
登録有形文化財建造物である旧九段会館を一部保存しながら建て替える工事が昨年完了していました。

かつて駐車場だった正面入り口の前はバタフライガーデンと名付けられた公園風のスペースに変わりました。

皇居牛ヶ淵に面した部分はガラス張りのデッキに。7月に入れば蓮が咲きます。

濠に面したデッキは建物の奥まで続いています。このまま進めば建物に沿ってぐるっと一周することができます。

ビルの中はカフェですが外のテラス席はフリースペースのようでした。たぶん。

武道館の真下。本当にフリースペースならビールとお弁当でも持ってきたいところ。

ぐるっと一周して千代田区役所前の道に出てきました。九段会館への出入りは元々こちら側からで、正面玄関を使った記憶はありません。

ということで、改めて正面玄関へ。

旧九段会館は昭和天皇の即位の礼を祝う「昭和御大礼記念事業」の一環として昭和7年に完成しました。
2.26事件では戒厳司令部になりました。戦後GHQの接収時期を経て日本遺族会に無償貸与され、「九段会館」と名を改めて宿泊施設・結婚式場・劇場として再開しました。

2011年の震災では天井が崩落し死者2名を出す大事故に。日本遺族会は九段会館を国に返還しそのまま閉館となりました。
そして2017年の公開入札で東急・鹿島建設が落札し5年の工事を経て建物の一部を保存する形で九段テラスという新たな施設が誕生しました。

昭和のデザインの再現。

内部は旧会館のデザインを取り入れている部分もありますが、ほぼ新築です。

さっきはお濠に沿ってこの外側部分を歩いていました。

階段部分は昔のまま。

続いてエレベーターで外観保存部分の屋上へ。屋上にもフリーで入れる庭園があります。

シャッターを押そうとした瞬間に太陽に雲がかかる。カメラあるある。

旧会館の瀬戸瓦はそのまま活用しています。

「一部保存」というものの、結局は文化財の表皮だけを残してそれ以外は数十年で建て替えられるガラスの箱に変えてしまったということはやはり残念です。
それが今の日本の国力でありモラルなので悔いても仕方のないこと。それもまた歴史の一部として記録しておきます。
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