スピリチュアルな体験談

自分で体験した事を書いていきます。不思議な出来事など。
軽口だけれど自然に対しては敬虔な気持ちでいます。

変人師匠の可愛げ

2012年05月03日 | インチョの酒
昭和の頃。近所におっさんがいて、変人と呼ばれていました。

その変人師匠や、なんだか憎めないオッサンオバサンがいっぱい居て
その人たちから何かされたとしても(些細なことなのだけれど)
まあ、しょうがないね。と あまりの愛嬌にトラブルも発生せず
楽しい思い出に変わるという なんとも牧歌的な時代。

バブルが過ぎ、デフレ不況や生活状況の悪化によって
人の気持から 愛嬌や、可愛げという仕草が少なくなって
ギスギスしてきているような気が強くします。

可愛げを勘違いして、いい大人になっても”私を可愛がって!”の
要求が見え見えの人も増えました。
実際可愛げや愛嬌をあまり感じないです。

変人師匠は、一生懸命でした。 何に一生懸命かは解らないけどw
おじいさんで、独り暮らし。昔パートナーの変人夫人は
窓から椅子を投げていた事もあったらしいです。

変人夫人も亡くなり、変人師匠がずーっと一軒家に独り。

私がうちの屋根に登ってねっころがっていると のそのそ出てきて
よく、@落ちんなよ~ とギターを弾いてくれていました。
下手糞で意味のわからない歌詞をつけて歌うから
「何の歌ですか?」と聞いても、返答がまた「〇×」とわからない。

でも一生懸命。おそらく変人師匠の中では間違えた箇所を弾き直してるのだろうけれど
針の飛んだレコードみたいで聞いてるこっちは原曲もわからんし、
歌詞も「本当にそれか?」という歌詞なので
屋根の上で気にしないで寝る。

相手にしていないのに、ずっと変人師匠は弾いていて、寒くなると家に入る。

@何曲目がいい? と聞かれることがあるのだけれど
どこから曲が変わったのかわからない。何曲弾いていたのかもわからない。

変人師匠の庭には立派な白木蓮の木があって、毎年見事に咲いていて
「この花の名前なに?」と聞くと「しらん」と。いい加減。
その後も「バラ」とか、「さくら」とか、子供にもわかる嘘を言う。

自分で調べると 白木蓮だった。

やっと@白木蓮だよ と言った年に変人師匠は亡くなった。

大人たちは家屋敷の相続のことで色々ともめていたらしいし、
変人師匠は変わってる人だったからと あまり関わりたがらない感じだった。
家は更地になって、白木蓮も無くなった。

白木蓮を見るたびに、変人師匠を思い出す。 あ、バラでしたっけ?