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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

あらむつかしのことのはや。

2014-08-19 07:17:50 | 浮世見聞記
某ラジオ番組の公開放送で、中年のパーソナリティーが聴衆の若者たちに、

「わたしが大学を卒業したとき、まだ皆さんは跡形もなかったわけで……」

と口にしたのを聴いて、オヤと思った。


辞書は「跡形(あとかた)」の意味を、

“そのものが無くなったあとにのこる、しるし”

と、示している。

つまり、跡形もないとは、痕跡すらもないことを、意味する。


『まだ皆さんは、跡形もなかった』

……?

初めから無いものが、どうしてそこに存在していた痕跡を、示せるのだろう。


どうやらこのパーソナリティーは、

“まだ影も形もない”

のつもりで、言ったらしい。


ちょっとひねった言い回しをいたずらに気取って用いると、とんだ『裸の王様』になる。



それにしても、この頃はどこのアナウンサーも、ちゃんと原稿の文字を読めないのは、どうしたことだろう。

ニュースなどで、なんでもない言葉をつかえているのを耳にすると、イラッとくる。


会話調で喋る番組ばかりが増えて、それに慣れてしまったからだろうか?



容貌などより先に、磨くべきものがあるはずだ。
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