コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

15セントの借り

2023-04-16 23:32:07 | 今日の出来事

パラオで買い物する際に、小銭が1セント2セント足りなくて、いいよいいよ気にしないで、とまけてくれることはままある。逆に向こうがお釣りが足りなくて、3セントないんだけどいい?などと言われることもアリだ。時に店と自分のやりとりの中に後ろに並んでいたおじさんが入ってきておじさんが太っ腹風に店がくれるべきおつり分を私にくれるというよくわからない状態になったりもする。そういうパラオ生活における適当感はけっこう気に入ってはいる。
先日、夕方のウォーキングの帰りにミニマートで買い物をした。ウォーキングに財布は持って行ってなかったのでスマホに挟んでいた20ドル札で必要な買い物を済ませるはずだった。だいたいの目安で買い物をしてこんな感じで20ドルで間に合うかな、という感覚でレジに行った。1個1個レジを通していく。あれ?もしかしたら足りない?ギリギリ? もしかして足りなかった場合に返すものは、、、ツナ缶でいいかな。さて、合計は、、、20ドルからちょっとだけ出ちゃった。惜しい!わかった、ツナ缶を返すよ、と言うとレジのおばさんが、玉ねぎ1個返したら?と言う。玉ねぎは量り売りで3個買っていた。なるほど、あなたのレジ処理が面倒じゃないんだったら言う通り玉ねぎ1個返すよ。さて玉ねぎを返した後の合計は?あれ〜?まだ15セントオーバーじゃん。えーっとじゃあどうしようか。と一瞬考えてたら、袋詰め担当の若い男の子がさっとポケットから小銭を出して、いいよほら、と15セントをレジのおばさんに渡してくれた。私はえー!いいの?と言ったが、おばさんは顔色ひとつ変えずに、あるならさっさと出しなさいよ、って態度で受け取ってレジに入れた。え〜、ありがとうね〜。あなたに借りができたね、とお礼を言うと、彼はクールにノープロブレムと言った。高校を出たばかりか、高校生のバイトじゃないかなあ。若いから恥ずかしい気持ちもあるでしょうにちゃんと自分で状況を判断して見ず知らずのおばさんを助けてくれたところがエラいし、優しい。
後日、この間はありがとうね、あの時はすごく助かった、今日は私ちゃんと財布を持ってきたからこの間のお礼であなたにジュースを買わせてちょうだい、と申し出た。彼は気恥ずかしそうにいいよ、気にしないで、と断った。そお? 恩返しできなくて残念だけど、ありがとうね〜、ほんとに。