こんにちは!あるくべきのふみです!
ちょっと寒くなってきましたね。歩いていると暑くなってきたりするので、服で上手く調整しながら、歩き氷冷しましょう♪
「老化ですね。」で片付けられてしまう疾患のひとつに、『五十肩』というのがあります。
五十肩というのは、50歳代を中心に多発する、肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の“総称”で、病名ではありません。肩関節腱板炎、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋長頭腱炎、烏口突起炎、不安定性肩関節炎、石灰化沈着腱板炎などの疾病が原因となり痛みが発生している状態を四十肩・五十肩と言っています。
授業で先生が、「50歳以下の人に五十肩って言うと不機嫌になる人もいるから気を付けて!」って言ってたのが印象に残ってますが…(^_^;)。
「年齢を重ねることで、肩の関節を作っている骨や軟骨、靭帯や腱などに炎症が起きることが主な原因」だと説明されることが多いです。つまり、老化ってことです。
けれど、以前も“老化現象”で言いましたが、老化だけで急激な機能低下をすることはありません。では、なぜ肩の機能不全が起こるのでしょう?
ヒトは元々四足移動していたので、肩関節は前足、股関節は後足の付け根ということになります。ヒトが歩く時は、頭や背骨が安定するように「右足と左腕」「左足と右腕」が、たすき掛けの組み合わせになって前後に同じ動きをします。そのため、一方の股関節の動きが悪くなると、連動する反対側の肩関節の動きが悪くなり炎症をおこします。これが所謂『普通の五十肩』になります。
肩が痛いのに、逆側の股関節が関係しているのです。ただ、股関節は大腿骨(太ももの骨)の上端の丸くなっている骨頭が、骨盤のくぼみ(寛骨臼)にはまり込むようになって関節を形作っており、軟骨や筋肉などでガチガチに守られているため、微々たるズレは感知しづらいかもしれません。そこで、肩関節の痛みを先に感じ、肩の痛みだけに注目するということになるのかもしれません。体は繋がっているのだとつくづく思います。
普通の五十肩を治療するには、骨盤を正常にし、股関節と肩関節の連動を回復することです。できる範囲での四つん這い歩行も良いでしょう。そしてもちろん、痛みのある肩関節を氷冷することも重要です。
それで治らない『普通でない五十肩』というのは、それより重症のものです。
『重症の五十肩』は、“過去の五十肩の反対側”に発症することがよくあり、動きの悪い股関節と同側に発生したりします。“過去の五十肩”に自分自身で気付いていない人もいますが…。症状は、肩関節の強い運動制限と痛みに加え、腕のしびれを伴うことがあります。
首や肩が痛み、腕がしびれる疾患には、首の椎間板ヘルニアや、変形性頚椎症などがあり、重症な五十肩もこれらの仲間で、慢性的な首や肩の歪みや炎症による『頚肩腕症』と『肩関節の変形』が合併したものだと考えられます。
重症な場合、発症の経緯からみても、完治には少し時間がかかります。この時、肩を温めると、痛みが一時的に軽減しても、関節内部に熱が残ることになり、治癒を遅らせることになります。
痛いから動かさないでいると、どんどん動かなくなっていき、動かせないまま固定されるので、なるべく動かしていく必要があります。ただし、関節がズレたまま、無茶苦茶に動かせばいいというわけではありません。四つ足動物の前足が動く同じ範囲で、ゆっくり動かすことが大切です。