ある日の店内

2010-02-20 07:53:16 | ひとりごと

002

昨日も雪の降る寒い日だった。

平日の午前中である、いつものように店内はお買い物のお客様で混みあっていた。

私が店内を巡回していると、4~5歳くらいの男の子が今にも泣きそうに顔を真っ赤にして、「ママ~ ママ~」とあまり大きな声を出さずにあちこち走りまわっていた。

泣き叫ぶでもなく、そのことが少し不思議だった。

迷子かな?って思い少し様子を見ていると、それでも一生懸命泣くのをこらえながら母親を探している様子。

5分程経っても母親が見つかりそうもないので 「どうしたの、ママいないのかな?」 と、しゃがんで声を掛ける。

一歩引いてその子は言った。

「ママはね、お目目がよく見えないんだ、だから僕を一生懸命探してくれていると思うから大丈夫だよ」 と。

この言葉を聞いた時、泣かなかったのはそうゆう訳だったのかと、その子が眩しく見えた。

きっといつも母親に言い含められているのだろう。

ほどなくして白い杖をついた母親と思われる女性が現れた。

男の子は目から大粒の涙を一粒溢し 「ママ~」と駆け寄りお母さんの手を握った。

決して泣き声は出さなかった。

ドラマや小説では、こんなシーンが登場することはあるが実際にこんな素敵は親子がいるんだなあって感心した。

逆境を称賛するつもりはないが、この男の子はもはやこの年齢で、母親と共に生きていくことで随分人生勉強をしているように思える。

きっと、立派な大人になってお母さんに楽をさせてあげるんだろうなあ、と思ったのである。


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