コロコロコロール通信

南洋の小さな島に暮らす家族の日記

ヤクザゼロ

2020-09-27 22:49:44 | 今日の出来事

最初におことわりしておくが写真は記事とは関係ない。ヤクザではない立派なパラオの海の男だ。
「ヤクザゼロ」とはテレビゲームのことらしい。日本題は「龍が如く」という。その名前はなんか聞いたことはある気がするけれど、見たこともやったこともない。今朝、パラオ人で今アメリカの大学に通っている女の子から動画が届いた。彼女自身がギターを弾きながら歌を歌っている動画だった。へえ、ギター弾けるんだ~、と思いながらプレイボタンを押す。「ウケルでしょ?」というコメントだから面白い歌なのかな。ゆっくりした悲しげなメロディ。真剣な顔で歌っている歌は、、、ん? 日本語じゃない?「ばかみたい~♪、こどもなのね~♪、ゆめをおってきずついて~♪」はあ?なに、これ? ひと昔前のムード歌謡のようなメロディ。陳腐すぎて吹き出す。かまわず彼女はノリノリで歌いあげる。「だめだね~、だめよ~、だ~め~なのよ~♪ あんたがすきで~、す~きすぎて~♪」もう大爆笑! メロディと歌詞、彼女の一切笑わないマジメな表情がツボってしまって涙が出てくる。あ~。(笑)
この歌がゲーム「龍が如く」、英題「ヤクザゼロ」の主題歌で、今海外で大流行りらしいのだ。Youtubeで検索すると、ほんとたくさんの外国人が歌っている。へえ~、こんな歌が流行るとはねえ。ゲームの力はすごい。確かにこのゲームの映像を見たら、ほんとに歌舞伎町の歓楽街にいるような描画の詳細さに驚かされるが、こんなヤクザのゲームが海外でウケるとは。このゲームをしながら外国人が日本の任侠文化に詳しくなっていくのかな。これも一つの日本文化の発信なんでしょうね。主人公のヤクザも超かっこよく、先の女の子も「キリュウ、めちゃカッコイイ!」とか言ってるし。「パラオハイスクールの同級生も日本語で超完璧に歌えるんだよ!」って自慢気に教えてくれた。そうか。若者の間ではそんなことになっているのか。パラオで毎年一度行われる大使館主催のジャパンフェア、この「ばかみたい」ののど自慢大会やってみたらどうだろう?(笑)

予備選結果

2020-09-24 23:38:37 | 政治

いつも数えるのに時間がかかるからなあ、と思って速報が出ることは期待していなかった。そしたら今回は投票日、22日の夜12時半には国内票をすべて数え終わって、ラジオで放送したという。「夜中までずっとラジオを聞いてメモしていましたよ。」地域ごとの集計をして、州の小計をして、トータル票数。90を過ぎたおばあさんが見せてくれたメモ。最後に娘がまとめてくれたそう。翌日にネットで正式に発表された数とピッタリ合っていた。メモ上部はアラカベサン地区の集計と、コロール州全体の集計が書いてあり、中央に総計が出ている。ダントツの1位はSW、前の大統領選でも現レメンゲサウ大統領と決戦を戦い、また大統領の妹婿でもあるスランゲル・ウィップス氏だ。そして次点はRO、現副大統領であるレイノルド・オイロウ氏。メモの下にも書いてあるように在外票がカウントされて最終結果が出るのに9/29まで待たなくてはいけないが、この票差を見ると11月の本選はこの上位2名での決選投票となるだろう。途中、インターネットでの調査ではアラン・シード氏がトップに出たり、電話調査では大統領経験者のジャンソン・トリビオン氏が優勢などと言われたが、蓋を開けてみれば当初の大方の予想通りということになった。
「この地域は投票場はどこだったの?」と聞くと、「私は足が悪いからね。来てもらいましたよ。ここでしました。」とのこと。事前に電話すると、投票場まで行くのが難しい人のところには選挙管理委員会の人が来てくれるのだそう。「二人で来てくれました。」立会人が必要でしょうからね。それは良かった。前にどこかの州の知事選が白熱の接戦で一票を争うって時に、病院に入院していた人を担いで投票場に連れて行ったという話を聞いたことがあるよ、と言ったら彼女も大笑い。病院でも投票は出来るそうだから、その人は事前に連絡していなかったのかも知れないね。
ネットで公表された地域ごとの得票数を見て行くと、トータルでは負けていてもだいたい各候補者の出身地ではその候補者が一番になるケースが多いが、今回はどの地域でもまんべんなくスランゲル氏が得票している。圧倒的だ。人気があるというのはわかっていたが、どういう理由があるだろう。政党もなく、政策の違いもわかりにくいパラオではファミリーの大きさとか資金力も重要。地元の実業家であり、古い政治からの脱却という意味では若いことも良かったんじゃないかと思う。教会関係の支持者も多かったのかな。「いい人ですよ。教会の方も一生懸命。」という話も聞くから。お父さんも元上院議員。自らも上院議員を務めていた。外交についてはどういう考えを持っている人だろう。まだ決まったわけではない。決戦投票がありますが。

疑陽性

2020-09-21 22:15:36 | 今日の出来事

未だコロナ感染者を出していないパラオだが、先週の初めにチャーター便でパラオからフィリピンに帰った人が到着地フィリピンでの感染テストに陽性の反応が出たというニュースが流れた。去年の12月からパラオで労働者として働いていた人だと言う。どういうことだ? どういう可能性が考えられるのだろう。パラオは3月の末から基本的に飛行機の出入国は停止している。6月からは国外のパラオ人の帰国や、先月からは外国籍でもパラオ在住ビザがある人や、必須のビジネス関係者の入国など、段階的にチャーター便を受け入れているが、入国の条件や入国後の隔離措置など厳しい監視の元にされており、今までそのような入国者から感染者が出たこともない。それなのになぜ? いったいどのようにして感染したのか? 飛行機の中で? 到着してから? いろいろ噂されたが、潜伏期間があるでしょうからそんなにすぐには反応は出ないはず、となると、パラオで感染してた? 誰から? かつて感染が疑われた人のテスト結果を待っていた時のように、またパラオの空気がどんよりと重くなった。感染者ゼロの国の緊張感も大変なものだ。
そして今日、保険省から緊急報告。「陽性反応が出た人の2回目のテスト結果は陰性でした。最初のテストは間違いでした。」とのこと。ホッ、である。重かった空気が吹き飛んだ。SNSでは「神様、ありがとう!」的な反応が数多く見られた。しかしこのピリピリ感。どうなのかな。今パラオは感染者ゼロ、友好国でこのコロナ下でも援助という意味でパラオに大きく貢献をしている台湾もうまくコントロールしてしばらく感染者ゼロが続いている。この2国間での行き来をフリーにすることはできないものか。コロナはないものの、観光が大きな産業であるパラオのこの間の経済的ダメージは計り知れない。感染者ゼロ、観光客ゼロの状態がいつまで続くのか。打開策はあるのか。
リーダーの判断が待たれるところ。パラオの大統領選も予備選は明日だ。

能力者

2020-09-20 23:57:27 | 今日の出来事

夕方のウォーキング。最近目も良く見えないし、薄暗い夕方にすれ違う車からプップって合図されても誰だかわからない。でもきっと知ってる誰かでしょうから、失礼にならないよう誰かはわからなくてもこっちも手を上げたり顎を上げたりして挨拶を返す。パラオ人は良く見えているのだ。今日も道路の向こう側に停まってる車からクラクションが。いつもの様に手を上げて通り過ぎようとすると、私の相手を認識しない適当な挨拶に気付いたのか、車から降りて手を振りながら何か叫んでる。パラオ人に見えるけど、誰だ? 「〇〇でーす!」って日本語だ。ああ!〇〇さんか!! 久しぶり!! よく私だってわかったね、こんな暗いのに。「スガタを見ればわかるよ〜!」おお、すごい、上手な日本語。「スガタ」なんて日本人でもなかなか出てこないよ。釣りにでも行ってきたの? 私も何度か彼のボートで海に出たことがある。パラオの男は海に出たら最高にかっこいい。釣り場も知っていれば、ちょちょちょいと簡単に魚を釣ってその場で手際良くさばいてくれる。潜れば必ず何かを獲って戻ってくる。頼りになるハンターだ。一度ボートを運転していた彼が、急にある島の方へ近寄ったかと思ったら空気銃を構えて空に向かって撃った。何かが島のジャングルに落ちた。船を近づけて彼はジャングルへ。ほどなく戻って来た彼の手にはパラオ人の大好物、フルーツバット(コウモリ)がぶら下がっていた。それを優しく寝かせるように船の運転席の引き出しにしまうと何事もなくツアーは再開した。何かスポーツのプレイでも見せられたかのような流れるような美しい動きだった。運転しながら遠くに目をやり、「あそこにカメが這った跡があるね。」と言う。「ほらあそこの島のビーチ。」え?見えるの?あんな遠くの島のビーチが? それもカメの跡が? マジですか。はぁ〜、すごすぎます。視力検査したら5.0ぐらい行きそうな、肉眼望遠鏡の能力者。夕暮れに私を判別するぐらいお茶の子さいさいなのであった。

Love

2020-09-09 22:56:42 | 食べ物

朝市に並んでいたランブータンを買った。東南アジア原産で、もともとパラオにあったフルーツではないと思うけど、毎年この時期、日本の夏の時期に出回る。常夏のパラオにいて難しいことの一つは果物のなる時期を覚えること。パパイヤやバナナなどは年がら年中あるけれど、マンゴー、アボカド、アリアム(パラオドリアン)など、木になるフルーツは時期が決まっている。日本だったら春はイチゴが、夏はスイカ、秋には柿、冬はこたつでみかん、と季節がくれば自然に思い出す。季節と食べ物は密接に結びついている。それがこのパラオ、大好きなアボカドでも「いつなるの?」と聞かれると、はて?いつかな?とよくわからない。あれを食べたのは半そで着ていた夏、とか、雪が降っていたから冬、とか、そういう記憶の結びつきがないのだ。なんせいつも夏だから。採れた時にもらって食べる。なければ食べないだけ。
そんな大雑把な南国暮らしで、ランブータンの時期を覚えているのは理由がある。私達は子供が小学校に通っていた頃は毎年5月の終わりから8月の初めまでの長い夏休みは日本で過ごしていた。3ヶ月近くもある長い夏休みを持て余した。その期間、日本で日本の小学校に行く子供達もいて、それは普段パラオの学校に通い日常的に日本語に触れる機会が少ない子供にとってはとてもいい日本語と日本の学校生活を学ぶ場になる。息子にもそれを提案したことがあったが、そうなると日本の学校が夏休みに入る直前まで日本の学校に通い、その後すぐにパラオに帰ってきてパラオの学校が始まるということに気付かれてしまい、「じゃあ、俺の夏休みはどうなるんだ?」の一言で、却下となった。しかし日本にいても「不審者」に見られたくないという息子本人の余計な心配で、子供達が学校に行っている時間は外に出ず静かに家で過ごし、放課後の時間帯から活動するという拘束的な生活をしていた。そんなことなら学校に行った方が良かったのに。それでも年に一度の帰国は毎年刺激的で楽しかった。息子は毎月のおこづかいをパラオでは一銭も使わずに貯めて、一年分のおこづかいをこの時に全部使った。
そんな夏休みを過ごしパラオに戻るのは8月の初旬。いつもお世話になっている人々に日本からのお土産を持って「ただいま」の挨拶に回る。もう亡くなってしまったけれど、息子を孫のようにかわいがってくれていたパラオ人のおばあさん。二人で挨拶に行くと、とっても喜んで、開口一番、「ああ、良かった~!」と言った。「間に合えばいいけど、と思っていたの。」とお手伝いのフィリピン人に何か頼んだ。「〇〇(息子の名前)が好きだからね。食べさせたいと思って。」冷蔵庫から出してきてくれたのはランブータンが入ったビニール袋だった。「いつ帰ってくるかねえ、って思っていたの。間に合って良かった!」嬉しそうな息子を呼び寄せてハグしてチューした。大きなファミリーの大黒柱のようなおばあさんで、孫もひ孫も大勢いた。それらの人々をすべて包み込んでなお余りある愛情。ランブータンの時期になると思い出す。

共存

2020-09-06 22:08:49 | 生き物

犬が普通に放し飼いされているパラオでは気を付けないといけないことがあるのはわかっているはずだった。危険な犬なのかどうかを見分けることとか、薄暗くなってきたら油断しないこととか、犬の多くいる場所を歩く時にはそれなりの対抗手段を用意しながら歩くとか。子供も小さい頃は追いかけられたこともあるし、友達は噛まれたこともある。犬同士も縄張り争いでケガをしたり、悪い時には死んでしまうこともある。基本グターっとした気楽な犬生活ではあるが、そういう緊張の一面も併せ持つ、責任ある自由な暮らしだ。
この日、友人に誘われてアイライからカヤックで出かける約束だった。アイライの集合場所は自分が想定していた場所ではなかった。入ったことのない集落の船着き場。ちょうどいい具合に木が生えて涼し気な木陰を作っていた。へえ~、こんなところがあったんだ。いい感じ。奥に民家があって、周辺では子供達が遊んでいる。犬が数匹ウロウロしていたけれど危険な犬ではない。きっとこの子たちの犬だろう。まずは一安心。カヤックの準備をするために、持ってきたフィンとマスクとバスタオルが入ったビニール袋を路肩の草地にポンと置いた。そんなに長い時間ではなかった。でも完全に油断した。ここは彼らのテリトリー、私は新しい匂いのする侵入者だったのに。友人の「あーーっ!!」という声と同時にビニールに液体が当たり跳ね返るボトボトボトという音。バッと振り向くと茶色い犬が後ろ足上げ、付け根から黄色い液体が弧を描いて落下し最終地点でしぶきをあげていた。ぎゃーっ! 私のMEWの白いフィンが!バスタオルの袋が〜っ!!マスクが〜っ!うぇ~~ん!!すぐに海で洗い流してもらったから良かったものの、もう、すごいショック!やってくれたな~!マーキングってレベルではない。ほんとうにジョボジョボ。そんな本気でやる? とほほほほ。。 でもまあしょうがない。彼らのテリトリーに入った上に気をつけもしないでのほほんとしてた私が悪かった。
最初こそ予想外のアクシデントに凹んでいた私も、パラオの海の素晴らしさにすぐに機嫌はなおって大満足で帰って来た。やっぱり海はいいな~、最高だったよ。帰宅した夫にそう報告していると、夫がしきりに鼻をクンクンさせる。「なに?」と聞くと、「なんかこの辺、匂わない?」と玄関のあたりを指す。え~? うん? 確かに。嗅いだことのあるあやしい匂い。もしや。。発生源は私のサンダルの底。なんと犬の〇〇を踏んでいたのであった。。もう~!!(涙)
写真:実行犯とは別の犬です。