
上野広小路亭で、雷門助六の落語を聴く。
今日の噺は先代譲りの「長短」。
サゲは、「継ぎの裂(きれ)じゃ」。
それは上方男が江戸男の仕立ての着物を褒めたあと、端布(ハギレ)があるかを訊ねる件りに掛かってゐるわけだが、今日の口演では、そこがスッポリ抜けてゐたやうに思ふ。
だから初めてこの噺を聴いた人は、サゲの意味がわからなかったはずだ。
録音や録画放送では出くわせない、生の寄席ならではのこと、ではある。
中入り前の出番で踊りはなかったが、その前に出た小唄と新内の区別がはっきりしない音曲師が、「潮来出島」を踊ってゐた。
日本髪に結った扮装のわりに色気の無い苦笑モノのそれに、だうせなら助六師で“糸あやつり”を見たかったと、つくづく思ふ。
芸事で食ってゐる者は、いくら実力があっても人気がなければダメだといふ。
ごもっとも。
人気はあれど実力は微妙な輩が、横溢してゐるご時世じゃによってな。
今日の噺は先代譲りの「長短」。
サゲは、「継ぎの裂(きれ)じゃ」。
それは上方男が江戸男の仕立ての着物を褒めたあと、端布(ハギレ)があるかを訊ねる件りに掛かってゐるわけだが、今日の口演では、そこがスッポリ抜けてゐたやうに思ふ。
だから初めてこの噺を聴いた人は、サゲの意味がわからなかったはずだ。
録音や録画放送では出くわせない、生の寄席ならではのこと、ではある。
中入り前の出番で踊りはなかったが、その前に出た小唄と新内の区別がはっきりしない音曲師が、「潮来出島」を踊ってゐた。
日本髪に結った扮装のわりに色気の無い苦笑モノのそれに、だうせなら助六師で“糸あやつり”を見たかったと、つくづく思ふ。
芸事で食ってゐる者は、いくら実力があっても人気がなければダメだといふ。
ごもっとも。
人気はあれど実力は微妙な輩が、横溢してゐるご時世じゃによってな。