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DAZN観戦 2023年J1リーグ第18節 湘南ベルマーレvsサガン鳥栖

2023-06-28 16:11:11 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

いつの間にか、10戦未勝利で定位置(辛うじて残留)近辺となっているのが湘南。
芯の定まっていないクラブが下位に沈む傾向が強い中、こうして目指すべきスタイルがハッキリしているにも拘らず、結果が全くついて来ない状況をどう解決するべきか。

町野というストライカーが控えてはいるものの、全体得点力自体は良くて中位ぐらい。
そのような状況で、今季は未だクリーンシートが皆無の守備陣を抱えていては、勝ち点3に辿り着くのは困難といった所でしょうか。
データを見ると、得点期待値はリーグ3位・被得点期待値はリーグワースト3位。(この試合も含めたもの)
こちらの数多作る好機はモノに出来ず、逆に危機を多く作った末に耐えられず失点してしまうという傾向が強く。
この日はGKを富居に代え、3バックも特別指定選手の高橋・大ベテランの山本(この日が今季3試合目)を起用と、大幅に弄りテコ入れを図りに来ました。

代表ウィークなためリーグ戦は2週間の空きを経ての開催。
丁度2巡目の始まりという試合で、相手も開幕節と同じ鳥栖。
その際は鳥栖の完成度の低さもあり、5-1の圧勝を演じたものの、今や成績的にチーム力の逆転を懸念せざるを得ない状況。
むしろその試合が重圧となる危惧も高く、再現を果たすと言わんばかりに、その試合でハットトリックを決めた大橋をスタメン起用してきました。

しかし鳥栖のキックオフで始められた試合、鳥栖はいきなりセンターサークルから前進という意表を突く選択肢。
小野が持ち運び左へ展開、菊地のクロスにまで繋げる攻撃で、湘南サイドは色を失った感がありました。
そして立ち直る暇も無い前半2分、鳥栖の攻撃を断ち切るもゲーゲンプレスを受ける湘南、自陣左深めでのミドルパスを原田にカットされるという苦し紛れな絵図。
ここからエリア内へ縦パスが撃ち込まれ、受けた小野が右斜め45度といった場所から狙いすましたシュートを放つと、左サイドネットを揺らします。

早々の先制点で勢いに乗る鳥栖。
ボール奪取からの好機や、中盤でのルーズボールを素早く繋ぐ事で湘南のベクトルの逆を突くように好機を量産。
5分にはこぼれ球を繋いで中央で確保ののち、左サイドを岩崎が突破した末に、カットインからミドルシュートを放つもGK富居がセーブ。

何とか鳥栖の攻勢を防ぎ、反撃体制を築く湘南。
最終ラインからショートパスを繋ぐスタイルは変わらずも、ビハインドならびに最近の不調を跳ね返すには何か劇的な事象が欲しい所。
12分、鳥栖がエリア内へスルーパスを送るも高橋がカットして防ぎ、すかさず掛けられたゲーゲンプレスも左へ流れつつのミドルパスでいなす事に成功。
ここから縦に運び、右へのスルーパスに走り込んだ石原のクロスにまで辿り着く攻撃。(クロスは誰に合わず)
鳥栖の圧力に屈しない組織力を発揮します。
鳥栖のポゼッションに対しても、前線5人の組織立ったプレッシングで、ショートパスでの繋ぎを許さず。

しかし一体感は示せても、それをチーム力で強引に剥がされるようになると弱い。
鳥栖は最終ラインで繋ぐ事でポゼッションを高めても、GK朴のロングフィードを良い形で送るという「疑似カウンター」的なスタイルでそれを果たさんとします。
これに岩崎の突破力も加える事で、手数の掛けない攻めでプレッシャーを与え、湘南の意識をひっくり返しに掛かり。

27分には、原田の飛距離の長いスローインを武器に加え。
ここで原田は低い弾道のボールで右サイド奥を突くという変化を付け。(堀米の手前でクリアされ実らず)
キックオフのシーンといい、突然の変節で相手を揺さぶりに掛かります。

湘南は敵陣でボールポゼッションを高めるも、そうした鳥栖の姿勢を受ける事で腰が引けてしまったでしょうか。
30分、右サイドでのパスワークで隙を窺わんとするも、戻しを選択した結果小野にカットされてカウンターを浴びてしまい。
そしてスルーパスを受けた岩崎が左奥を突いてポケットへパス、受けた堀米のクロスこそ杉岡がブロックするも、こぼれ球が小野の下へ。
今度は先制点の状況とは逆の左ポケットからのシュートで、右ポスト内側を叩いてゴールネットを揺らします。
ボール保持に意識を割いた結果、攻撃権の確保どころか追加点を献上してしまった湘南。

意気消沈の相手を尻目に、鳥栖は尚も得点を重ねるべくの攻勢に入るというある意味至福の時間に。
33分には再び右スローインから、今度はサイドチェンジを経て左で攻め、岩崎が左ポケット奥を突いてマイナスのクロス。
そして中央で手塚が合わせるも、このシュートはGK富居が足でセーブと瀬戸際で防ぎ。
その後もゲーゲンプレスと疑似カウンターという二大武器を如何なく発揮し、反撃の機会を与えずに攻勢のまま時間を進めます。

湘南は糸口を掴めないまま、アディショナルタイムに突入。
そこでGK富居のロングフィードからの攻撃や、右スローインから奥を突いてクロスという具合に、鳥栖がやったような攻めで好機を作り。
コーナーキックを得たもののそこでの得点は無く、結局0-2のまま前半が終わります。

にわかに尻上がりとなった終盤を受け、温存していた?町野を後半頭から投入した山口智監督。(タリクと交代)
その入りの後半1分にも、GK富居ロングフィード→平岡収めてスルーパス→大橋(繋がらず)と、終盤の姿勢を維持する事で反撃体制を作りにかかったでしょうか。

しかしその構築がままならないまま、3分に鳥栖が敵陣でのボールカットからショートカウンター。
長沼がドリブルで右ポケットに進入し、奥に切り込まんとする所を杉岡にスライディングで倒されると、反則の笛が鳴ってPKが与えられます。
流石にボールに届かずモロに長沼の足に入れてしまった絵図とあっては言い訳は利かず、カードの類が出なかっただけ良かったと言うべきシーンか。
キッカーは小野が務め、ゴール左へ強く蹴り込み、GK富居は触れるものの勢いは殺せず。
ゴールネットを揺らして3点目、小野がハットトリック達成と、完全に開幕節のお返しという格好となった鳥栖。

これで攻めるしか無くなった湘南、再びボールポゼッションを高めての攻撃にウェイトを置き。
しかし3点リードの鳥栖もプレッシング意欲は依然として旺盛で、それをかわした際は絶好機が生まれ。
6分に左から畑が斜めの縦パス→町野ポストプレイで中央を経由したのち右へ展開、石原がスルーパスに走り込んで低いクロス。
ニアサイドで走り込む小野瀬には僅かに合わずも、何かが後一つ巧くかみ合えば得点は決して不可能ではない、という流れを得ます。

それを実現するべく10分にベンチが動き、平岡→山田へと交代。
高橋がボランチに回る事で4-4-2へシフトと、フォーメーションも併せて変える事で勝負を賭けにいきます。

そして11分、ポジションが移った高橋のパスカットから素早く前へ運ぶ攻撃で好機。
小野瀬がドリブルで右奥を突いて低いクロスを入れると、今度は中央で大橋がしっかり合わせてシュート。
しかしGK朴にセーブされ、跳ね返りを自ら詰めて追撃しますがこれも朴のキャッチに阻まれてゴールはなりません。
鳥栖ディフェンスの寄せもあり、ダイレクトシュートではどうしてもコースを突く余裕が無くなるのが災いした格好で、それは今後も付き纏う事となり。

逆に直後の12分、鳥栖はクリアボールを巧く繋いで再び小野の下に絶好機。
左ポケットからのカットインで、中央からシュートしますが石原がブロックで何とか防ぎ。
尚この流れの中で原田が頭部へのダメージで蹲ってしまい(原因は不明)、脳震盪による交代措置が採られます。(樺山を投入、長沼が右サイドバックに回る)

良い流れを切られた格好となった湘南、その後自陣でのパスミスを連発してしまい再び迷走気味となり。
そうなると隙を突かれるのは当然で、18分の鳥栖は最終ラインから繋ぐ攻撃で、右→左へのサイドチェンジが決まったのちに岩崎が左ポケットを突くというお馴染みの流れ。
そして追い越した菊地へのスルーパスを選択し、その菊地からのマイナスのクロスを綺麗に堀米が合わせて仕上げます。
止めというべき4点目が入りましたが、これだけでは終わらなかったのがこの日。(キックオフ前に菊地→楢原へと交代、長沼が左SBへ回る)

このまま惨敗となるのは避けたい湘南。
21分に再び交代敢行するベンチ、奥野・山本→阿部・舘へと2枚替え。
これで高橋の1ボランチとなり、阿部がトップ下に回る事で4-1-3-2というレアなスタイルに。

そして22分、町野の右からの斜めの縦パスをポケットで受けた大橋、ポストプレイを経て後方から石原がシュート。
しかしこれもGK朴のセーブに阻まれ、すっかり朴の厚い壁に呑まれるという展開が出来上がった感があり。
最終ライン裏を突くスルーパスも、前に出る朴によってクリアされるなど無効化される事が増えていきます。
(25分に鳥栖は小野→富樫へと交代)

26分に再びシュートチャンスが訪れ、またも町野のラストパスが(中央から)右ポケットに入り、今度は大橋が走り込んでシュート。
GK朴がセーブとこれも防がれると、苛立ちを隠せない状況にピッチ外ではたまらず山田が大橋に対して小突くシーンが描かれる事態に。
議論をかもす一幕が生まれた事で、運気は地に落ちたようでありました。
その山田も、続く27分に石原クロス→町野ヘディングシュートが例によってGK朴のセーブに阻まれたのち、こぼれ球を追撃しましたが枠を捉えられず。
乱れる組織力という絵図で、こうなると頼みの綱は個の力と言わんばかりに、30分に縦パスを受けた町野がドリブルで左ポケットを突いてシュート。
しかしこれもGK朴に防がれ、どうしても得点に辿り着けません。

鳥栖サイドも、度々作られる決定機に意識は徐々に尻込みしていたでしょうか。
27分にスローインの際に楢原が、29分にはフリーキックの際に堀米が遅延行為を取られ、いずれも警告を貰ってしまう等良くない流れが生まれかけ。

湘南がシュートを撃ちまくるも決められない、そんな流れが続いた末に38分に鳥栖ベンチが動き。
3枚替えを敢行し、長沼・手塚・堀米→田代・藤田・藤原へと交代。
これで田代が中央に入る3バックへとシフトし、3-4-2-1つまり5バックシステムに。

これ以降プレッシングの意欲は薄まったものの、ボール保持の色は濃くなる鳥栖サイド。
敵陣でのパスワークを続けて相手の攻撃意欲を削ぎながら、生まれる隙を確実に突くスタイルを採ります。
そして41分、左サイドからのスローインで、投げ込まれたボールを樺山が入れ替わりで右ポケット奥を取ってそのまま浮き球でマイナスのクロス。
これを中央で藤原が合わせシュートと、4点目同様に「マイナスのクロスを合わせてのゴールは綺麗な流れ」という事を改めて実感する得点が生まれました。

守備のテコ入れどころか、今季最多失点を更新する事になってしまった湘南。
それでもホームの舞台で諦めは許されず、少ない残り時間のなか攻勢を続けます。
43分にはCKからの二次攻撃で、右から小野瀬がカットインシュートを放つも河原のブロックに阻まれ。
続く44分は左から阿部がクロス、山田の胸での落としを経て町野がシュートするもGK朴がキャッチ。
様々な手で放たれるシュートも、徹底的に防がれてしまいます。

ATへ突入し、最早鳥栖はGK朴からの繋ぎで、時間を経過させる立ち回りへと入り
それを阻みにハイプレスを掛ける湘南ですが、それを待ってましたとばかりにファンソッコの裏へのロングパスで一気にひっくり返し。
受けた富樫が舘を置き去りにする切り返しで右ポケットへ進入、そしてクロスを送った先に走り込んでいたのは樺山。
しっかりとゴールネットを揺らし、文字通り終焉を告げる6点目を交代選手の働きで生み出しました。

こうなると湘南は体力も気力も無いといった格好で、一度も攻撃機会を作り出せず。
鳥栖のボールキープが続く中、試合終了を告げる笛が吹かれます。
0-6の大惨敗に、順位的にも暫定ではありますが最下位に転落してしまった湘南。
一生逃れられない残留争いの呪縛といった格好ですが、断ち切る術はあるのか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第17節 ガンバ大阪vsFC東京

2023-06-16 18:10:58 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

理想と現実の狭間でもがき苦しむなか、必死に最適解を探し続けてきたガンバのダニエル・ポヤトス監督。
ディフェンスリーダーの三浦をレギュラー落ちさせたり、正GKを東口へ戻したりと、様々な微調整の果てにようやく泥沼脱出の兆しが見えつつあり。
2連勝で迎えた前半戦最後の試合、ここでとうとうキャプテンの宇佐美がベンチ外になるなど、開幕前の理想との乖離は極限レベルに達したようで。

この日のキャプテンマークは、15節(新潟戦、3-1)からスタメンに復帰した山本悠が付ける事となりました。
彼をはじめ、倉田・佐藤瑶が序列を上げてスタメンに名を連ねる、前回とは違ったメンバー編成に。

相手はFC東京で、こちらも欧州スタイルの構築に時間を費やすも結果が出ずという共通している相手。
おまけに前節(マリノス戦、2-3)退場となった松木が出場停止と、故障者続出にこうした要素も加わっては、ガンバとは違い最適解の選択もままならず。

アルベル・プッチ・オルトネダ監督自慢のボール保持が浸透できないなか、ハイプレスに活路を見出しているという現在のFC東京。
しかしこの日は、夏が見えて来た気候の要素の影響か普段よりも弱く見え。
おかげでこれまで流動性に欠ける印象が拭えなかったガンバのビルドアップも、目立った遮断を受ける事無く攻撃機会を確保していきます。

それによりアンカーのラヴィも存在感を際立たせ。
パスコースを切られては、ボールに触れる事無く時間が経過していくという以前観た際の流れとは一変し、パスを受けてはボールキープ・展開力を見せて攻撃を流動化させていきます。
プレーの流れの動作が非常にスムーズで、特に浮き球の(足での)トラップの際に顕著に現れ、ボールの置き所かつ一歩目の置きが素晴らしく。
相手にとっては「絶妙に取れない位置にボールが置かれるので、釣り出されるか動かないかの二択を強いられる」感じであり、これがトップレベルの技かと痛感させられました。

そんなラヴィのプレーと、ジェバリの前線でのポストワークを軸にして攻め上がるガンバ。
それを受ける体勢となったFC東京にアクシデントが発生し、13分のガンバの攻撃、最終ラインから右へ出されたのちアラーノがハーフレーンへのカットインから右ポケットへスルーパス。
走り込んで受けたジェバリが中央へ横パスを送り、ダワンへと渡るこのパスを青木が足を延ばして何とか遮断。
防いだFC東京でしたが、無理目の体勢でのカットとなった代償は凄まじく、足を痛めてしまい動けなくなる青木。
一旦ピッチ外→復帰でプレー続行を試みた青木でしたが、16分に再度倒れ込み交代の運命は避けられずとなりました。
同ポジションに東慶悟を投入と、早くも誤算を強いられたアルベル監督。

この青木の離脱直前の15分にガンバが決定機を迎えた(アラーノのラストパスを山本悠がシュート、GKスウォヴィクが足でセーブ)事もあり、劣勢のイメージが拭えずとなったFC東京。
何とか負の感情を振り払うべく、前回観た通りに渡邊が逆サイドに張り出してパスの引き出しを担うスタイルで攻め上がり。

しかし青木同様、その運命を変える事は出来なかったのか。
24分にコーナーキックを得たFC東京でしたが、クロスの跳ね返りを拾った仲川がボールキープし二次攻撃を掛けんとするも、コントロールを誤った末に半田に奪われカウンターを招いてしまいます。
ジェバリがドリブルで持ち運んでエリア内へとスルーパス、走り込んだアラーノがフィニッシュするも、放たれたシュートはまたもGKスウォヴィクがセーブ。
何とか凋落の流れを止めんとした守護神でしたが、続くガンバの右CK。
キッカー山本悠ファーにクロス→佐藤瑶折り返しを経て、ジェバリの足下に収まった末にシュートがゴールネットを揺らします。
近況の上昇機運が示す通りに、リードを奪ったガンバ。

反撃体制にかかるFC東京ですが、アンカーの東慶が最終ラインに降りてのビルドアップをしたがるという、ガンバのスタイルとは真逆の組み立て。
アンカーはアンカーの位置を保つという欧州スタイルの構築での敗北、といった姿勢を露骨に表してしまいます。
するとガンバは29分、ラヴィが敵陣でパスカットから持ち運ぶショートカウンター、左ポケットでパスを受けた倉田がグラウンダーでクロス。
これをジェバリがフリック(ないしはシュートにいって合わず?)するも繋がらずと、依然として鋭い攻めを見せる流れを維持。
そして直後の右スローインから、ダワンが手前から素早くクロスを送ると、ジェバリがヘディングシュートを放ってゴールへと突き刺します。
流れの中での攻撃で押し込んだ末に、セットプレーでGKスウォヴィクの牙城を破るというパターンで、2点を挙げ。

その後ガンバも34分にダワンが足を痛めるというアクシデントに見舞われますが、続行は可能なようでピッチ外→復帰となったダワン。
以降も流動的な攻撃を続け、FC東京はプレスを嵌められず守勢を強いられるという具合に、優劣はこの前半のみで完全についてしまう形に。

2得点を挙げたジェバリは尚も得点を重ねんと前線で躍動し。
自身でのフィニッシュのみならず、サイドに開いてのクロス然り、ポケットに切り込んで際どいクロス然りとチャンスクリエイトにも貢献していきます。
そして44分彼の下にまたも決定機が訪れ、倉田・黒川と協力して左サイドを前進し、奥からマイナスのカットインを仕掛けるジェバリ。
そしてハーフレーンから切り返してポケットに進入と技を見せ付け、シュートにいくも東慶のブロックに防がれますが、エリア内にこぼれたボールは木本のミスもあり再度ジェバリの下へ。
そしてゴールエリアに入り込んでのシュートが放たれますが、これも小泉が際どくブロックと、寸での所で凌いだFC東京。

一向に反撃の機運が高まらないFC東京、アディショナルタイムにディエゴの収めから仲川のドリブルで切り込み、黒川の反則・警告を誘発させたのがまだしもの事であり。
この右サイドのフリーキックから、キッカー徳元クロス→東慶ヘディングシュートと一矢を放つもGK東口がキャッチし、結局2-0のまま前半終了となりました。

窮地のFC東京、既に戦力温存する余裕は無く、ハーフタイムでアダイウトンを投入します。
長友と交代し、空いた右サイドバックには小泉が回り、渡邊がインサイドハーフとダルマ式にシフトしていきアダイウトンは左ウイングに。

そのアダイウトンと、ディエゴのパワーを最大限に生かす事で反撃体制を取り。
後半2分、右サイドでの前進からアタッキングサードで細かくパスワーク、渡邊のクロスがファーへ流れた所をアダイウトンが拾ってシュート。
ブロックされるも拾って繋ぐディエゴ、左からの徳元のクロスで自らヘディングシュートに持っていく(GK東口キャッチ)など、その姿勢をいきなり見せ付けます。

しかし無理矢理というような流れは切られるのも早く。
攻勢を掛けるもフィニッシュは放てず、8分にアダイウトンが遠目からシュートを狙う(ブロック)という苦しさを表し。
そして10分にラヴィの敵陣でのパスカットから攻撃するガンバ、その姿は同時にFC東京の一筋の希望をも遮断したようでありました。
敵陣でサッカーを展開していくガンバ(その中で倉田へアフターチャージしてしまった東慶がアドバンテージの果てに警告)、12分にはまたもワイドで受けたジェバリが、マイナスのカットインを経てシュート。(GKスウォヴィクキャッチ)

迎えた15分、自陣で拾ったラヴィの左→右へのサイドチェンジが遮断に入られ乱れ。
しかしスペースに転がったボールに半田が追い付いて繋ぎ、アラーノがそのままドリブルで右ポケットを取り中央へ横パス。
合わせにいった山本悠がディフェンスに遭いこぼれるも、後方から走り込んで拾った半田がシュートを決め、3点目を挙げたガンバ。
ポヤトス氏の試行錯誤の末に攻撃的な位置でも起用されていた今季の半田、ようやく歓喜のJ1初ゴールへと辿り着きました。

好循環が止まらないガンバとは対照的に、最早死に体というようなFC東京。
諦めずに攻め続けるも、攻撃が途切れるとガンバの反撃に晒されるという流れを変える事は出来ず。
18分には自陣でボール奪取したアラーノ、そのままロングシュートを狙い枠へと飛ばしたものの、GKスウォヴィクの戻りが間に合って何とかキャッチ。
ようやくFC東京が決定機に辿り着いたのが21分で、敵陣中央で渡邊がボール奪取し、その渡邊がスルーパスに走り込んでエリア内を突かんとするショートカウンター。
これは遮断されるも尚も細かく繋ぎ、徳元が左ポケット奥を突いてグラウンダーでクロスを入れ、ディエゴが合わせシュート。
しかし右へと逸れてしまい、僅かに枠の外となり決められず。

この直後に、前半足を痛めていたダワンが再度倒れ込み続行不可能に。
交代の準備を取るガンバベンチを尻目に、先にFC東京が動いて仲川・安部→俵積田・塚川へと2枚替え。
その後ガンバもダワン・倉田に代えて石毛・福田を投入しました。

投入された福田湧矢は、目下ブレイク中であるJ3・福田翔生の兄。
弟の大活躍に釣られるように、投入直後から果敢にゴールを狙います。
26分、右サイドを推進したアラーノがクロスを送り、ファーサイドでジェバリの折り返しにスライディングで合わせた福田。
しかしGKスウォヴィクのファインセーブに阻まれ、尚も続くCKからヘディングシュートと、2分足らずで2本シュートを放ちましたが決められず。

この福田に乗せられ、ガンバの攻勢はさらに高まり。
次々とエリア内を抉っていき、FC東京は反撃すらままならない状態へと追い込まれます。
32分のガンバのCKからは、大幅リードされているはずのFC東京がカウンターに持ち込むという逆転現象が起き。
このカウンターでディエゴがアラーノに反則を受けた事で左サイドからのFKを得たFC東京、キッカー徳元のファーサイドへのクロスを木本がヘディングシュート。
ワンバウンドでGK東口を抜いたものの、ゴールライン直前でジェバリがブロックして防がれてしまいます。
攻守でゴールに直結する仕事をしたジェバリ、これで2得点+1失点阻止と、変則的なハットトリックというような図式となりました。

盤石というべきガンバの試合運びですが、それを遮断しにかかったのがアクシデントという要素。
35分に佐藤瑶が接触で肩を痛めてしまい、一度はプレーを続けたもののすぐさま続行不能となり。
それと同時に木本と黒川の頭部同士の激突もあり(両者ともに無事)、終盤が近くなった事で故障というファクターに逆らえない流れとなってしまったでしょうか。
佐藤瑶の代わりに三浦が投入され、福岡と左右を入れ替え。(同時にアラーノ→食野へと交代)
無事に起き上がった木本も、のちに(脳震盪による)交代の措置が採られます。(エンリケ・トレヴィザンを投入)

しかし尚も波は止まらず、アダイウトンまでが足を痛めて交代となってしまったFC東京。
チームメイトに抱えられてピッチ外に出されるその姿は何とも痛々しく。
ペロッチが投入されましたが、前半の青木と合わせてこの日は被害甚大となってしまい。
ただでさえ中村帆高・バングーナガンデ佳史扶と離脱者が多い状況で、今後の不安をも強まる一日となり。

結局ATに、徳元のクロスからヘディングシュートを放った塚川がゴールネットを揺らし、1点を返したFC東京でしたが反撃はこれだけ。
3-1でガンバが勝利に辿り着き、「欧州スタイル構築による迷走からの脱却」というコンセプトマッチを制しました。

追い付かない程度の反撃は見せたFC東京でしたが、故障者続出で試合終盤はそれどころでは無いといった感じでもあり。
それはフロントレベルでも同様だったようで、アルベル監督の退任が発表される事態にまで繋がってしまいました。
決定となったのは試合から2日後の火曜のようで、フロント(小原光城GM)も「現有戦力でボール保持のスタイルを……」という旨のコメントを残している辺り、強化部を巡っての対立も窺わせる監督交代劇。
序盤のガンバの迷走と入れ替わるようなその試合内容ならびに事後処理であり、外野からはその選択に幸多かれ……という事を祈るばかりです。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第16節 サンフレッチェ広島vs京都サンガFC

2023-06-07 18:26:55 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

  • 京都・イヨハ理ヘンリーは、広島からのレンタル選手なため出場不可。

満田を悪質タックルによる故障で失って以降、4戦3敗(1勝)と退潮著しい感じである広島。
その他塩谷やピエロス・ソティリウなども故障中と、負傷というファクターに対して敏感にならざるを得ない状況で、上位を目指すためにこれ以上離脱者が膨らむのは避けたい所であり。

相手の京都は大連敗の真っ只中(5連敗)で、最近上がっている残留争いのラインに飲み込まれている最中。
あまりの不振ぶりを受けてか、試合前インタビューに応える曹貴裁(チョウキジェ)監督も、その顔のどす黒さに拍車が掛かっているように見えたのが気になりました。
こうした、連敗脱出のために「とにかく我武者羅に挑む」という思考に陥り易いチームを相手にする状況。
必然的に前述した故障の危惧が高まり易いなか、広島が勝ち点3に向けてどう戦っていくか注目される一戦。

開始して間もない前半1分、ビルドアップの最中でボールを持った佐々木に対して豊川が激しくプレッシャーにいくも、それをフェイントで剥がした末に持ち運ぶ佐々木。(その後川村が左からクロスもクリアされる)
我武者羅な相手を華麗にいなすといったシーンを演出すると、広島がペースを掴む事に成功します。

そして色を失った京都は、躍起になってしまったのかその後反則を量産。
アフターチャージ・バックチャージの頻発に、何処かで警告を突き付けられても可笑しくない展開でしたが、幸運にも主審(西村雄一氏)からカードは出ず。
それでも良い位置でのフリーキックに脅かされる危機は避けられず、7分には中央やや右という位置から、川村が低い弾道で直接狙ったもののGK太田がキャッチ。
12分にもほぼ同じ位置で、再び川村が直接シュートを放ちましたがこれは左上へと大きく外れ。

開始15分で4度も直接シュート・クロスに繋がるFKを与えた京都。
そんな流れを変えたのもやはり反則というファクターで、16分にGK太田のロングフィードを前に出てカットした住吉。
そのままドリブルで上がったものの、戻った松田のディフェンスに対しチャージして反則。
これで広島の流れを切る事に成功したでしょうか。
17分には逆に一美のドリブルが茶島に倒されてFKとなり、左ハーフレーン・エリアからかなり手前という位置からキッカー平戸はクロスを選択。
跳ね返りを松田がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、こちらもFKからフィニッシュを放ちます。

激しい京都のプレッシングを剥がすため、ロングボールを配給する割合が必然的に増えていったこの日の広島。
技術面・個人能力では上回りを見せているものの、(浦和と共に)唯一連戦の真っ只中という要素もあり、京都の圧力を受けた結果失速気味に陥ります。

一転して攻勢に入る京都ですが、その主体的な攻撃は、白井を前面に押し出しての右サイドアタック一辺倒。
左サイドバックが、本職がセンターバックの麻田という布陣も影響したでしょうか。
27分には相手のクリアボールを川﨑が落とし、拾った白井が野津田のスライディングを受けるも強引に剥がして前進。
そしてカットインで右ポケットを突き、シュート気味にクロスを送る(クリア)という具合。
もっぱら白井の推進力と、広島のクリアを拾ってからの攻撃に活路を見出していた感があり、技術力・組織力で劣るチーム故の限界も感じさせるようでした。

ともかく、コンディション面で有利な立場にある京都がゴールを目指す流れへ突入した試合展開。
33分には再び広島のクリアを川﨑が拾い、今度は中央から攻めて福岡がミドルシュートを放ったもののゴール左へと外れ。
その後は左サイドからの攻撃も、スローインの連続での漸進などで不器用ながらも巧くいくようになり。
37分からコーナーキック攻勢に入り、グラウンダーでのクロスや、キッカーを平戸・松田と使い分けるなど変化を付けて揺さぶり。
4本目の右CKで、キッカー平戸のクロスが裏を掻く事に成功し、やや遠目という位置でフリーの川﨑がヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
精一杯の努力をゴールに向けて行ったものの、先制はなりませんでした。

一方の広島は時折ゴールまで迫る攻めを見せるも、立ち上がりの好循環はすっかり消え去り、連戦故の疲労感も滲み出してしまう展開を強いられ。
45分にはあろう事か、バックパスが強くなってしまいトラップミスを拾われショートカウンターを受ける事態に。
豊川のエリア内へのスルーパスを何とか遮断して防いだものの、このままでは目も当てられない内容となる危惧を孕ませながら前半を終える事となりました。

スコアレスの維持には成功した広島、ハーフタイムで当然ながら動きを見せ。
柏・松本泰→東・エゼキエウへと2枚替えし、川村をボランチにシフトさせるやり繰りを敢行します。

かくして体力面の不安をカバーして後半に臨んだ広島。
その立ち上がりはまだ不安を隠せず、後半2分京都の自陣からのFKで、井上左へロビング→麻田折り返しでエリア内へ入ったボールをクリアしきれずに混戦を招き。(豊川が拾うもシュートは撃てず)
しかし直ぐに持ち直し、自陣でのパスカットを起点として素早く敵陣へ運び、押し込んだうえでボールを繋ぐ攻めでペースを奪います。

再びの劣勢に、京都は反則で止めざるを得ない状況が再び顔を出し。
後半7分にはヴィエイラのポストプレイを受けにいった森島を平戸が倒してしまうも、野津田に拾われて継続し東のクロスにまで繋がり。(シュートは撃てず)
12分にも東の左サイドでのドリブルに対し豊川が倒してしまい、すかさず起き上がり拾った東に対し、さらに福岡が腕でチャージして反則。
こうしたシーンに対してもカードは出ずに終わり、逆に広島が19分に佐々木の一美へのバックチャージが反則・警告の対象となった(この判定自体は妥当)ため、不満が齎されるのは広島サイドの方だったでしょうが冷静さは失わず。(結局この日の警告はこの場面の1度のみ)

それでも13分の京都の左CKでは、キッカー平戸ファーにクロス→麻田折り返しと先程と酷似した流れとなると、GK大迫が跳び出してキャッチするも荒木隼と交錯しこぼしてしまい。
すかさず反応したのは福岡でしたが、シュートはジャストミート出来ずに佐々木のクリアが間に合って惜しくもゴールならず。

冷や汗を掻いた広島並びにGK大迫でしたが、その後すぐの14分にその大迫からの攻撃。
左サイドへフィードを送ると、入れ替わって前を向いた森島、追走できずに転倒してしまったアピアタウィアを尻目にドリブルで疾走。
そしてポケット奥を突いてグラウンダーでクロスを入れると、ニアサイドでエゼキエウが合わせシュート。
GK太田がセーブと京都が何とか防いだかに見えたその刹那、ポストに当たった跳ね返りを詰めたのは茶島。
放たれた強烈なシュートに成す術無く、ゴールネットを揺らして先制点に辿り着きます。

必死の戻りも空しく、リードを奪われてしまった京都。
16分に中央をアバウトに繋いでいき松田がシュート(ブロック)と反撃の狼煙を上げに掛かり。
そして前述の佐々木への警告の直後に3枚替えを敢行、温存していたパトリックを投入します。(一美と交代、同時に松田・福岡→山田・谷内田へと交代)

圧力を強めにいったものの、21分に再びGK大迫からの攻撃でそれをかわす広島。
左サイドを佐々木縦パス→野津田ポストプレイ→佐々木ダイレクトで縦パス→東サイドチェンジと、ディフェンスを二重三重に揺さぶりながら前進していき、茶島がクロス。
これが手前からの低いクロスでファーサイドを突くも、川村の手前でクリアして何とか凌ぐ京都。
前掛かりになる隙を突かれるという危惧も抱える事となり。

それでも、24分にそれをスキップする攻撃でモノにします。
GK太田ロングフィード→パトリックフリックという単純明快な基点から、左サイドで拾った豊川が浮き球を巧みにコントロールして前進していき、左ポケットへ進入。
そして対峙する荒木隼を剥がしてシュートを放ち、ゴールネットに突き刺します。
手数の少なさと浮き球の時間の長さ故に、力業というイメージが強いものの、ともかく同点に追い付いた京都。

しかし安堵する時間はあまりに短かった。
25分の広島の攻撃、川村のスルーパスを前に出た白井がカット出来ず、東に左奥まで運ばれ押し込まれ。
そこからのスローインで、パスを回して生まれた隙を突くように野津田の低く速いクロスがファーサイドへ流れると、またも茶島のシュートがゴールネットを揺らします。
再びの勝ち越し点に喜ぶ広島サイドを尻目に、京都は東のトラップの際のハンドを必死にアピールしたものの、VARチェックすら入らず仕舞いとなり。
むしろ東の手に当たった瞬間のセルフジャッジが、隙を突かれる一因となってしまったのは何ともお粗末という場面でした。

連敗脱出のために、またも攻めなければならなくなった京都。
同点ゴールのシーンのように、パトリック狙いのロングボールを中心に何とかペースを掴まんとします。
一方の広島は30分に左サイドで裏を突き、走り込んだヴィエイラがダイレクトで右足アウトサイドでのクロス。
このこぼれ球を川村がボレーで合わせ、叩き付けて放たれたシュートはバウンドしてゴール上へ外れと惜しい好機。
一連の技の流れで、大分余裕が生まれてきたという印象を残し。
直後に2ゴールを挙げた茶島がお役御免となります。(中野就斗と交代)

一方そんな余裕も無い京都、33分に豊川→木村へと交代。
その後36分にこぼれ球を拾いにいった麻田が足を攣らせて倒れ込むも、彼に対しカードを切る余裕も作れないベンチ。
何とか反撃体制を整え、38分にはロングパスを合わせにいったパトリックが荒木隼にチャージされ反則。
得たFKからの二次攻撃で、右サイド奥を取った白井がカットイン、ポケットを突いての戻しから平戸のシュートが放たれ。
しかしGK大迫のファインセーブに阻まれ、決定機をモノに出来ず終わります。

その後もロングボール攻勢と、白井を中心とした右サイドでの推進で同点を目指す京都。
しかし41分に最後の交代を敢行したベンチ、下げたのはアピアタウィアで、荒木大吾を投入して左SBへ。
これにより麻田がCBに回ったものの、どう見ても足が攣っていた麻田を下げた方が良いのでは……という疑問が拭えない曹監督の采配。

逆に広島は43分に野津田→山﨑大地へ交代したのち、ヴィエイラが足を攣らせるという事態に襲われましたが、しっかりカードを残しておりそれに対処。
ナッシム・ベン・カリファを投入し、破綻を防ぎます。

そして突入した、両サイド疲労の色が濃くなるアディショナルタイム。
こうなると体力的に不利だった広島サイドもその不安が無くなり、迎えた3分台に自陣中央で拾った川村がドリブルで推進を開始。
京都は既にこれを止められる手段は無く、唯一コースに入れたのが足に不安を抱える麻田という点で勝負あり。
カリファとのスイッチも疑わせた末にそのまま中央を突き進み、悠々GKと一対一に持ち込んで太田の左へとシュート。
ゴールネットを揺らし、道中のカリファの動きでオフサイドかどうかの確認が挟まりましたが、OFRに持ち込まれるもゴールが認められ。
スコア的にも精神的にも、文字通り止めを刺す3点目となりました。

VARチェックによりATの時間が長くなったものの、その後特に見せ場を作る事は無かった京都。
広島が悠々と敵陣でパスを繋ぎ、時間を使われた末に試合終了の時を迎える事となりました。

守備の崩壊に采配ミスも絡んでは、ダメージは計り知れないという京都の敗戦。
試合後には異例のミーティングが行われたようですが、過去の事件もありこの上からの圧力と取られても仕方が無い曹氏の手法も、一層事態の深刻さに拍車を掛けるようであり。
冒頭で述べた曹氏の様相も焦燥を深めている風でもあり、危険水域という状態でしょうが、巻き返す事が出来るかどうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第14節 柏レイソルvsヴィッセル神戸

2023-05-22 16:00:21 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

下位から抜け出す気配が全く見られない柏。
ガンバ・横浜FCとともに、1枠の降格枠を巡って血みどろの争いを繰り広げる気配がありありの今季。
そして前節その横浜FCとの直接対決で敗戦(0-1)、というタイミングでついに監督交代が行われる事となりました。
今季5年目・2期併せて11年目というネルシーニョ氏の監督生活に幕が下りる事となり。といっても3度目の就任の可能性は否定できず
その輝かしい成績はもはや生ける伝説と言うべきですが、やはり伝説化しているという側面は拭えず。
年々発展していく戦術面への遅れに抗えず、といった格好だったでしょうか。

今後の柏はその後を継ぐ人材にかかっているという状況で、新監督に就任したのは、11年ともネルシーニョ氏の腹心的存在を務めていた井原正巳氏。
コーチから昇格と2018年の加藤望氏による悪夢の降格がチラつくような人事ですが、幸いにもその時期に(福岡で)監督経験を持っている井原氏であり、二の足を踏む不安はあの時よりは少ないといえるでしょうか。
何しろシーズンの真っ只中で、ここで外部から人材を呼んで全く新たなサッカーを構築する訳にはいかず。
ネルシーニョ氏の今季の悪戦苦闘を側で見ていた人物による、微調整は果たしてどんなものか。

シュート21本を放って得点ゼロ、という悪夢のような前節から、スタメン変更は1人のみ。
トレイスボランチともいえるようなメンバー選択(高嶺・椎橋・戸嶋)から一転し、9試合ぶりのスタメンとなった山田を右サイドハーフに置くという微調整。

メンバー的にはそのぐらいの変化ですが、行われたサッカーは試合後の神戸・吉田孝行監督の「やり方が少し変わっていた」という談の通り。
マイボールの際は最終ラインが3バック気味へと可変し、川口が高い位置を取る右肩上がりの布陣に。
そして両ワイドを意識した位置取りで、右に川口・左に小屋松を配置して幅広く攻める、というやり口だったでしょうか。

神戸はその真新しさと、監督交代によるリフレッシュ効果も感じるプレッシャーの速さに苦しむ事に。
前半3分に左奥からの小屋松のカットインでコーナーキックに持ち込まれると、その二次攻撃で、戸嶋ミドルパス→細谷胸で落とし→山田エリア内へロブという流れで決定機が生まれかかり。(細谷がシュートにいくもジャストミート出来ず)
首位と残留争い組という対決は前回観た際と同様(横浜FC戦・3-0)ですが、苦戦の匂いは今回の方が圧倒的に上という感じでした。

そんな神戸の最初の攻撃機会は8分で、右に開いた山川の斜めの縦パスが撃ち込まれると、大迫の中央突破を経て佐々木大がミドルシュート。
これがゴールバーを直撃し、さらに拾った武藤嘉がDFをかわしてシュートするもゴール左へと外れ。
ゲームを支配される中、前線のクオリティの一発で仕留めるという戦いで対抗姿勢を取り。
柏サイドと同じく、神戸も右サイドバックを前に押し出す右肩上がりの布陣。
それは相手が同じ体制のためなし崩し的に合わせる、といった感じなのかは不明ですが。(雑感的には、J2の仙台vs山形のような印象)

様々な位置でパスを受けるサヴィオが攻撃の中心役を担う柏。
それに小屋松の突破力や山田の急所を突くパスを絡め、攻撃権を支配していきます。

しかし好事魔多しという状況を作ってしまうのは、上がらないチーム成績の性か。
24分ロングフィードの跳ね返りを佐々木大が拾って神戸の攻撃、左サイド奥へスルーパスを送って深さを取った末に、汰木のクロスが上がり。
すると中央で跳んだ大迫の頭を越えると、大迫に2人が付いた事でその奥でフリーの武藤嘉が受ける事態となり、慌てて対処しようとした柏ディフェンスを嘲笑うかのように横パス→大迫シュート。
あっさりとゴールネットが揺れ、試合展開とは反して神戸が先制に成功しました。

リードを奪われた柏、一層前掛かりとなりインテンシティを高めるサッカーを展開し、激しいアタックで神戸の攻撃を封じ込め。
何度かカウンターに持ち込み、右サイドから川口がクロスを入れる展開に持ち込むものの、この日の本筋はやはりボール保持による攻撃。
36分にゴールキックから短く繋いでいき、左サイドでの前進からスルーパスを受けたサヴィオがエリア手前でサイドチェンジ。
そして再び川口がクロスを入れる展開を作り、跳ね返りを拾って今度は中央からパスワークでエリア内を突くも、こぼれ球を詰めにいった山田は空振りしてシュートは撃てず。
左右を使った末に中央から攻撃と、やりたい攻めは一通り行えていた柏ですが、前節同様ゴールが遠く。
CKも(上記以降)3本得るなど押し込みますが、無得点のまま前半を終えました。

共に交代無く始まった後半。
キックオフから攻め立てる柏、最初の攻撃は途切れるも戸嶋が奪い返して継続し、左へ展開の後小屋松のスルーパスでそのまま左ポケットを突く戸嶋。
入れられたマイナスのクロスがサヴィオに入るも、神戸サイドの寄せも早くトラップ後をクリアされて撃てず。

ハーフタイムを挟んでも流れはそのままといった後半ですが、それに拍車をかけたのがハプニングにも近い試合絵図。
後半4分最後方から作り直さんとする柏に対し、チェイスした佐々木がスリップして倒れた所、その腕に引っ掛かった立田が倒されて反則。
ボールと無関係な所で起こったこの珍妙なシーンが切欠となったでしょうか。
7分には神戸の攻撃、裏を突いた大迫が走り込むもGK松本が前に出てクリアしましたが、このボールが追い風に乗って一気に神戸エリア内へ。
ワンバウンドしてゴールに向かうも、GK前川が何とか抑え。
その後に柏・高嶺が足を痛めるというアクシデントも絡む(治療が入るも何とか起き上がりピッチ外→復帰)など、神戸にとってはリズムを掴み辛い展開を強いられます。

最初の交代は12分で、柏が動き山田→フロートに交代。
フロートが最前線を務める事により、細谷が空いた右SHへ回ります。
初手でかなり踏み込む手を取ったという感じの井原監督。

その後神戸がCKに持ち込むと、凌いだ柏が素早く前に運ぶも、中盤で遮断した神戸がさらにベクトルを反転させ。
言わばカウンターのカウンターというレアなシーンとなり、左サイドでフリーで受けた佐々木大がカットインで左ポケットを突く攻撃。(シュートまではいけず)

気を取り直し攻める柏。
17分に戸嶋のボール奪取から右サイドへ展開して前進、フロートが溜めを作ったのちのパスワークを経て高嶺がサイドチェンジ。
受けた小屋松が奥を取ってクロスと、理想的なサイドチェンジを絡めての攻撃を展開。
クリアボールを拾った戸嶋がエリア内からシュートしますが、ゴール前で山川がブロックして防ぎ同点ならず。
その後のCKでは、サインプレーを選択するも戸嶋がシュートを空振りしてしまい実らずと、未だハプニング性は顕在といった絵図を作ってしまいます。

しかし試合を動かしたのはそのハプニング性だったでしょうか。
21分神戸のポゼッションというシーンで、バックパスを受けた本多はGKへの戻しを選択。
しかし細谷のプレッシャーを見て意識を後ろへとやってしまったのか、強く放たれたパスは前に出ていたGK前川の後方へと大きくズレてしまい、それがゴールへと向かう事に。
この突然のミスに神戸はどうする事も出来ず、オウンゴールという形で同点となります。

偶発的といえど同点ゴールに意気上がる柏、直後の22分に片山のロングパスで裏を取ったフロート、エリア内から決定的なシュートを放ちましたがこれはオフサイドで無効に。(シュートはGK前川がファインセーブ)

流れを変えたい神戸は25分にベンチが動き、佐々木大→ジェアン・パトリッキへと交代。
これで大迫・武藤嘉の2トップとし、パトリッキが右SHを務める4-4-2へとシフトします。
直後の26分、素早くパスワークで前進の末に、武藤嘉の右からのカットインに対して戸嶋が倒してしまい反則・警告。
柏サイドが出方に付いていけないうちに勝ち越したかった所ですが、これで得た(中央やや右寄りでの)フリーキック、キッカー初瀬は撃たずに放り込みを選択。(直後に柏は戸嶋・サヴィオ→椎橋・武藤雄へと2枚替え)
多少遠目からだったものの、やや消極的に映ってしまった神戸、結局後半はシュートゼロという数字に終わりました。
勝ち機を失ってしまったかのように、31分にはGK前川がフロートのプレッシャーを受けてフィードをブロックされるなど、後方で落ち着く余裕も無く。(34分に汰木→泉へと交代)

柏も先程の2枚替え以降、フロート・武藤雄の2トップによる4-4-2へとシフト。
お互いオーソドックスな4-4-2の布陣でどちらが上回るか、という戦いとなりますが、やはり勢いは柏の方が上。
35分にミドルパスの連続を経てまたも小屋松が左奥からカットインする絵図に持ち込み、たまらず泉が反則で止めてしまい警告。
左奥からのFKとなり、クロスはクリアされるも逆サイドへ繋ぎ、右からの武藤雄のクロス。
この低いボールをニアサイドで細谷が合わせますが、浮いてしまい枠を捉えられず。
続く37分にも決定機、右サイドで細谷のスルーパスを受けたフロート、そのまま巨体を揺らしての迫力あるドリブル。
トゥーレルを剥がして尚も前進するその姿はまさに重戦車で、そのまま右ポケットを突いてシュート。
しかしゴール左へ惜しくも外れてしまい、来日初ゴールはお預けとなりました。

神戸ゴールへ迫り続けた柏ですが、終盤を迎えて流石に息切れとなり。
試合開始からアグレッシブに挑んだ弊害が表れた格好だったでしょうか。
43分にこの日の主役というべき、両サイドの川口・小屋松が揃って交代となった事からもそれが窺えました。(三丸・モハマドファルザン佐名を投入、三丸が左SBに入り片山が右へ回る)
投入されたモハマド、45分に三丸のミドルパスを受けて左奥を突きカットインからグラウンダーのクロス(山川にカットされる)と見せ場は作りましたが、やはり本家(小屋松)と比べると迫力はまだまだといった感じ。

運動量の落ちた柏に対し、神戸は大迫を中心とした前線が溜めを作るという具合に、ようやく普段の攻撃を展開し始めます。
それに対する柏の反則(アディショナルタイムに片山が警告)によりFKを得たものの、最後までシュートは生み出せず。
そして目安の時間が過ぎると、試合終了の瞬間も、主審の笛が短く何とも間が抜けたものとなり。
最後までハプニングっぽい試合絵図のまま、引き分けで終わる事となりました。

そんな訳で井原監督となっての初戦は、好循環こそ満載だったものの勝利は得られなかった柏。
果たして今後の浮上に繋がるか、それとも「監督交代ブースト」と俗に言われる一過性のものとして終わってしまうか、J1の注目要素の一つとなるでしょう。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第13節 アビスパ福岡vsサガン鳥栖

2023-05-18 16:00:47 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

札幌戦で中村・川崎戦で湯澤と、試合中での故障による離脱者が膨らんできた福岡。
それに併せるように前節はグローリが、今節は小田が累積警告で出場停止と、苦しさが露わになってきた近況。

そんな状況のなか、前年語ったような「ラフプレーへの傾倒」が今季も起こってしまい。
小田の出場停止を生んだ反則が、広島・満田の長期離脱をも招き、インテンシティの履き違え・レフェリングの甘さといった物議を醸す事になってしまいました。
「一発レッドにならないとサッカー界にとって良くない」という意見(参考リンク)まで上がる始末で、再び十字架を背負う格好となったような福岡。
序盤戦は好成績で旋風を起こしていたチームだけに避けてもらいたい事象でしたが、伝統には逆らえず……といった所でしょうか。

そのような状況で、「Jリーグ30周年マッチ」の盛り上げの(もういいって)
相手の鳥栖も、時期によってはインテンシティを履き違える傾向が強いクラブであり、一波乱ありそうな「九州ダービー」。

立ち上がりのボール争いを制したのは福岡で、それによりフリーキック・コーナーキックといったセットプレーを交えての好機を何度も作り。
軸となったのが右サイドでの紺野の突破力で、左足でのカットインシュートをチラつかせつつ、奥へと切り込んでクロスという二択を迫る攻撃。

対する鳥栖は最終ラインからの繋ぎを主体とするのは変わらずも、前回観た時(9節・京都戦、3-2)同様そのビルドアップは硬直気味。
2センターバック+ドイスボランチのボックス型を主体としてショートパスを繋ぐも、前へ運ぶ事自体何処か躊躇っているようでもあり。

前半7分、山﨑と菊地のパス交換で福岡のプレッシャーを呼び込み、山﨑がロングパスを岩崎へ届け。(左奥へ進入も奪われる)
このシーンのように、相手のプレスを引き込んで一発を狙う意識は伺えましたが、外野から見れば臆病な姿勢にも映るそのスタイル。
9分に再び最終ラインでプレッシャーを呼び込まんとすると、福岡のスイッチがワンテンポ早かった事で、GK朴がボールコントロールを誤った末にエリア内で紺野に奪われる事態を招き。
そしてシュートした紺野でしたが、朴のアタックもありジャストミート出来ずゴール左へ外れ、危機一髪といった鳥栖。

ボール保持率の割には、その保持の大半を自陣深めで行っているため、優位性が全く取れない鳥栖。
そのためか後追いの反則が膨らみ始め、発生するFKでは遠目からでも福岡が放り込みを選択。
シュート数も膨らまない故に、アブレッシブさが足りないといった試合絵図で時間が進んでいきます。

25分に逆に福岡サイドが、ルキアンの(長沼への)アフターチャージにより反則・警告。
福岡の流れは終わりを告げましたが、鳥栖も上記の立ち回りを続けるためエンジンは一向に上がらず。
岩崎を裏へと走らせる攻撃が中心と、試合が動く気配は一向に高まりません。

どちらも動きが見られない中、それを覆すのは外部の要因(つまりアクシデント)とばかりに、31分に本田が足を痛めて倒れ込んでしまったのが最初のターニングポイントだったでしょうか。
テーピングをきつく巻いてプレー続行を選択する本田。
その意欲に釣られるように、33分にスローインからの攻めで左サイド奥を取り、CKへ持ち込んだ鳥栖。
キッカー河原はニアへクロス、山﨑が身を倒してフリックしたボールはルキアンに当たってファーサイドへ浮き上がり、原田がヘディングシュート。
しかし叩き付けられたボールをGK村上が足でセーブと、やっと訪れた決定機はモノに出来ず終わります。

その後34分に岩崎が前嶋に対するアフターチャージで反則・警告を受けたというタイミングで、再び倒れ込んでしまう本田。
続行不可能で無念の途中交代となり、堀米が投入されました。
この堀米が最終ライン付近にまで降りてボールを受ける動きを取るため、それにより他選手が併せて動く事でビルドアップの変化を期待された鳥栖。

しかしその効果が出る前に、福岡の攻撃に晒される守備陣。
41分に前嶋のボール奪取から、裏へボールを送って紺野に抜け出させる福岡。
そのまま紺野は右奥を取ってカットイン、追いすがった菊地を剥がした末にゴール前まで迫ってシュート。
GK朴が足で何とかセーブし、跳ね返りを山岸がボレーシュートするも眼前でのブロックに防がれ。
42分にはカウンターに持ち込み、ルキアンが左奥でボールキープする体勢を作ると、入れられたクロスにファーサイドで合わせたのは上がってきたグローリ。
放たれたボレーシュートは枠を捉えられずも、ポゼッションvsカウンターの図式も整いつつあり再び福岡の優位性が生まれ始めました。

しかしその流れも、事件によって覆されます。
アディショナルタイムに入る直前、反則を受けた菊地が紺野に対しヒートアップを見せたのがその切欠だったでしょうか。
その直後、裏へのロングパスに長沼が走り込み、脚を上げてそれに合わせようとした事で悲劇?は発生。
上げた右足の裏が宮の顔面に入ってしまう事態となり、反則を告げる笛が鳴り響き。
そして駆け寄った主審が出したカードは赤色と、一発退場という事態にも当然という空気感が作り出され、ピッチを後にする長沼。
やった事はともかく、ダービーマッチの熱狂を狂乱に変えないという点でも、その潔さは評価されるべきでしょうか。
宮は鼻から出血する怪我を負ったものの、何とかプレーを続行し、これにより数的優位への戦いへ突入した福岡。

4-4-1の体勢を取る鳥栖に対し、福岡が重見のミドルシュート(枠外)を生んだという所で前半終了となり。
10人となった鳥栖、さらにカードを切る事も無く、今居るメンバー(といっても既に堀米が交代出場)で戦う事を選択しました。

そして後半、一転して福岡がボールを持つ展開が幕を開け。
しかしカウンターにより優位性を作りつつあっただけに、それは望まざるものだった可能性もあり。
4-4-1のブロックを固める事を重視する鳥栖に対し、崩しきる難度はむしろ高まる状況のなか、果たして均衡を破れるのか。
3分には左サイドで持った田中がマイナスのカットインを経て、エリア手前からミドルシュートを放つもブロックに阻まれます。
こうした遠目からのシュートは、連発したとしても決まる可能性は薄く。

一方数的不利となっても、マイボールの際の基本方針は大きく変えない鳥栖。
堀米・小野の降りを交えてパスを繋ぎつつ、岩崎の裏抜けに賭けるといった振る舞い。
しかし福岡の圧力を受け(グローリが前に出て守備をするシーンが増える)、逃げの意識を強めたのか裏を取れないままロングボールを送る、といったシーンも膨らみます。

そのグローリが前に出る福岡ですが、あくまでそれは守備時の事。
攻撃時は相変わらず最終ライン3枚での繋ぎと、数的優位を積極的に活かすような攻めは見られず。
この状態で得点出来ず、ズルズルと時間を使うだけとなったのが後の運命を変える?に至ったでしょうか。

マイボールとなっても、ゆっくりとしたボールキープによる遅攻しかできない福岡。
スイッチを入れるのはあくまでサイドアタッカーの紺野・田中の役割と踏んでいた節がありましたが、それ故に迫力を出せず。
16分には右サイドで紺野を中継点として、前嶋が前とのワンツーで奥を突いてクロス。
ファーサイドで放たれた田中のシュートが田代にブロックされ、尚もエリア内で収めた山岸がシュートしますがこれもブロックに阻まれ。
こうした連撃をひたすら浴びせる流れを作りたい所でしたが、流石に普段行っていないスタイルを、急にやれというのは厳しいものがあり。

19分には前が左サイドからカットインで左ポケットを突き、中央エリア外のルキアンへパス。
しかしキツいディフェンスの前に撃てず、右へとこぼれた所を紺野が拾い、再度カットインで右ポケットへ。
今度はバックパスから前嶋がシュートを放ったものの、角度的にクロスもチラついたのか、曖昧な軌道となって枠外に。

何度もエリア内を突かれるも凌ぐ鳥栖、決して専守一辺倒という訳では無く、福岡のビルトアップの拙さの隙を突いてプレッシングも掛けにいき。
21分に自陣から前進しようとする福岡に対し、森谷が前方に出て前に対してプレッシャー。
規制を掛けた事でその後方で河原がパスカットに成功すると、そのままパス&ゴーで右サイドを上がり、堀米のスルーパスを経てクロスを上げる河原。
小野が走り込み合わせにいくもGK村上に阻まれるという具合に、人数の少なさはどうしようも無いながらも、意思統一の下好機に繋げるシーンに福岡の危うさも感じさせます。
そしてこの際にGK村上と小野が勢い余って交錯してしまった事で、宮が小野に対してヒートアップする事態が発生。
この状況で冷静さの欠如は何としても避けたい福岡、(キャプテン奈良の抑え付けを経て)その宮を直後に交代させます。(三國ケネディエブスへと交代・同時に前嶋→ウェリントンへと交代)
一方の鳥栖もその小野を退かせ。(河田と交代・同時に森谷→藤田へと交代)

サイドの前嶋を退かせ、三國が右サイドバックを務める4-4-2へと布陣変更した福岡。(ルキアンが左サイドハーフに)
ヘッダーのウェリントンはその期待に応え、26分に田中のクロスからヘディングシュートを放ち。(GK朴キャッチ)
それでもゴールを奪えないまま、29分に再びカードを切る長谷部茂利監督。
ルキアン・重見→佐藤・平塚へと2枚替え、ウェリントンと佐藤の2トップに。(山岸が左SHへ回る)

劣勢でも、前述の攻撃シーンで解るように勝利への可能性を捨てない鳥栖。
30分にはゴールキックから短く繋いで前進を図り、山﨑の持ち上がりからのスルーパスで福岡のプレッシングを突破。
そして左ポケットへのスルーパスに菊地が走り込み、菊地は中央への横パスを選択しましたが、走り込んだ河原とは意図が合わず繋がりません。
するとこれを拾った福岡がカウンターに持ち込み、右サイドで受けたウェリントンが裏へのロングパスを佐藤へ通し。
そして佐藤はドリブルで右ポケットを突くと、戻しを経て山岸がシュートと変化で崩しにいきましたが、鳥栖も山﨑がこれをブロックして凌ぎます。
数的不利のなか得点を目指すには、それ相応のリスクは覚悟の上、といった攻守の切り替わりに。

ビルドアップの際には、GK朴も極端に前に出てパスワークに参加。
その姿勢でアタッキングサードに進入すると、スローインの際は途中出場の藤田がロングスローと、形振り構わない攻め手も繰り出し。

そんな苦肉の策を繰り広げる鳥栖に対し、有利な立場での振る舞いを中々見せられない福岡。
ウェリントンのみならず三國も加わった事で、セットプレーの際のターゲットの豊富さは光ったものの、時間の減少もありクロス攻勢への傾倒は避けられず。
とうとう41分に最後の交代、山岸→城後と、最後はキングの投入に賭ける事となりました。

福岡の圧力が有効打とならない中、40分を過ぎて再び隙を突かんとする鳥栖。
42分にゴールキック→河田フリックからの攻撃で、一本のパスをエリア内に通して河田がシュートチャンスを迎えましたが、振った足は奈良を蹴ってしまう形となり反則・警告。
ATも目前の45分、最後のカードを切り岩崎→樺山へと交代。
カウンターのカードをチラつかせる采配を取ると、ATでその期待に応える樺山、福岡の自陣での前のパスミスを拾いそのまま細かいタッチでのドリブルでアタッキングサードへ。
そして戻しからのパスワークを経て、堀米の右手前からのクロスをファーで合わせにいった樺山。(脚から跳び込むも合わず)
その後さらに樺山の下へと好機が訪れ、自陣右からのFKを素早くリスタートする鳥栖、スルーパスを受けた樺山がカットインで右ポケットを突きシュート。(ブロック)
数的不利を個の力でカバーするという、理想的な流れを得たもののゴールには辿り着けず。

結局そのまま試合を決めるゴールは生まれず、タイムアップを迎えて引き分けで決着。
福岡は敵陣でサッカーを行う時間が長く、シュート数でも圧倒(18対3)したものの、その数字程の支配感は得れず。
全てはゴール出来なかったのが原因という事で、yahooスポーツナビも「フィニッシュの精度不足」という寸評を出すに至りました。
しかし全体を見ると、自身のボールポゼッションによる攻撃が疎かとなっていたのが綺麗に災いしたという印象は拭えず。
J1への生き残りが常時頭にある中でその改善は難しいでしょうが、もっと上を目指すには避けて通れない要素。
実現できれば「J1レベルでは無い」という批判も生んでいるラフプレーへの傾倒も減り、余所から批判され辛いチームへと変貌を遂げられるかもしれません。

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