本日は、2023年 JRA2歳リーディングサイヤーの発表です。
以下は、2023年 JRA2歳種牡馬成績トップ20位の最終結果です。
第1位 キズナ 勝利数32勝 AEI 1.76 賞金4億42百万円
第2位 エピファネイア 勝利数33勝 AEI 1.56 賞金4億15百万円
第3位 スワーヴリチャード 勝利数25勝 AEI 2.32 賞金4億02百万円
第4位 モーリス 勝利数22勝 AEI 1.80 賞金3億38百万円
第5位 ドルフィン 勝利数25勝 AEI 1.32 賞金2億70百万円
第6位 ロードカナロア 勝利数21勝 AEI 1.66 賞金2億69百万円
第7位 ダイワメジャー 勝利数12勝 AEI 1.71 賞金2億49百万円
第8位 リアルスティール 勝利数19勝 AEI 1.68 賞金2億39百万円
第9位 ブリックスアンドモルタル 勝利数16勝 AEI 1.24 賞金2億21百万円
第10位 ニューイヤーズデイ 勝利数16勝 AEI 1.18 賞金1億91百万円
第11位 レイデオロ 勝利数14勝 AEI 0.92 賞金1億70百万円
第12位 ヘニーヒューズ 勝利数12勝 AEI 1.71 賞金1億67百万円
第13位 ルーラーシップ 勝利数16勝 AEI 1.09 賞金1億64百万円
第14位 ゴールドシップ 勝利数10勝 AEI 1.11 賞金1億48百万円
第15位 ドゥラメンテ 勝利数10勝 AEI 0.78 賞金1億42百万円
第16位 マジェスティックウォリアー 勝利数12勝 AEI 0.76 賞金1億41百万円
第17位 ハービンジャー 勝利数07勝 AEI 1.25 賞金1億36百万円
第18位 リオンディーズ 勝利数09勝 AEI 1.00 賞金1億35百万円
第19位 デクラレーションオブウォー 勝利数09勝 AEI 0.93 賞金1億33百万円
第20位 パレスマリス 勝利数05勝 AEI 7.92 賞金1億33百万円
1年前の2022年は最後の最後で、ドゥラメンテがエピファネイアを僅差の大逆転で破り、2歳リーディングサイヤーに輝きました。そのあとの2023年の3歳世代では、ドゥラメンテ産駒のリバティアイランドが牝馬三冠、同じくシャンパンカラーがNHKマイルCを勝利、そしてドゥレッツアが菊花賞を制覇するなど、種牡馬ドゥラメンテが圧倒的な勢いを見せました。
2023年も最終週で、キズナがエピファネイアを大逆転で破り、初の2歳リーディングサイヤーに輝きました。キズナ産駒は2歳重賞勝利はなかったものの、牡馬牝馬ともに3歳クラシック候補を多数輩出しており、2024年の3歳産駒の活躍が楽しみであります。もともと、各世代ともに安定的な活躍馬がいる一方で、クラシックを勝つような大物に恵まれていないことで、キズナはサイヤーラインを伸ばせずにいました。2024年の3歳世代の実績により、種牡馬キズナは大きな飛躍のチャンスが来るかもしれません。
第2位は、2022年に続いてエピファネイア。エピファネイア産駒は、2歳時や3歳春の活躍が目立ちますが、4歳以降の成績に課題があり、早熟のレッテルが張られようとしています。しかし、早熟傾向は、サンデーサイレンス4×3のインブリード配合が多いためかもしれず、エピファネイアには、本来のアウトブリード配合を増やして、捲土重来を図ってほしいと思います。
第3位は、新種牡馬のスワーヴリチャード。初年度からGⅠホープフルSを勝ったレガレイラ、GⅡ京王杯2歳Sを勝ったコラソンビートを出しており、賞金額は4億円を超え、AEIも2.32と「実質的には2歳リーディングサイヤー」と呼んでも良いくらいの好成績を上げました。種付料が一気に1500万円にアップしたのも頷けます。
第4位のモーリスは、2位のエピファネイアとは逆で、4歳以降の活躍馬が多く、2歳時の活躍に課題がありました。それが、2022年2023年と、徐々に2歳時からの活躍が目立ち始めています。モーリスの種付料は、エピファネイアやロードカナロアと異なり、1800万円とか2000万円とかに値上げをせず、安定的に1000万円以下で推移。その結果、社台SS以外からの繁殖牝馬の量と質が安定しており、徐々に活躍時期が早まる傾向になっています。
2023年2歳種牡馬成績の特徴は、新種牡馬の躍進です。第3位のスワーヴリチャード、第9位のブリックアンドモルタル、第10位のニューイヤーズデイ、第11位のレイデオロが新種牡馬であり、4頭もベスト15に入る年は珍しい。特にスワーヴリチャードは、勝利数、AEI、賞金額ともに素晴らしい成績。さすがに、あのディープインパクト以来の、新種牡馬が2歳リーディングサイヤーに輝くという大偉業は成りませんでしたが、少なくとも、昨年3月に亡くなった父ハーツクライの後継種牡馬の座を確固たるものにしたと言って良いでしょう。
なお2022年のJRA2歳リーディング第1位で、2023年はJRAリーディングサイヤーに輝いた大種牡馬ドゥラメンテが、なぜか2023年の2歳種牡馬成績では第15位に低迷しました。有力産駒のデビューが遅れたことが主因ではありますが、種牡馬評価があまりに短期的に上下に動くことも原因だと思われます。ドゥラメンテの初年度産駒は、2歳時に期待どおりには活躍できませんでした。その結果、ドゥラメンテの4世代目の繁殖牝馬の質が低下してしまったのです。その影響が、この世代の不調にモロに出ている感じ。逆に第2世代以降は、あれほどの活躍馬を出して、2022年は2歳リーディングサイヤーに輝いているとおり、短期間で種牡馬評価を上下させた当時の判断は大きな過ちだったと言えると思います。
【ご参考データ】 以下は、2022年 JRA2歳種牡馬成績トップ10位の最終結果
第1位 ドゥラメンテ 勝利数24勝 AEI 2.28 賞金4億11百万円
第2位 エピファネイア 勝利数35勝 AEI 1.52 賞金4億10百万円
第3位 ルーラーシップ 勝利数19勝 AEI 1.57 賞金3億50百万円
第4位 ハーツクライ 勝利数22勝 AEI 1.33 賞金2億87百万円
第5位 ロードカナロア 勝利数19勝 AEI 1.06 賞金2億61百万円
第6位 モーリス 勝利数23勝 AEI 1.10 賞金2億61百万円
第7位 ジャスタウェイ 勝利数22勝 AEI 1.31 賞金2億57百万円
第8位 キズナ 勝利数20勝 AEI 1.33 賞金2億26百万円
第9位 ハービンジャー 勝利数18勝 AEI 1.05 賞金2億25百万円
第10位 ヘニーヒューズ 勝利数20勝 AEI 1.33 賞金2億21百万円