コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

母の日

2021-05-09 22:16:39 | 行事

日本の子供の日、5月5日はパラオでは敬老の日だ。これねえ、あんまりいいアイディアではない気がする。なんでかと言うと、そのあとすぐに母の日がやってくるから。若いお母さんならいいけれど、年取ったお母さんだと、敬老の日にお祝いして、すぐに母の日のお祝い、ってことになる。そうなるとお祝いを一緒にまとめられちゃうか、日を開けずに2回のお祝いをするか。年取ったお母さんは、子供や孫に会うことや、みんなが集まることが楽しみだから、いい感じに日にちを離した方が、ちゃんと2回会って、2回、有効にお祝いをすることができると思う。
私にも「パラオのお母さん」という人がいる。敬老の日には赤飯を炊いて持って行った。もう90を過ぎているからパラオ人にしてはとても長生きだと思う。それでももっともっと長生きして欲しい。そして母の日。迷った。会いに行こうか、電話で済まそうか。この間行ったばかりだしなあ。いつもの年は母の日は実の娘にまかせている。しかし今年は彼女が島にいないのだ。うーん、どうしよう。やっぱり行こう!日本人はどうしても行くなら手土産をと、思ってしまうけれど、言われたことがあった。「お土産より顔がいいですよ。」と。お土産をもらうよりも顔を見せてもらうことが嬉しいってことだ。そうだろうな。行ける時に行こう、やれる時にやろう。お言葉に甘えて、「また来ましたよ!」と顔だけ見せに行った、母の日だから、と。とっても喜んでくれた。だけど、自分は土産はいらないと言ったのに、私には必ず土産があるのだ。ある時だけよ、持って行きなさい、と今日はネギとパパイヤ。きれいに洗って包んでくれて。もう~。申し訳ない気持ちになるけれど。でもまあこの際、遠慮なくお母さんみたいにしてもらっちゃおう。そして私に「気を付けて運転しなさいよ。」と言い、戸口に立って、運転する私にずっと手を振ってくれるのだ。ああ、してあげてるつもりがしてもらってばかりだ。

分け合う文化

2021-05-06 22:22:29 | パラオ文化

毎週木曜日の朝、町の中心のベツレヘムパークで行われるローカルマーケット。ここで売ってるドゥモック(タロイモの葉のスープ)がおいしくてそれを狙って毎週行くが、早過ぎたり、遅すぎたりして3週間ぐらい空振り状態だった。持ち帰り用の大きなコーヒーカップにたっぷり入れてくれて1ドルは安い。鍋で温めなおして二人分のランチ用スープになる。カップがもったいないからと、毎週鍋を持ってくるのだが、買えずじまい。今日も鍋を持って目当てのアバイ(サマーハウス)に行くと、もうそれらしきポットがない。あ~、今日もダメか。。一応他のアバイでもマアス(おばさん)に聞いてまわる。鍋を片手に「ドゥモックはない?」と聞くと、「もっと早く来なきゃだめよ!こんな時間に来たってないよ。来週はもっと早く来なさい。」と言われる。そっか。まあ、しょうがないや。早く来ると早すぎるって言われてなあ、難しいなあ、などと思いながらあきらめて帰ろうとすると、アバイのベンチに座っていた別のおばさんが、「あんたドゥモック買いたかったの?」と話しかけてきた。「そうなの。ほらこの通り。」と空の鍋を見せて、「もう3回も空の鍋持ってきてそのまま持って帰ってるんだ。」と言うと、「ほら、これあげるから。持って行きなさい。」と白いカップを突き出した。ドゥモックが入ってるカップだった。びっくりした。「え~っ!いいよ~。あなたが食べようと思って買ったんでしょ。いい、いい。大丈夫。来週また来るから。」と丁寧にお断りした。「いいから!あげるから!持ってって!」と言う。このやり取りを何度か繰り返して、マアスの決心はゆるぎないことがわかったので、「じゃあ、買います!」と言った。言ったところでまた買う、いらないの繰り返しだ。結局私は見ず知らずのマアスからタロイモのスープをただでもらってしまった。。心から最上級のお礼を言った。そのスープがこれだ。タロイモの葉にココナツミルク。あとは家庭によってさまざまなものが入るが、このスープにはカニが入っていた。最高においしかった!お名前も聞かなかったけれど、パラオのおばさん、ありがとうございました。ごちそうさまでした。今までで一番価値ある1ドルのスープでした。写真はそのスープと、同じく朝市で買ったドラゴンフルーツ。