5月7日(土)に米国チャーチルダウンズ競馬場で、米国クラシックレースの祭典ケンタッキーダービーが開催されます。ダートGⅠとしては、秋に行われるブリーダーズカップと並んで、世界最高峰のレース。ここに、日本からリーチザクラウン産駒クラウンプライドが参戦いたします。
いわゆる、出るだけの参戦ではありません。2月にドバイで行われたUAEダービー(GⅡ)に勝利しての堂々たる参戦であり、チャンスは相応にある挑戦であります。もちろん、そう簡単なレースではなく、スタートで出遅れて、そのまま大敗‥なんてことも十分に有り得ます。それでも、この挑戦には意義があると思いますし、国内のGⅠ戦線を離れて、Cルメール騎手がチャールズダウンズまで飛んでいく意味があるレース。
さて、本日の本題です。このクラウンプライドのケンタッキーダービーまでの道のり、すなわちプロセスの問題。
クラウンプライドは、昨年10月3日の中京ダート1800mでデビューして初勝利。11月7日には第2戦、阪神ダート1800mのもちの木賞で好タイムで2連勝。この時点で、2歳ダート路線でトップ集団の1頭に。そして3戦目が2月20日の東京ダート1600mのヒアシンス賞で、ここは勝ち馬コンバスチョンから0.5秒差の6着に完敗。しかし、次のドバイ遠征、メイダン競馬場ダート1900mのUAEダービーでは、地元UAEのライバルや、前述のコンバスチョンを含めた米国・日本からの遠征馬をまとめて破り去って完勝。これにより、ケンタッキーダービーの出走権を得ました。
ところで、世界最高峰のダートGⅠの出走権を得るまでのプロセスに、JRAで走ったレースに重賞レースが一つもありません。11月のもちの木賞は、2歳1勝クラスですから止む無しではありますが、出走メンバーレベルを見ると、2歳GⅢ重賞くらいにしても良いレースです。2月のヒアシンス賞は、UAEダービーやケンタッキーダービーへの出走ポイントが付与されていますので、ここは3歳GⅡ重賞にしても、全く違和感のないレースです。にもかかわらず、JRAには2歳ダート重賞は存在せず、3歳ダート重賞も、ようやく6月のユニコーンSが初めてで、しかもGⅢ。
敢えて、ドバイ遠征をしなくても、日本国内の指定レースからケンタッキーダービーを目指すプロセスを定着させるためには、これらのレースを重賞に格上げして、賞金も稼げるプロセスに変革する必要があります。3歳になったばかりの若駒達に、「ドバイ遠征+米国遠征」を強行するプロセスに疑問を持つのは、私だけではないと思います。
このBlogでは、何度も申し上げているのですが、日本の3歳馬がケンタッキーダービーに挑戦することが当たり前になっていく時代、JRAの2歳3歳のダート重賞路線が全く整備されていないことに、大きな違和感があります。
地方競馬との密約は、もう見直さないといけない時期に来ています。