かわいがってるパラオ人の女の子の誕生日だった。彼女は今アメリカにいるため一緒に祝うことが出来ないのでメッセージを送った。誕生日はパラオ時間では昨日だったがアメリカ時間では今日になる。今年大学を卒業して社会人一年生だ。コロナだったり、新入社員なのにリモートワークだったり、色々心配はあるが、向こうでいい誕生日を過ごしているといいな。
いつものようにランチタイムに帰ってきた夫がやけに上機嫌だ。そして「いいことがあったよ!」と自ら申告した。なにやら手に青いレジ袋を下げている。中を覗くと美味しそうな弁当が入っていた。ホカホカの韓国焼肉の弁当だ。なんとそのバースデイガールからのプレゼントだと言う。え、だって、誕生日を祝ってあげるのはこっちなのに? アメリカで就職する前に夫の職場でインターンをしていた彼女は職場でたくさんのスタッフに好かれた。その時一緒に働いたメンバーと夫に今日、彼女からだという弁当が届けられたのだそう。思いがけない逆プレゼントにみんな大喜びだった。ありがとう!ベントー届いたよ!とメッセージすると、私の誕生日に私もこっちでこれから食べるから一緒に食べよう!と言った。面白い。弁当ってところがまたいいね。パラオには日本の食文化が浸透していて、弁当文化もある。パラオ語でもベントー。葬式やベビーシャワーなどのシューカンでは欠かせないアイテムだ。自分の誕生日に離れた国の親しい人に弁当を届けて一緒に食べる。大学をトップの成績で卒業して優等生の典型のような彼女だが、こういうユニークなところが失われてないのが嬉しい。日本にも初任給で親や家族になにかプレゼントするという慣習はあるが、彼女が自分の給料で初めてプレゼントしてくれたのは焼肉ベントーだった。一生忘れないと思う。世界で一番美味しかった!いい感じの大人に成長していて大満足。 あらためて、お誕生日おめでとう!!
写真:そのベントー。タクアンもフリカケもすでにパラオ語。