浅井久仁臣 『今日の中東』

1971年のパレスチナ初取材から、30有余年中近東を見続けてきたジャーナリストが独自の視点をお届けします。

アッバース大統領来日

2005年05月16日 | Weblog
 アッバース大統領が15日、来日しました。パレスチナ自治政府の議長(現在は大統領)としては、2000年の故アラファト議長以来の事となります。  アラファト氏が1982年に初来日した時のマスコミの騒ぎぶりがウソのようで、TVニュースで私の目に付いたのは、NHKだけでした。それも、「単独会見」した割には、ホンのひと言を紹介するに留まっていました。  日本政府のパレスチナ問題への取り組みをマスコミは時折 . . . 本文を読む

クレイ首相 議会選挙延期説を否定

2005年05月13日 | Weblog
 7月に予定されている自治政府議会選挙の実施か延期か、与党のファタハ内部で意見が大きく分かれてきました。12日、そんな噂を断ち切るようにクレイ首相が「選挙は予定通り行なわれる」と記者団に語りました。  この話が出てきた要因に、最近起きた2つのことがあります。一つはイスラエル政府が、予定されていたガザからの完全撤退を宗教的な理由で延期したことにあります。もう一つは、2月に行なわれた地方選挙の結果です . . . 本文を読む

レバノンでラジオ局に爆弾

2005年05月07日 | Weblog
 レバノンのジュニエで6日深夜、大きな爆発があり、死者は出ていないものの、数十名が負傷している模様です。  ジュニエは、首都ベイルートの北約15キロの、キリスト教徒マロン派の主要武装勢力が拠点を構える港町です。狙われたと思われる建物は、マロン派のラジオ局として知られる「サウト・アル・マハバ」です。この日、それも爆発の数時間前、反シリア派で知られるアウン将軍が14年の亡命生活に終止符を打ち、フランス . . . 本文を読む

ハマース、地方選挙で大躍進

2005年05月07日 | Weblog
 5日に行なわれたパレスチナ地方議会選挙の中間発表によると、アッバース大統領率いる与党ファタハが得票率にして56%を獲得、84の自治体の内45地域で多数派を占める事になったようです。一方、自爆攻撃などの過激な軍事作戦で知られるハマースは大方の予想通り33%を得票、23の自治体で多数派となった見通しです。  数字だけを見ると、アッバース体制が安泰と見えなくもありませんが、カルキリヤ、ラファ、ベイトラ . . . 本文を読む

隔離壁反対に国際的連帯

2005年05月05日 | Weblog
 少年の射殺のニュースでもお伝えしましたが、西岸地区ではイスラエルの隔離壁の建設が進んでいます。それに対して世界から集まった平和活動家達がパレスチナ側に立って反対運動をしています。  4日にはビリン村にある建設予定現場で、欧米やイスラエルの支援者達がパレスチナ農民と共にオリーブの木に身体を鎖で縛りつけ建設反対を訴えました。前日、イスラエルは農民達に85本のオリーブの木を除去すると告げています。   . . . 本文を読む

イ軍、パレスチナ少年2人を射殺

2005年05月05日 | Weblog
 パレスチナ自治区の行政府があるラマッラの近郊のベイト・ラキア村で4日、イスラエルの隔離壁に反対してデモを行なっていたパレスチナ住民に対してイスラエル軍が発砲、2人の少年(14歳と15歳)がそれぞれ、胸部と臀部に致命傷を受け、入院先の病院で死亡しました。  パレスチナ情報によると、2人(いとこ同士)は学校を終えた4日午後、建設が進む隔離壁の抗議デモに参加、平和的に反対を訴えていただけだとのことです . . . 本文を読む