コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

お国なまり

2021-08-30 22:51:49 | 今日の出来事

お隣にもの静かなオーストラリア人のジェントルマンが住んでいる。音楽好きの彼の歌声やギターの音が壁を通して聞こえてくる日常に不満はなく、付き合いは廊下やエレベーターで会った時の挨拶程度でそれ以上の話をすることはあまりない。ちょうどいい距離感だと思っている。しかし、ひとつだけ気をつかう箇所がある。植物に水をあげるためにベランダに出る時だ。スモーカーの彼はベランダに出てたばこを吸う。そのタイミングがなぜか私の水やりとことごとく合致してしまうのだ。そんな時、途中から引き返すわけにもいかないから、私の方から「グッドモーニング!」と声を掛ける。お互いベランダにいるのにグッドモーニングだけで、あとはシーン。。ではまた気まずいので、水やりしながらなんとか話題を探して話しかけるのは私の方だ。彼は静かな人だから。「最近天気が悪いですよね。今日はどうかな~。」などと言ったり、時節柄「オリンピックは見てましたか?」とか「パラオでも初めてコロナの陽性者が出ましたね。その件についてはどう思いますか? オーストラリアの状況はどうですか?」とか、聞いてみる。聞かれれば彼もしゃべる。優男の彼が若い頃、荒いスポーツで知られるオーストラリアンラグビーで死にかけたことを初めて知った。こんなしゃべる人なんだ、と思うぐらい饒舌だ。しかし、問題はリスニングが超難しいことだ。何回も聞き返すのは失礼だと思うからわかったふりして聞いて、あとで「ラインって何のことを言ったんだろう??・・ああ!レイン(雨)か!」と気づく。そうだ、そうだ、オーストラリアの人はA(エイ)がアイになるんだった。気を付けて聞いてるはずなのにまたしゃべってるとそのルールを忘れてしまう。オーストラリアのコロナの感染者数の話になって、一日に800人と言った時、彼は一日(デイ)をダイと言った。私はすっかりダイ(死)の方だと勘違いして、えーっ!それは大変!ってことに。これはすぐに誤解に気づいたから良かったけれど。だからね。ちょっと彼とお話するのは気を遣うんだ。そう思っていれば思うほどまたベランダでの遭遇率は高くなって。(笑) 誤解を避けるために、彼の方がAの発音をアイじゃなく世界基準のエイに直すぐらい簡単なように思えるんだけど、きっと彼は自分がそんな発音をしているつもりはないんだろうな。日本人がLとRの区別がつかないのと同じように、江戸っ子が「ひ」と「し」がごっちゃになっちゃうみたいに。東北人の寿司(すす)みたいに。パラオ語の飛行機は「スコーキ」で、よろしくが「ヨロスク」よしこさんが「ヨスコ」ひでよしさんが「ヒデヨス」だ。やっぱりお国なまりは楽しい。彼が直す必要はない。私が慣れればいいんだ。よす!

食べる量

2021-08-28 22:47:41 | 食べ物

写真は葬式に参列した際にいただいた一人分の弁当だ。大きい。パンパンにご飯が入ったおいなりさんとギューッと固く握られたおむすび、タロイモ2種、魚のフライ、チキンカツ、トンカツ、厚切りハム、エビの天ぷら、漬物、白玉入りオシルコ、ココナッツミルクのデザート、フルーツ、そして別の容器に入ったものは大きなシュウカンに欠かせない柔らかく煮た豚肉だ。夫と二人で行ったのでこれを2セットもらってしまった。絶対食べ切れないから1セットは事務所に持って行った方がいいよ。実際、この後でひとつの弁当を二人で分けて食べても三分の一ぐらいを残してしまった。事務所の女性スタッフに渡して、「事務所のみんなで分けて。」と言ったところ、彼女は弁当を受け取って、「大丈~夫!心配しないで。私一人で食べれるから!(分ける必要はない)」と言った。事務所のスタッフはだいたいお昼は自分の弁当を持ってきて食べているので彼女も自分の弁当もあったはず。それを食べて尚これを食べきれる胃袋。最初冗談かと思ったら、冗談ではなかった。今、事務所ではダイエットキャンペーンをやっていて、毎日みんなの体重の増減をチェックしている。それはいいの? 彼女だってすべてがどうでもよくなったいい年のおばさんではなく、結婚して子供を産んだばかり、若くてかわいい子なのだ。でも彼女のキャンペーン初日の体重は軽く100キロを超えていた。自分でも「オーマイゴッド!」と言ったので、気にしてないわけではない。痩せたいよりも食べたいが勝っちゃうんだろうなあ。そして食べきれるという実力もあるから。すごい。ただただ圧倒されてしまう。日本のOLのちっちゃな弁当見たら笑っちゃうんだろうなあ。

お盆

2021-08-13 22:45:05 | 今日の出来事

去年も今年もお盆の時期をパラオで過ごしている。例年なら夏休みで観光客がいっぱい超繁忙期のパラオだが、このパンデミックで観光客はゼロ、静かに過ごす2度目の夏だ。国民の90%以上がクリスチャンであるパラオにお盆はないけれど、私は戦没者慰霊碑の立つ海軍墓地にお参りに。暑い日だ。お供えのために作った煮物を仲良くしているおばあさん宅にお届けし、今日はお盆だからと言うとじゃあこれを仏壇の両側にと庭に咲く大輪のピンクのハイビスカスを持たせてくれた。きれい。ハイビスカスの仏花か。ハイビスカスは仏桑花というからちょうどいいかもしれない。パラオ人もハイビスカスはブッソーゲと呼んでいる。
パラオにはお盆やお彼岸のように決められた期間にお墓参りをするという習慣はないと思う。亡くなって一年目、一周忌の集まりには参加したことがあるが、それ以降の何回忌とかの法事などはたぶんない。一度、パラオ人の友人と一緒に彼女のお父様とおば様の墓参りに同行したことがある。私も家族のようにお付き合いさせてもらっていたので、生前のお二人をよく知っていた。一緒にお墓参りに行こうと誘ってくれたのは彼らの命日に近い日だった。墓参りと聞いて、私はお線香とお供え物を用意した。彼女は花束を用意していた。母系社会であるパラオ人のお墓は基本母親の出身地になるので、一緒に暮らす家族でもお父さんのお墓と母方のおばさんのお墓はそれぞれアイミリイキとアルモノグイの別の場所にあった。村の共同墓地であったり、一族の個人所有地であったりする。あっち行ったりこっち行ったり、場所を覚えるのも大変だ。お墓に行くと私は彼女の了解を得て、お線香を焚き、お供物を供えて手を合わせた。故人を思い出し心の中で話しかけ、冥福を祈った。彼女はと言うと、花束を供えて、写真を撮って終わりだった。あれ?そんな感じ? そして墓石を作った時のこととか、隣に眠る人々は誰かとか、この人の墓は劣化している、直すべきだ、とかそんな話をした。あれ?お父さんと話さなくていいの? 報告とかないの? 強い女性だから、私の前でお父さんを思い出して祈ってる姿を見せたくなかったのかもしれない。心の中で済ませて、平気を装っていたのかもしれない。
パラオのシュウカンの中で墓参りがどんな感じなのかはまだよくわからない。私が一時日本に戻っていた頃、年に一度パラオに来るたびに私がパラオのお母さんと慕っていた人の墓参りをしていた。彼女の家族に私が「お墓参りしたい」と言うと、なんか、「え?なんで?」っていう感じがした。それでも続けていたけれど、そのうちになんだかそこに彼女はいないような気がしてきた。パラオ人のお家におじゃましても拝める仏壇があるわけでもなく、決められた時のお墓参りもなくて、お参りしたい気持ちをどうしたらいいのか、わからなくなる時もある。お墓にしろ、仏壇にしろ、故人を思い出して家族や友人と一緒に祈ることで、お互いが癒されるってことなんじゃないかな、と思う。パラオの方々は毎週の教会がそれなのかもしれない。
教会に行かない私はそういう意味で日本のお盆が恋しくなることがある。でも今は日本もコロナのために家族や親せきが集まるのも簡単ではないね。次のお盆にはきっと状況は改善されていると信じています。 今日は、、先の大戦で亡くなった方々、パラオでお世話になった方々、海を越えて日本の家族、ご先祖様、皆さんにお参りすることができて心もスッキリしました。

写真:パラオのフラワーショップで購入した洋菊。グアムからの輸入花だが、お盆らしい日本ぽい花が手に入って満足。

別世界

2021-08-13 22:32:08 | 今日の出来事

SDAのクリニックからメッセージが入った。あなたの眼鏡が届きましたよ、というお知らせだった。
おお、やっと。忘れていた。眼科で視力をチェックをして眼鏡を作ることにしてから6週間がたつのか。元々視力が良くて、眼鏡やコンタクトとは縁がなかった。どこでもなんでもよく見えた。それが、本を読む時に突然字が見えなくなって、もしかして失明するんじゃないかと心配したら、これが老眼というものだと初めて知った。生まれて初めての眼鏡はちょっと嬉しかった。字を読む時は老眼鏡のお世話になりながら問題なく暮らしていたのに、今度は手元だけではなく遠くまでぼやけてきた。人の顔が良く見えない。手を振られても誰かわからない。これはまずい。失礼してしまう。加齢とともに近眼になることもあるらしい。今度日本に帰ったら視力検査をしてもらおうと考えていた。それがこのパンデミック。まだしばらくは簡単に日本に帰れないかも知れない。
パラオでも視力検査をしてもらえて、眼鏡も作れるよ、とは聞いていた。この際だから、行ってみよう。予約をして出かけたのが7月2日だった。ピカピカのマシンで手際よく検査してくれたのはアメリカ人の先生で「すごいかっこいい機械ですね。」というと、「全部メイドインジャパンだよ!」と笑った。そうそう、検査を始める前に「あなたのために祈っていいか?」と聞かれて祈ってもらった。ミッション系のクリニックなのでね。たぶん先生もボランティアで来てくれている信者の方だと思う。パラオは国民の90%以上がクリスチャンで、スポーツの大会や学校の式典、政府や地域のイベント、個人のお家、いろんな場面で祈るということがあるので、私はクリスチャンではないけれどまったく違和感はない。「●●(私の名前)のために治療できることに感謝します。」と祈ってくれたら素直にありがたい気持ちになる。フレームを選んでくれたのはパラオ人の女性スタッフだった。女性用の眼鏡の棚に100個ぐらいはあったかな。気に入ったのを何個かつけてみては鏡でチェックしていると、彼女が「そうねえ、あなたの輪郭だったら、これね! それかこれ。」と自信満々に勧めてくれた。かけてみると両方ともまあまあいい感じ。彼女に見せると、「あ~、絶~対こっちこっち!これがいいよ!」と。そう言われるとそんな気がしてきた。もうちょっと他のも試してみたかったけど、まあ、いっか。あなたがこんなに推してくれるんだからそれに決めるよ。眼鏡はハワイで作られるらしく、仕上がりまで6週間かかると言われた。え~っ、6週間!!1か月半。なんかすごいよね。なんでもスピードスピード、スピード競争の世の中でアメリカや日本のアマゾンなんかその日に頼んだものがその日に届くというのに、片やこんな世界もあり。6週間が永遠のように思えた。でもまあ、時間はかかっても手に入るだけありがたい。永遠と思える時間も待っていればやって来る。こういう生活をしていたらこういう生活に合わせた性格になるんだろうね。
6週間待ってハワイから届いた眼鏡が神々しい。ちょっと変な模様のケースだけどまあいいや。かけてみてびっくり!わぁ~!モヤモヤしていた世界が一気にパキーンって輪郭を取り戻した。おお、おお、見える見える、隅々まで!超ハッピー!先生、ありがとう!皆さん、ありがとう!大満足です。

小包 from Japan

2021-08-12 22:19:26 | 今日の出来事

夫のスマホがとうとういってしまった。このパンデミックでなかなか帰国も簡単ではない今、いつも日本で購入している電化製品の取り扱いには気を付けていた。送ってもらおうにも郵便の航空便は現在停止中で再開の兆しはない。船便で日本から荷物を送ってもらった人が到着まで3ヶ月かかったとか6ヶ月かかったなどと言っている。それでも届けば良い方。中には紛失してしまった人もいる。コロナ禍で人の行き来だけでなく、荷物の輸送も混乱中だ。
夫のスマホはバッテリーが熱を持ってパンパンに膨張し、蓋を持ち上げて、肉が挟まったサンドイッチのようになっている。あ~あ。。まだ電源は入るものの、こんな状態で使い続けることは危険だ。いつ発火するやも爆発するやも知れない。とりあえず私の予備のiphoneSEを貸してあげよう。SIMを取り換えてメールやラインの設定をすればOK。これでなんとかイケるでしょう。
交換初日、クレームが入った。「小さすぎる!」 ・・でしょうね。でもしょうがないよ~。帰国できる日まで待つか、誰か頼める人が日本から来るのを待つしかない。それともここで買う? パラオ最大のスランゲルのスマホ売り場に10台ぐらいは売ってるよ。確認に行くとiphoneは最新の12が置いてあったけれどもともとそんなハイエンドな機種を買うつもりはないし、値段だって日本やアメリカで買うより数割増しで高い。ピクセルやサムソンなどは2つぐらい古いモデルにかなり高めの値段をつけてある。うーん、送料を考えたらしょうがないのかも知れないけど、なんかやだな~。どうしようか。夫は日本製がいいと言うけど、日本製は売ってないよ~。
夫が国際宅配便で送ってもらうことを提案してきた。UPSやDHLなどの国際宅配便は書類一枚を送ってもらっても4000円とかかかるので、仕事以外では使ったことがなかった。見積りしてもらうと他のものも入れても保険料込みで1万円程で送ってもらえそう。えー、それいいんじゃない?
夫のスマホはパラオの周波数に合うことを確認してシャープのAQUOSにした。ついでに私の欲しいものも同梱してもらうことにした。なんか届くのが超楽しみ!!こんな気持ちは久しぶりだ。
子供が小さかった頃は、日本から送られてくる漫画やおもちゃやお菓子が入った荷物を指折り数えて楽しみに待った。段ボールを開ける時の興奮や、子供の笑顔を思い出す。考えてみたら夫婦二人だけの生活になってからはそんなこともなくなっていたな~。今回の日本からの荷物。簡単じゃないからこその価値。物以上のなにかがある。

写真:届いた新しいスマホで撮った写真。コロールの夕暮れ。コロール州知事選の看板と。

電力会社も

2021-08-02 16:09:32 | 今日の出来事

先日、「コマカイ」の記事で、おつりに関するゆるさを書いた。一般の商店はまあしょうがないにしても電話局ぐらいはちゃんと1セントまで合わせた方がいいんじゃないか、と書いた。それ関連で、今日のおつり体験をふたつご紹介しよう。
今日、パラオに来て初めて髪を切りに美容院に行った。いつも日本帰国時に切るので、子供を散髪に連れて行ったことはあるものの、自分はパラオの美容院で髪を切ってもらったことはなかった。それがこのパンデミックでもう丸2年以上日本に帰れていない。髪も2年分伸びている。しょうがない、パラオで切るか。以前パーマをかけてチリチリの大惨事になった人の話を聞いているが、今回はカットだけだからそんなにリスクはないと思う。評判の良さそうなところを友人に聞いて予約をして出かけた。フィリピン人の女性の美容師さんだった。息子を連れて行っていた頃はカットは子供も大人も女性も男性も5ドルだったが、だいぶ前のことだし、今は5ドルではないだろうな。裾と前髪を切ってもらって、ブロウしてもらって、9ドル50セントだった。それでも安い。100ドル札を出すと、50セントはあるか?と聞かれた。50セントがあったので渡した。そしたらおつりを「はい、90ドル。」と言って渡してよこした。えっと、私が100ドル50セントを出したのだからおつりは91ドルだ。単に彼女の勘違いだと思うが、ま、いいや。どうせチップを渡そうと思っていたから。計算間違いは指摘せずそのままにして追加のチップを置いて、ありがとうね!と言って出てきた。仕上がりは9ドル50セントなりの仕上がりだった。日本の美容師さんの技術ってすごいんだな~、と改めて感心した。日本でカットしたら4000円ぐらいかな。4倍以上の価値は確かにあると思う。でも短くなったからスッキリはした。良かった!
その後、電力会社に電気代を支払いに行った。先月の電気代、99.73ドルだった。高いな。暑かったからな~。やっぱりエアコン代は食う。100ドル札を窓口のお姉さんに渡した。彼女が何か言う。「あのね、私はあなたに27セントのおつりをあげるべきなんだけど。。」「そうだよね。」「でも25セントでいい?」という会話。公社だからね、良くはないと思うよ。でも私は、「いいよ、ぜんぜん。」と言ってしまう。個人的には2セントぐらいはどうでもいい。でも国として、公金を扱う場所としてはぜんぜん良くはない。2円だって1億人の人から集めたら2億円だ。でもここは人口2万。まあ、いっか。って結局なっちゃう。いいのかな~、と思いつつ。(笑)