
某ラジオ番組の公開放送で、中年のパーソナリティーが聴衆の若者たちに、
「わたしが大学を卒業したとき、まだ皆さんは跡形もなかったわけで……」
と口にしたのを聴いて、オヤと思った。
辞書は「跡形(あとかた)」の意味を、
“そのものが無くなったあとにのこる、しるし”
と、示している。
つまり、跡形もないとは、痕跡すらもないことを、意味する。
『まだ皆さんは、跡形もなかった』
……?
初めから無いものが、どうしてそこに存在していた痕跡を、示せるのだろう。
どうやらこのパーソナリティーは、
“まだ影も形もない”
のつもりで、言ったらしい。
ちょっとひねった言い回しをいたずらに気取って用いると、とんだ『裸の王様』になる。
それにしても、この頃はどこのアナウンサーも、ちゃんと原稿の文字を読めないのは、どうしたことだろう。
ニュースなどで、なんでもない言葉をつかえているのを耳にすると、イラッとくる。
会話調で喋る番組ばかりが増えて、それに慣れてしまったからだろうか?
容貌などより先に、磨くべきものがあるはずだ。
「わたしが大学を卒業したとき、まだ皆さんは跡形もなかったわけで……」
と口にしたのを聴いて、オヤと思った。
辞書は「跡形(あとかた)」の意味を、
“そのものが無くなったあとにのこる、しるし”
と、示している。
つまり、跡形もないとは、痕跡すらもないことを、意味する。
『まだ皆さんは、跡形もなかった』
……?
初めから無いものが、どうしてそこに存在していた痕跡を、示せるのだろう。
どうやらこのパーソナリティーは、
“まだ影も形もない”
のつもりで、言ったらしい。
ちょっとひねった言い回しをいたずらに気取って用いると、とんだ『裸の王様』になる。
それにしても、この頃はどこのアナウンサーも、ちゃんと原稿の文字を読めないのは、どうしたことだろう。
ニュースなどで、なんでもない言葉をつかえているのを耳にすると、イラッとくる。
会話調で喋る番組ばかりが増えて、それに慣れてしまったからだろうか?
容貌などより先に、磨くべきものがあるはずだ。