長くパラオに住んでいながら、山登りをしてみようという気持ちには一度もならなかった。と言うのもパラオには山というような山がないから。それがひょんなことから登ってみようではないか、ということになった。パラオ最高峰 Ngerchelchuus。本島、バベルダオブ島のガラスマオ州にある、パラオ語の発音だとゲルエルウース山。なんと標高242m。仙台市民におっぱい山として親しまれる太白山でも320mある。それはさておき、なんで登ってみたかったかというと、以前、一度記事にも書いたことがあるが、アニメ「斉木楠雄のΨ難」の楠雄君が日本の自宅から瞬間移動した場所だったからである。楠雄君がパラオに来たのだ!その場所にいつか行きたいと思っていたらそのチャンスが訪れた。登山口は結構わかりやすい。車を停めて緑と赤土のコントラストの道を登る。道はよく整備され、道沿いに間隔を開けて電柱が立ち並ぶ。この山の頂きに電波塔が立つためだ。最高峰への登山の雰囲気が削がれるけど、しょうがないよね。ゆるやかで開けた坂道は太白山ほどの急斜面も危険な岩場もなく、ちょっとした散歩程度のハイキング、小一時間ほどで頂上へ。そこは楠雄君がワープしたとされるパラオの奥地、うっそうとしたジャングルと神秘的な滝、的な場所とはちょっと違う、かなりオープンな見晴らしのいい場所。しかし、242mと言えどもさすが最高峰、バベルダオブ島をぐるりと360度見渡すことができる。絶景だ。気持ちいい~!!写真は頂上から南側を写したもの。アルモノグイの集落、その向こうはガッパン、ゲルマドゥ湾が見える。その先はたぶんコロールだ。ヒュ〜。すごい。昔はこの海の方をカヌーで行き来したのだ。北を向けば本島の北端、ガラロンまで見える。なるほどねえ。
隣のアルモノグイ州にパラオで2番目に高い、エッティルウイル(Etiruir:212m)とそれと双子の山と言われている、ゲルワー(Ngeruach:196m)という山がある。やはり太白山と同じように地元の人はおっぱいと呼んでいるらしい。どこでも同じなんだな~。ちなみに「おっぱい」はパラオ語になっていて、赤ちゃんにあげるミルクも「おっぱい」だ。実際アルモノグイにエッティルウイルとゲルワーという男の子の双子がいるよと、アルモノグイの人が教えてくれた。いつかその二つの山にも登ってみたいんだけど、と聞くと、たぶん道がないからなあ、若い男の子なら藪をこぎながら行けるけど、あんたじゃなあ、、と暗に「ムリ」と言われた。いつか若い男の子をリクルートして行ってみるか!パラオの登山、楽しい!
過去の記事:
「斉木楠雄の逃避先」