
2021年10月1日に村上春樹文学研究とともに国際文学、翻訳文学の研究拠点となることを目指してオープンした村上春樹ライブラリー。見学して来ました。
こちらは1階エントランス入ってすぐの「階段本棚」。

階段は1階と地階を移動するためのものですが空間としては地階から3階まで4層分が吹き抜けとなっています。

開館したばかりでまだ本棚には余力があります。階段や隙間に本を読む小人が。

一般公開されているスペースは基本的に図書館として機能。書棚の本を出して好きなスペースで読むことができます。こちらは村上春樹が使っていたというテーブル。

村上春樹の書斎が再現されています。この時は中には入れませんでした。村上春樹の所有するジャズを中心としたレコードとオーディオ。

地階のカフェスペース。ライブラリーに入るには事前予約が必要ですがカフェだけでしたらフリーで立ち入ることができます。
奥に見えているグランドピアノは村上春樹が営んでいたジャズ喫茶「ピーター・キャット」にあったもの。

食べ物に関する本のコーナー。

村上春樹の著作を集めた部屋。

私が初めて村上春樹という名前を知ったのがこの本でした。1983年。部活の同じ学年の女子が「面白い人が出てきた」と教えてくれました。
それ以来、長編、短編、エッセイとたくさん読んだような気もしますが、作品年表を見るとほぼ80年代だけでした。最後に買ったのが1990年の「TVピープル」か?
かつてはパソコン通信で文体模写などやっていたのですが、90年以降はなんか読んでも疲れるだけでつまんなくなってしまって。

2階から見る階段本棚。

3階の展示スペースでは「建築の中の文学、文学の中の建築」という表題で古い校舎だったこの建物がミュージアムに作り変えられる経緯を紹介していました。

左が改装前、右が隈研吾のデザインで改装された現在の様子。

素材やデザインについての試行錯誤をかなり丁寧に紹介していて面白かったです。これは実際の工事の行程表。

3階から見下ろす階段本棚。

各部屋の前のサインボード。この形が何を意味している物か分からず、見ている間ずーっと考えていました。何かの形なんですが、分かりますか?

周囲から遮断されて本を読める面白い形のフロアチェア。

音楽を聴きながらくつろげる部屋。

トイレのサイン。

ポケットパークと名付けられた小さな庭。

本と音楽と建築と。好きなジャンルが合わさった楽しい施設でした。完全予約制ですが一か月先までほとんど予約は埋まっています。
感染防止のために人数がかなり制限されているせいでもありますが、おかげで人気の施設のわりに予約さえできれば見るのはゆったりと眺められます。
意味が分からなかったサインボードですが「斜めから見たトンネルをデザインしたもの」でした。そういわれればよく分かる!
帰る時に受付の人に私は実は「ワタナベノボルという名前だ」と伝えると、一瞬驚いた顔をした後で「それは素晴らしい名前をお持ちで」と褒められました。
ワタナベノボルというのは挿絵や装丁を担当していた安西水丸さんの本名で、村上春樹の多くの作品で登場人物の名前として使われているのです。
帰る時に受付の人に私は実は「ワタナベノボルという名前だ」と伝えると、一瞬驚いた顔をした後で「それは素晴らしい名前をお持ちで」と褒められました。
ワタナベノボルというのは挿絵や装丁を担当していた安西水丸さんの本名で、村上春樹の多くの作品で登場人物の名前として使われているのです。
完全予約なんですね、今度行ってみます。
一か月後に。
早稲田あたりは、懐かしい場所。
今も、早稲田ってところで働いているけれども(笑)
最初に帽子に見えちゃってそこから平面的思考から抜け出せなくなりました。
そんなのデザイナーの独りよがりだろうと思っていましたが、分かる人には分かるんですね。