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ありゃりゃサンポ

近現代の建築、町並みと橋が好き。
一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域をGPSで塗り潰し中。

イケ・サンパークと巣鴨プリズンと補助176号線

2021年03月23日 | 建築&土木見物

東池袋を徘徊中に真新しい公園に出会いました。2020年7月にオープンしたイケ・サンパーク。池袋駅から見てサンシャインシティの後ろ。

池袋駅から歩いても10分ほどの都心部にあって、カフェや数件の小型店舗で様々な軽食や日本酒まで楽しむことができます。
幼児用のプレイサイト、多目的トイレ、ベビーカー置き場、授乳室、オムツ台など乳幼児連れに優しい設備。

公園の正式名称はとしまみどりの防災公園といい、広場は災害発生時には豊島区の防災拠点としてヘリポートを備えた避難所や支援物資の集積場になります。
この広大な土地は2016年までは造幣局の東京支局でした。通常の流通効果以外の記念コインや勲章の鋳造を行い造幣東京博物館も併設されていました。
造幣東京博物館は2015年に一度だけ行ってブログの記事にもしました。これらが大宮に移転した跡地が新しい公園となったわけです。

さらに遡るとこの場所は明治28年に「巣鴨監獄」となりその後は「巣鴨刑務所」「東京拘置所」「巣鴨プリズン」と名称を変えつつその場所にありました。
昭和46年に巣鴨拘置所が小管に移転し、その跡地の北西にサンシャインシティができて、南東側には造幣局、その後イケ・サンパークができたという場所です。

現在、真新しい公園の南の入り口近くに巣鴨刑務所時代の排水口の石組みがモニュメントとして置かれています。

↑2018年の写真で元の姿が確認できます。排水口は2018年までは敷地の南角の石垣の下にあり、現在は暗渠となっている水窪川に配水していました。

同じく2018年以前の上の写真の10m左から。高さ3mほどの石垣がありましたが、公園の整備と並行して撤去されました。

ほぼ同じ角度で撮影した現在の同じ場所。石垣があった時の写真と比べて、擁壁の高さが半分ほどに低くなっているのが分かります。
この場所は、公園造成工事と同時にある目的のために土地を低くする「盤下げ」が行われ、公園よりも土地が低く削られました。

石垣の上の道路。ストリートビューの2017年の写真です。左のマンションが建っている場所を見て下さい。矢印の位置が地面で、道路も同じ高さです。

同じ場所の2020年2月のストリートビューの写真です。マンションの建っている高さは変わらずに手前の道路面と右の公園が低くなっているのがわかります。
その目的は都の道路計画でした。池袋駅前の明治通りをバイパスする環状5ノ1号線と関連してその周辺でいくつかの道路建設が進められています。
そのうちのひとつ、補助第176号線がこの公園の横に計画されいますが、その時にこの場所の3mの高低差が障害となります。それを解消するための盤下げでした。

公園側から見る補助号176線予定地。オレンジのフェンスのあたりが都電荒川線。荒川線を挟む形で補助81号線。雑司が谷で環状5ノ1号線と合流する計画です。
南池袋、雑司が谷付近は池袋というターミナル近くにあって、ほぼ昭和のままの木造家屋密集地帯でしたが、道路整備を起点にこれから大きく変わって行きます。

公園南西入り口。元々平らな場所でしたが盤下げによって敷地が傾斜しているのが分かります。
新しい公園が一つできたその場所にも過去の歴史と未来への計画が詰まっていて興味が尽きません。
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