コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

サンセット

2021-06-28 22:31:52 | 今日の出来事

本日、18:47の写真。街中がオレンジ色に染まった。運転中の車を停めて、海に向かってカメラを構えた。ワオワオワオ! なんという夕焼け。ミナトバシからアラカベサン島方面を臨む。ニュートラル設定、撮影後の画像加工もなんもなし、見たまんまの色のサンセット。はぁ〜。ありがとうございます、と言いながら乾杯したくなるね! 今日も一日ご苦労さまでした。

海の民

2021-06-27 22:52:59 | 今日の出来事

初めてのナイトフィッシング、7時間も夜の海で釣りをするっていったいどうなるんだろうと不安だったが、満月の夜の海は最高に楽しかった。船の上で見る職場のスタッフは仕事中とはぜんぜん違う、生き生きとして水を得た魚とはまさにこのこと。船の上が良く似合うし、釣り糸を垂らすさばきも、素早く吊り上げる動作も、釣った魚から器用に針を外してアイスボックスに放り込むまで、本当に顔洗って歯磨きするみたいに目をつぶってもできそうに自然にやる。スピーカーから流れてくる演歌風のパラオ語の歌を大声で歌いながら。劇的に美しかった夕日の名残りが消えると、海は夜の景色に。大きな海のど真ん中に浮かぶ灯りを点けた一艘の船。怖いという気持ちはまったくない。ものすごい解放感だ。満月の海は不思議なほど明るく、島影もよく見える。そうは言っても夜、船には電気もついているとは言え、薄暗い中で魚に食いちぎられた針と錘をもう一度つけて結べるのには驚いた。「見えるの?」と聞くと、「見えなくても勘でやれる。」のだそうだ。へぇ~。すごいなあ。ボートの上の方に陣取って自分のクーラーボックスにどっしり座り、バンバン大物を釣り上げては「イーハーッ!」とみんなの称賛の声を浴びているのは、職場のボス的存在で、存在感も態度も体も声もぜんぶデカい女性だ。パラオでは海(漁)は男の仕事、畑(タロイモ)は女の仕事と決まっているが、最近はそうとも限らないのか。男性も釣り上げてはいるが、彼女の勢いと漁獲高の多さには誰もかなわない。そして漁場を移動する時の合図も彼女がする。「ラインアーップ!!」と鶴の一声で、全員が釣り糸を上げる。超カッコイイ!!仕事場でも完全に仕切られて、男の領域であるはずの漁でもこれだけやられてしまってはもう完全に彼女の天下だ。パラオの強い女性を見ていると自分がか弱い人に思えてくる。よーし私も釣るぞ~!だんだんとコツがわかってきて、魚がかかるようになってきた。面白い。スピーカーからは聞き覚えのある曲が流れてくる。「アナタヒト~リィニ~、カケエタアコォイ~♪」パラオ人の歌手が歌ってる。ああ、なんだっけ、これ。「どういう意味なの?」と聞きながらみんな日本語で歌ってる。パラオ人に人気のある演歌の一つ。そうそう、最後まで歌ってやっとわかった。「アアアア~♪、ナガサキィハ~、キョオモ~、アメエダアッタ~♪」。はあ〜、不思議な空間。満月のパラオの海に響き渡る「長崎は今日も雨だった」。

ナイトフィッシング

2021-06-26 22:23:16 | 今日の出来事

夫の職場のみんなでナイトフィッシングに行くと言う。いいんじゃない?行って来れば?と軽く言うと、みんな私のことも誘っているから私も参加した方がいいとのこと。え~、私はいいよ~。だって、ナイトフィッシングってもちろん夜の海だし、聞けば仕事が終わってから、夕方5時頃に出発して帰ってくるのは夜中の12時ぐらいって。7時間も夜の海に。。そんな漁師みたいな釣りについていける自信がない。。夫も実は釣りが好きなタイプではない。魚がかかるまで黙って待っていられないタチ。どっちかと言えば潜って突く、スピアフィッシングの方が向いている。でも今回の釣りはスピアフィッシングではなく、竿も使わないボトムフィッシングという手釣りだ。子供が小さかった頃はよくやったけど、もうやり方も引きの感覚も忘れた。まあ、いいや、7時間の夜の海はちょっぴり心配だけど、誘ってくれる人がいるなら行ってみようか。
金曜日の午後、仕事は4時半までだというのに、もう3時過ぎにはみんな釣りの準備でそわそわ。準備してくる、と言って一旦家に帰る人もいる。4時頃になると「いったいいつまで仕事してるんだ?釣りのこと忘れたの?」と呆れられる。釣りとか、魚とか、船とか、こと海に関する事に対するパラオ人の情熱と愛は計り知れない。そして自分たちの一番大事な釣りに関わる道具と言えば、もう日本製は神なのだ。日本に対する絶対的な信頼はこの釣り道具への信頼度もかなり貢献しているのではないかと思う。パラオ人と日本に出張時には釣具屋のチェックは必須事項となる。夫も一度、どうしても投網を買いたいと言われて苦労したことがあった。
さて、いつも時間はあってないようなもの、出発時間の5時だって30分や1時間遅れるのは当たり前、と思っていたら、もう船は5時前に船着場に着いていると言う。すごい。みんな自分のクーラーボックスと氷を持って続々と集まってくる。男性だけでなく、女性スタッフも頭にタオルを巻いてやる気満々!もう船に乗り込んで仕掛けの準備に余念がない。手際良く針とおもりを結んでいく。大きなスピーカーも持ち込んで、BGMの準備もばっちりだ。なんかテキパキ~!みんなそれぞれ好きな場所に座ると、あれ?言い出しっぺの男が船に乗らない。行かないの?悲しそうな顔で私達を見送った。聞いたら、奥さんに行っちゃダメと言われたらしい。乳飲み子を含めて子供が4人いるからね。奥さんに、あんただけ楽しく遊ぶつもりかって言われたら、女が強いパラオでは男はもう何も言い返せない。しょうがないね。悲しそうに手を振る彼への同情よりもこれから始まる釣りへのワクワク感で気持ちは即時に切り替わり、いざ、出発!いつも車で通るミナトバシが海から見るとまったく違って見える。5時と言ってもまだ日は高いが、海の風はいい気持ち。やっぱりいいなあ、海は。
釣り場がどの辺なのかまったく見当がつかなかったけれど、南に向かってけっこう走った。30分は走っただろうか。レッドスナッパー狙いという最初のポイントに着いた時にはちょうど太陽が海に沈んで、西側の空が真っ赤に染まった。信じられないぐらいきれい。考えてみたらこんな海のど真ん中でサンセットを見るなんてことは初めてだ。うわ~!すごい景色になってきた。でもみんなもう今日のファーストキャッチを自分があげたい一心で、無言で釣り糸を垂れている。私も写真も撮りたいは、魚も釣りたいは、手はエサのイカでベトベトだは、もうどうしたらいいの?状態。油断したら針がサンゴに引っかかってしまう。ほどなく本日の一匹目の雄たけびが上がった!オーレック、オーレック!いい大きさのレッドスナッパーをあげたのはパラワンの若い男だ。ひゃっほー!!よーし、私もがんばるぞ~!楽しい夜になりそう!

Belau Games 2021

2021-06-20 22:28:11 | スポーツ

パンデミックで世界中が未曾有の混乱に陥っているこの時に、普通にベラウゲームを開催できるという奇跡。ベラウゲームとは2年に一度開催されるパラオ16州が競うスポーツ大会、日本で言えば国民体育大会、すなわちパラオの国体ということだ。2020年の3月以来、事実上の鎖国状態にあるパラオは当初の大きな緊張状態、その後少しずつ緩和されたり、時にまた疑わしいケースが発生したり、疑いが晴れたり、台湾との間でトラベルバブルをスタートさせたり、それがまた台湾国内のクラスター発生を受けて中断されたり、さまざまな局面を経ながらなんとかいまだ国内感染者ゼロを保っている。おかげで国内では銀行などでマスク着用を求められる以外はごく普通に生活ができている。しかしながら、国の主な産業が観光業というパラオの経済的なダメージは計り知れない。大きなホテルにお客が一人もいない様子を見るのは辛く信じがたい。あの予約が半年前でも取れないと言っていた頃が夢幻のように思える。
そんな異常時に行われるベラウゲーム。やってる場合か、とも思うし、資金はどうするの?とかいろいろ疑問はあるけれど、国内には感染者はいない状況だし、予算と言ったってもともと2万人の国で、たいしてかかるわけじゃない。交通費もいらなければ宿泊の必要もない。みんな自宅から来れるし、離島の人々だって親せきの家に泊まれば済む。こんな時だからこそ、暗く閉じこもらずに不安やストレスをスポーツで発散し、人々と喜びを共有するのは良いかも知れない。不安やストレスによるネガティブな現象に使う予算と、それらを少なくするために使うポジティブな予算が同程度なら後者に使う方が良い。
そんな考えがあったかどうか、そういう検討を経たかどうかはわからないが、ベラウゲーム2021は開催の運びとなった。今回はパラオ16州全州が参加、種目は17。私が毎回お手伝いをするテニスもいまだかつてない9州がエントリーした。以前は参加州が3州だけで規定に満たず、テニスの種目が行われなかったこともあったのに。やはり現状のなにかが反映されているということだろう。今回はテニスのスカラシップでアメリカの大学に行ってこの5月に主席で卒業したアヤナ・レンギールもアイライ州代表として参加する。ベラウゲームの開会式ではゲストスピーカーとしてスピーチをして注目をさらった。パラオのような小さい国で生まれても、スポーツで努力して自分の未来を切り開くことができることを体現してみせ、みんなにも出来る、と後輩たちを鼓舞した。超カッコいいスピーチだった。今、大変な時代にポジティブな光を見せてくれる人。ベラウゲームはパラオに5年以上住んでいる人であれば外国人でも参加可能だ。このチャンスをポジティブに捉えて楽しもう。

第2の人生

2021-06-05 22:32:13 | 今日の出来事

いつものガソリンスタンドで給油していた。パラオで走ってる車はほぼ日本からの中古車なのでよくあることではあるのだが、私の車の反対側の白いトラックにふと目をやると何やら漢字で社名が書いてあった。○○とうふ店とか、○○布団とか、○○工務店とか、元のご主人が知る由もないであろう第2の人生をパラオでのんびり過ごしているケースがある。さあ、今日のトラックの前職は何かな〜と、見るでもなく見てみた。(株)赤澤紙業仙台支店。おお、仙台から。不思議な気持ちが湧き上がって来て、つい、「写真撮ってもいい?」と聞いた。最初、気を遣ってトラックだけの写真を撮ってたら、「俺たちも入れてくれないのか?」と向こうから言ってくれたので、ドライバーとスタンドのスタッフも一緒に。(笑)赤澤紙業さん、トラック、パラオで頑張ってますよ!! 今日は帰り道で「大西佛壇」と書かれたトラックも見かけました。大河原消防署の救急車も元気に走ってます!

大きな葬式

2021-06-04 22:47:42 | パラオ文化

コロール州の元知事で、トリビオン政権下では法務大臣を務め、パラオの大酋長チーフアイブドゥールの弟でもあるジョン・ギボンズ氏の葬儀が昨日行われた。その様子が早速今日の新聞アイランドタイムスの一面に載った。一面の見出しは「Over $192,000 collected for funeral of Koror chief and former minister」(コロールの酋長であり、元大臣の葬式に集まった香典は19万2000ドル以上)(1ドル109円換算で約2000万円)。記事を読んでいくと、彼のお姉さん(女性の第一酋長ビルン)が20,000ドルの香典を出していること、パラオのお金と言われているウドゥウドゥ(ネックレス)が3個、トルク(亀のべっ甲の皿)が100枚以上集まったことが記載され、どれだけ大きな葬式だったかを説明している。この辺りがとてもパラオ的で面白い。もちろん通常の経済活動はUSドルで行われているのだが、ことこの伝統的なシュウカンになると、ウドゥウドゥやトルクが流通して、これがないと始まらないし、おさまりがつかないのだ。その他、二階建ての家や土地がクランから彼の妻や子供に供与されたとのこと、それは香典とともに妻と子供への遺産となる。このコロナ下で経済的に大変な時期にこれだけの香典が集まったことへの驚きと、このシュウカンの金銭的負担への賛否両論があること、それでもこれが互助会的に保険の役割を果たしているというメリットがある事実もあげた。どうなんでしょうね。それはあるとは思うけど、無理はしなくてもいいことしたらより良い互助システムになるでしょうね。香典のためにローンを組んだりするのはよく聞く話だから。もう少しみんなが負担のない額にしたらいいね。
写真はコロール州庁舎での州葬で配られたおやつと引き物(?)。州葬は朝9時頃だったので、軽い朝ご飯とこのパッケージが配られたらしい。スナックのチョイスがまた面白かったのでご紹介。なぜかパラオ人に人気のギンビスのアスパラガスビスケットと柿の種のチョコレート、そして茶色のハンドタオルとサニタイザーが入っていた。

半旗

2021-06-03 22:06:14 | 今日の出来事

PCC(パラオコミュニティカレッジ)前のパラオ国旗とコロール州旗が半旗なのは本日国葬が行われるジョン・ギボンズ氏(享年74)への弔意を示すため。コロールで一番位の高いクランに生まれ、コロールの大酋長、チーフアイブドゥールの弟である氏は、元コロール州知事で、トリビオン政権下では法務大臣を務めた。今日はコロールの中心部にある旧国会議事堂前で国葬が行われ、その後コロール州庁舎で州葬、その後、ファミリーの土地であるイディドでパラオ式の葬儀が行われる。そのためにパラオのメイン道路のイディドの一区間が通行止めになることがあらかじめ知らされている。たくさんのテントと椅子が用意され交通整備の警察も出ている。大きな葬儀になることは間違いない。