
路線バスと人が接触した場所の近くに居合はせるといふ、あまり気分のよろしくなゐ弥生最初の朝を迎へる。
鶴亀鶴亀……、と唱へて、しばらくそこは通らなゐことにする。
昨日の悪天候を今日も引きずったやうな空模様だが、梅も河津桜も、いまが見ごろとなりにける。

かうした四季の訪れに足をとめ、しばし聴き入るくらゐの余裕は欲しゐもの。
手許ばかりを見て歩く不景気な明盲目どもに、シアワセなど聞こゑるものか。
かくして今朝の不浄はすっかり浄化され、

ふらりと立ち寄った馴染みの場所で、
私はまうひとつの“春”を聴く。
鶴亀鶴亀……、と唱へて、しばらくそこは通らなゐことにする。
昨日の悪天候を今日も引きずったやうな空模様だが、梅も河津桜も、いまが見ごろとなりにける。

かうした四季の訪れに足をとめ、しばし聴き入るくらゐの余裕は欲しゐもの。
手許ばかりを見て歩く不景気な明盲目どもに、シアワセなど聞こゑるものか。
かくして今朝の不浄はすっかり浄化され、

ふらりと立ち寄った馴染みの場所で、
私はまうひとつの“春”を聴く。