
セレッソは16分に敵陣で(FC東京・青木の反則で)直接フリーキックを得て、左ハーフレーン・エリアからやや手前という位置から原川が直接シュートを狙った(ゴール左へ外れる)のが唯一の見せ場であり。
何とか耐えるものの、迎えた23分セレッソ陣内でのボールの奪い合いから左サイドで松木が奪い、アダイウトンが前進しエリア内左からグラウンダーでクロス。
中央でフリーになっていた紺野が受け、放たれたシュートがゴール右へと突き刺さり。
築き上げられた流れのままに、FC東京が先制点に辿り着きました。
その直後の24分にも、敵陣でディエゴがボール奪取して好機を作るFC東京。(ディエゴのエリア内へのスルーパスに安部が走り込むも撃てず)
セレッソは何とかビルドアップでプレスをかわさんとするも、特にサイドに追い込まれた末にボールを奪われるというシーンの連続で、反撃の糸口を全く掴めません。
それでも前掛かりのFC東京はチャージも激しくなっていき、30分には清武のドリブルを青木がスライディングで倒してしまい反則・警告。
次第に中央でもボールを奪われ始めるセレッソ、そしてそれがFC東京のチャンスに直結し。
36分には松木が敵陣中央で奪うと、拾ったアダイウトンが前進してペナルティアークからシュート、しかしGKキムジンヒョンがセーブ。
39分には自らのパスミスで、拾ったディエゴがエリア内へ進入、左へ流れたのちシュートを放ちましたが枠を捉えられず。
劣勢が故のエラーも発生させるなど、最悪の状況へと追い込まれつつありました。
そんな流れでしたが直後の40分、FC東京のビルドアップを左サイドで加藤が奪ったセレッソ。
ここから丸橋がクロスを入れ、ブロックを掠めるも中央へ上がると、後方から走り込んだ奥埜がヘディングシュート。
しかしGKスウォヴィクのセーブに阻まれ、全てを覆す同点弾とはなりません。
結局0-1のまま前半が終了。
セレッソにとっては1点差で済んだのが幸運といった内容で、少ない決定機を後半の運気上昇に繋げたい所。
ハーフタイムにそのためのカードを切り、丸橋・加藤→山中・上門へと2枚替え。
浦和ではやや不完全燃焼だった山中と、個人昇格の目玉となっていた上門が、流れを変えるべく投入されます。
早速の後半2分、GKキムジンヒョンのスローから組み立て、右→中央→左へのパスワークを経て原川のミドルパスを中央で中原が胸でポストプレイ。
落とされたボールを上門がダイレクトでシュート(枠外)と、早くも流れを変えるフィニッシュを生んだ上門。
その後FC東京の反撃を受けるも凌ぎ、7分に再度好機。
右サイドから松田のスルーパスで奥を突き、一旦戻されたのち清武が再度奥へスルーパス、走り込んだ松田からクロス。
これをニアサイドで跳び込んだ上門がヘディングシュート。(枠外)
上記2つの好機では清武が右サイドで絡んでおり、どうやら選手交代と共に、清武をトップ下へとシフトした4-2-3-1へとフォーメーションを弄ったセレッソ。
守備時でも、果敢に清武が前に出てプレスを掛け、FC東京のビルドアップを制限させていきます。
流れの中で、左サイドに清武が流れた際は入れ替わるように北野がFWに位置取るなど、「清武システム」と呼びたくなる流動性でペースを掴み始め。
この変節を受けたFC東京が、14分に2枚替えを敢行(安部・紺野→東・永井、アダイウトンが右WGへシフト)し、試合を落ち着けんとした所で事件は発生します。
16分、GKキムジンヒョンの左へのフィードから前線へ運ぶセレッソ、山中のスルーパスに北野が走り込んで抜け出し。
これを止めにいったFC東京・青木がスライディングで北野を倒してしまうと、反則の笛が鳴り。
そして青木の退場を告げる2度目の黄色い紙が突き出され、ピンチ阻止の代償を支払う事となりました。
このタイミングでアンカーを退場で失ったFC東京、試合の行方は未だ判らなくなり。
前半の良好な流れから一転し、窮地に陥ったFC東京。
アルベル氏を新監督に迎えただけでなく、フロントレベルでも筆頭株主がミクシィへと変更されるマスコット総選挙には参加しない等、改革の歩みを進める事となり。
そんな流れで迎えた開幕節、王者・川崎との「多摩川クラシコ」は、再三に渡って圧倒されてきた近年の流れを覆すような試合内容を演じ。
惜敗(0-1)したものの、大胆な変化が実を結ぶ予感を孕ませました。
しかし好事魔多しとはよく言ったもので、ウィルス禍で活動停止という事態に苛まれ。
ようやく4日前のルヴァン杯で実戦に戻ったものの、コンディション面での不安が試合前から懸念されていたこの日。
その通りに前半は優勢・後半は劣勢という流れを歩んでしまう事となりました。
数的不利となった以上、前への歩みは一旦止まるしかない。
それでも再度動き始めるための燃料は欲しいもので、勝ち点3を得る事でそれを果たす、という意識へと変更されたでしょうか。
10人となったFC東京、直後のセレッソのFKからの攻撃は何とか凌ぐと、以下の布陣にシフト。
<後半17分以降のFC東京> 4-4-1
GK スウォヴィク
RSB 渡邊 CB 木本 CB 森重 LSB 小川
RSH アダイウトン DH 東 DH 松木 LSH 永井
FW ディエゴ
セレッソベンチも攻勢を掛けるべく動き、19分に奥埜・北野→鈴木徳真・新井へと交代。
次々と投入される個人昇格組、以降新井の突破力を頼みに左サイドから攻勢を掛けます。
21分その新井が左サイドをドリブルし、カットインで中央まで流れたのちエリア内右へとパス。
中原のクロスがブロックされたこぼれ球を、すかさず反応しシュートまではなった新井。(枠外)
すっかり押し込まれる展開となったFC東京をダブルパンチが襲い。
23分に中盤でディエゴが新井と激突すると、足を痛めて倒れ込む事態となってしまいます。
何とか起き上がるもその後の26分、セレッソのコーナーキックのタイミングで交代の措置が取られ。(三田と交代、同時に渡邊→中村へと交代)
しかもその際に、交代ボードではアダイウトンがOUTという表示となっており、ちょっとした混乱状態に陥ってしまう事となり。
結局退いたのはディエゴで、以降アダイウトンが1トップとなります。
尚、同じタイミングでセレッソも中原→山田へと交代。
その後もセレッソは攻め上がり、ひたすらFC東京陣内でのプレーを敢行し続け。
一旦は右SHに入った山田ですが、その後「清武システム」に従うように、清武が右SHの位置でプレーするようになるとFWへと位置を変え。
32分には新井のドリブルがFC東京・中村に倒され反則となり、直接FKのチャンス。
中央からの絶好の位置で、直接シュートを狙ったのは山中で、グラウンダーのボールがゴール右を襲い。
しかし立ちはだかったのはGKスウォヴィクで、これもファインセーブして同点ならず。
FC東京は何とかセレッソの攻勢を凌ぎ、チャンスがあればカウンター、という体勢。
しかしそれも、アダイウトンの負傷交代(39分・それとも足が攣った? 山下敬大と交代)以降は殆どままならなくなります。
ハーフコートマッチのような状況ながら、同点ゴールへの回答を出せずにいたセレッソ。
44分に再三突破力を見せていた新井に決定機が訪れ、ここでは右サイドで組み立てたセレッソ、スルーパスに走り込んだ鈴木徳からグラウンダーでクロス。
これを中央で清武がスルーすると、その先で待ち構えて脚を振ったのは新井。
しかし激しく響いた音は、ゴール右に置いてあった給水ボトルがボールにぶち当たったもので、枠を捉えられずに終わってしまいました。
7分あったアディショナルタイム、鳥海を前線に上げてターゲットを増やしつつ、ひたすら敵陣での展開を続けながら(一度パスミスでFC東京・山下敬がエリアに迫る場面がありましたが)もゴールに辿り着けないセレッソ。
最後に左CKを得ると、GKキムジンヒョンが前線に上がり。
そして原川のクロスに跳び込むジンヒョンでしたが、合わずに同じGKのスウォヴィクがパンチングで掻き出し。
結局0-1のまま試合終了となり、FC東京が復帰祝い?の勝ち点3を得る事に成功しました。
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