ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

バレーナ、くじらさんと。「もどらないと決めること」

2013-09-12 23:26:17 | ありのまま記 一話完結編。



もうさー全然だめだったよー。

と仕事を辞めた事をくじらさんに報告しに行った。
しばらく休憩しようと思う。心の水が枯れた事。
こいつ不幸な死に方をしろ!!って思ってしまう
じぶんとどう向き合ったらいいのかとか。

「たらちゃんはこうなっているんだよ。」

と言ってガラスの水差しをを傾けた。
底が楕円形で、丸底フラスコを
代官山に連れて行ったらおしゃれに
されちゃったみたいな感じの水差し。

傾けると水が丸みのところにハマって
底には水がない。

え?どういうこと?
傾いてるってこと?

そのまま言ったら正解だった。

「枯れているわけじゃないんだよね。
傾いているの。だから水はある。でも
傾いていて、ないところも多いから、
ないところを求められるとできないんだよね。」


たしかに欠けているものが多い。
この前は麻布十番で待ち合わせをしたのに
前の駅で降りてずっと待っていたり。
買って来たお土産も結局家に置きっぱなし。
携帯だって空港の手荷物検査場に忘れて来た。

携帯はよく無くす。
「それほど大切に思ってないからじゃない?」
と言われるけど、そういうレベルじゃない。

前に行った旅行先でも、
かばんを置き忘れないようにしよう!!と思って
わざわざショルダータイプを選んで、
これなら電車で、ふと置き忘れることないやって思っていたのに。
暑いからジャケットを脱ごうと思って、かばんを階段のてすりにかけて、
ジャケットを脱いでそのまま電車に乗ってしまった。

問題なのはその事にすぐ気がつかない事だ。
何駅かすぎてあれ?かばんがない!!!
そこから記憶をたどっていくと
あーあの時駅でジャケット脱いだんだーとなる。

昔はもうそれでパニックになっていたけど、
最近はそういうこともあるよね。
っておおらかにはなって来た。

ジミー大西さんがさんまさんの運転手をしていたとき
縦列駐車で停車中の車のなかで、大渋滞だと思って、
そのまま止っていたという話しがあるけど
笑えるようで、笑えないんだよなー。

もうほんとにサポートしてくれる人が欲しい。
というか、この一週間でも、
沢山のサポートを受けて生きていることを
実感している。ごめん、求めすぎた。


あーそういうことか。
俺は傾いているのか。
くじらさんも結構傾いているらしい。
僕から見たらそんな風には見えない。
くじらさんは代官山で美容院を経営し、
全くひとりでこなしている。
カットもシャンプーも
経理も仕入れも、全部ひとりで。

なにより、くじらさんの
カットはとってもスペシャル。
その場でいい髪型を作れる人は沢山いるけど、
何日もたったあとでも、切ってもらってよかったな
って思えるカットができる人は少ない気がする。
頭のかたち髪の伸び方、質、長さ。
その人に合う美しさ。いろんなことがわかっていないと、
くじらさんのようにはいかない。
だから10年以上も通うお客さんが沢山いる。
今から、いなくなったらどうしようと心配しながら。

そんな大した人でも欠けていると思うのかー。
でも、そんなことないよ!とも言い切れるほど
くじらさんのことをわかっている訳でもない。
確かなのは傾いている水のありかを
彼女はじぶんで発見しているということ。

人はみんなじぶんの経験とか
相手を見ながらこんなこと
言ったらいいんじゃないのかなって
色々なことをアドバイスしてくれる。
昨日の大先輩もそう。

くじらさんはこんなことをアドバイスしてくれた。

今の僕に必要なのは
睡眠と規則正しい時間に
ご飯をたべること
運動をすること。
そしてじぶんで
「もどらない」と決める事。

ずっとそういうことを
強いられる生活してるとね、
そうじゃない生活が逆に大変なのよ。
ずっと背中を曲げて生きていたのを
まっすぐにして生きなくては行けないから。
どっちが大変かっていったら
どっちも大変なんだけど。

でも、今そのまま働いたら、
曲げてるほうが楽だと思って
そういう人を選んじゃうんだよ。
とりあえず、背中をまっすぐに
立つ練習をしていかないと。


うん、わかった。
やってみるよ。

水のありかを探すのはそれからだ。
変化をもたらすこともね。それからかな。


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