ありゃりゃサンポ

近現代の建築と一日八千歩の散歩の忘備録。美味しいご飯と音楽と。
東京都全域を徒歩で塗り潰す計画進行中。

豊橋観光60分

2019年10月07日 | 建築&土木見物
伊勢旅行の最終日。伊勢から豊橋駅まで200km近いロングドライブ。名古屋に行ってのぞみかひかりに乗せてもらえば相当早く帰れるのに原価削減でそういう行程に。
しかも豊橋到着後、乗るべきこだまの出発時間まで90分も時間がある。少々の渋滞やトラブルにあっても新幹線には乗り遅れないようにそういう時間配分になっています。
さすがパック旅行と言う感じですがそれがいやだったら自分で回るか、もしくはもっと高級なハイソ向きのツアーを選べばいいだけの話です。

で、私たちはと言うと豊橋に市電が走っているのでこれ幸いと市電を使って豊橋市内で見るべきものを見ることに。
吉田城を中心とした城下町で東海道の要所でもあった豊橋。城跡が公園として整備されていてその周辺にいろいろと固まっていることが分かったので市電で7分の豊橋公園前へ。
停車場すぐ近くに安久美神戸神明社(あくみかんべしんめいしゃ)。千年前に創建された由緒正しき神社。
社殿は昭和5年と新しい物ですが内務省神社局の角南隆という著名な建築家による神社建築の好例ということで本殿、拝殿、神楽殿他が国の登録有形文化財に登録されています。
平安時代より受け継がれている鬼祭りで披露される赤鬼と天狗との舞が有名でこちらも国の重要無形民俗文化財に指定されています。拝殿前の八角形がその舞台。

神明造。銅葺き屋根。鰹木は6本(偶数)。鞭掛けあり。

上の神社のとなりに豊橋ハリストス正教会。大正2年にモイセイ河村伊蔵(日本の正教会の建築営繕を担当)設計の元、地元工務店により建てられました。国の重要文化財。

美しい建物でした。

公園の中に入って豊橋市美術博物館。設計は河合松永建築事務所。1979年竣工。とりあえず書いておけば後で役に立つこともある。

公園から見える豊橋市役所。こちらも1979年竣工。すごいな1979年と思ったらその年が「豊橋市の市制70周年」ということでいろいろやったらしいです。
13階が展望ロビーだそうで登りたかったけどさすがに自重。

豊橋公会堂。これも素晴らしい。1931年(昭和6年)竣工。豊橋には空襲なかったのか?と調べて見たらやっぱりありました。城跡周辺はギリギリでセーフだったみたいです。
空襲で市役所は被災したのでこの公会堂が一時期仮の市役所になっています。設計は中村與資平。辰野金吾の事務所に入って朝鮮と東海地方に多くの仕事をしました。

中世ヨーロッパ風なのに塔屋屋上がイスラムだねえなどとRさんと話していましたが、20世紀初頭にカリフォルニアで流行したスペイン統治時代の建築様式なんだそうです。

階段上ってコリント式の列柱の後ろにはリブヴォールト。ネットで内部の写真を見たら中も相当凝っているようで。見たかったな。

集合時間の30分前を目途に市電に乗って新幹線の改札に戻ります。豊橋。なんとなく人生で二度と来ることがないような気がしますがいい街でした。
行って帰ってほぼ1時間の市内観光ですが、ここで見た建物は全て直径200mの円の範囲にありますのでとても効率よく見られました。
帰りの市電の中で部活帰りの女子高生に席を譲られるという出来事がありました。それも目の前に立ってたんじゃないのに。席を譲られるのは人生2回目。
豊橋高校排球部というジャージを着ていたので、笑いながら「たぶん君たちの方が私より疲れてるはずだから座ってて」と言いました。豊橋、いい街だ。
コメント
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