金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【先進国株式の歪み】 GAFAばかりが物色される理由 ③

2021-09-02 07:12:02 | 金融マーケット

 このテーマは、本日で3日目となります。

 

 もともと、株式投資で、ROE=8%以上という最低条件が付けられた背景には、資本コストがほぼ8%近辺であることが理由でした。すなわち、株式で資金調達する際のコストが8%前後ならば、当然ながら、それを超えるリターンを安定的に上げられない会社に存在価値はないという理屈。それは、それで確かに正しい考え方なのですが、もともと長期金利が、4%とか5%とかの水準の時に言われていたレベルですので、現在のように、先進各国の金利がゼロとか、マイナスの時代に、資本コストが8%と言われても「?」という気が致します。

 しかし、主な株式投資家たちが、「ROEは最低でも8%」を求めているということは、すなわち、資本コスト=8%と定義することもできる訳で、ここの目線が高すぎることが、株式マーケットの中に、大きな歪みを発生させている最たる原因であるとも言えます。

 

 一番の問題は、こうして歪み続けていくと、必ず、どこかでこの歪みが解消される瞬間が訪れるということ。しかも、今回の歪みは、すでに10年近く、歪みが拡大し続けている状況ですので、その価格調整は、想像以上にショッキングな形で発生するはずだと思います。

 しかも、昨日申し上げたとおり、従前ならば、この歪みを解消させるパワーの源泉だった「バリューファンド」が、この10年間続くグロース相場の影響で、数を大幅に減らして、ほぼ壊滅状態に追いやられています。したがって、ここへきて、この歪みは加速する傾向にありますから、ある意味、今は「歪み」の最後の輝きのフェーズに入っているとも言えます。

 

 このような、グロース銘柄のバブル状態は、いつ弾けるのか、誰にも判りません。ひとつ言えることは、10年分の歪みを解消する弾け方なので、GAFAを中心とする高成長株の株価は、過去最大級の価格調整局面がどこかで訪れることになる、ということだけ。これだけは『予言できる』と思います。(続く)


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