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迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

偲草 十二代目片岡仁左衛門 昭和2年

2025-04-16 18:47:00 | 片岡仁左衛門
昭和2年(1927年) 45歳


1月 中座(2日~23日)

「関ヶ原」黒田長政
「浄瑠璃 青海波」殿
「嫗山姥(しゃべりやまんば)」萩の屋八重桐



「嫗山姥」萩の屋八重桐



2月 松島 八千代座(1日~13日)

「松平長七郎」松平長七郎
「新版歌祭文 野崎村の場」油屋娘お染
「有馬猫」有馬中務太夫頼億後に雪斎公、召使お仲、怪猫



3月 南座(10日~17日)

「寿曾我対面」工藤左衛門祐経
「義経千本桜」いがみの権太郎、九郎判官義経(河連御殿)
「新版歌祭文 野崎村の場」油屋娘おそめ


「新版歌祭文 野崎村の場」油屋娘おそめ


「■今度はじめてお仲間入りをさせて頂きます。私も大の松嶋屋党です。あの美しい顔、しおらしい目元、そしてあの台詞を廻しが大好きです。諸遊芸に上達して居られるには誠に感心の外御座いません。そして舞台もなかなか熱心です、何と云っても関西の花形です。記者様我童の写真を集め、その経歴を記した──たとえば舞台のおもかげ──と云った書物は御座いますまいか何とぞ御教え下さい。
○お尋ねのものは出てをりません。『舞台のおもかげ』は九冊出ていますが、松嶋屋のはまだ発行になりません。」(「演芸画報」昭和2年4月号 読者倶楽部)



4月 浪花座(1日~22日)

『十代目片岡仁左衛門三十三回忌追善興行』

「彦山権現誓助剱 毛谷村」おその
「十代目片岡仁左衛門追善狂言 小楠公」楠帯刀正行
「都一中」板倉屋娘お文実は三中娘お鶴

※十代目仁左衛門命日の四月十五日、我童が施主となり中寺町薬王寺にて、午前十時から十二時まで三十三回忌法要を営む(大阪毎日新聞 4.16)



5月 博多 大博劇場

「寿曾我対面」曾我十郎



6月 歌舞伎座

「伊賀越道中双六 沼津」呉服屋重兵衛


「伊賀越道中双六 沼津」呉服屋重兵衛



9月 南座(1日~16日)

「馬士地嶽」田代屋幸次郎
「木村長門守」木村長門守重成

〈新聞評〉
「『木村長門守』血判取は我童十八番の至芸で、大胆な舞台を見せ……」(京都日出新聞 9.6)



10月 天満 八千代座(1日~10日)

「木曾川治水記」幕府大目付牧野織部
「紙子仕立両面鑑 本町大文字屋内」万屋助右衛門、番頭権八
「生写朝顔日記」瞽女朝顔実は秋月娘深雪
「所作事 粂仙人」粂仙人

〈観客評〉
「四月の追善劇以来久しく顔を見なかった我童さん、今度天満八千代座へ出るとのこと、早速待ちきれないで初日を見物、やっぱり花形ですわね。一寸姿を見ると松嶋屋、松嶋屋とすばらしい人気です。朝顔はとてもよろしゅう御座いましたわ。琴歌の声、あの姿、そしてあの顔をほんとうに美しいと思いました。あの舞台の熱演ぶり、すっかり汗になって働いて居られました。」
(「演芸画報」昭和2年11月号 読者倶楽部)



同 名古屋 新守座(13日〜18日 )

「木曽川治水記」幕府大目付牧野織部
「片岡十二集の内 近頃河原達引」猿曳与次郎
「奥州安達原」女房袖萩、桂中納言教氏実は安倍貞任
「粂の仙人」粂仙人



11月 中座(1日初日)

『東西合同大歌舞伎』

「絵本太功記 広徳寺より尼ヶ崎まで」真柴筑前守久吉、真柴久吉実は浅野弥市
「越後獅子」角兵衛獅子
「廓文章」扇屋夕霧太夫

〈観客評〉
「霜月の中座へ大好きな我童様を見に二日目母と参りました。広徳寺の久吉も良かったが、夕霧の美しかった事、松嶋屋式の芸とあでやかな美しい顔に引きつけられました。古風な品ある顔は丁度豊国絵から抜け出した様と形容致します。他の優に御座いませんネ。芸風と云い、天下一品目下関西第一の花形よ……」
(「演芸画報」昭和2年12月号 読者倶楽部)



12月 南座(1日~16日)

『吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』

「尾形光琳」内蔵之助妻お石
「平家蟹」那須与五郎宗春
「龍巻」尾島吉三郎常春
「絵本太功記 尼ヶ崎の場」真柴筑前守久吉
「玩辞楼十二曲の内 藤十郎の恋」切波千寿


「絵本太功記 尼ヶ崎の場」真柴筑前守久吉









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