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DAZN観戦 2024年J1リーグ第12節 ヴィッセル神戸vsアルビレックス新潟

2024-05-08 18:31:32 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

  • 神戸はマテウス・トゥーレルが累積警告で、新潟は早川が前節退場により出場停止。
  • 神戸はDAZNの予想フォーメーションでは、鍬先アンカー・佐々木と井手口がインサイドハーフの4-1-2-3。しかし攻撃時でも鍬先と井手口が横並びの4-4-2に見える。(守備時の4-4-2はデフォ)

現地で観戦して以来の、直に見る新潟のサッカー。
しかしそれは苦虫を噛み潰すようなものとなり……と、私事を述べるのは相応しくないので止めておきます。

ポゼッションスタイルのチームにとって、高い壁として立ちはだかる存在が前年王者の神戸。
彼らが繰り広げるプレッシャーを物ともしない程のサッカーを展開出来れば……という理想を脳裏に浮かべた所で、そんなチームは果たして日本国内に存在し得るのか。
戦前から、そんな事を考えさせられるこのカード。

中2日の試合故に神戸が9人入れ替えと、ターンオーバー率が8割越えのメンバーで臨んだのに対し、新潟は3人のみに留まり。(うち1人が早川の出場停止という要素)
新井がシーズン途中に移籍し、堀米やトーマス・デンに負傷の疑いありと、目に見えてディフェンスラインが厳しく映る陣容では満足なターンオーバーも出来ず。
かくして前半は、そんなフィットネスの面での影響を露骨に感じさせる両軍の出来となりました。

前半3分、新潟のボール保持に対し、中央での縦パスを鍬先がカットして敵陣から攻撃開始となる神戸。
そして佐々木が左ワイドへと流れそのまま奥へと切り込み、ボールキープする様に対し必死に付いていったのがボランチの秋山。
しかし最後は腕でのチャージにより倒してしまい反則と、新潟の攻めの流れの悪さと、対応の重さを痛感する絵図となり。

それを引き摺るように、5分藤原がプレッシャーを受けて何とかスペースに出したボールを、拾おうとした高木へアクシデントが襲い。
突然倒れ込んでしまうと、やはり筋肉系トラブルらしく続行不可能に。
超早期での交代を強いられる事となりました。(鈴木が投入され、小野との2トップにシフト)

2センターバック+アンカーでの繋ぎはほぼ不可能という思惑から、ボックス型でのビルドアップを試みる新潟。
しかし2トップがしっかりボランチへのパスコースを切り、かつ島田に対しプレッシャーを掛ける井手口の存在で、その体制も早々に崩されます。
そして神戸の攻撃を浴び続ける展開となり、13分には井手口の右サイドからのクロスを大外でパトリッキが落とし、すかさず放たれた初瀬がシュートを島田のブロックで何とか防ぎ。

その神戸のビルドアップは、新潟程の細かな繋ぎはしないものの、しっかりと距離感を広く取ってのパスにより展開され。
疲労感が伺える新潟はそれに対しプレッシングもままならず、「神戸の方がしっかりとポゼッションしているのでは?」と錯覚を受ける事もあり。
主たる最終ラインの形は、菊池が前に出ての右肩上がり。
センターバックタイプの菊池の方が上がるそのシステムに若干の違和感を覚えながらも、殆ど破綻無くペースを掴んでいきます。

そして15分、先制点に辿り着く神戸。
岩波のフィードによるセカンドボールを拾ってからの攻め(井手口が前に出て合わせにいく事で、拾い易い体勢を作ったのも見逃せない)で、パトリッキの左からのクロスは流れるも、右奥で飯野が拾って逆から再度クロス。
星のブロックに当たるもそのまま中央へと入り、逆にこれにより新潟のマークの方がズレてしまったか、佐々木が走り込んでドンピシャでヘディングシュートが放たれ。
細かな相手を纏めて吹き飛ばすような、力強さを感じさせるゴールでリードを奪います。

反撃したい新潟ですが、そのビルドアップの流れは一向に上向かず。
パスミスが頻発し、攻撃機会を全く得られずにひたすら受けを強いられる流れが続き。

そんな縮こまったような相手に対し手を緩めない神戸、次なる手段は初瀬のロングスロー。
24分に、左から初瀬が投げ入れたボールをニアで菊池がフリック、ファーへ浮いた所に岩波が合わせにいくという理想的な流れに持ち込み。
GK小島が弾いた所を、飯野がダイレクトでシュートと完璧なフィニッシュを放ちます。
これをゴール寸前で星がブロックして防いだ新潟ですが、尚も右コーナーキックで継続する神戸。
キッカー初瀬のクロスが中央へ落ちる所に、菊池が身体を投げうってのヘッドで落とし。
これでカオスが生まれた所を、宮代が流し込んでゴールゲット。
追加点もやはりパワー溢れるプレーからで、リードを広げました。

その後も同様の流れは続き、反撃すらままならない新潟。
止むを得ず、ボランチ1人が降りての3枚の最終ラインの形を取り始め。
加えて小野が降りてビルドアップの形を作る事で、何とかプレス回避だけは果たされるもののそれ以上の成果は出ず。

神戸も2点リードで落ち着いた感があったものの、40分台を迎えると再びギアアップ。
40分には自身での最終ラインからの繋ぎで、山川斜めの縦パス→パトリッキ浮かせるポストプレイ→佐々木胸で落とし→宮代→パトリッキドリブルと流れるような運び。
そして左ポケットを突いたパトリッキがシュート(GK小島セーブ)と完遂される攻撃。
続く41分にはまたも新潟のパスミスから、佐々木のスルーパスを受けた飯野が右ポケット奥を突いてのクロス。
これがブロックに当たりゴールに向かい、右ポストを叩く際どいボールとなり。

パワーが強調される神戸の攻撃ですが、要所要所で主体的な攻めの形も取ったり、一旦戻して作り直すシーンも見られ。
ボール保持の形をある程度取り入れるという、あくまで「4局面」の全てを効果的に使いバランスを取る、強者の振る舞いを終始貫きます。

アディショナルタイム、ようやく新潟は最終ラインからボールを運び、舞行龍の縦パスを使いながら迎えた好機。
ここでも左サイド手前から舞行龍のクロスと、奥へ切り込むまでには至らずでしたが、中央で鈴木が収めた事でシュートチャンス。
こぼれ球を星が繋ぎ、シュートしたのは長谷川元でしたが枠を捉えられず。
結局これが前半唯一のフィニッシュシーンとなり。

2-0のまま前半を終えましたが、既にアクシデントでカードを使っていた新潟、ハーフタイムでの交代も見送る事に。

まずは流れを変えたい新潟、キックオフからの攻撃で、左サイドを長谷川元が運ぶ状況を作り。
これは遮断されるも、拾った秋山から逆サイドへ展開し、藤原のミドルパスに走り込んだ太田がクロスに持ち込み。(繋がらず)
ショートパス以外の要素を取り入れて一つ形を作ると、続く後半2分に左サイド奥を取った小野が相手に当ててCKをゲット。
これがこの日初のセットプレーと、今までどれだけ押し込まれていたのかと痛感させる事象ながら、ショートコーナーを経て上がった長谷川元のクロス。
ファーサイドで遠藤が落とし、舞行龍に当たったこぼれ球を尚も繋いでシュートチャンスを作りましたが、舞行龍の時点でオフサイドを取られ終了となります。

その後神戸の反撃に遭うも、迎えた6分、ここも舞行龍のロングパスを中央で鈴木が収めての起点と手札を変えて攻め。
そして左へと流れてスルーパス、奥で受けた長谷川元がカットインでポケットを突くと、グラウンダーのクロスが中央へと流れ。
これに走り込んで来たのが藤原で、大外から合わせるという形で放たれたシュートがゴールネットを揺らします。
HTを挟んで変わった流れをモノにし、1点差に詰め寄った新潟。

しかし神戸は落ち着きを取り戻し、10分再び最終ラインからの攻めで、中央から山川縦パス→佐々木スルーパス→飯野と突然ギアチェンジしての運び。
飯野の前進は防がれるも、続く右スローインから右奥を取った菊池がカットイン。
そしてポケットから入れられたクロス、ブロックを掠めて中央に入った所、遠藤がクリアしたボールがあろう事か逆方向に。
ゴールに吸い込まれ、無理に利き足(右)で処理しようとしたというオウンゴールとなってしまい、折角の得点がフイとなり。
再び2点差でのスタートを強いられます。

その後、何とかGKからの繋ぎで組み立てんとする新潟。
13分にプレス回避から舞行龍右へミドルパス→太田から中央へ展開ののち秋山左へミドルパスと、幅を使っての組み立てで前進。
そして受けた小野がカットインを経てハーフレーンからミドルシュート。(ゴール左へ外れ)
ゴールを脅かしたのも束の間、続く14分にもGKからの組み立てを取るも、あろう事かエリア内で佐々木にカットされるという失態を招き。
舞行龍が反則気味のディフェンスで辛うじて防ぐも、神戸の強度を前にした厳しい戦いは前半と変わり無く。

そして神戸ベンチの方が先に動き、15分に3枚替え。
酒井・武藤・大迫と本来のレギュラー陣を一挙に投入(菊地・飯野・佐々木と交代)と、這う這うの体の相手に止めを刺す、と言わんばかりの采配を敢行する吉田孝行監督。

その思惑通りに好機を作る神戸。
18分には右CKから、キッカー初瀬のクロスは流れるも逆サイドで拾った井手口が再度クロス、これを大外で収めてシュートしたのは最初に蹴った初瀬。(GK小島セーブ)
続く19分にも、ゴールキックのロングフィードを拾われるも、飯野が取り返して確保したのち鍬先が中央突破。
ラストパスを左ポケットで受けたパトリッキがカットインを経てシュート(枠外)と、マークすべき交代選手が入った事で、既存の選手が輝くといった流れとなり。

窮地の新潟も20分にベンチが動き、神戸と同じく3枚替え。
島田・太田・小野に代え、奥村とダニーロ・ゴメス、長倉の3人を投入します。
手薄となった陣容故に、お鉢が回ってきたような奥村(ボランチも前節宮本が負傷交代……)は多彩な動きでパスを引き出し、相手もまだ研究段階なのか以降彼のプレーに翻弄され気味に。

22分にCKを得た新潟、クリアボールをダイレクトでシュートにいった遠藤ですがあろう事か空振り。
これを拾われて神戸のカウンターとなり、酒井・大迫が絡む状況となったものの、何とかシュートは撃たせず。
この日の大迫はじめ神戸の交代選手は、やはり体力面に不安を抱えていたのかあまり調子は良くなかった事が新潟にとって幸いだったでしょうか。(27分に鍬先→山口へと交代)
それでも30分には、初瀬の左サイドの突破を経て上げられたクロスに、武藤が合わせヘディングシュート(ゴール上へ外れ)と一発の恐怖は兼ね備え。

31分の新潟、敵陣でサイドを振り続ける攻撃の末に、左ポケット奥を突いた星により左CKに辿り着き。
キッカー長谷川元の中央へのクロスを遠藤がフリック(この時点でGK前川が跳び出してゴールが空に)し、大外から舞行龍が折り返したボールを合わせたのは、フリックで倒れたのち素早く起き上がった遠藤。
ゴールネットを揺らし、CB2人の敵ゴール前での働きで得点を挙げ、これで再度1点差に迫ります。

勢いを付けたい新潟は、続く32分にダニーロのドリブルがパトリッキに倒され、反則によりフリーキックとその目論見通りという流れに。
このFKでの二次攻撃で長く繋ぎ、またもダニーロの突破で右ポケットを突いてクロス。
遠藤の折り返しを経て長倉がシュート(ゴール左へ外れる)と、ジョーカーらしいダニーロの働きでリズムが生まれてきました。

一方前半の圧倒的な流れから一転、という神戸。
交代により勢いを失う、と取られかねない流れでしたが、最後の交代は37分で宮代→山内。
ここに来て経験の浅い選手を選択(もう片方残っていたのは本多)と、やはりターンオーバーを敢行した試合な以上、フレッシュな方が良いという判断でしょうか。
その読みは当たり、尚も続けられる新潟の攻勢に対し、ボール奪取からの好機を頻発させる神戸。

41分にはロングパス→落としを経て、拾った武藤が舞行龍に倒されて反則。
すると山口が素早くFKをリスタートし、右ポケットに送られたボールを受けた大迫から、ファーへのクロスをパトリッキが落とし。
何とかクリアされたボールを井手口がシュートし、GK小島が片手で辛うじてセーブという決定機に。

追い上げたい終盤で、守勢を強いられるのは避けたい新潟。
何とか体勢を整えるも、強度を保った神戸の前に地上での運びは厳しくなり。
そんな中で44分、左サイドで繋ぐ状況から、長谷川元がミドルパスでの戻しを選択し最終ラインへ。
一旦神戸の守備を引き付けて、という読みは当たり、その後秋山の左ポケットを突くミドルパスに走り込んだ鈴木が折り返し。
そして中央で長倉が合わせてゴールネットを揺らし、値千金の同点弾か、と思われましたがオフサイドを告げる笛が鳴り響き。
鈴木の抜け出しの時点で取られた模様で、ピッチ脇でガッツボーズをした松橋力蔵監督もぬか喜びに終わる結果となってしまいました。

結局これが最後の好機となり、ATでは神戸がセットプレー攻勢に持ち込むと、左CKの連続による大迫のボールキープで時間を使い。
スコア的には接戦も、終始優勢を保った神戸が順当というべき勝利に辿り着きました。

必死に食らい付いた新潟ですが、地上での運びに関しては課題しか見えない試合となり。
特に前半は、神戸の前線の守備をスライドさせる事が殆ど出来ずに終わったという感じでした。
コンディション面での不利を組織力で跳ね返す展開には持ち込めず、今後に不安を残しかねない内容でしたが果たして。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ

2024-04-30 16:01:20 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

  • 湘南は、田中聡がU-23代表に参加のため離脱中。
  • 札幌は言わずと知れた「オールコートマンツーマン」なため、守備時は荒野・スパチョークがそれぞれ一列下がっての4-4-2となり相手へのマークを合わせる。

最近の中継では、「6ポイントマッチ」というワードが安売りされているかのように良く使われるのが印象的であり。
しかし共に降格圏のクラブがぶつかり合うこの試合のような、生き残りを賭けた戦いでは最も相応しい表現になるでしょう。

目下4戦無敗の札幌ですが、僅か1勝(3分)なため最下位の状態を打破するには至っておらず。
自分は「ダイナミックプライシング」に批判的な立場ですが、その成績の伸び悩み故か、ゴールデンウィーク中にも拘らず12節(FC東京戦、5/6)のチケット料金も抑えられ。(自分が良く利用するバックスタンド(カテゴリー3)では4/29の時点で2,980円、前年観に行った時よりかなり安い)
まあGW最終日という事情もあるでしょうが、一抹の寂しさを感じる数字ですが、現場レベルで利益を呼び込むためには勝ち点を伸ばす事がまず第一であり。
この日の相手は湘南で、同一の勝ち点なうえに相手は水曜(4/24)にルヴァン杯2回戦・かつ延長戦を(アウェイで)戦っているという、状況的に有利なだけに勝ちたい試合となりました。

勝ち点が欲しいのはお互い様な状況を象徴するように、ロングボールを蹴り合いまずはセーフティに、という定番の入りに。
その中で前半2分、札幌はGK菅野のロングフィードが左奥に入ると、鈴木武がそれを入れ替わりで受け。
これに対する湘南の対応は(その後のパスワークにも)いかにも重そうで、コンディション面での不安が伺えるものでした。
ここは不発に終わるも、次の3分の攻撃で右CKを得た札幌、キッカー浅野のファーサイドへのクロスから鈴木武が叩き付けるヘディングシュートを放ち。(バウンドして枠外)
セットプレーの対応も今一つな雰囲気を醸し出します。(湘南はゾーン守備)

一方湘南の攻撃は、6分に鈴木雄の蹴り出しがブロックされるもこぼれ球を何とか繋ぎ、高橋が再びエリア内へ放り込み。
これがミスなのか、ゴールへ向かう予想外のボールとなり、GK菅野が弾いてCKと好機を生み出しましたが結局モノに出来ず。

10分を過ぎると、札幌が例によって、(前年の金子が居た時期のように)サイド奥へのロングパスを段々と通せるようになりペースを確保。
それでも12分、浮き球を収めにいった馬場の軽いトラップで平岡に奪われたりと、所々で現在のチーム状態を醸し出すような危ないシーンが生み出されますが。
しかしそれは湘南も同じで、パスミスを頻発させては札幌の攻撃を招くの繰り返しで流れを作れず。
生き残りを賭けた激しい戦いというよりは、共に瀬戸際に居る事を再確認させるような絵図を描きながら時間が進んでいきます。

それでも、展開的にはいち早く形を作り上げた札幌が優勢に立ち、スコアにも反映され。
21分、右サイドでの繋ぎの中、ポストプレイの体勢で受けた近藤が後ろから杉岡に倒されて反則。
右ワイドからのフリーキックですが、キッカーは馬場でクロスでは無く右ポケットへのミドルパスを選択すると、収めた浅野が奥を突いてマイナスのクロスと通常の流れのように攻め。
クリアされるも拾って二次攻撃、左サイドからドリブルを仕掛けるスパチョーク、青木のポストプレイを交える事で奥へ進入成功して低いクロス。
クリアされるも、スパチョークとのパス交換ののち中央へと走っていた青木が拾い、その流れのまま放たれたシュートがゴールに突き刺さります。

追う立場となった湘南ですが、一向にペースを上げられず。
25分に浮き球を収めたルキアンが入れ替わって前進する所を荒野に腕で倒されて反則、荒野に警告が出たのがまだしも優勢さを感じるものであり。
札幌のロングボールと比べ、アバウトな裏抜けorルキアンがDFを背負った状態で収めなければならないものばかりなため、サポートも遅くセカンドボールを繋げられないのも差を感じる要素となりました。

それでも31分、攻撃が途切れたのちのゲーゲンプレスを成功させ、平岡の奪取から拾ったルキアンスルーパス→池田左奥からクロスという攻めで左CKに。
クロスのクリアが小さくなった所を、拾ったキムミンテがシュート(ブロック)と、セットプレーから矢を放ち。

しかし札幌も33分、ゴールキックから短く繋ぐ組み立てで、距離感の長いパスでプレスをいなした末に右から前進とビルドアップに成功してCKに持ち込み。
湘南はビハインドな状況もあり、ボールポゼッションによる攻めも試みられていたものの何も起こせずにいたため、どの局面でも札幌に上回られたかのように陥っていたでしょうか。

そしてセットプレーでもそれを見せ付けます。
40分、敵陣でボール奪取した駒井が、前進する所を平岡に倒されて反則・警告。
これで得た右サイドからのFK、キッカー浅野の上げたクロスをファーサイドで鈴木武が合わせヘディングシュート、GK馬渡がセーブするもさらに右CKに。
またも上がった浅野のクロス、今度は中央で近藤が合わせてのヘディングシュート。
例によって湘南は彼への対応が甘く、GK馬渡の飛び出しも遅れた結果ゴールに突き刺さります。
ロングボール・地上での組み立て・セットプレーとそれぞれ相手を上回った札幌、貴重な追加点を挙げました。

順調な札幌でしたが、好事魔多しで45分、宮澤が腰を痛めた事で続行不可能となってしまいます。
これは37分の時点でルキアンとの接触で痛めたもので、プレーを続けていたものの再度の接触で限界が訪れた格好に。
しかし倒れ込んだと当時にアディショナルタイムに突入していたため、交代は見送りそのままピッチに復帰した宮澤。
そのため目安の+4分からさらに長引いたAT、湘南も何度か攻め上がったものの、フィニッシュは放てず。
札幌は無事にやり過ごし、前半終了となりました。

当然の如く札幌はハーフタイムで動き宮澤→家泉へと交代し、家泉はこれがJ1初出場。
一方巻き返さなければならない湘南も必然的に動き、奥野・池田→山田・福田へと2枚替えを敢行します。

湘南ボールのキックオフでスタートした後半。
その攻撃で湘南は約40秒間もボール保持に勤しみ、キムミンテが裏へのロングパスを織り交ぜたりもしましたが結局実らず。

そして前半同様に繰り広げられる札幌の攻撃。
後半4分には対角線のロングボールをエリア内右角で近藤が受け、スルーパスに追い越した浅野がシュートするもオフサイドで無効に。
続く5分今度は右サイドで同一レーンでのパスワーク、細かく繋いで翻弄した末に、馬場エリア内へ縦パス→近藤ポストプレイ→浅野ダイレクトシュートという流れるフィニッシュ。(枠外)

追われる身でも攻勢を続け、傍らから見れば盤石といった札幌。
しかし8分、右CKを得たもののキッカー浅野のクロスが跳ね返されると湘南のカウンターに。
ルキアンの収めを経て平岡がドリブルで敵陣に切り込むという、伝説の撃ち合いとなった前年の柏戦(5-4)を思い起こすような被カウンター(小屋松が完全に裏を取ってドリブルシュートでゴール)になりかけましたが、何とか戻って平岡の可能性の薄いミドルシュートに留めます。(GK菅野キャッチ)

危険な兆候が見られたものの、直後の9分でした。
GK菅野から地上で繋ぎ、湘南のハイプレスをいなしきって前進に成功するというポゼッションスタイルの神髄。
右から前進ののち中央へ持っていき、馬場→スパチョーク→青木と繋いでアタッキングサードへ進入すると、左ハーフレーンからカットインの末にミドルシュートを放った青木。
頭でブロックにいったキムミンテの跳躍も空しく、ゴール右へと豪快に突き刺さるゴラッソで3点目を叩き出します。
青木のマルチゴールの活躍ぶりで、ここまではまさに勝利の絵図しか浮かばない……という札幌の状況でした。

これで窮地となった湘南。
最終ラインに降りてビルドアップの基点となる山田を軸に、反撃体制を作らんとしますがそれも些細な抵抗に終わり。
逆に地上からの繋ぎでも、12分に札幌はゴールキックを短く繋ぐ姿勢から、家泉が持ち運びののちミドルパス→中央でスパチョークフリックで前進。
そしてまたも青木がチャンスエリアに切り込み、左ポケットから中央へパスを出した末に鈴木武がシュート(枠外)と優勢を保ちます。

依然として攻撃権を支配したままの札幌、今度は前半とは逆に右→左への対角線へのロングパスを中心とし、それを受けるスパチョークの切り込みを目立たせるなど横軸を幅広く使う攻め。
それを凌ぎながらの体制作りを余儀なくされた湘南、ベンチワークで打開を図り。
16分に平岡→石井へ交代すると、22分には阿部→畑へと交代。
これにより湘南は3バック(右から大岩・キムミンテ・杉岡)へシフトする事に。

しかし変化した事で、「オールコートマンツーマン」の札幌も、合わせるように(守備時に)3-4-2-1としてマークを合わせる作業を余儀なくされ。
そしてその間も無い22分、右に開いた大岩へのケアが間に合わず、パスワークを経ての鈴木雄のロングパスが前線のルキアンに収まり。
防ぎにいった馬場がルキアンの入れ替わりでかわされると、右ポケット奥を取ってのグラウンダーのクロスに、大外から中央へ入り込んでいた畑が脚で合わせシュート。
ゴール左隅に突き刺さり、この1点が文字通り反撃の狼煙となります。
なおこの際に、ルキアンに対しデュエルにいった馬場が肘打ちを頭部に喰らう格好となり負傷、そのためVARチェックが挟まれるも反則無しとなり。(馬場は止血ののち、キックオフ後に復帰)

まだ2点差で焦る必要の無い札幌ですが、26分に2枚替えを敢行しスパチョーク・鈴木武→高尾・小林へと交代。
これにより高尾が最終ラインに入る事で馬場がボランチ・駒井がシャドーとなり、後ろを強化する格好の采配に。
しかしターゲットの鈴木武が居なくなった事の方が高く付き、以降陣地回復が出来ずに湘南に押し込まれる流れへ突入します。

一方の湘南の攻撃体制は、4バック時と同様に山田が最終ラインに降りてのビルドアップから、大岩が前に出て攻撃に拘るという右肩上がりの姿勢に。
この可変を加えた事で、札幌ディフェンスもマークの受け渡しをするか否かで混乱状態に陥った感があり、ロクにプレスを掛けられずとなります。

30分最終ラインから左で前進する姿勢から、畑の斜めの縦パスを境に中央→右へと展開して右奥を取る湘南。
戻し→奥へのパスで隙を窺いながらの福田のクロスが上がった末に、ルキアンのヘディングシュートが放たれ。
GK菅野がセーブし、その眼前まで上がっていた大岩がすかさず足で詰めたものの、これもGK菅野が至近距離で防ぎ。
何とか凌いだ札幌ですが、34分には湘南のパスワークの最中に福田をアフターで倒してしまった青木(アドバンテージで流される)が警告を受けるという具合に、守備時の立ち遅れ感は否めず。

直後の35分に、札幌は左スローインを受けた駒井がキムミンテに倒され反則、左サイド深めからのFKと落ち着きの時間を得ます。
しかしここからの攻めの流れが議論の対象となるもので、クロス→高尾ヘディングシュート(キムミンテがブロック)ののちも、クリアボールを拾って保持に努める札幌。
左サイドで荒野・小林・駒井の3人がひたすら繋ぐという、典型的なトライアングルでのパスワークで時間を掛けたものの、最後は荒野の雑なクロスがカットされて湘南のカウンターを招く事に。
このパスワークの中身が、レイオフやフリックなど小じゃれた技を交えるものだったので、余裕を見せている暇など無いはずという批判の的となった感がありました。(個人的には、荒野はダイレクトでは無く奥へ切り込んでからクロスを上げるべきだったかと)
このカウンター、山田のロングパスにルキアンが走り込み、拾われるも家泉からルキアンが奪い返して好機に持ち込む湘南。
そして上がってきた大岩が右からクロスを上げ、1点目のシーンの如く畑が脚で合わせシュート。
GK菅野が足でセーブし、茨田が詰めてのシュートも家泉がブロックと、またも寸での所で凌ぐ札幌。

しかし度重なる被決定機で消耗の激しさも窺え、ついに決壊したのが40分。
細かな繋ぎにより敵陣でポゼッションを確保する湘南、左から畑が仕掛けると見せかけて中央を選択し、茨田のミドルパスがエリア内へ。
これを上がっていた大岩が前へ落とすと、綺麗に家泉の裏を取る形となって頭から跳び込んだ福田が低い位置でヘディングシュート、ゴールネットを揺らします。
ゴールへの執念を形で表し、とうとう1点差に詰め寄った湘南。

キックオフの前に札幌は最後の交代を敢行。
青木→キムゴンヒへと交代し、一度は失ったターゲットの補充に掛かり。(小林がシャドーに・近藤が左WBに・浅野が右WBに回る)
しかし何ら効果は無く、重ねられる湘南の攻勢に、いつの間にやらスタミナ切れの様相をさらけ出していたのは(コンディション面の不安を抱える湘南では無く)札幌の方となりました。

そして完全にムードが変わったのが43分の湘南の攻撃、ルキアンへのロングボールのセカンドボールを拾っての左サイドを突く攻め。
一度目のクロスが防がれ、尚も杉岡が浮き球を拾い奥に切り込まんとした所に、クリアにいった小林の足が杉岡の顔に入る事態となり。
たまらず反則・警告となるものの、これでいきり立った湘南サイド(数では分が悪いサポーターも声を張り上げる)により、尚も苛烈な攻撃が展開される事となります。
それをいなすだけの技量・余裕は、既に札幌には無く。

そのまま突入したAT、右サイドから切り込む湘南、鈴木雄が福田とのワンツーで奥を取ってクロス。
ニアで大岩が合わせにいくその手前で中村が辛うじてヘッドでクリアと、悠々と前進を許しながらも必死に凌ぐ札幌ですが、右CKで継続。
するとキッカー杉岡のクロスを中央ややニア寄りで茨田がフリックし、ファーの鈴木雄に収まりそのままシュート。
札幌は完全に足が止まってしまったという格好で、ついに同点となります。

それでも+6分のAT(ゴール時点では+3分)故に、慌てて攻め上がる札幌。
キムゴンヒが左サイドをドリブルし奥を突き、そのままカットインでエリア内に進入するも、キムミンテの反則気味のアタックで止められて実らず。(反則も無し)

結局最後は意気上がる湘南の攻撃に。
ロングパスの跳ね返りを拾った福田がドリブルで切り込み、中央からミドルシュートが放たれましたが、既に湘南サイドも体力を切らしていたかこのフィニッシュは威力が足りずGK菅野がキャッチして終わり。
3-3で試合終了の時を迎え、湘南にとっては価値ある勝ち点1となりました。

逆に、悔やんでも悔やみきれない試合となった札幌。
流れ的にもクローザーの不在ならびに、そもそもクローズのマネジメントがしっかりなされているのかどうかという問題を浮き彫りにするものであり。
加えて宮澤の負傷交代が、さらにそれを加速させそうな予感も孕ませますが、この窮地からの脱却は果たせるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第8節 東京ヴェルディvsFC東京

2024-04-17 16:00:50 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

  • ヴェルディは山田楓喜が、FC東京は野澤大志ブランドン・松木・荒木がU-23代表に参加のため離脱中。

復活・東京ダービー、という事で、開催前から熱狂は留まる所を知らず。

しかしその熱狂ぶりは、時に人を狂わせるものであり。
先日取り上げたみちのくダービーでは、試合後に山形サイドが一悶着。
選手・監督に対し蛮行を働いたとして処分を受けるという具合に、どうしても間違った方向へ傾いてしまう輩は現れてしまうものです。
このカードも、前年の天皇杯3回戦で実現した際の外野での騒動は記憶に新しく。

いざ試合を観る段階では、その試合前インタビューで、FC東京のピーター・クラモフスキー監督の「東京は青赤だ」という結びのコメントにビックリさせられ。
普段は最後に「アリガトウゴザイマシタ、ドウイタシマシテ」と挨拶して締める彼が、突然それに代わりそんな言葉を発した事で、ダービーは特別だというものを改めて実感するに至りました。
まあ上の方に言わされたという可能性もあるが

両クラブとも同じホーム(味の素スタジアム)ですが、この試合はヴェルディのホームゲーム。
ヴェルディの前節・柏戦(1-1)の倍以上の観衆が集まる(31,746人)という、興奮必至な環境で試合開始の時を迎えました。

キックオフから、ロングボールを右サイド奥へ届ける事に成功し、そこからスローインの連続で押し込むヴェルディの入り。
前半2分にその攻撃から、クロスの跳ね返りを拾った齋藤が右からカットインシュート(GK波多野キャッチ)で先制攻撃を果たし。
対するFC東京もロングボール中心ななか、4分に左サイドを俵積田がドリブルで切り裂きカットイン(その後戻しからパスワークもシュートは撃てず)と、早速攻撃力を発揮せんとする立ち回り。

その後はお互いにアバウトな攻めが交錯した結果硬直気味に。
いち早く地上から繋ぐ姿勢を見せたのはFC東京の方(9分)でしたが、その攻撃を切った直後のヴェルディも最後方から繋ぎに掛かるなど、「目には目を」のような精神で対抗を見せ。

それでも脅威となるのは縦に速い攻めで、その存在がFC東京サイドのスピードスター。
11分にヴェルディの繋ぎのミスを仲川が拾うと、エリア内でラストパスを受けた小柏がシュート。(林がブロック)
15分にも小泉の敵陣でのカットからバングーナガンデが持ち運び、小柏へのパスは遮断されるも拾った仲川がペナルティアークからシュート(GKマテウスキャッチ)と、数多揃えた選手が次々と矢を放ちます。

戦力的な不利を悟ったか、その後ヴェルディサイドは本格的にボールポゼッションによる攻めに入り。
森田がアンカー的に位置取る典型的な4-4-2からの変形により繋ぐ姿勢に対し、FC東京サイドの守備姿勢はどうかという展開に。

19分、GKマテウスから左へ展開し前進しようとするヴェルディに対し、FC東京は2トップの片割れが森田に付くという前線の守備。
これによりボランチも前に出ずと、やや慎重な構えによるプレッシング。
そうかと思えば21分、GKから右へ展開すると、今度は森田に対し高が前に出て監視する姿勢を取りました。
しかしこれを見たヴェルディは一気にロングパスに切り替え、右奥で木村が受けてアタッキングサードで展開(その後戻して作り直し)という具合に、相手の出方により対応を変える攻めが印象に残り。

そんな繊細な対策が奏功したでしょうか。
26分自陣左サイドからのフリーキックという場面から、放り込みの姿勢を取らずに繋ぐと見せかけたうえで、同サイド奥へのロングパスを選択。
綺麗に薄い所を突く攻めとなり、これを受けた染野がディフェンスを引き付けての横パスで左ポケットを急襲。
その結果このパスを受けた見木が、遅れて対応しにいった安斎に削られる格好となり、見木が倒れ反則の笛が鳴り。(安斎に警告)
即ちPK獲得であり、最大の好機を齎す事となりました。
ゲットした見木自らがキッカーとなり、ゴール右へと蹴られたシュートに対しGK波多野も反応しますが弾ききれず、ネットに突き刺さり。
幸先良く先制したヴェルディ。

スコアが動いた事で、FC東京も縦に速い攻めのみでは苦しく。
地上からの繋ぎに精を出さなければならないですが、そうなるとハイプレスを仕掛けるヴェルディの思う壺という状況も招き。

そしてそれが嵌ったのが33分で、左サイドで稲見のパスカットから攻め立てるヴェルディ。
ワイド奥を突いた見木の中央へのパスは森田に収まらず、トレヴィザンが拾ってFC東京のターンになるかと思いきや、彼のパスを宮原が出足良くまたもパスカット。
そしてすかさず上げられたクロスで、トランジションの隙を完全に突いた格好でフリーとなっていた染野のボレーシュートが炸裂し。
GK波多野も一歩も動けずというフィニッシュがゴール右へと突き刺さり、リードが2点に広がる事となりました。

ほぼ完璧というヴェルディの試合運びですが、その後アクシデントに見舞われたのが37分。
タッチライン際で、スライディングで奪取にいった谷口が筋肉系トラブルを発生させてしまい続行不可能に。
センターバックの途中交代という、逆境を強いられる事となります。(山越を投入)

それを突きたいFC東京、ドリブラーの多さを活かす攻めで反撃に掛かり。
41分に俵積田がディフェンスを剥がして左ハーフレーンをドリブル、一気にポケット奥まで進入した末にマイナスのクロス。
ニアに走り込んだ小柏が合わせたものの、体勢的に苦しかったのもあり枠を捉えられず。

こうした立ち回りを貫ければ、後半に失速する傾向があるヴェルディだけにチャンスは健在といった展開に。
しかしそれに冷水をぶっかけられるようなシーンが生まれてしまったのが43分。
中盤左サイドでのボール争いで、ボール奪取にいった見木に対し、防がんとした安斎の足裏が遅れて入ってしまい。
アフターチャージによる反則で、当然ながら警告の対象となると、2度目により赤いカードを突き出されてしまった安斎。
この退場により、前半から早くも数的不利を強いられる事となりました。

その後は小柏を1トップとした4-4-1に変え(仲川は右サイドハーフ)、何とか対抗姿勢を見せるFC東京。
突入したアディショナルタイム、仲川が右からカットインしてエリア内を突いた所を、見木に倒されるシーンが生まれ。
しかし反則の笛は鳴らずと、多大なヘイトを溜めるのみに終わってしまいます。
そのため2-0のまま前半終了の笛が鳴ると、FC東京サポーターから大音量のブーイングが上がる事となり。

そのエネルギーを力に変えたいFC東京ですが、ハーフタイムでは交代は行わずに出来るだけ引っ張る事を選択。

後半はマイボールでのキックオフでスタートしたFC東京。
しかし攻め直しの段階で、自陣でミスからボールロストしてしまうなど波に乗れない入りとなります。

数的優位のヴェルディは、本来のチームの伝統であるボールポゼッションを発揮して逃げ切りを図りたい展開。
それに対するFC東京のプレッシングは、何処かで無理を強いなければそれを阻む事は不可能であり。

それでも後半5分、ヴェルディの最終ラインからの左(深澤)へのパス出しに対し、果敢に前に出た白井がカットに成功。
ここからドリブルしアーリークロスに持っていきましたが、パスの受け手であった深澤の必死の戻りによりブロックされ実らず。
しかしこの白井の姿勢が結果的に糸口となり、その後も深澤へのパスをカットするシーンを目立たせ。
また14分にはCBに対して小泉が果敢に詰めにいくなど、数的不利を無謀ともいうようなプレッシャーでカバーせんとします。

その一方で主体的な攻撃という面では、仲川を裏に走らせるぐらいしか出来る事が無く。
そのためかベンチも10分台に交代の準備をしましたが、ヴェルディのポゼッションにより遅れに遅れ、結局16分にずれ込んだ結果ヴェルディとの同時交代を強いられます。
FC東京は俵積田・小柏→遠藤・寺山へと2枚替え、ヴェルディは齋藤・木村→翁長・山見へと2枚替え。(見木がFWに回り山見は左SHに)

走らされながらも、諦めずにプレッシングを貫くFC東京の前線。
20分、それに対しヴェルディはGKマテウスがフィードを蹴らされるも、セカンドボールを確保して薄くなっていたディフェンスを突く好機。
染野の右へのスルーパスを受けた翁長、そのまま右ポケットへ切り込んだ末に奥へスルーパスを出すと、走り込んだのは森田。
そして手薄な中央へマイナスのクロスを送るも、必死に戻ってきたバングーナガンデが遮断し、ゴールに向かったボールをGK波多野が足でのセーブで跳ね返します。
あわやオウンゴールとなる絵図でしたが、捨て身ともいうべきカバーで凌いだFC東京。

何度か白井のパスカットを受けた事で、ヴェルディサイドも最終ラインからの繋ぎには慎重になっていた感があり。
そんな状況で迎えた23分、ここもCBから左へ展開するという所で、深澤が前に上がったうえで山見が受ける事を選択。
白井の目線を外したい事は明らかでしたが、その目論見に釣られず出されたパスをカットした白井、5分のシーン同様ドリブルに持ち込み一気に好機に。
そして自らポケットへ切り込むかどうかという体勢でクロスを送ると、ニアでの寺山のスルーを経て中央で遠藤が合わせ。
この流れるようなフィニッシュを、ゴールに突き刺した事で1点を返しました。

警戒していたはずの形から失点してしまったヴェルディ。
締め直し、主体的にポケットを突く攻めを繰り返して3点目を狙いにいきます。
27分、敵陣左サイドでの細かなパスワークから、山見が稲見とのワンツーで奥に進入したのちカットイン。
これで角度の無い所からゴールに迫りますが、放たれたシュートはGK波多野が跳ね返し。

一方のFC東京は、28分に精神的支柱ともいえる長友の投入に踏みきり。(バングーナガンデと交代)
それでも依然として不利な状況で、何度かエリア内へスルーパスを送るものの繋がらずと、次の1点に辿り着くビジョンは薄く。
ヴェルディも34分に見木・染野→綱島・松橋へと2枚替え。(山見がFWへ回り松橋が左SHに)
前半のアクシデントもあり、早くも交代カードを使いきり。

運動量の担保で、課題である逃げきりの局面を克服したいヴェルディ。(のちに稲見と入れ替わりで綱島がボランチに回る)
しかし37分、あろう事か最終ラインでの繋ぎでミスが生まれ、林のパスが短くなった所を仲川に突かれ。
そして山越が仲川を反則で止めてしまった事で、警告を受けるとともに絶好の位置で直接FKを献上してしまいます。
ここでFC東京も最後のカードを使い、小泉・高のドイスボランチを一気に代え、原川とジャジャ・シルバを投入。(寺山がボランチに回る)
そしてキッカーを原川が務める、「ピンチキッカー」と言わんばかりの采配を見せ。

結局このFK、原川の直接シュートはゴール右上へと外れて実らず。
しかしベンチの執念に乗せられるように、終盤攻勢に入るFC東京。

それでもヴェルディは、43分のFC東京のコーナーキックから、ジャジャのボールロストを機にカウンターに入り。
ドリブルで突き進む森田、右か左かという二択の体勢を作った上で左を選択し、パスを受けた山見がミドルシュート。
しかしGK波多野がこれを防ぎ、1点差を保ち最終局面へと入る試合展開。

ATに突入し、ヴェルディもスローインで時間を使いに掛かるなか、それを遮断しての反転に全てを賭けるFC東京。
最後の手段である、「トレヴィザンのパワープレイ」を出し惜しみしながら……

そして一旦攻撃が途切れGK波多野までボールを戻した際に、流れの中で前線に上がるトレヴィザン。
それを見るやそこへロングフィードを送った波多野、その期待通り競り合ったトレヴィザンによりチャンスエリアにボールが落ちると、拾った仲川のパスを受けた遠藤は既にシュートレンジを迎えており。
そして放たれた地を這うミドルシュートは、ゴール左へと突き刺さる起死回生のゴールとなり。
お互い疲労度も最高潮という所で突き出された矛が、見事に守備網を貫いた瞬間となりました。

その後FC東京が勢いそのままに、原川がゴール目前まで迫るという具合に最後まで攻め込み。
結局3点目は生まれず、試合終了の時を迎えたものの、ダービーマッチに相応しい劇的な展開で締められる事となりました。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第5節 アルビレックス新潟vs柏レイソル

2024-04-03 18:10:01 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

  • 新潟は小見(リザーブ)が、柏は関根・細谷がU-23代表に参加しており、クラブに合流直後の試合。

代表ウィークにより、2週間のブレイクがあったJ1リーグ。
その間に、下位のJ2・J3では水曜(3/20)に試合が組まれており、試合消化に差が付く事となりました。(昇格プレーオフがあるので当然の事だが)

戦術の調整を図るのには良い期間ながら、如何せん対戦相手次第というウェイトが大きいサッカー。
事前に研究出来る余裕があるとはいえ、実際に相対しなければ細部を詰める事は厳しく。
ましてや新潟のように「自分達のスタイルを貫く」タイプのクラブならば尚更であり。

新潟ボールでのキックオフとなり、島田のロングパスで前線に運び、セカンドボールを繋いだ末に高木のポストプレイを経て堀米がミドルシュート。(枠外)
開始13秒で辿り着いたファーストシュートに、ここから攻撃サッカーが始まる予感を匂わせましたが、そうは問屋が卸さず。

直後の前半2分、柏はGK小島のフィードをジエゴがカットして攻撃開始、縦パス→細谷ポストプレイ→白井ワンタッチでスルーパスという流れでサヴィオが裏を取る絶好機。
そのサヴィオはポケットで受けてそのまま奥へ切り込み、カットインでGK小島の眼前へ迫った末にシュート。
角度が足りず右へ逸れたものの、柏の中心選手というべきサヴィオはその後も散々に新潟守備陣を掻き回す事となります。

こうして主導権争いを制し、3分にはコーナーキック攻勢に入る柏。(キッカーは全てサヴィオ)
1本目の左CKではショートコーナーからの繋ぎを経てサヴィオが角度を付けてクロス、ゴールへ向かう軌道となったボールに犬飼が脚で合わせシュート。(GK小島セーブ)
2本目はシュートに繋がらず、迎えた3本目の右CKではエリア手前へマイナスのクロスと、変化を織り交ぜるサヴィオ。
白井を経由し、予め下がっていた細谷が中央やや左寄りからミドルシュートを放ち、地を這う軌道でゴールを襲いましたがGK小島がキャッチ。

再三脅かされた新潟、とりあえずは自身の特徴であるパスサッカーの体勢に入りたい状況に。
6分に左で前進する姿勢から、戻しを経て千葉が右サイド奥へのロングパスで逆を突く攻め。
ここから細かく繋ぎ、藤原がカットインでポケット奥を取ってマイナスのクロスを入れる好機を生み出し。
このクロスが大外まで流れるも、走り込んだ堀米がダイレクトでシュート(ブロックを掠め左サイドネット外に突き刺さる)と、流れの中で相手をボックスへと押し込んでのシュートで脅かしました。
事前の評判通りに柏の守備は堅く、以降もこの好機のように、対角線のロングパスで薄い部分を突く攻撃がメインとなり。

そうして手数を出し合う流れになるかと思われましたが、柏が試合を動かし。
14分、ここもジエゴのミドルパスで裏を取ったサヴィオにより左CKの好機に持ち込み。
そしてこの場面もサインプレーで変化を付け、ファー遠目へとクロスを送るサヴィオ、待ち構えていた山田がボレーで合わせ。
このシュートはジャストミートせず、ボールはサヴィオに戻る結果になると再度のサヴィオのクロスが今度はGKとDFの間をピンポイントで突き。
これを合わせにいった木下、胸で押し込むという形でのフィニッシュでゴールへねじ入れます。
VARの介入で、山田→サヴィオへのボールでのオフサイド・木下のシュートのシーンでのハンドがチェックされたものの、いずれも反則無しに終わり得点が認められ。
早期からCKを重ねていた成果が実り、先制に成功した柏。

ボールポゼッションの姿勢から反撃したい新潟ですが、柏の組織立ったディフェンスによりそれはままならず。
ビルドアップを阻む前線の守備が特に厄介で、サイドハーフも前目で構える姿勢を取り、2トップの穴を埋めるスタイル。
そのため柏のSHとサイドバックのスペースが突くべきポイントとなりますが、やはり全体コンパクトにして挑んでくるので、そのプレッシャーに負けるかのようにパス制度が乱れがちとなります。
何度かGK小島がフィードでそこを突かんとするも、高さもスピードも足りないボールに終始し繋げられず。

20分台には攻撃機会こそ握るものの、「ただボールを回すだけ」という状態に陥りシュートを撃てない新潟。
間を通すパスを積極的に使いますが、柏のスライド・戻りも素早く中々乱れません。

そうこうしているうちに、31分に柏が白井のボール奪取からカウンターに持ち込み。
サヴィオのスルーパスを左ワイドで受けた細谷、そのままドリブルで左ポケットに持ち込んでシュート。
グラウンダーでファーサイドをピンポイントで狙ったこのフィニッシュを、GK小島がセーブと辛うじて防いだものの、これを境に一気に柏へ傾く試合展開。
33分には、新潟の上記の「スペースを狙うミドルパス」を敵陣でカットしてのカウンター。
サヴィオ→細谷への縦パスこそ遮断されるも、拾った白井が中央からエリア内へ切り込んでシュートを放ち、これもGK小島がセーブ。
引き続いてのCKからも、二度目の左からのクロスをニアでジエゴがフリック気味に足でで合わせたシュートをセーブした小島。
守護神頼みという内容ながら、追加点だけは凌ぎます。

最早同点どころか、パスを繋ぐ事すら厳しい状態を強いられる新潟。
36分の柏の攻撃では、古賀の縦パスを受けた細谷がパワーを発揮。
後ろからポストワークを阻止しにいった千葉と、前から足で止めにいった秋山の2人を立て続けに跳ね飛ばす強靭さを見せボールキープを果たします。(その後パスワークから戻しを選択)
やはり最近のトレンドは、目下首位に居る町田が証明している通り、細かく繋ぐよりもパワーが優先されるという事を痛感するシーンとなり。

こうした相手に対しても、しっかりとパスサッカーを展開するだけの力が備われば文句無しですが、それは言うは易く行うは難しというものでもあり。
その後も新潟はボール保持だけが続く状況を強いられた末に、終盤再び好機を迎える柏。
42分には自陣でのスローインから、白井がダイレクトでラフに前へ送ったボールを細谷がフリックと、直線的な繋ぎが好機を齎し。
木下を経由し、左ハーフレーンからサヴィオが左足アウトでのスルーパスをポケットへ送ると、走り込んだジエゴが低く速いクロス。
GKとDFの間を突くも、走り込んだ細谷には惜しくも合わずとなり。
そのまま突入したアディショナルタイムでも、浮き球を太田が落としたボールを犬飼がダイレクトでの縦パスで好守を反転させ。
そして木下経由で受けたサヴィオが細かいタッチでのドリブル、自ら切り込むと見せかけてエリア内の細谷へラストパス。
そしてシュートが放たれるも、これもGK小島のセーブで何とか凌ぎ。
小島が大忙しという内容に終始するも、1失点で前半を終える事には成功しました。

一方シンプルな攻めながら、ひたすら押し込んだ柏。
新潟の得意手のポゼッションでも、得点どころか相手の攻撃機会を減らす事すら出来ずとなった前半。

そんな状況故か、柏のキックオフで始まった後半、センターサークルからの前進を選択し圧を掛けます。
この攻めは、持ち上がった木下が一気に右ポケットへスルーパスを送るも、走り込んだ山田には繋がらず。

しかしこれにより新潟はプレッシャーを感じたか。
後半4分には敵陣でこぼれ球になると、堀米はワンタッチでの縦パスを選択するも高木にはズレて繋がらず。
するとカウンターを招き、白井のスルーパスからサヴィオがまたも左サイドを持ち運ぶ絵図が生まれる事となり、そのまま左ポケットへ切り込んでシュート。(GK小島キャッチ)
前半と変わらぬパワーを発揮するサヴィオならびに柏。

しかし前半の終盤、サヴィオが反則を受けた事により足を痛めるシーンが生まれており。
8分にその影響が顔を出し、接触が無いにも拘わらず足を抑えて倒れ込む事態となったサヴィオ。
これにより1分程中断し、何とか続行の運びとなったものの、ピッチ外でのスタートにならなかった事で新潟サポーターからブーイングが上がる事態も招きます。
尚、10分にはそのサヴィオでは無く、先制点を挙げた木下が交代の運びとなり。(山本を投入)

相手の停滞の隙を突きたい新潟、11分にGK小島から地上での前進。
右サイドに降りてきた高木を突破口とし、彼のスルーパスに走り込んだ松田がアーリー気味にクロス。
逆サイドへ流れるも、ここから太田・堀米の2人で崩しを図り、フィニッシュは撃てずも左CKへ辿り着きます。
キッカー高木のクロスが跳ね返されたのち、島田を経由し高木が再度クロス。
これが中央で跳んだ藤原の頭を越えると、その藤原に柏DF2人が競ってしまった事で、大外の千葉がフリーで待ち構え。
綺麗にボレーで合わせたフィニッシュがゴールネットを揺らし、苦境の中セットプレーをモノにした新潟が同点とします。

これで試合の流れはイーブンに……となったかどうかはいささか不透明。
互いに好機を生み出すも、新潟サイドは依然として柏の圧力に苦戦の色は隠せません。
攻撃ではコンパクトな陣形に手を焼き、守備ではサヴィオを始めとしたマンパワーに苦しみ。
16分の新潟は右サイドからの攻め、藤原のミドルパスがバウンドするという微妙なズレから、そのまま空中で谷口・松田が繋いでいく前進方法。
そして松田がドリブルに持ち込むという、持ち味のスタイルとはかけ離れた攻撃となってしまい。(その後ペナルティアークの谷口にパスが通るも撃てず)
それでも、柏の守備に対してはこうした偶発性も絡めて前進していかなければならない、といったこの日の様相。

18分に自陣でボールをキープするサヴィオに対し、スライディングを敢行した高木が足裏を見せて倒してしまった事で反則・警告となり。
これを境に、柏が敵陣でパスを繋ぎボールポゼッションを高めるという逆転現象も起きるなど、ゲームコントロールをしている感があったのは柏の方。

何とか流れを変えたい新潟、26分にようやく待ち望んでいた?攻撃パターンが。
最終ラインから左に出されたパス、受けた堀米に対し山田が喰い付く状態となると、それにより出来たスペースに秋山が入り込み。
堀米から中央を経由し島田→秋山という流れでボールが回る事で、「SHとSBのスペースを使う」状況が生まれ、秋山のスルーパスで太田が裏を取ってビルドアップを成功させます。
そして太田は左ポケット奥からマイナスのクロスと、綺麗な流れで好機を生み出しましたが、これが誰にも合わず終わってしまい。
冷や汗を掻いた柏サイド、28分に2枚替えを敢行(土屋・山田→熊坂・島村)し引き締め直します。

ベストな攻撃から成果を上げられなかった影響か、ここから新潟は攻め急ぎへと傾倒する事に。
31分敵陣浅めで反則を受けると、そのフリーキックで素早いリスタートを選択しますが、焦って入れた縦パスが犬飼にカットされて柏の攻撃となり。
この場面では、細谷のエリア内へのパスを遮断した事で(その後柏は戻しを選択)凌ぎましたが、既に流れは無く。
続く32分柏の攻撃を切るも、深めからのミドルパスをジエゴにカットされてさらに攻められる状況となり。
細谷のポストプレイを遮断するも、更にサヴィオのディフェンスで奪われて右ポケットに持ち込まれる危機に。
そして彼のクロスが千葉のブロックに当たり、ゴールに向かうもGK小島がこれをセーブ。
圧力に屈する形でボックス内で展開されるという、紛れも怖い状況を作られ。

33分にようやくベンチが動き、太田・高木・谷口→小見・長谷川・長倉へ交代と、一挙3枚替えを敢行。
それでも流れを変える事は出来ず、35分には間でパスを受けるサヴィオのレイオフなど、お株を奪う柏の組み立てを経てジエゴのスルーパスが左ポケットへ。
完全に裏を取り、走り込んだ細谷のシュートが放たれるも、これも前に出てセーブしたGK小島。
その後も繋がる柏のパスワークから、再びの細谷の中央からのシュートもセーブするなど、彼が居なければ確実に敗戦となっていた事でしょう。

終盤を迎え、流石に柏の強度も落ち始めて新潟の好機が増える事に。
それでも俗に言う「オープンな展開」の域を出ず、主体的な崩しを見せる場面は少なく。
41分に新潟は堀米→早川、45分に柏はサヴィオ→戸嶋と、最後のカードも使われ。

43分の新潟は右サイドから前進、長谷川→長倉へのスルーパスは遮断されるも尚も繋ぎ。
奥を取らんとした松田の戻しが中央へとズレた所を、秋山が後方から走り込んでミドルシュートと、これも偶発性がフィニッシュに繋がったもののミート出来ず左へ大きく逸れる結果に終わり。

突入したATでまたも偶発性が決定機を呼び込み、GK小島のロングフィードに長倉が合わせにいった所、競った古賀に当たったボールが柏陣内深めへ。
すかさず拾いにいった長倉によりまたと無い状況を迎えましたが、左ポケットへ切り込み入れられたマイナスのクロスに、合わせた松田のシュートは枠を捉えられず。
やはり流れを掴めていない状態では、フィニッシュの精度も無いといった感じでしょうか。

最終盤、長谷川の左からの縦パスを中央で受けた長倉、反転する所を古賀に倒された事で反則となり直接FK。
場所はペナルティアーク内という近距離で、最後の最後に絶好のFKが訪れた絵図でしたが、逆に近すぎるというデメリットもあり。
熟考した結果、小見が直接シュートを放ったもののやはり壁を直撃してモノに出来ず。
その後柏の攻撃となり、山本のペナルティアークからのシュート(ブロック)もありましたが、結局勝敗を齎すゴールは最後まで生まれずとなりました。

新潟にとっては引き分けに終わった結果以上に、柏サイドの対応を最後まで上回れずの内容が堪えるという感じの試合だったでしょうか。
今週はJ1でも連戦で、次の試合への猶予は短いものの、今後相手対策も交えながら戦えるかどうか。

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DAZN観戦 2024年J1リーグ第4節 東京ヴェルディvsアルビレックス新潟

2024-03-20 16:30:27 | サッカー視聴記(2024年J1)

<両軍スタメン>

16年ぶりにJ1の舞台に足を踏み入れたヴェルディ。
彼らを待ち受けていたJ1リーグは、既に勝手知ったるものでは無かった……というものでも無く。
むしろ、黎明期に存在していたヴェルディというブランドを積極的に利用しようとしたJリーグ側の、作為的に組まれた日程でした。
開幕節で初年度と同じ開幕カードを実現すべくマリノスと、2節で同じくオリジナル10かつ世界を目指すクラブである浦和との対戦。
興行的においしい対戦であるものの、クラブ規模的に決定的に差が付いている2クラブとの対戦では、満足に勝ち点を得られるものでは無く。
2戦とも死闘の末に勝利出来ず終わり、3節(セレッソ戦・1-2)でもそれを引きずるような敗戦。
残留を果たすにはまず流れを変えなければならない、そんな状況に追い込まれて迎えた4戦目。
相手は新潟であり、最後方から細かく繋ぐクラブに対し、持ち味のハイプレスをどう生かすかという噛み合いが重要な一戦となりました。

入りから果敢にプレスを掛けるヴェルディに対し、いつもの繋ぐ姿勢を取りながらも、その裏を取るロングパスでの立ち上がりを多く混ぜるこの日の新潟。
4戦連続スタメンとなったボランチ・秋山の組み立ても、普段より勝負が速いという印象で、前半4分には自陣で相手のパスミスを拾うとすかさず裏へとロングパス。
右の松田を使うフィードを出したものの精度を欠いてラインアウトと、その振る舞いはやや焦っている風にも見え。
5分には敵陣でのゲーゲンプレスで(堀米が)奪い返し好機を作る(左ポケットを突くもシュートは撃てず)など、チーム全体やや前掛かりな感じでした。

そんな絵図がスコアに直結する事となってしまったでしょうか。
7分、染野が前線でボールキープを果たす所に宮本がチャージしてしまい反則、ヴェルディの直接フリーキックに。
中央やや左寄りでゴールまでの距離もややあるという位置で、キッカー山田楓は左足で果敢に直接シュート。
外から曲げて来たボールが綺麗にゴール左上を突き、飛び付いたGK小島も触れるのが精一杯というフィニッシュでネットを揺らします。
開幕節のような、目の覚める直接FKを決めて見せた山田楓。

その衝撃は新潟にとってどれほどだったか。
とりあえずは普段通りに、ショートパスを重視しての攻撃へとシフトする事で冷静さを取り戻しに掛かり。
ヴェルディ2トップのプレッシャーに対し、ボランチ1人(主に秋山)が降りる3枚の最終ラインでの組み立てという典型例で安定したボールポゼッションの体勢を採ります。

それでも、崩しには両サイドの裏を突くフィードを選択する事が多く、サイドハーフを走らせてもヴェルディの戻りが速く決定打を生み出せず。
やはり肝となるのは地上での攻めで、18分に宮本の縦パスから細かく繋ぎ、右サイドに人数を掛けてのパスワークに持ち込み。
そして高木のスルーパスに走り込んだ松田が奥からマイナスのクロスを送ると、ディフェンスに阻まれたボールをさらに藤原が(同サイドから)折り返し。
これもクリアされるも、跳ね返りを堀米がミドルシュート(エリア内でブロック)と、ようやく1本フィニッシュの矢を放ちます。

ヴェルディサイドに全く攻撃機会を与えていなかった10分台ですが、次の20分台でにわかに動き出し。
22分のヴェルディ、最終ライン左から中央へ出されたミドルパスを木村がフリック、更に染野が合わせるという所でチェックにいったデンが転倒。
その隙に裏に出された染野の落としに抜け出した木村、そのまま持ち上がり決定機を作り上げます。
エリア内へ送られたスルーパスを染野がシュートと、一対一の状態で放たれたフィニッシュでしたがGK小島がこれをセーブ。

非常に痛い決定機逸となったヴェルディですが、その後も24分にゲーゲンプレスで舞行龍のパスミスを誘うなど勢いは生まれ。
そして25分にカウンター、パスカットした森田が技ありのドリブルで新潟ディフェンスをかわし、スルーパスで抜け出した見木がエリア内を突いてシュート。
しかしこれもGK小島がセーブと、立て続けに迎えた決定機で追加点を奪えません。

寸での所で凌いだものの、冷や汗を掻く破目となった新潟。
その後は好機を生み出せない時間が長く続く事となりましたが、基本のスタイルを持ち併せたチームは立ち直るのも早く。

31分、例に漏れず最終ラインから細かく繋ぎ、サイドチェンジも交えながら揺さぶった末に右からの攻め。
秋山のディフェンスの間を通す縦パスで奥を突くと、尚も繋いだ末に高木のクロスが上がり、クリアされるもコーナーキックに持ち込み。
この左CKから、キッカー高木はファーサイドへ高いクロスを選択すると、谷口海がヘッドで合わせ。
角度が無い故に折り返しと思われましたがシュートを選択、ゴール前でバウンドしたボールを同じ苗字の谷口栄がクリアにいくも及ばず、ゴールネットを揺らします。
基本に立ち帰った末のゴールで、試合展開も振り出しに戻し。

同点となった事で展開も乱戦風へと流れたか、34分にヴェルディ・山越が、36分に新潟・藤原が反則で警告を受け。
前者による新潟のFKでは、自陣からという位置ながらもキッカー堀米は直接裏へと放り込み、走り込んで収めた谷口海が左ポケットを突いてシュート。(オフサイド)
試合様相が移り変わるなか、リスクを掛けずに好機に持ち込みたいという色が強くなったでしょうか。
ヴェルディサイドも39分に敵陣でのボール奪取から、齋藤のスルーパスを左ポケット奥で受けた染野は、デンに当てて出す事でCK獲得を選択。
この左CK、キッカー見木は先程の新潟同点のシーンの如くファーへ高いクロスを選択し、胸で収めた齋藤の戻しを経て深澤がミドルシュート。
ブロックでこぼれたボールをさらに齋藤が追撃のシュートを放つも、枠を捉えられず。

お互い持ち味を出す中でも、セットプレー一発で仕留められればそれに越した事は無い。
終盤の新潟、デンの裏へのロングパスで堀米を走り込ませ、左CKを得たという所で時間は既にアディショナルタイム。
キッカー高木はまたもファーへクロスを上げ、藤原が折り返す好機となるもシュートは撃てず。
そして2本目のCKとなるも、これがクリアされた所で前半終了の笛が鳴り響きました。

ヴェルディの方がハーフタイムで動き、故障明けの宮原を投入。(山越と交代)
同時に齋藤→翁長へ交代という2枚替えで、後半に臨みました。

決定機という点では勝っていたものの、受けに回る時間帯が長かった前半のヴェルディ。
挽回したいという状況のなかのファーストシュートは後半4分で、センターバックの谷口栄が左へ流れながら持ち運ぶという得意手のビルドアップから前進。
スルーパスを受けた木村が奥へ切り込んだ末にマイナスのクロス、エリア内では合わずも流れたボールを拾った宮原がシュート。(堀米がブロック)
こぼれ球を尚も右サイドで細かく繋ぎ、二の矢は撃てずに終わるも、新潟から主導権を剥がすという狙いが伺えました。

その後も最終ラインから、主体的に攻撃を組み立てに掛かるヴェルディ。
その能力は相手の新潟には劣るものの、染野のポストワークを交える事でカバーしながらボールポゼッションを取り戻し。

その立ち回りは、相手に専守を強いるとともに、相手の余裕を奪う効果もあったでしょうか。
8分敵陣で宮本のボール奪取から矢印を反転させる新潟、松田のドリブルが翁長に倒されて反則。
これで右サイドからのFKとなりましたが、CBを上げずに放り込みという中途半端な姿勢に終わり。(谷口海が中央で収めるも直ぐに奪われる)

5分の小見のシュート(枠外)以降、双方フィニッシュを放てずに推移する展開。
同点の時間を長くするという、J2時代でもお馴染みのヴェルディの立ち回りが冴え渡っている後半の印象であり。
18分、GKマテウスフィード→染野落としからボールキープするヴェルディ、左サイドでショートパスを前後させて揺さぶり。
染野の奥からのクロスが流れたのちも、細かく繋いだ末に再び左サイド奥へ持っていくと、痺れを切らしたか秋山の(深澤への)反則を誘発。
相手から時間と余裕を奪う事に成功していたものの、これで得たFKはキッカー翁長のクロスが精度を欠いてしまう結果に終わります。

一方ペースを喪失していた感の新潟、ベンチワークで打開に掛かり。
22分に3枚替えを敢行、高木・松田・谷口海→長谷川元希・太田・長倉へと交代します。(小見が右SHに回る)

その後も翁長のロングスローを駆使しながら、新潟に専守を押し付けに掛かるヴェルディ。
しかし落とし穴が待っており、24分に一旦最終ラインに戻し攻め直しという状況で、新潟のプレッシングを受け。
そして出された谷口のバックパスに林が反応できず、その隙を突いた長倉がボールを掻っ攫う絶好機が訪れた新潟。
長倉はそのまま右ポケットへと進入しシュート、ゴールネットを揺らして無事これをモノにします。
決して流れが良くなかった中、相手のミスに付け込んで勝ち越しに成功しました。

悔やむヴェルディを突くように尚も攻め上がる新潟、27分にはパスワークの末に長谷川元が持ち上がってミドルシュート。(ブロック)
そして28分には長倉がドリブルでバイタルエリアを急襲、エリア手前でカットインを仕掛けた所を谷口栄に倒されて反則・警告。
惜しくもPKとはならずも絶好の直接FKを得、直接シュートを狙ったのはまたも長谷川元。
壁の間を通してゴールを襲うも、GKマテウスのセーブに阻まれて追加点はなりません。

その後も新潟が好機を作り続けるなか、今度はヴェルディが流れを変えるべくの交代に。
31分に木村→食野へ、さらに33分には山田楓→山見へ交代(翁長が右SHへ回る)と、矢継早にカードを切っていきます。

当然ながら前掛かりな姿勢を強めるヴェルディですが、同時に新潟のボール保持能力も冴えを見せ始め。
最終ラインを中心に、躊躇無くヴェルディの選手間を通すパスを徹底し、ボールを奪わせません。

その中で気になったのが長谷川元の振る舞いで、先程のミドルシュートのシーン然り、結果を求めて焦っているようにも見え。
36分ヴェルディのロングパスを宮本が跳ね返し、敵陣から攻撃する新潟、太田のパスを入れ替わって前を向いた長谷川元がそのまま右ポケットへ。
絶好機を得たものの、放たれたシュートはブロックに阻まれます。
ここはブロッカーが視界に居たためクロスを選択して欲しかった所ですが、渇望感に囚われていた感があり。
新加入で攻撃の目玉的な選手だけに、早くチームに馴染みたい立場故にその不安は杞憂に終わればいいのですが。

交代以降、食野が後方に降りてビルドアップに加わるという組み立てを見せていたヴェルディ。
それに従うように、最後の交代(深澤→山田剛綺・37分)でボランチに回った食野。
同時に翁長が左サイドバック・見木が左SH・山見が右SHへシフトと大きく動いた末に最終局面へ。
一方の新潟も38分に藤原→新井直人へと交代。

ビハインド故に、ボール保持しながら隙を窺う姿勢を強めるのは必至なヴェルディの状況。
その姿は前年末のJ1昇格プレーオフ決勝戦さながらで、食野が最終ライン付近へと降りてのパスワークで、ゴールを目指さんとします。
新潟を見習うように、相手選手間を通すパスを送る事で崩しを図り。

そして45分、その姿勢が実を結びます。
右サイドからショートパスで運ぶ姿勢を取ったのち、戻しを経てのミドルパスを宮原に通すと、ワントラップから宮原が低いクロス。
待ち構える染野の前に走り込んだ見木がフリックすると、ファーへ流れたボールを翁長が足で合わせシュート。
二重に目線をずらした末のフィニッシュが、起死回生のゴールを齎しました。
これで同点に追い付いたヴェルディ。

残されたATという短時間で、お互い3点目を狙う展開に。
焦りも隠せないという状況で、新潟サイドは(染野に対し)反則を犯した舞行龍がボールを運んでしまった事で遅延行為で警告。
一方のヴェルディは、宮原の転倒によるボールロストから新潟にショートカウンターを浴びる、再び致命的なミスを犯してしまい。
拾った太田が左奥からカットインし、ボックス内で横パスを選択すると、中央で合わせにいったのは長谷川元。
しかしミートしきれず逸れてしまい、最後に訪れた決定的なシーンをモノに出来ず終わりました。

結局2-2のまま試合終了の時を迎え。
貴重な勝ち点1、となるのは今後の戦い次第というヴェルディの試合だったでしょうか。

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