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DAZN観戦 2023年J1リーグ第14節 柏レイソルvsヴィッセル神戸

2023-05-22 16:00:21 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

下位から抜け出す気配が全く見られない柏。
ガンバ・横浜FCとともに、1枠の降格枠を巡って血みどろの争いを繰り広げる気配がありありの今季。
そして前節その横浜FCとの直接対決で敗戦(0-1)、というタイミングでついに監督交代が行われる事となりました。
今季5年目・2期併せて11年目というネルシーニョ氏の監督生活に幕が下りる事となり。といっても3度目の就任の可能性は否定できず
その輝かしい成績はもはや生ける伝説と言うべきですが、やはり伝説化しているという側面は拭えず。
年々発展していく戦術面への遅れに抗えず、といった格好だったでしょうか。

今後の柏はその後を継ぐ人材にかかっているという状況で、新監督に就任したのは、11年ともネルシーニョ氏の腹心的存在を務めていた井原正巳氏。
コーチから昇格と2018年の加藤望氏による悪夢の降格がチラつくような人事ですが、幸いにもその時期に(福岡で)監督経験を持っている井原氏であり、二の足を踏む不安はあの時よりは少ないといえるでしょうか。
何しろシーズンの真っ只中で、ここで外部から人材を呼んで全く新たなサッカーを構築する訳にはいかず。
ネルシーニョ氏の今季の悪戦苦闘を側で見ていた人物による、微調整は果たしてどんなものか。

シュート21本を放って得点ゼロ、という悪夢のような前節から、スタメン変更は1人のみ。
トレイスボランチともいえるようなメンバー選択(高嶺・椎橋・戸嶋)から一転し、9試合ぶりのスタメンとなった山田を右サイドハーフに置くという微調整。

メンバー的にはそのぐらいの変化ですが、行われたサッカーは試合後の神戸・吉田孝行監督の「やり方が少し変わっていた」という談の通り。
マイボールの際は最終ラインが3バック気味へと可変し、川口が高い位置を取る右肩上がりの布陣に。
そして両ワイドを意識した位置取りで、右に川口・左に小屋松を配置して幅広く攻める、というやり口だったでしょうか。

神戸はその真新しさと、監督交代によるリフレッシュ効果も感じるプレッシャーの速さに苦しむ事に。
前半3分に左奥からの小屋松のカットインでコーナーキックに持ち込まれると、その二次攻撃で、戸嶋ミドルパス→細谷胸で落とし→山田エリア内へロブという流れで決定機が生まれかかり。(細谷がシュートにいくもジャストミート出来ず)
首位と残留争い組という対決は前回観た際と同様(横浜FC戦・3-0)ですが、苦戦の匂いは今回の方が圧倒的に上という感じでした。

そんな神戸の最初の攻撃機会は8分で、右に開いた山川の斜めの縦パスが撃ち込まれると、大迫の中央突破を経て佐々木大がミドルシュート。
これがゴールバーを直撃し、さらに拾った武藤嘉がDFをかわしてシュートするもゴール左へと外れ。
ゲームを支配される中、前線のクオリティの一発で仕留めるという戦いで対抗姿勢を取り。
柏サイドと同じく、神戸も右サイドバックを前に押し出す右肩上がりの布陣。
それは相手が同じ体制のためなし崩し的に合わせる、といった感じなのかは不明ですが。(雑感的には、J2の仙台vs山形のような印象)

様々な位置でパスを受けるサヴィオが攻撃の中心役を担う柏。
それに小屋松の突破力や山田の急所を突くパスを絡め、攻撃権を支配していきます。

しかし好事魔多しという状況を作ってしまうのは、上がらないチーム成績の性か。
24分ロングフィードの跳ね返りを佐々木大が拾って神戸の攻撃、左サイド奥へスルーパスを送って深さを取った末に、汰木のクロスが上がり。
すると中央で跳んだ大迫の頭を越えると、大迫に2人が付いた事でその奥でフリーの武藤嘉が受ける事態となり、慌てて対処しようとした柏ディフェンスを嘲笑うかのように横パス→大迫シュート。
あっさりとゴールネットが揺れ、試合展開とは反して神戸が先制に成功しました。

リードを奪われた柏、一層前掛かりとなりインテンシティを高めるサッカーを展開し、激しいアタックで神戸の攻撃を封じ込め。
何度かカウンターに持ち込み、右サイドから川口がクロスを入れる展開に持ち込むものの、この日の本筋はやはりボール保持による攻撃。
36分にゴールキックから短く繋いでいき、左サイドでの前進からスルーパスを受けたサヴィオがエリア手前でサイドチェンジ。
そして再び川口がクロスを入れる展開を作り、跳ね返りを拾って今度は中央からパスワークでエリア内を突くも、こぼれ球を詰めにいった山田は空振りしてシュートは撃てず。
左右を使った末に中央から攻撃と、やりたい攻めは一通り行えていた柏ですが、前節同様ゴールが遠く。
CKも(上記以降)3本得るなど押し込みますが、無得点のまま前半を終えました。

共に交代無く始まった後半。
キックオフから攻め立てる柏、最初の攻撃は途切れるも戸嶋が奪い返して継続し、左へ展開の後小屋松のスルーパスでそのまま左ポケットを突く戸嶋。
入れられたマイナスのクロスがサヴィオに入るも、神戸サイドの寄せも早くトラップ後をクリアされて撃てず。

ハーフタイムを挟んでも流れはそのままといった後半ですが、それに拍車をかけたのがハプニングにも近い試合絵図。
後半4分最後方から作り直さんとする柏に対し、チェイスした佐々木がスリップして倒れた所、その腕に引っ掛かった立田が倒されて反則。
ボールと無関係な所で起こったこの珍妙なシーンが切欠となったでしょうか。
7分には神戸の攻撃、裏を突いた大迫が走り込むもGK松本が前に出てクリアしましたが、このボールが追い風に乗って一気に神戸エリア内へ。
ワンバウンドしてゴールに向かうも、GK前川が何とか抑え。
その後に柏・高嶺が足を痛めるというアクシデントも絡む(治療が入るも何とか起き上がりピッチ外→復帰)など、神戸にとってはリズムを掴み辛い展開を強いられます。

最初の交代は12分で、柏が動き山田→フロートに交代。
フロートが最前線を務める事により、細谷が空いた右SHへ回ります。
初手でかなり踏み込む手を取ったという感じの井原監督。

その後神戸がCKに持ち込むと、凌いだ柏が素早く前に運ぶも、中盤で遮断した神戸がさらにベクトルを反転させ。
言わばカウンターのカウンターというレアなシーンとなり、左サイドでフリーで受けた佐々木大がカットインで左ポケットを突く攻撃。(シュートまではいけず)

気を取り直し攻める柏。
17分に戸嶋のボール奪取から右サイドへ展開して前進、フロートが溜めを作ったのちのパスワークを経て高嶺がサイドチェンジ。
受けた小屋松が奥を取ってクロスと、理想的なサイドチェンジを絡めての攻撃を展開。
クリアボールを拾った戸嶋がエリア内からシュートしますが、ゴール前で山川がブロックして防ぎ同点ならず。
その後のCKでは、サインプレーを選択するも戸嶋がシュートを空振りしてしまい実らずと、未だハプニング性は顕在といった絵図を作ってしまいます。

しかし試合を動かしたのはそのハプニング性だったでしょうか。
21分神戸のポゼッションというシーンで、バックパスを受けた本多はGKへの戻しを選択。
しかし細谷のプレッシャーを見て意識を後ろへとやってしまったのか、強く放たれたパスは前に出ていたGK前川の後方へと大きくズレてしまい、それがゴールへと向かう事に。
この突然のミスに神戸はどうする事も出来ず、オウンゴールという形で同点となります。

偶発的といえど同点ゴールに意気上がる柏、直後の22分に片山のロングパスで裏を取ったフロート、エリア内から決定的なシュートを放ちましたがこれはオフサイドで無効に。(シュートはGK前川がファインセーブ)

流れを変えたい神戸は25分にベンチが動き、佐々木大→ジェアン・パトリッキへと交代。
これで大迫・武藤嘉の2トップとし、パトリッキが右SHを務める4-4-2へとシフトします。
直後の26分、素早くパスワークで前進の末に、武藤嘉の右からのカットインに対して戸嶋が倒してしまい反則・警告。
柏サイドが出方に付いていけないうちに勝ち越したかった所ですが、これで得た(中央やや右寄りでの)フリーキック、キッカー初瀬は撃たずに放り込みを選択。(直後に柏は戸嶋・サヴィオ→椎橋・武藤雄へと2枚替え)
多少遠目からだったものの、やや消極的に映ってしまった神戸、結局後半はシュートゼロという数字に終わりました。
勝ち機を失ってしまったかのように、31分にはGK前川がフロートのプレッシャーを受けてフィードをブロックされるなど、後方で落ち着く余裕も無く。(34分に汰木→泉へと交代)

柏も先程の2枚替え以降、フロート・武藤雄の2トップによる4-4-2へとシフト。
お互いオーソドックスな4-4-2の布陣でどちらが上回るか、という戦いとなりますが、やはり勢いは柏の方が上。
35分にミドルパスの連続を経てまたも小屋松が左奥からカットインする絵図に持ち込み、たまらず泉が反則で止めてしまい警告。
左奥からのFKとなり、クロスはクリアされるも逆サイドへ繋ぎ、右からの武藤雄のクロス。
この低いボールをニアサイドで細谷が合わせますが、浮いてしまい枠を捉えられず。
続く37分にも決定機、右サイドで細谷のスルーパスを受けたフロート、そのまま巨体を揺らしての迫力あるドリブル。
トゥーレルを剥がして尚も前進するその姿はまさに重戦車で、そのまま右ポケットを突いてシュート。
しかしゴール左へ惜しくも外れてしまい、来日初ゴールはお預けとなりました。

神戸ゴールへ迫り続けた柏ですが、終盤を迎えて流石に息切れとなり。
試合開始からアグレッシブに挑んだ弊害が表れた格好だったでしょうか。
43分にこの日の主役というべき、両サイドの川口・小屋松が揃って交代となった事からもそれが窺えました。(三丸・モハマドファルザン佐名を投入、三丸が左SBに入り片山が右へ回る)
投入されたモハマド、45分に三丸のミドルパスを受けて左奥を突きカットインからグラウンダーのクロス(山川にカットされる)と見せ場は作りましたが、やはり本家(小屋松)と比べると迫力はまだまだといった感じ。

運動量の落ちた柏に対し、神戸は大迫を中心とした前線が溜めを作るという具合に、ようやく普段の攻撃を展開し始めます。
それに対する柏の反則(アディショナルタイムに片山が警告)によりFKを得たものの、最後までシュートは生み出せず。
そして目安の時間が過ぎると、試合終了の瞬間も、主審の笛が短く何とも間が抜けたものとなり。
最後までハプニングっぽい試合絵図のまま、引き分けで終わる事となりました。

そんな訳で井原監督となっての初戦は、好循環こそ満載だったものの勝利は得られなかった柏。
果たして今後の浮上に繋がるか、それとも「監督交代ブースト」と俗に言われる一過性のものとして終わってしまうか、J1の注目要素の一つとなるでしょう。

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