日本の子供の日、5月5日はパラオでは敬老の日だ。これねえ、あんまりいいアイディアではない気がする。なんでかと言うと、そのあとすぐに母の日がやってくるから。若いお母さんならいいけれど、年取ったお母さんだと、敬老の日にお祝いして、すぐに母の日のお祝い、ってことになる。そうなるとお祝いを一緒にまとめられちゃうか、日を開けずに2回のお祝いをするか。年取ったお母さんは、子供や孫に会うことや、みんなが集まることが楽しみだから、いい感じに日にちを離した方が、ちゃんと2回会って、2回、有効にお祝いをすることができると思う。
私にも「パラオのお母さん」という人がいる。敬老の日には赤飯を炊いて持って行った。もう90を過ぎているからパラオ人にしてはとても長生きだと思う。それでももっともっと長生きして欲しい。そして母の日。迷った。会いに行こうか、電話で済まそうか。この間行ったばかりだしなあ。いつもの年は母の日は実の娘にまかせている。しかし今年は彼女が島にいないのだ。うーん、どうしよう。やっぱり行こう!日本人はどうしても行くなら手土産をと、思ってしまうけれど、言われたことがあった。「お土産より顔がいいですよ。」と。お土産をもらうよりも顔を見せてもらうことが嬉しいってことだ。そうだろうな。行ける時に行こう、やれる時にやろう。お言葉に甘えて、「また来ましたよ!」と顔だけ見せに行った、母の日だから、と。とっても喜んでくれた。だけど、自分は土産はいらないと言ったのに、私には必ず土産があるのだ。ある時だけよ、持って行きなさい、と今日はネギとパパイヤ。きれいに洗って包んでくれて。もう~。申し訳ない気持ちになるけれど。でもまあこの際、遠慮なくお母さんみたいにしてもらっちゃおう。そして私に「気を付けて運転しなさいよ。」と言い、戸口に立って、運転する私にずっと手を振ってくれるのだ。ああ、してあげてるつもりがしてもらってばかりだ。