コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

面白いプレゼント

2021-12-16 22:41:13 | 今日の出来事

かわいがってるパラオ人の女の子の誕生日だった。彼女は今アメリカにいるため一緒に祝うことが出来ないのでメッセージを送った。誕生日はパラオ時間では昨日だったがアメリカ時間では今日になる。今年大学を卒業して社会人一年生だ。コロナだったり、新入社員なのにリモートワークだったり、色々心配はあるが、向こうでいい誕生日を過ごしているといいな。
いつものようにランチタイムに帰ってきた夫がやけに上機嫌だ。そして「いいことがあったよ!」と自ら申告した。なにやら手に青いレジ袋を下げている。中を覗くと美味しそうな弁当が入っていた。ホカホカの韓国焼肉の弁当だ。なんとそのバースデイガールからのプレゼントだと言う。え、だって、誕生日を祝ってあげるのはこっちなのに? アメリカで就職する前に夫の職場でインターンをしていた彼女は職場でたくさんのスタッフに好かれた。その時一緒に働いたメンバーと夫に今日、彼女からだという弁当が届けられたのだそう。思いがけない逆プレゼントにみんな大喜びだった。ありがとう!ベントー届いたよ!とメッセージすると、私の誕生日に私もこっちでこれから食べるから一緒に食べよう!と言った。面白い。弁当ってところがまたいいね。パラオには日本の食文化が浸透していて、弁当文化もある。パラオ語でもベントー。葬式やベビーシャワーなどのシューカンでは欠かせないアイテムだ。自分の誕生日に離れた国の親しい人に弁当を届けて一緒に食べる。大学をトップの成績で卒業して優等生の典型のような彼女だが、こういうユニークなところが失われてないのが嬉しい。日本にも初任給で親や家族になにかプレゼントするという慣習はあるが、彼女が自分の給料で初めてプレゼントしてくれたのは焼肉ベントーだった。一生忘れないと思う。世界で一番美味しかった!いい感じの大人に成長していて大満足。 あらためて、お誕生日おめでとう!!

写真:そのベントー。タクアンもフリカケもすでにパラオ語。

ムジン

2021-12-10 22:40:37 | パラオ文化

盛りがいいので有名なクマガイベーカリーのレストラン、エマイメレイで知ってるパラオ人のおじさんに会った。朝いつもウォーキングをしてるおじさんだ。「ウンギル トゥータウ(おはよう)」の挨拶だけの仲。同じ年頃のおじさんと言うか、おじいさん達と楽しそうに食事をしていた。ウォーキングでしか会ったことがない顔に街中で会うとちょっと不思議な感じがする。
翌朝、いつもの場所で会った時に何気なく聞いた。「昨日は楽しそうだったね。お友達と食事だったの?」。するとおじさんが「昨日は木曜日だったでしょ。毎週木曜日はムジンなんだ。」と言った。ああ、パラオにムジンがあることは聞いたことはあった。元々は日本の互助会システムの無尽のことだけれど、どのようにパラオ人が運営しているかはよくわからなかった。最近は元々の意味から逸脱して銀行からローンでお金を借りることもムジンと言ったりしている。おじさんが言うムジンは元々の意味のムジンだった。毎週木曜日に昨日のあのメンバーで集まって、お金を100ドルずつ出すんだそう。メンバーは4人だから400ドル。それを毎週順番で誰かが貰えるんだそう。そっか。なるほど。
それを聞いて思ったこことはまず、年金ぐらしに毎週100ドルは多すぎるということ。月に400ドルの出費。そして、月に一回400ドルがもらえる。プラマイゼロ。(笑)メリットはない。無尽のいいところは毎回自分が払っても痛くないぐらいの少ないお金を積み立てて、なにか大きなお金が要りような時に自分ではすぐには無理だけれど、そこから融通してもらえるということなんだろうと思う、ざっくりと言えば。そこそこの参加人数も必要だ。
もう一つよく言われるメリットは組織の連帯感でしょうか。このおじさん4人のムジンに名前がついているかどうかは知らないけれど、組織の連帯感はありそうだ。毎週木曜日に4人が集まって、エマイメレイで大盛りご飯。皆さんリタイヤされてそれほどお忙しくもない日常に毎週木曜日の楽しみは意味があるだろう。メンバーには杖をついて来ている人もいた。レストランで挨拶した時にはおじさんは私達がどういう知り合いなのか他のメンバーに説明して、ちょっと自慢げだった。他のメンバーは私と連れの友人が日本人だとわかると日本語で挨拶した。それだけでもいつもとちょっと違った木曜日になったかも知れない。毎週100ドル出す意味はちょっとわからないけれど、やっぱり毎週木曜日の食事会よりは使命感があるし、奥さんにも「今日はムジンだから。」って言って堂々と出られるというメリットはあるのかも。

トモダチ

2021-12-07 12:41:23 | 今日の出来事

こういう関係はなんと呼ぶのだろうか。トモダチでいいのかな。パラオで一番日本食材が充実しているスーパー、WCTCの日本食コーナーで働いているおばさんのことだ。ずいぶん長いことあそこで働いている。私が行くと必ず「あなたを待ってたのよ〜!」とばかりにやって来る。まずは自分の商品陳列で不明な点を私に確認する。だいたい、日本から輸入される日本食は英語表記がないものが多く、自社のラベルを頼りに並べているが、よくわからないという。これとこれはどう違うの?と聞いてくるのは見た目がよく似ている料理酒とみりん、すし酢や穀物酢など。またはめんつゆ関係。同じめんつゆでもブランドがいくつかあるし、小さいボトルはすき焼きの素などとも違いがわかりづらい。醤油はパラオ文化にすっかり根付いているからキッコーマンやヤマサなど、ブランドによって好き嫌いさえ言うパラオ人もいるが、最近薄口醤油とか生しょうゆなどもあるのでそのあたりがちょっとわからなくなるみたい。薄口醤油は醤油の棚に並べるのか、めんつゆの棚に並べるのか。仕事熱心だなあ、と思う。パラオの食文化に日本食はかなり浸透していると思うけれど、このおばさんはここに入ってくる日本食はぜーんぶ自分で味見をしていると言う。この間、これが超うまいから絶対食べて!とすすめられた。食べるラー油だった。ずいぶん前に日本で流行った記憶がある。でも私は食べたことがなかった。彼女によるとこれは本当になんにでも合うからご飯にかけてもいいし、魚にかけてもいいし、とにかくべーリグッドだから食べてみろ、うちの家族も大好きで自分はもう箱買いしてるんだから、と言われて一瓶買った。中に入っているローストされたにんにくがサクサクして、箱買いするほどではないけれど確かに美味しかった。めんつゆはどうやって使う?みりんは何に入れる?と研究熱心な彼女。自分の日本食料理がいかに旦那さんと家族を喜ばせているかをいつも嬉しそうに自慢げに教えてくれた。
今日は日本から戻ってきて初めて彼女に会った。「久しぶり〜!ずいぶん見なかったじゃない。どうしてた?」とお互いに名前も知らないけれど、妙に懐かしくて嬉しくてまずは軽く肩を組んであいさつ。一通り彼女の商品陳列の質問に答えたあとに、彼女の方から話があるようなそぶりでちょっと小声で話してきた。聞くと、「あのね、私はもう年だからこの仕事をやめてリタイヤしようと思っていたの。」と言う。「え〜、そうなの?誰か日本食売り場を引き継いでくれる人いるの?」と聞くと、それが問題なのよ〜!と、「若い人は日本食のこと何も知らないからぜんぜんダメ。だから上の人がね、私に辞めて欲しくなくて、なんとか一年続けてくれないかって頼まれたのよ。」「そりゃそうだね。あなたほど日本食の知識がある人いないでしょうからね。」「私もね。もう年だからリタイヤしたいんだけど、人に頼まれたらイヤとは言えないタチだから〜。」「それでどうしたの?」「ハズバンドと相談して一年だけ続けることにしたの。そしたら上司も大喜び!」「ああ、良かったね〜!会社も助かったでしょう。じゃあボーナスもらわないとね!」と言うと、彼女は近かった顔をもっと近づけてコショコショ声で「あのね、上司がサラリーあげてくれたのよ〜!」と嬉しそうに教えてくれた。「きゃ〜!!良かったね〜!!おめでとう!!」と手を取り合って喜んで、そしてハグした私達。この関係はトモダチでしょうか?(笑)

写真:サンクスギビングのお呼ばれでいただいたパラオ式サンクスギビング料理。ターキーとマッシュポテトにメヤス(魚)とタロイモ。

台風の影響

2021-12-03 12:26:36 | 今日の出来事

パラオ近海で発生したトロピカルストームは台風21号に発達し現在北上中。パラオからはだいぶ離れたはずだが、まだその影響によるものなのか、パラオは今朝からすごい雨だ。朝、コーヒーを淹れてる途中で停電。薄暗い中ケータイのスクリーンの光を頼りにカップに注ぐ。熱帯の島でも太陽の光が黒い雲でさえぎられる影響はすごい。だいぶ気温が低いと思われる。寒い。この南国で。長袖と長ズボン、靴下を身につけた。いつもだと半袖でも袖があるTシャツでさえ暑くてノースリーブかキャミソールばかりに頼って暑さをしのいでいるというのに。こんな寒い日は久しぶりだ。ともすれば日本で買ったダウンさえ頭によぎった。いったい何度なんだろう?エアコンの室内計に目をやると、、、表示は26℃だった。間違っているのかな、隣の部屋のエアコンを見ると、、やっぱり26℃だった。寒い日本から帰ってきたばかりだというのに、26℃の夏日で長袖を着た私は形状記憶シャツの様にものすごい勢いでパラオ人に戻っていた。