まずは菊花賞トライアル、神戸新聞杯。勝ったのは、サトノダイヤモンド産駒サトノグランツ。5番手追走で脚を溜めます。逃げたハービンジャー産駒ファントムシーフの前半1000mのラップは1分1秒2で、このメンバー、今の阪神の芝ではかなりのスローペース。結果として、ラストは瞬発力勝負に。直線に入ると、逃げたファントムシーフがそのまま押し切りを図ります。そこに3番手からキズナ産駒サヴォーナが迫り、これを交わします。さらに、ゴール手前で両馬を外からサトノグランツがアタマ差だけ差し切って勝利。良の勝ちタイムは2分23秒5のコースレコード。2着にはサヴォーナ、1/2馬身差の3着にファントムシーフ。
勝ったサトノグランツは、春の京都新聞杯に続いて重賞2勝目。春から菊花賞候補と言われたサトノグランツが、トライアルレースを制して本番の主役に躍り出ました。本来はスピードの持続力が持ち味の馬ですが、今回はスローの瞬発力勝負を制して、切れ味でも勝負できる馬に成長したことを証明しました。本番が楽しみです。
2着のサヴォーナは惜しいレースでした。ラストは瞬発力の差でした。持続力勝負になれば、本番での巻き返しも可能だと思います。3着のファントムシーフは思い切った逃げ作戦で、これも勝利目前で差されてしまいました。この馬は、やはり2000m前後が最も合っていると思います。
1番人気で5着に敗れたハーツコンチェルトは、9番手という位置取りが敗因。権利が取れなかったことは痛恨ですが、この馬はまだまだ成長過程の馬ですので、先を楽しみに致しましょう。
そして中山のオールカマー。勝ったのは、ハービンジャー産駒の4歳牡馬ローシャムパーク。5番手追走で脚を溜めます。逃げたドゥラメンテ産駒タイトルホルダーの前半1000mのラップは1分1秒1で、まだ軟らかい馬場としては流れる展開に。3コーナー過ぎから逃げたタイトルホルダーがロングスパートを開始、淀みのないペースが続きます。直線に入ると、タイトルホルダーがそのまま押し切りを図りますが、馬場の外を通ってローシャムパークがこれを鮮やかに交わして、1馬身1/4差で勝利。良の勝ちタイムは2分12秒0。2着タイトルホルダーからクビ差の3着には、7番手から差してきたディープインパクト産駒ゼッフィーロ。
勝ったローシャムパークは、7月の函館記念に続いての重賞2連勝。タイトルホルダーを破ってのGⅡ制覇ですから、秋のGⅠ路線が楽しみになりました。2着のタイトルホルダーは、自分の型に持ち込みながら差されてしまうあたり、まだ本来の体調ではないのだと思いますが、それでも2着を確保したことで、次走以降の復活に希望の光が見えた感じ。3着のゼッフィーロは、タイトルホルダーが作ったスピードの持続力合戦がハマった気がします。瞬発力勝負よりも、消耗戦が得意な馬なのだと思います。
2番人気で5着に敗れたガイアフォースは、逆に消耗戦になったことがマイナスになったと思います。やはり、この馬はマイルの速い展開でスピードを活かす競馬が向いていると思います。