
家の奥で泣きながらじっと待っていてくれた時計さん。
前の扉のガラスと側面のガラスが割れ、中のゼンマイは素人がみて なんだかビヨンビヨンと出てました:::
文字盤は汚れ、歯車にはホコリ。
昔の家から救出したものの、動いている所は見た事がありませんでした。既に壊れてたのでオブジェとして使おうと思っていました。
先日再度monogokoroさんにお願いしたところ
直ぐに治してくださったと連絡がありました!!!あとは予後の経過観察中(^^)2w程 動きが安定しているか
見てくださるそうです。
送っていただいた写真は おおおおおおおと思うくらいに新品みたい♪
文字盤が灰色だったのしか見ていないので こんなに綺麗にしてもらえたんだ~と感動です。
歯の治療も 治療とは言いますが、修復です。如何に修復するかは職人の勘と技術と経験が必要になります。
古い時計もその修復技術が伝えられなくなると 私みたいに時計屋さんに断られ続けることになります。
物は壊れたら捨てる。新しいものを買う。これの繰り返しで生産中止になってしまったお気に入りや
形見の品の修復等は 出来る人がどんどんいなくなっています。
歯科でも インプラント(私は否定派ではないですが積極的には薦めません)の裏で
きちっとした義歯を作る技術を持った技工士さんが減っています。
ニーズが減っているのに大変でチャージが低い作業だからです。 コスパが悪い。
スキマスクを作ったのも、技術を廃れさせたくない、職人さんをあぶれさせたくないという思いからです。 (歯ぐきのスキマと日本の歯科業界)
なぜならば、私たち歯科医師も高い技術の義歯を依頼できる人達が居なくなれば困りますし
まずは患者さん達自身が治してもらえなくなる。ということになるのが明白だからです。
親知らずの抜歯も 「できません」と言われましたとウチへいらっしゃる方が結構います。
中には「難しい」と言われたとずっと悩んでいらっしゃる方もいます。(私の時計みたい(^^)
親知らずの抜歯も経験とコツと技術ですので ある程度の状態ならば普通に抜歯できます。
施術する機会を持たない先生がた(時間がかかる?リスクが高いわりにチャージが低いので受けない)が増え
めぐって患者さんたちが 親知らずの抜歯を一般の歯科医院でしてもらえなくなっているのです。
産科もそうです。訴訟リスクと大変さのわりに合わないので 一斉に産科医が少なくなったので
妊婦さんは普通に産める場所が無くなっています
(代わりに高級ホテルのような産科が増えました チャージとリスクのバランスです)
既に 大きく表には現れていませんが、その事態は起こっています。
お金を払えば治してもらえる という事は 治してくれる人(アンティークも身体も)が居る前提です。
受けてくれる人がいなければ依頼のしようがありませんし 技術が残っていなければ無理なのです。
診療所の待合室で 元気に動いて時々 ボーン!と鳴っている 時計を見る度
息を吹き返してもらったありがたみを感じます。 感謝!