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DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 モンテディオ山形vs松本山雅FC

2021-07-13 16:11:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山形の記事はこちら(18節・山口戦、2-0)
※前回の松本の記事はこちら(16節・岡山戦、1-3)

ピーター・クラモフスキー監督の就任以降、8戦で7勝1分という驚異的な成績を残している山形。(天皇杯は敗退したけど)
「監督解任ブースト」の効果を最大限に活かしきったクラブとして、歴史に名を刻めるかどうかという域に入っているでしょうか。
そしてこの日は、山形のようにそのブーストを利用したいクラブが相手となり。

山形の8戦無敗と同時期に、7戦未勝利という低調ぶりを露呈した松本。
とうとう監督交代の断を下し、解任された柴田峡氏の後任に就いたのは名波浩氏。
就任してから2戦で1勝1敗、前節(ヴェルディ戦・2-1)でようやく9戦ぶりの勝利を齎し、悪循環を堰き止めて迎えたこの日。

キックオフとなり、開始直後から山形のクオリティ高いパスワークによる攻撃が展開され。
前半2分に右サイドから攻め、山田康太の裏へのロングパスが中原に渡り、そこからの繋ぎを経て山田康のクロス。
クリアされたボールを、山田拓巳がミドルシュート(枠外)。
まずは先制パンチを浴びせた事で、主導権を握ります。

5分には長いパスワーク、右サイドで繋いだのち中央へ戻されると、中に絞っていた山田拓がエリア内へスルーパス。
林が走り込んでクロスを入れブロックされるも、以降も何度もエリア内へロビングを上げる攻撃を敢行。
直後の6分も山﨑のパスカットから、右サイド奥で藤田がファーへクロスを上げ、加藤が折り返しにいくも中央にこぼれ。
反応して半田がシュートするも、戻って来た松本・阪野がブロック。
この日も両サイドバックが中央に絞りつつ攻撃に絡む、「偽SB」の動きを有効打としていく山形。

一方の松本、7分に敵陣で常田がパスカットに成功し、すかさず縦パスを阪野に送り。
受けた阪野が前進してエリア内に進入、シュートを放つもブロックされコーナーキックに。
こちらもまずは1本フィニッシュを果たし、応戦の姿勢を取りにいきます。

ビルドアップの際は、3バックの片側を張り出させ、後ろ2枚の形を取る松本。
それでも前半は、山形のプレッシングの前にロングボールを送らざるを得ないシーンが目立ち。
前線に阪野・鈴木の2枚が控えているといえど、中々有効な形を作る事が出来ず。

山形が敵陣で反則を犯した所で、飲水タイムが挟まれたのが23分。
明けた際、そのフリーキックで松本は、キッカー佐藤が自陣から直接シュートという選択を敢行。
遠目ながらゴール上を襲う際どいシュートとなり、奇襲を使う事で生まれ変わった松本をアピールするという算段でしょうか。

しかしその後は山形が一方的にボールを握る展開に。
松本は前節から3-4-1-2というフォーメーションで挑んでおり、守備時は5-3-2が基本。
プレスをあっさり剥がされ、さらに2列目の脇を埋めにいった隙を突かれる(ウイングバックが前に出た際の裏を取られる等)という悪循環で、山形のサイド攻撃を何度も許す事となります。

33分には山形が中央でパスワークで前進、松本は遮断に成功するも、あろう事かクリアボールが逆方向に向かいゴールポストを直撃。
山形の多彩な攻撃に対応していくも、バタバタした印象を残すシーンとなり。
40分の山形、自陣中央で國分のカットから、山田康のスルーパスに中原が走り込んでエリア内右からグラウンダーでクロス。
こぼれ球となるも中央で藤田が繋ぎ、半田のヒールパスを経て林のシュートがゴールを襲い。
しかしライン際で松本・宮部がブロックし、寸前で得点を阻止します。

何とか凌ぎを見せた松本、終了間際に流れを掴み。
44分に敵陣で宮部がボール奪取し、ショートカウンターの形となって鈴木がエリア内からシュートするも、GKビクトルのセーブに阻まれ先制ならず。
しかし前半の残り時間は攻撃権を独占し、尻上がりの形を作って前半を終える事に成功しました。

ハーフタイムに松本は選手交代を敢行。
河合→小手川と、トップ下を交代という手段を取った名波氏。

立ち上がり、後半2分に山形は國分がミドルシュートを放つ(ゴール上へ外れる)シーンがあったものの、松本が押し気味の流れ。
投入された小手川は、河合程の仕掛けはせずに、パスを円滑にするという役割をこなし。
ボールサイドで人数を増やしつつ、主に外山の居る左サイドから攻撃を仕掛けていった松本。

しかしそんな流れの中、5分に松本のCKから山形がカウンターを仕掛け。
中央で拾った林が右へ流れてドリブルののちエリア内へ浮き球を送ると、走り込んで受けた山田康が前進からクロス。
これを松本・鈴木がブロックで防ぎますが、その跳ね返りがあろう事がゴールに向かってしまい、ループシュートのようになってゴール内に吸い込まれ。
最後はラッキーな形ながらも、苦しい時間帯でカウンターを得点に結び付けた山形が先制しました。

良い流れを作っていたものの、得点どころか逆に失点する事となってしまった松本。
これで完全に流れを失い、再び山形が一方的に攻め上がる時間帯に突入します。

この時間帯の山形は、サイドハーフの仕掛けが冴え渡り。(右=中原・左=加藤)
ライン際に開いた状態でパスを受けてから、ハーフレーンへと流れたのち相手に択を押し付けるような攻撃。
7分には右から中原がカットインからクロス。(クリア)
11分には左から加藤がカットインして、エリア内左からシュート。(GK圍キャッチ)
12分にはここも左から加藤が流れたのちエリア内右へスルーパス(中原走り込むも流れる)と、多彩な手段を選んでいきます。
セットプレーからも、8分の右CKでショートコーナーから、右ハーフレーンで受けた國分が直接ミドルシュート(GK圍セーブ)と幻惑するような攻撃を敢行。

そんな山形の攻勢を受け、流れを切って反撃したい松本。
15分に最終ラインから繋ぎ、左サイドでのパスワークから佐藤のスルーパスに走り込んだ小手川がクロス、ファーで鈴木が折り返すもクリア。
一つ後方からのショートパス攻勢を見せた事で体制を整え。
20分にはGK圍のフィードから、セカンドボールを拾った小手川から阪野→外山と渡り、外山のミドルシュートが放たれるも枠を捉えられず。

受けに回りつつあった山形は、22分に加藤→岡﨑へと交代、國分がボランチから左SHへシフト。
25分には右サイドからの攻撃、藤田のスルーパスが中原に渡ってエリア内へ進入、グラウンダーのクロスが中央に入る決定機。
林が足で跳び込むも僅かに及ばず、2点目とはならなかったという所で後半の飲水タイムに。

松本はさらに手を打ち、明ける際(27分)に2枚替え。
外山・鈴木→田中パウロ淳一・戸島へと交代、この日主だった左サイドでの攻撃に、パウロを加える事で磨きを掛けんとします。
しかしその狙いが当たったのは、31分の再度の交代後。
前→平川へと交代し、平川が若干前方に出る3-3-2-2気味にフォーメーションを弄るような交代により、左サイドアタックに厚みが加わる事となります。(同時に山形も國分→木戸に交代)

期待を受けて投入されたパウロ、自身での突破あり、平川とのワンツーありと様々な手段で左サイド奥に進入。
そこからクロスを上げるシーンを連続で作っていく松本。
39分には左サイドでパウロが山形・藤田に反則を受け、ここからセットプレー攻勢。
FKでパウロがクロスを入れると、ニアサイドで小手川がフリックするもDFに当たり左CKに。
そのCK、パウロは中央へクロスを入れ、星キョーワアンが合わせヘディングシュートを放ちましたがゴール右へと外れ。
際どいシーンも生まれましたが、得点には後一歩といった所。

惜しむらくは、相手のミスによる攻撃でしっかりとしたシュートを放てなかった事でしょうか。
36分、山形最終ラインでのパスミスを戸島が右サイドで拾い、エリア内へと流れシュートするもミート出来ずGKビクトルが難なくキャッチ。
44分には相手のトラップミスを敵陣でパウロが拾うも、そのまま遠目からシュートを放ち枠を捉えられず。
こうしたワンチャンスで、得点の可能性が高い攻撃シーンを見せられるかどうかが以降の浮上のカギとなる気がしました。

松本最後の交代は44分で、阪野→大野。
先程惜しいヘディングを放った星が最前線にシフトし、その穴に大野……というだけで無く、どうやら4-4-2へとフォーメーション変更したようで。
下川が左SBへと回り、3バックを右側へとずらす形で右SBには宮部。

アディショナルタイムに突入、という所で松本は右サイドから小手川のロングパスが星に渡り、エリア内を襲うもGKビクトルが抑え。

一方の山形も、残していた3枚の交代カードを一挙に使用。
山田康・林・中原→ルリーニャ・吉田・藤村へと交代(木戸が左SH→FWへシフト)、フレッシュな選手の大量投入で逃げ切りを図り。
それが奏功したか、右サイドでスローインによる漸進から、右サイド奥でボールキープする展開に持ち込んだ山形。
最後は藤村のボール奪取から、ルリーニャがクロスを入れるというシーンを作り(中央で木戸も収まらず)、直後に試合終了の笛が鳴り。

苦しい時間帯が多かったものの、これで9戦無敗となった山形。
この好循環を維持したまま、次節で当たるのは首位・磐田とあり、どんな展開が待っているのか非常に楽しみです。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第22節 FC琉球vsSC相模原

2021-07-12 17:53:40 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の琉球の記事はこちら(18節・北九州戦、3-0)
※前回の相模原の記事はこちら(18節・水戸戦、0-2)

順位的には、上位争いを繰り広げている琉球と、依然として最下層からの浮上の兆しが見えない相模原。
前半に当たった際は1-5で琉球の大勝(11節)であり、またJ3時代の2018年も、2戦いずれも5得点で勝利を挙げており。
実力的にも相性的にも琉球有利という立場で、琉球にとっては取りこぼしが許されない試合という戦前の評価だと思われましたが、いざ試合開始となるとそこには違った絵図が描かれる事となりました。

雨中の試合、相模原が琉球のクリアミスもあり好機を演出する入りとなり。
前半5分には藤本の自陣右サイドでのボールキープから中央へ渡ると、白井縦パス→中山受けてドリブルと素早く相手陣内に。
そしてエリア手前まで進みシュートを放った中山(ブロックに当たりGK猪瀬セーブ)、相模原が先にファーストシュートに辿り着きました。

その後8分に琉球が、右サイドで李栄直(リヨンジ)の裏へのミドルパスから、走り込んだ上原牧人がマイナスのクロス。
これを阿部が合わせシュート(ブロック)と琉球もファーストシュートを放ち。
以降手数が豊富な琉球のペースになるかと思われましたが、その後も相模原が好機を作っていく展開に。
10分にはゴールキックから、ロングフィードを夛田がフリックで落とし、拾った安藤がミドルシュート。(枠外)
13分は自陣中央での川上のパスカットから、藤本の左への浮き球パスを受けた中山が先程と同様にドリブルからシュート。(DFに当たりサイドネット)

意外にも押し気味に展開する相模原の立ち上がり。
高木琢也監督就任(17節)以降、ビルドアップにも拘る姿勢をある程度取っているらしく、その通りに最終ラインはミシャ式のような形で組み立て。
ドイスボランチ(稲本・川上)の片方がディフェンスラインに降りて、ショートパスを繋ぎながら前進するスタイルを取り入れ。
ただし上がるのは左センターバックの川崎が主と、片側のみを上げるというリスク管理も行いつつ。
堅守速攻が基本ながら、自陣に釘づけにされがちだった以前の戦いとは一変した相模原のサッカーがそこにはありました。

それでも15分過ぎから、そんな相模原のギャップにも慣れ始めた琉球が攻勢。
18分には風間宏矢から縦パスが入り、阿部フリック→清水ポストプレイという流れから、阿部がペナルティアークからシュートするもGK竹重がキャッチ。
24分には最終ラインから右へ展開し、上原牧のスルーパスに清水が走り込み、エリア内右からシュートするも相模原・白井が足を伸ばしてブロック。
徐々に惜しいシーンを作り始めた琉球。

26分に飲水タイムが挟まれ、最初に好機を得たのは相模原で右CK。(30分)
ここでキッカー川上は変化を付けてグラウンダーで中に入れ、稲本ポストプレイ→中山→藤本とダイレクトで繋ぎ、藤本がクロス気味のシュート。(枠外)
一本変化を付け、琉球ディフェンスに脅しを掛けます。
それでも以降は琉球がボールを握り攻撃を仕掛け。
相模原は5-4-1の守備ブロックで応戦し、押し込まれがちながらも一歩も退かない姿勢を見せた事で、試合は膠着状態に入ります。

琉球はメンバー的には、両サイドバックが苦しい状態だったこの日。
田中の故障で前節から上原牧が入った右サイドだけでなく、左はこの日が初スタメンとなった山下が沼田に代わって入り。
SBを高い位置に上げての組み立ては変わらずも、果敢にチャンスエリアに進入し、隙あらば得点するというSBの動きは影を潜めていました。

琉球は押し込み続けるも、シュートは45分の、クリアボールを清武が放ったミドルシュート(枠外)ぐらいとなり。
数少ないチャンスを活かしたい相模原は44分、中盤で稲本のドリブルから右サイドへスルーパスが供給され、走り込んだ夛田からクロス。
そしてファーサイドで中山が足から跳び込むも、競り合いの中で琉球・李を倒してしまい反則。(シュートは撃てず)
その姿勢を見せたものの、こちらもフィニッシュシーンは作れず。
スコアレスで前半を折り返す事となりました。

3日前に天皇杯3回戦(浦和戦・0-1)を戦った相模原、ここからのベンチワークも注目の要素。
白井・川崎・川上が3日前から続けてスタメンを張っていましたが、ハーフタイムではその3人では無く、出番の無かった稲本を交代させる手を取ります。(梅鉢に交代)
大ベテラン故90分持たない稲本を、天皇杯でスタメンだった梅鉢を温存するために起用していた、という采配だったでしょうか。

その後半立ち上がり、相模原はサイドチェンジを絡めたパスワークで、前半は今一つだった左サイドから攻撃を展開。
殆どボールタッチが無かった兒玉も、前線で攻撃に絡むシーンが目立ち始め。

意外にも押され気味となる琉球は後半3分、ボールと無関係な所で李が兒玉を倒してしまい(というより投げ飛ばすような恰好)反則。
李は前半終了間際の倒されたシーンも影響したのか、後半はフラストレーションが溜まっていたかのようなプレーが目立つ事となりました。
このフリーキックから、相模原は安藤がエリア内でボレーシュートを放ちましたが枠を捉えられず。
以降もボールを握るシーンを多く作る相模原、途中出場の梅鉢が左SBの位置に降りてビルドアップを行うなど、新たな引き出しも散見されました。

嫌な雰囲気が流れつつあり、それを一変したい琉球。
7分に中盤で反則を受けると、清武は素早いリスタートで右サイド奥へロングパス。
上原牧が受けてからパスワークを展開し、風間宏矢の清武とのワンツーで中央に移ったのち清水がシュート。
ブロックされてCKとなり、ここから3本CKが続く攻勢も、上里のミドルシュートがミートせずとなるなどモノに出来ず。

その後も相模原は、敵陣でのボール奪取から好機を作りかけるなど良い流れをキープ。
そんな中で18~19分に双方選手交代が行われ。
相模原は中山・安藤→清原・ユーリ、琉球は山下・阿部→上原慎也・中川。
相模原はボールの収め所として絶対的な存在であるユーリが入り、琉球は前節に移籍後初ゴールを挙げた中川を投入と、勝負手が交錯するかのような交代となりました。

しかし以降も相模原が好機を展開し、迎えた21分。
左サイドのスローインを収めたユーリが、キープする最中に琉球・李に腕で倒されて反則。
李の度重なる反則についに警告が出されたうえ、エリアから直ぐ近くでのFKという相模原の好機となります。
左サイド奥・エリアから脇という位置から、キッカー川上はバックパスを選択すると、受けた藤本はダイレクトでシュートを狙い。
これが地を這うボールで、狙いすましたかのようにゴール左隅へと突き刺さりゴール。
前半からの伏線(変化を付けたセットプレー・反則を巡る李の心境)を全て回収する、相模原の先制点となりました。

上位らしいゲームを描くどころか、とうとうリードを奪われる事となった琉球。
24分CKからの二次攻撃で、ロングパスを上原慎が落とし、繋いだ所を李がミドルシュート。
相模原・川崎のブロックで方向が変わり、ゴールバーを掠める惜しいシュートとなり。
血の気溢れる李の気持ちを、今度は得点に繋げようという琉球の姿勢が表れたでしょうか。

それでも25分に挟まれた飲水タイムが、文字通り水を差してしまったか。
以降は相模原の守備ブロックを崩せぬまま、時間を浪費していく展開を強いられてしまいます。
32分に清武・富所→ハモン・風間宏希へと2枚替え(風間宏矢が右サイドハーフ→左SHへシフト)を敢行するも、流れを変える事は出来ず。

相模原は以前のような、自陣に押し込まれての守勢を強いられるものの、リードを奪ってのそれは勝利へ向けての進軍でもあり。
整然とした守備ブロックで琉球にシュートシーンを作らせず、時計の針を進めていき。
そしてボールを収めてくれるユーリの存在で、ロングボール一本でキープして落ち着けるのも大きかった。
38分にはユーリが右サイドでボールを収めると、奪い返さんとした琉球・上里が掴んで引っ張ってしまい、反則・警告を受ける事に。
上里はその後も相模原・夛田をラフプレーで倒してしまう(40分)など、李が憑依したかのようなプレーを見せてしまいました。

成す術が無くなりつつあった琉球、43分に最後の選手交代。
上里→福井へと交代し、上原慎を1トップに据えた4-1-4-1のようなフォーメーションにシフト。(福井が左SBに入る)
半ばパワープレイのような恰好で、相模原陣内へと襲い掛かり。
しかしフィニッシュシーンはアディショナルタイム、風間宏希のロングボールを上原慎がエリア内へと落とし、そこに李が走り込んでシュートした場面のみ。
ここも相模原は川崎の身体を張ったブロックで凌ぐと、終了間際には敵陣深めでボールキープするという至福の時間へ。

左コーナーでユーリのフィジカルを存分に活かしてキープに勤しむ相模原。
その最中に李が再度、腕で(ユーリを)倒してしまい反則と、2枚目を受けてしまいかねないシーンも生まれてしまい。
最後まで脱出させないまま試合終了の笛が鳴り響き、相模原がウノゼロで逃げ切りに成功しました。

これで12試合ぶりの勝利となる3勝目を挙げた相模原。
監督交代後も順位が上がらぬ日々を過ごしつつも、高木監督によるチーム整備は着実に成果を上げていたようで。
特に先制点を奪って以降、安心して観ていられたのは大きかった。
いかにリードを守り切る体勢といえど、相手にシュートを浴び続けるような展開を強いられると「逃げ切れるのか……」という疑心暗鬼が生まれてしまいがちですが、この日はそれをさせず。
かくして上位相手にもそんな戦いを繰り広げられたという、1勝以上の価値が得られたと思われるこの日、奇跡の逆転残留に向けてスタートを切れたでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第21節 ファジアーノ岡山vsヴァンフォーレ甲府

2021-07-07 16:09:35 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の岡山の記事はこちら(16節・松本戦、3-1)
※前回の甲府の記事はこちら(17節・新潟戦、2-2)

4戦未勝利という低調ぶり、その最中にメンデス・新井の出場停止もあり、前節にスタメンを大きく入れ替える事となった甲府。
小柳・野澤・鳥海にGK河田をレギュラー復帰させて挑んだ試合、群馬相手に6-2の大勝と効果はてきめんとなり。
その流れを引き継ぐべく、浦上→メンデスの入れ替えのみで今季も試合に臨みました。

一方の岡山、甲府が勝てなかった新潟・琉球という上位クラブに勝利したというのが最近のトピックス。
奇しくも新潟戦(18節)から、長期離脱から復帰した廣木や、徳島からレンタルで加入した安部をスタメンに加え。
GKも琉球戦(19節)から梅田を起用と、チームに活を与えるレギュラー変更を行った結果故の好調ぶりはこちらも同様で、その両クラブがぶつかり合った試合。

前半2分の岡山、中央で喜山が縦パスを入れ、川本が受けて右に叩いて宮崎幾笑がドリブルからスルーパスを右サイドへ。
走り込んだ廣木のマイナスのクロスを、中央で川本が合わせシュートしますが甲府・小柳の足でのブロックに阻まれ、電撃作戦成功とはなりませんでした。
しかし開始早々からハイテンションぶりを発揮する岡山。
守備ではプレッシングを強め、攻撃では斜めの縦パスを多用して敵陣でサッカーを展開していきます。

立ち上がりペースを握られた甲府は、冷静にいなすべく立ち回り。
6分に左サイドで泉澤がボールを持ち、ゆっくりと前進するドリブルでエリア手前まで来ると、キープしつつ戻るという振る舞いを見せたのち前に出た野津田にパス。
ここは野津田のクロスがブロックされて攻撃終了するも、力のあるチームらしく落ち着いた攻撃を見せる事で、岡山のペースを乱しにかかった節が見受けられました。

その通りに以降は交互に攻撃し合う流れとなりますが、甲府は以降も泉澤のキープを中心としつつ、遅攻気味の攻撃を敢行。
いつものような、ウイングバックを走らせる両サイド奥へのロングパスは殆ど見せず、時間を経過させていきます。

そして22分、ここも左サイドで形を作りますが、野津田のサイドチェンジにより右からの攻め。
一旦戻されたのち中央で新井の縦パス→ウィリアン・リラのポストワークから再度右に渡り、関口のクロスが入るとクリアにいった岡山・宮崎智彦の頭に当たって方向が変わり、ゴールバーに当たって跳ね返り。
エリア内左に走り込んだ荒木がシュートするも、再び枠(左ポスト)に阻まれて跳ね返り、中央でリラが合わせてのシュートも岡山・井上がブロック。
怒涛の3連撃も実らず、尚もボールを繋いで新井が遠目からミドルシュートを放つもGK梅田がセーブと、結局ゴールは割れず仕舞いとなった甲府。

25分に飲水タイムが挟まれたのち試合再開。
ハイテンションぶりを保ちたい岡山は、28分の甲府の攻めで、ボールキープする泉澤に対し廣木がピタリと寄せる守備を敢行。(その後戻されたのち泉澤を走らせるスルーパスが送られるも、廣木に奪われる)
チームに落ち着きを与えるように振る舞うこの日の泉澤、そのペースを乱す事で再び主導権を奪い返したいという思惑でしょうか。
直後の29分、左サイドでのパスワークから中央へ渡り、受けた川本が反転してミドルシュートを放つもブロックののちGK河田がキャッチ。

しかしその効果が表れる前に、甲府がセットプレーでの絶好機を得ます。
30分、鳥海が中央突破を図ると、エリア内に進入する寸前で岡山・白井に倒されて反則。
これでエリアからすぐ手前での直接フリーキックとなり、キッカー野津田から放たれたシュートが美しい軌道でゴール右に突き刺さり。
守備に邪魔される事の無い攻撃で、先制点を奪った甲府。

その後は反撃に出ようとする岡山に対し、前線からのプレッシングを強めて阻まんとする甲府。
リードを奪うと様子見に入る展開が多かったこれまでの甲府ですが、34分に小柳が前に出てパスカットする場面もあり。
積極性は功を奏すかと思われましたが、やはり最前線のリラの規制の掛け方が今一つで、網を破られて攻め込まれるシーンが多々。

35分右ハーフレーンから白井が縦パス、上門のフリックで川本の足下に向かうと、川本はポストプレイを選択してそのボールを上門がスルー。
そして宮崎幾がダイレクトでシュートを放つも、GK河田がキャッチ。
41分にはコーナーキックから、クリアボールを廣木がヘッドで再度エリア内へ送り、安部が中央で収めシュートを放つもブロックに阻まれます。
再び岡山ペースへと傾きつつあった流れ。

42分には右サイドからの攻撃で、白井の裏へのミドルパスがエリア内を襲い、そこに宮崎幾が走り込み。
絶好機になりそうな場面でしたが、後ろから甲府・新井に引っ張られ倒された宮崎幾、しかし審判の笛は鳴らず。
しかも抑えたGK河田からカウンターが発動(左サイド奥で泉澤が持ってCKに)と、泣きっ面に蜂といったシーンになりました。
結局0-1のまま前半が終了。

反発を招き易い、不可解な判定という事象を終盤に浴びた事で、後半は一層いきり立って反撃する事が予想された岡山。
しかしその意識が空回りしてしまったか。

後半4分の甲府の攻撃、今まで抑制していたサイド奥へのロングパスを使用、小柳の右へのロングパスを受けた関口が奥に進入。
そしてマイナスのクロスを入れると、エリア外へ流れた所を野津田が受けてエリア内に進入し、泉澤にラストパス。
角度がキツイ場所ながらも、その期待に応えた泉澤のニアサイドへのシュートがGK梅田を弾いてゴールネットに突き刺さり。
対応力が薄れがちとなった所に甲府の得意パターンを突き付けられた格好となり、これでリードは2点に広がりました。

以降岡山は攻撃の形を作れず、8分には白井が甲府・野津田に対しアフターで反則。
流れが消えかかっているのは明白な状況で、9分にベンチが動き、宮崎幾・徳元に代えて齊藤・木村を投入。
故障離脱からようやく復帰し、この日ベンチ入りとなった齊藤に状況打開を託す形となりました。

その後はGK梅田からの繋ぎも交え、ポゼッションを完全に支配して攻撃する岡山。
それでも勝負所でパスがズレたりと、中々シュートまで持っていけないシーンが続き。
そして20分頃から、やっと攻勢が実り始めます。(17分に甲府もメンデス・リラ→北谷・有田へと交代)

20分、左からの宮崎智のクロスが流れたボールを齊藤が拾い、奥に切り込んで再度クロス。
川本が合わせるもフリックのようになり、エリア外へ流れた所を宮崎智がボレーシュートを放ちますが枠外に。
直後に再度2枚替えを敢行(廣木・川本→河野・パウリーニョ)し、齊藤を右サイドハーフ→FWへとシフトさせ(白井が右SHへ回る)、尚も攻める岡山。
23分には右からのスローイン、飛距離の長いボールを右奥で木村が受け、そのままカットインでエリア内へ。
そしてマイナスのクロスを入れるも合わず。
25分には宮崎智の左→右のサイドチェンジから、受けた河野の手前からのクロスを齋藤がヘディングシュートするも枠外と、ゴールにはもう一歩足りずという攻撃が続きます。

後半の飲水タイムが挟まれ、明ける際に甲府は泉澤→長谷川へと交代。(26分)
ここに来て岡山の圧を受けっぱなしだった甲府も押し返しを見せ、29分には鳥海ミドルパス→関口ポストプレイ→有田と繋げ、エリア手前から有田がシュート。(GK梅田キャッチ)
31分には左→中央→右へと展開ののち、関口のグラウンダーでのクロスを長谷川が合わせシュート。(枠外)

岡山も32分に再び齊藤がヘディングシュートを放つ(枠外)など、攻め合いの様相になってきた所で、再度甲府のセットプレーが牙を向き。
35分、右サイド中盤からのFKを得ると、関口のロビングをファーサイドで小柳が折り返してエリア内へ送り。
北谷が合わせにいく所を、クリアに入った岡山・井上の開いた右腕にボールが当たってしまい、ハンドの反則に。
岡山にとっては無情のPKとなってしまい、これをキッカー有田が右上へ豪快に蹴り込み、GK梅田は反応するも届かず。
3点目を奪い、試合を決定づけた甲府。

直後に甲府は鳥海→金井に交代し、試合を閉めに掛かり。
ボールを握っても保持に徹し、相手に攻撃させない事を念頭に置く立ち回りへとシフトします。
その中で野津田が、反則の後にボールを蹴ってしまい遅延行為で警告を貰ったのは余計でしたが。

追い詰められた岡山、一矢報いるべく42分に最後の交代カードを使い。
宮崎智→濱田へと交代し、3バックへとシフト。
守りきるためでは無く、得点のための3バックという姿勢で残り時間に挑みます。

そしてアディショナルタイムを迎え、最初の岡山の攻撃。
左→中央→右へとサイドを移し、河野が右サイド奥へと進入してクロスを入れ、ブロックされるもエリア内にこぼれ。
これをニアで喜山がフリックし、上門が収めてシュート。
ゴールネットを揺らし、遅まきながら1点を返した岡山。

これで勢い付いたか、続く攻撃では木村の左奥からの低いクロスを、大外で河野が合わせシュート。(枠外)
尚も好機を作る岡山、甲府のパスカットが左サイドにこぼれた所を木村が拾い、マイナスのカットインを経てエリア手前左からシュート。
これをコース上で上門がフリックするも、GK河田のセーブに阻まれ。
甲府ゴールを脅かし続けたものの、流石に時間が足りず。

1-3で試合終了となり、スッキリしない終わり方ながら、これで連勝となった甲府。
最近の低調さを「底を打った」という表現に変えるべく、再浮上で昇格争いに加われるでしょうか。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第21節 京都サンガFCvsV・ファーレン長崎

2021-07-06 18:55:56 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の京都の記事はこちら(17節・栃木戦、0-0)
※前回の長崎の記事はこちら(13節・北九州戦、1-0)

松田浩監督就任後、怒涛の7戦無敗(6勝1分)で上位に進出した長崎。
修羅場を潜り抜けてきた者の手腕は伊達では無く、逆に言えば、開幕から監督交代までの期間を無駄に過ごしてしまったと言わざるを得なく。

「守備組織の構築に関しては日本で一・二を争う」という評判の松田氏、その通りにディフェンス面の安定化を短期間で落とし込み。
6勝はいずれも無失点でのものと、いくら手腕に定評あると言え、ここまで極端な変貌を見せるとは驚愕もの。
そんな上り調子で迎えた上位陣との連戦、惜敗した前節(磐田戦・0-1)を経て、この日も昇格圏内に居る京都との戦いになりました。

就任以降、レギュラーにもテコ入れを敢行した松田氏ですが、その中で「いかにも守備重視の松田氏らしいな……」という起用がベテランFW・都倉でしょうか。
吉田孝行前監督の頃は、1トップ(4-2-3-1)というシステムが主で、かつ長身FWが他にも揃っていた(富樫やエジガル・ジュニオ)ためスタメンは僅か1試合。
それが今や全試合スタメンで出場中という転身ぶりで、得点能力に目がいきがちな存在ですが、いかに前線での守備を買われているかが伺える都倉。
相手の最終ラインに対し、ボランチへのパスコースを切りながら規制を掛けるというやり方が非常に巧で、抜擢される理由も納得です。

相手が京都という事で、いかに今の長崎といえど、無傷で終える事は難しいと予想していた試合前。
その通りに前半4分、左サイドからの攻撃で荻原と松田天馬がパスを繋ぎつつ前進し、松田天のミドルシュートを炸裂させた京都。(GK富澤セーブ)
また7分には、クリアボールを松田がダイレクトで裏へ送ると、ピーター・ウタカがエリア内に走り込んでシュート。(枠外)
ダイレクトでのショートパス主体で組み立てる京都ですが、センターフォワードにウタカというエースが居る以上、こうした一本のパスも脅威となる。
そんな多彩な攻撃に翻弄されずに凌ぐ事を要求されたこの日の長崎。

その後も京都の攻撃の圧は緩む事無く。
13分には右サイドからのフリーキックで、クロスは居れずにパスを繋ぐ選択。
武田のフリックを経て中央へ渡ると、ヨルディ・バイスがダイレクトで縦パスをエリア内に送り自身も前進、宮吉のポストプレイ(ヒール)から自らシュートを放ちますがGK富澤がセーブ。
さらに16分、武田の敵陣でのボール奪取から、川崎の縦パスを受けた宮吉がペナルティアークからシュートするも再度GK富澤がセーブ。(その後荻原が左サイドからシュートも枠外)
何度も危ない場面を作られ、その度に富澤の好守に助けられるという危機的状況の長崎。
しかし、結果的にこの時間帯を無失点で凌げた事が良かったでしょうか。

一方長崎の攻撃としては、2トップに都倉・エジガルという長身コンビを活かす、彼らに向けたロングボールを送る振る舞い。
ここまでは定番通りですが、意外とGK富澤からのショートパスによる繋ぎも取り入れるなど、以前の長崎のサッカーを組み込んでいる節も見受けられました。
最終ラインで繋ぎ京都のプレスをいなした上で、FW目掛けて長いパスを送る。
そんな立ち回りが、押され気味の展開の中でチームに落ち着きを与えていたようなこの日の試合でした。

迎えた22分の長崎、GK富澤のロングフィードをエジガルが落とし、そこからパスワークを展開する攻撃へ。
左→右へとサイドを移したのち、カイオ・セザールが右サイド奥からエリア内に切り込み、クリアされるもこぼれ球を都倉が右奥で拾い。
京都・川崎のアタックを受けつつキープした都倉から、ウェリントン・ハット→毎熊→カイオと繋がりエリア内中央へ渡り、カイオがシュート。
ゴール右隅へと突き刺さり、苦しい試合展開をひっくり返す先制点を得た長崎。
直後に飲水タイムへ突入と、良い時間帯でのゴールとなりました。

リードを奪われた京都、その後も攻撃権を支配して同点に追い付かんとします。
しかし25分に、エリア内に進入するウタカが長崎・カイオに奪われたのを皮切りに、長崎ディフェンスが冴え渡りゴールを脅かすシュートを放てず。
スコアが動いた事で余裕を与えてしまった、という表現が当てはまる展開に。
惜しかったのは35分、右サイドで飯田がクロスを上げると、クリアが小さくなった所を荻原がエリア内でシュートしたシーン。
しかし荻原のシュートはミートせずに枠外と、流れの悪さを露呈するだけに終わってしまいました。

以降京都もペースを失い、長崎がセットプレーを交えつつの反撃。
41分には左コーナーキックから、キッカー毎熊のクロスを中央で江川がボレーシュート。(GK若原セーブ)
アディショナルタイムには中央やや左から直接FKを得ると、ハットが直接シュートを狙い、壁の左を抜けたものの惜しくもゴール左へ外れ。
追加点こそなりませんでしたが、京都サイドに焦りを呼ぶには十分な攻撃で、前半をリードを保ったまま終えます。

後半を迎え、幾ばくか京都もネジを巻き直したか、再び主導権を握って攻勢に入ります。
押し込んでセットプレーも得て、得意の変化による攻撃(CKをグラウンダーでクロス→ニアでポストプレイ)も仕掛けたものの、中々シュートには繋げられず。

押され気味ながらも、自慢の守備力を発揮しつつあった長崎。
10分に後半初めての攻撃機会を掴むと、その直後に勇気を与える得点が入ります。
右サイドからのクロスが流れ、京都が自陣奥でボールを持つ展開になると、(京都から見て)右サイドでキープする飯田は澤田・エジガルのプレスを受けてGKにバックパス。
GK若原がキックの体勢に入るも、その目の前にも毎熊がプレスを掛ける長崎、これが奏功して若原のキックは直接澤田に当たり。
そして拾ったエジガルがすかさず無人のゴールに蹴り込み、角度の無い所でしたが見事決めてゴール。
「攻撃は最大の…」とは逆の、「防御は最大の攻撃」と言いたくなるような追加点を奪った長崎。

一方、相手を押し込みながらも得点出来ず、逆に2点ビハインドとなってしまった京都。
苛立ちも募っていたか、13分に長崎・澤田が左サイドをドリブルで抜け出した所、バイスがスライディングで止めて派手に倒れてしまう澤田。
当然反則の笛が鳴りますが、脇に居た長崎・都倉がクレームを付けた所を、あろう事か突き倒してしまったバイス。
反則時点かその後の蛮行でかは不明(スライディングの際やや足裏が入っていたため)ですが、当然黄色い紙がバイスに付き出される運びとなりました。
前半立ち上がりは際立っていた京都の攻撃でしたが、すっかり流れを失ってしまったようで。
実は翻弄していたのは長崎ディフェンスの方だった……とも言いたくなり。

京都ベンチとしては大胆な策を打ちにいき、流れを変えたくなる場面。
そして16分に3枚替えを敢行、宮吉・三沢・荻原→中川・曽根田・白井へと交代します。

そして反撃の1点を奪いに攻勢を掛ける京都、先程失態を演じてしまったバイスも要所で攻守に活躍。
23分の長崎の右CK、キッカー加藤聖のクロスが直接ゴールへと向かいましたが、ゴールライン寸前でバイスが足でクリアし3点目はならず。
その直後の京都、降りてきたウタカからパスを受けたバイス、縦パスを送ると自身も前線に上がるという前半13分の再現のような攻撃。
中川→松田天と繋がってシュートレンジに出されたボールに、走り込んで左足で撃ったバイスでしたが、結果も同様でGK富澤のセーブに阻まれてしまいました。

25分に後半の飲水タイムが採られ、明けた後の最初の攻撃は長崎で27分、毎熊の右サイドからのクロスを都倉がヘディングシュート。(ブロックされCKに)
29分には長崎の左CK、キッカー加藤聖はニアサイドに低いクロスを入れて新里がスルーという変化を付け、中央で江川がシュート。(ブロック)
余裕が生まれた長崎の攻撃も冴え、何とか追加点を阻む京都というあべこべな図式に。

何とかしたい京都、31分に再び交代。
松田天・武田→李・森脇へと2枚替え、2度の交代で5人を使い切ったベンチ。
李・森脇の投入で、「ウタカとの2トップかな……」「森脇を最終ラインに加えて3バックかな……」なんて変化を想像したものの、ウタカが左ウイングに回る・森脇がMFに入るという形でシステムはそのままでした。
その最初の攻撃で(32分)、李が右サイドからカットインしてミドルシュートを放ち(エリア内で長崎・新里がブロック)、反撃姿勢を見せた京都。

守備に回る長崎。
38分にゴールキックの際にGK富澤が遅延行為で警告を受ける、39分に都倉が足を攣らせて倒れ込む(直後に交代)など、徐々にその圧力が影響し始め。
40分に最初のカードを切り、都倉・ハット→ルアン・米田へと交代します。
さらに42分には加藤聖→二見へと交代。

運動量が加わった事で、戦況は再び五分となり。
二見はそのまま左サイドバックに入る形で、本来ならセンターバックの人材でしょうが、松田氏の「改革」以降はフレイレともども脇に置かれる格好に。
新里・江川のCBコンビが冴え渡っている証拠でもありますが、さらに納得させる事となったのがこの日の二見のプレーぶり。

長崎2点リードのままATに突入し、自陣で京都がパスワークをしている際に、李に対しアフター気味にスライディングで倒してしまった二見。
警告が与えられ、ラフなプレーが目立つ事となりました。
こうしたフィジカルを前面に押し出すプレーが、組織重視の松田氏の下、序列が変わる要因となったのだと思わされました。

ともかく最後は若手の植中・安部を投入(澤田・エジガルと交代)し、京都に何も起こさせる事無く逃げ切りを果たした長崎。
またも無失点で勝利と、安定ぶりは止まる所を知らず、順位も7位に浮上。
次節から折り返しとなるリーグ戦、昇格圏を脅かしに掛かる体勢は整ったといえるでしょう。


DAZN観戦 2021年J2リーグ第20節 レノファ山口FCvs大宮アルディージャ

2021-06-30 16:10:26 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の山口の記事はこちら(18節・山形戦、0-2)
※前回の大宮の記事はこちら(17節・金沢戦、0-1)

山形戦での力負けののち、前節・甲府戦では好ゲームを繰り広げた山口。
一旦は勝ち越して終盤を迎えたものの、追い付かれて引き分けに終わり(2-2)、勝つ事は出来ず。
目下5戦未勝利の中、攻撃陣が0点ならば敗戦という流れが出来上がっていますが、こうして得点出来る試合で勝ち切れない方がある意味精神的に辛いものでしょう。
発展途上のチーム故安定感は期待できないとしても、徐々に降格ラインに近づいているという状況で、プレッシャーに呑まれてしまうのは避けたい所。

この日の相手は、そんなプレッシャーとの戦いを絶賛展開中という状況の大宮。
成績不振で監督交代も断行されましたが、新監督に前山口の霜田正浩氏が就任したという、青天の霹靂のような巡り合わせとなりました。

山口を遥かに凌ぐ程の未勝利の期間が続いている大宮(14戦)、最後の勝利が3月末という遠い出来事となっており。
4-1-2-3という自身の理想のフォーメーションを早速就任直後から導入した霜田氏ですが、守備時は小島がFWの位置に出て2トップのような形を取り、果敢にプレッシングを行うスタイル。
早速前半立ち上がりから、敵陣でのボール奪取で好機を作る(シュートには繋がらず)など、後の無いチームらしい振る舞いを見せていきます。
しかし山口も、前半4分に敵陣深めで田中がパスカットする(その後高井にパスも収まらず)など、プレスを成功させての攻撃を見せ。

双方互角という状況で、9分に山口が右コーナーキックを獲得。
キッカー池上は変化を付けてグラウンダーでクロスを入れると、ニアサイドで川井が走り込んでシュートを放つもゴール上へと外れ。
セットプレーから一発ゴールを脅かしたものの、その後は大宮が逆にCK攻勢に。
そのCKでの大宮、キッカーの位置には松田と黒川が立ち、松田が蹴り出して黒川がクロスを上げるか繋いでいくかの二択を押し付けるスタイルを主としていました。

10分から2分間で3本CKを得て、2本目の右CKでは黒川がエリア手前へとパスを送ると、右ハーフレーンから小島がミドルシュートを放ちましたがGK関のセーブに防がれます。
続く3本目、黒川のニアへのクロスを翁長がフリック、クリアされたボールを再び小島がシュートするも枠外に。

この変化を付けたセットプレー同士の交錯を経て、大宮側に針が振れ。
以降も敵陣でのボール奪取中心で好機を作っていき、17分には石川俊介の右サイドでのカットから、松田のクロスを中央で黒川が合わせるも枠外に。

大宮のプレスに苦しむ山口も、20分前後からようやくビルドアップが冴え始め。
19分には左→右へとサイドを変えたのち島屋のクロスがクリアされると、池上が拾ってエリア内に進入し、シュートを放つもゴール右へと外れ。
前半のうちは、3バックを変形させてパスを繋ぐ意識が見られた山口。
主に右センターバックの楠本が前へ張り出してのビルドアップが目立っていました。

23分に飲水タイムが挟まれ、明けた後は大宮の攻勢。
26分に右サイドで松田がクロスを上げて(ブロック)から、セットプレーも絡めて山口を押し込み、左右からクロスの爆撃を入れていく攻撃を展開していきます。

中々良い形でのクロスが生まれない中、32分に絶好の形。
自陣での翁長のパスカットから小島が拾い左サイドでドリブル、カットインの姿勢を見せてから奥へスルーパスを送り、抜け出した翁長がほぼノーマークでのクロス。
この低いボールをGK関が飛び出して弾いたものの、こぼれ球を黒川が詰めてシュート、ジャストミートはしなかったもののボールはゴール内へと転がっていき。
チーム全体の前へのベクトルが生んだようなシュートで、先制点を挙げた大宮。

リードを奪われた山口、34分にこの日1トップの高井が右サイドでパスを受け、カットインからシュート。(ブロック)
それでもサイズがある方では無い高井なので、最終ラインからの組織的な攻撃が反撃の肝となり。
渡部博文がボールを持ってから組み立てるのが基本ですが、中央CBというポジションもあり、積極的に上がる訳にもいかず。
渡部博自身は持ち上がりも散らしも出来るのでしょうが、攻撃参加は左右のCBが行うのが通例な中、ややミスマッチな感があり。

45分の山口の攻撃、渡部博が持ち上がったのち左サイドへミドルパス、澤井が受けてから細かくパスを繋いで攻め上がり。
最後は右サイドで、楠本が奥まで進入してクロスを上げる(ニアで島屋が合わせにいくもCKに)所まで行き、CBも絡めての分厚い攻撃を見せた場面。
得点は奪えずも、この攻撃を続けていけば同点は不可能では無い、そんな流れを匂わせつつ前半を終えた山口。

長らく未勝利が続き、順位的にも21位という底辺付近に沈む大宮。
この苦境の中招聘された霜田氏は、前述の通り前年まで3年間山口の監督を務めた人物であります。
山口とは打って変わって、大宮は資本力はJ2内では屈指のクラブでありながらの低迷という事で、前年までとはまた違ったアプローチが求められるといっても良いでしょう。
特にシーズン途中で、降格圏から抜け出す事を要求される状況では尚更の事。

故障離脱が長かった河本・西村というCBコンビを組んだこの日、これが今季初との事。
GKには就任当初から上田を起用するなど、相変わらずの故障者の多さで限られた手駒の中、ディフェンスに関わる選手の入れ替えが目立つのは意識改革のためでしょう。
ロースコアの接戦に持ち込む展開を続け、就任後の2戦で2引き分け。
果たしてこの日は、初めてリードを後半に持ち越す事に成功した霜田・大宮、初勝利に向けてどう立ち回るのか。

後半が始まりその立ち上がり、立て続けに好機を作る大宮。
後半4分黒川がドリブルで持ち上がり左へ展開、翁長のクロスがこぼれた所を黒川が繋ぎ、エリア内左から翁長がシュート。(枠外)
7分にはスローインから右サイドでパスワーク、馬渡が小島のポストプレイを交えたのち右ハーフレーンからシュート(枠外)と、サイドバックが積極的にフィニッシュに絡む攻撃を見せます。

一方の山口、前半とは違いCBの上がりは殆ど見られなくなってしまいます。
大宮ペースが途絶えた序盤は、サイドに展開したのち、ウイングバック(右=川井・左=澤井)が手前からクロスorカットインからシュートという二択の攻撃を敢行。
9分に左から澤井がカットインからミドルシュート(ブロック)、13分に右から川井が以下同文(ブロック)といったシーン。

大宮のプレッシングのギアが上がり、最終ラインへの追い掛けが激しくなったのが一因でしょう。
前半は殆ど見られなかったCF・イバのプレスも頻度を増し、山口に最終ラインで流暢に組み立てを図る暇を与えず。

そして序盤の攻防が終わった15分、大宮は3枚替えを敢行。
イバ・松田・馬渡に代わり、ネルミン・ハスキッチと小野、渡部大輔が投入されました。
プレスに残りの体力を総動員させたのでしょうか、ここでお役御免となったイバ。

一方の山口も、それとほぼ同時(16分)に澤井・神垣→石川啓人・佐藤健太郎へと2枚替え。
相変わらず最終ラインから組み立て、渡部博は巧みに大宮のプレッシングをいなすも、その後サイドに展開しても左右のCBは上がる事が出来ず。
推進力が足りないため、手前からのクロス攻勢に終始する山口の攻撃。

しかしそこからCK攻勢へと持ち込んだのが22分。
左CKを得ると、キッカー池上のクロスが跳ね返されたボールを左サイドで石川啓が拾い、池上とのパス交換ののちクロスのような弾道でシュートを放つもGK上田がセーブ。
2本目の右CKで、ヘナンのヘディングシュートが枠外となった所で後半の飲水タイムに入ります。

ブレイク明け、反撃に出たい山口がボールを握るも、攻撃機会を掴めずに時間が進み。
それでも大宮ディフェンスは盤石という訳でも無く、プレッシングが嵌らなかった際は素早く帰陣しての凌ぎを見せますが、流石に全てを防ぐ事は出来ません。
30分、左サイドで池上・佐藤健・石川啓の3人でパスを繋いだのち、池上のミドルシュートが炸裂するもGK上田がセーブして防ぎ。
直後の左CKも、池上ニアにクロス→楠本フリックでファーへ→川井ヘディングシュート(枠外)と、フィニッシュに持っていった山口。
しかしここでほぼ打ち止めとなり。

大宮は33分に小島→大山へ、34分には河本→山越へと交代し、守備を固める体勢に。
以降はリトリートを重視するようになりますが、それでも山口は中々重心が前に掛かりません。
33分に田中・島屋→浮田・草野に交代しても、流れを変える事は出来ず。(3-3-2-2にシフト?)
CBは相変わらずパスを繋ぐのみに終始し、次第に硬直化していく攻撃。

それを見計らってか、大宮が逆に追加点を狙う体勢に。
36分中盤でのハスキッチのボール奪取から、左サイドで黒川がドリブルからスルーパス、走り込んだ翁長からクロスが上がり。
ファーサイドで大山がヘディングシュート、GK関が片手で弾いたもののハスキッチが詰め、飛び出した関に触られる前にシュート。
誰もが2点目かと思った刹那、シュートコースに居た石川に当たってしまいオフサイドという結果に終わる事となりました。
この決定機を逃したのは大きく、以降も大宮はシュートを撃ち続け。
42分にハスキッチが立て続けに2本、43分に渡部大が、45分に小野がいずれもエリア内から放ったものの枠を捉えられず終わり。(ハスキッチの1本目はGK関が防ぐ)

山口も手をこまねいている訳では無く、40分に最後の交代カードを使い(楠本→梅木)、布陣も4バックへと切り替え。(4-2-3-1?)
それでも大宮の攻撃機会ばかりが増えるまま、アディショナルタイムへ入ります。
その最中に黒川が足を攣らせるなど、大宮の体力面の限界も露わになり始め。

そして最後の攻勢に入る山口、その手段は川井のロングスロー。
左サイドから投げ込まれたボールはクリアされるも、ヘナンが拾ってからエリア内へ連続してボールを蹴り込む攻撃。
そして左サイドからの川井のクロスがクリアされた所を石川啓が拾い、すかさずシュートを放ったものの、大宮・大山のブロックに阻まれ同点ならず。
直後のCKからも、クリアされたボールを佐藤健がシュートしますがブロックに遭い、万事休すとなった山口。

決死の逃げ切りに成功しウノゼロと、実に15試合ぶりの勝利の味を噛み締めた大宮。
ここからの逆襲を成功させるにはまだ不安が多い状況ですが、古巣相手にその第一歩を踏み出した霜田監督の下、一丸となっての戦いを展開出来るでしょうか。