迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

てつみちがゆく――山をのぼる山手線

2023-06-06 20:22:00 | 鐵路


旧新橋停車場 鐵道歴史展示室にて、「山手線展∼やまのてせんが丸くなるまで∼」を觀る。


(❈案内チラシより)

明治十八年(1885年)に現在の東海道本線と高崎線の連絡線として、品川〜赤羽間に開業した“品川線”に始まった山手線(やまのてせん)の歴史云々より、山手線は首都の“山岳鐵道”である、と紹介したコラムに興味を覺える。

山手線と云ふと、平坦な“トウキョウ砂漠”を低速で環状運行してゐる印象があるが、 



山手線内で最も標高の高い位置にあるのが代々木驛で標高38.7m、最も低い位置にある品川驛の標高2.9mとの差は35.8mで、その間に土地の勾配を何度も上り下りしながら走行してゐるとは、これまでほとんど意識してゐなかった。 



さう云へば今は昔、かつてSLで貨物列車を牽引してゐたと云ふ元機関士の人から、田端〜駒込間は勾配がきついので全速力で上がらなければならず、運転には神經を遣ったものだ、と聞いたことを思ひ出し、さういふことか、と今になって氣が付く。



ちなみに、「山手線」とは品川−新宿−池袋−田端間の、圓のほぼ左半分を云ひ、田端−東京間は正確には「東北本線」、東京−品川間は「東海道本線」なのださうで、これも案外知らなかったことのひとつ。



山手線――

首都トウキョウの代表的交通機関だが、間が惡いとゴチャゴチャとした混雑下で利用する羽目になることを嫌って、私はふだんあまり利用しない。

E235系とか云ふ、試験走行で手抜きをしたがため營業運転初日に不具合を起こして驛の定位置に停車できなかった迷車の、車内いっぱいに取り付けられた液晶画面から絶えず垂れ流される廣告映像のウルサイのも、私は氣に入らない。


首都圏の通勤電車なんてものはしょせん“痛勤”電車なのだから、大昔の103系の如く、内装にムダの無いヒトを運ぶ箱であればそれで事が足りるのであり、それ以上には何も要らないのだ。








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