青い空、雪の屏風岳に桜吹雪。桜だけではない。あちこちに色とりどり。久しぶりの蔵王は春の花盛りだった。澄んだ空気を吸い込んだらあまりの気持ち良さに歌でも歌いたくなる気分だ。
今日の目的地はここからほど近い、蔵王町北原尾地区だ。北原尾。キタハラオと読むが、村名命名の心は「北パラオ」だ。地区の公民館の前に石碑が立つ。『高橋進太郎先生の尽力により昭和21年春、パラオ、ロタ、テニアンから入植する。南洋パラオを忘れないように、この地を「北原尾」と命名する。』と刻まれている。
2001年にパラオのレメンゲサウ大統領がこの地を訪問し、2006年には当時の駐日パラオ大使のダイジロウ・ナカムラ氏が訪れて親交を深めている。そしてこの度、フランシス・マツタロー大使がパラオ政府として3度目の公式訪問だ。マツタロー氏がはるばるここまで来てくれたことが日本人として嬉しいし、マツタロー氏の来訪を村をあげて心から歓迎してくれたことにはパラオ人(ではないけれど)として感激しました。パラオの親日の陰には草の根の小さな外交がいくつもあるんだろうなあと思う。