猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

ニュートン式反射望遠鏡の光軸調整は、主鏡の軸を正しく調整してから、斜鏡を調整する (猫五郎からの新提案!)

2024-06-23 10:35:21 | 天体望遠鏡
巨大ニュートンの光軸調整をしていて、ふと思ってしまったんです。
なぜ斜鏡から調整するんだろう?
調整した斜鏡に主鏡を合わせて、光軸調整するということは、斜鏡の位置が間違っていたら、主鏡の調整が間違ったことになる。

そしてその斜鏡は、1mm程度位置がズレていてもそれを判
断するのがとても難しい。
(「

ニュートン式望遠鏡の光軸調整で、レーザーコリメーター単独はお勧めできない - 猫五郎の写真日記

LasercollimatoraloneisnotrecommendedforopticalaxiscorrectionofNewtoniantelescope「ニュートンの光軸調整って、レーザーコリメーターでやって合うのかねぇ」友人に聞か...

goo blog

 
」参照)



そもそも、星の光を集めるのは主鏡です。
正しく調整された主鏡に斜鏡を合わせるのが本来なのでは?

最初に主鏡を正しく調整するにはどうすればいいのか?
主鏡が正しく前に向ければいい。
多分ですが、円柱の形をした鏡筒の中心軸と、主鏡の中心軸が一致すればいいのではないのでしょうか。

主鏡の中心軸という言葉があるのかどうか存じませんので、僕が言いたいことを解説します。
主鏡の裏側は円です。
その円の中心から伸ばした垂線のことを主鏡の中心軸と僕は表現しています。

鏡筒の中心軸は、鏡筒を円柱に例えた場合、その円柱の中心軸になります。

では、主鏡の中心軸と鏡筒の中心軸を一致させるにはどうしたらいいか。

こんなのはどうでしょう?
斜鏡を取り外し、スパイダーの中心にある、斜鏡の引ネジの穴をカメラに覗かせる。
カメラが正しく主鏡の方向を向いていれば、カメラの画像の中心に、主鏡のセンターマークが見えるはずです。
そのセンターマークの中心にカメラが見えれば、主鏡の中心軸と、鏡筒の中心軸が一致したことになるのではないか。
図に示すとこういうことです。


実際にやってみました。
まず斜鏡を外します。

斜鏡の引ネジの穴からiPhoneのカメラでのぞいた光景

望遠鏡を垂直に立てて、カメラに穴を覗かせます。
使ったカメラはOCAL electronic collimatorです。



斜鏡の引ネジの穴からカメラがのぞいた光景です。
主鏡のセンターマークの中にカメラレンズが見えるように調整しました。
これで鏡筒の中心軸主鏡の中心軸が一致するはずです。
しかし、よく見てください。
4隅に見えるスパーダーの固定金具が不均一です。
上と右の固定金具が根元まで見えるのに対して、下と左の固定金具は根元が見えません。
これは明らかに光軸がずれています。
主鏡のセンターマークの中にカメラレンズが見えるように調整したのに、なぜ?
引ネジの穴が鏡筒の中心からズレている??


スパイダーの固定金具を観察してみたら、固定金具の高さが不均一になってました。
ねじ山が、片方が3.5個、反対側は5.5個見えます。
これを4個ずつになるように調整しました。

もう一つ、考えられる原因がありました。
主鏡のセンターマークが、主鏡の中心にない可能性
なぜなら、センターマークを貼り付けたのが、僕自身だからです。
それを確認したのが下の画像。
主鏡の輪郭に重なった青い円の中心はピンク色の十字の交点になります。
確かにセンターマークが主鏡の中心から少しズレている。

というわけで、手作り感満載のこの巨大ニュートンに関しては、センターマークの中心とカメラレンズは一致しないことがわかってしまいました。
ではどうするか。
OCAL electronic collimatorが表示する青い円主鏡の輪郭が一致している分には、ピンク色の十字の交点が主鏡の中心になります。
そこにカメラレンズの中心がくれば良いことになります。

が、実は、現場でそのことを思いつきませんでした。
なので、斜鏡の引きネジの穴からカメラで覗き込んだ画像で、青い円ピンク色の十字を表示した画像がありません。

仕方がないので、撮ってきた写真に、カメラレンズを中心とした水色の円を書き込んだのがこの写真です。
ほんの少しだけ、主鏡の輪郭水色の円がズレています。
つまり、まだほんの少し光軸がずれている。



斜鏡の引きネジの穴が正確に鏡筒の中心にあったとしても、カメラがちゃんと穴の「中心」からのぞけていない可能性
カメラ、手で置いてます。
一応、カメラ画像を見ると、周囲に引きネジの穴が見えるので、それができる限り均一になるようにしたつもりですが、それにも限界というものがあります。

つまり、この記事を書いている段階で、巨大ニュートンの鏡筒の中心軸と主鏡の中心軸がほんの少しズレている、ということです。
OCAL electronic collimatorの青い円ピンク色の十字を表示することを、現場で気付けていたら良かったのですが。。。
次回の宿題になります。

主鏡の軸が不完全な状態ですが、これに続く手順はそんなに大きく変わらないので、続く手順を記載したいと思います。

鏡筒の中心軸主鏡の中心軸が一致したら、あとは斜鏡のみを調整して、主鏡からの反射光を正しく接眼部に導けば良いことになります。
その手順を解説していきます。





カメラ画像を見ながら、センターマークカメラレンズが大まかに一致するように調整したのが下の画像です。
青い円主鏡の輪郭より下側に来ています。

最終目標は、ピンク色の十字とカメラレンズが一致し、かつ、青い円主鏡の輪郭と一致させることです。


この画像を見ると、斜鏡をほんの少しスパイダー側に引き上げてやれば、つまり、この画像で下の方向に斜鏡を動かしてやれば、主鏡の輪郭青い円が一致するようになります。
斜鏡の引ネジを時計回りに回します。


斜鏡を引き上げすぎました。
今度は青い円主鏡の輪郭よりも上に来てしまいました。
今度は斜鏡をほんの少し主鏡側にズラしてやります。
この操作は、引ネジを反時計回りに回します。


これが目指していた画像になります。
主鏡の輪郭青い円が一致し、ピンク色の十字の交点とカメラレンズが一致します。


少し広角にして、周囲まで見えるようにした画像です。
オフセットをしていない斜鏡なので、斜鏡に映った主鏡は斜鏡の中心に来ません。
主鏡側に偏っています。
(なお、斜鏡の輪郭がピンク色の十字に対して左右対称になっていないのは、パイプを45度に切断して手作りされた斜鏡ケースに斜鏡が少し傾いて収まっていることが原因の一つだと思われます)

オフセットの記事でも書きましたが、巨大ニュートンは斜鏡がオフセットされてません。
斜鏡回りの光路を拡大するとこんな感じになります。
やはり斜鏡に映る主鏡像は、斜鏡面の下側(主鏡側)に偏ります。



一般的に行われているように、斜鏡を調整してから主鏡を調整するのではなく調整された主鏡に、斜鏡を合わせる

いかがでしょうか?

斜鏡を調整してから、主鏡を調整するという方法がどういった経緯で広がったのか、存じません。
この方法で正しく光軸が調整できるのは、斜鏡が正しく調整できた場合です。
しかし、斜鏡を正しい位置に自信を持って調整することが猫五郎にはできません。

光軸修正アイピースからのぞいた斜鏡って、小さくてみづらくないですか?
まして斜鏡に映った主鏡の状態を評価しろって言ったって、難しく感じます。
また、光軸修正アイピースの覗き穴、小さいですが、それでものぞく角度によって見える光景が変わってきます。
そういう意味ではOCAL electronic collimatorは視点を固定できるし、見える画像を拡大・縮小できるので画期的です。

あと、OCAL electronic collimatorが正しく機能するためには、斜鏡に映る主鏡の中心が、斜鏡の中心に来るようにオフセットされていることが大前提になります。

多分、そのように設計されているとは思うのですが、反射望遠鏡メーカーの説明書を端から端まで読んでも、そんなことはどこにも書いてありません。



あとは、猫五郎式、光軸調整法で、調整した望遠鏡で、星像がどれだけ改善するか。
今後のお楽しみです。

梅雨入りしてしまいましたので、いつ確認できるかわかりませんが。。。
コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ニュートン式望遠鏡の斜鏡の... | トップ | EOS R8は天体撮影に向かない »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
★新提案★ ((^0^)コメト)
2024-06-24 11:20:33
猫五郎さん、こんにちは

斜鏡金具の取り付け部の中心にTVカセッをセットするのは
良い提案で、初めて見ましたが原理的にも正しいと思います。(^0^;

以前は鏡筒内部の輪郭が円形になる位置を肉眼で求めて
その位置を鏡筒の中心の延長として定義し、主鏡を傾ける
ネジで主鏡を傾けて自身の目の反射像を見ながら瞳が中心に
来るように調整してました。(^0^8

その後、接眼部から見て、猫五郎さんのように各同心円を
揃えていましたが、斜鏡のオフセットとかを無視して
写野全面の星像の鋭さだけを揃えて良しとしてました。

斜鏡金具の中心も使えるとなると、機械的な基準を追加出来、
これを使わない手は無いなと思います。(^0^v

それにしても、これだけ説明を作図するにはかなりの
時間を必要とすると思われ、慣れてないと大変です。m(_ _)m
返信する
★語彙訂正★m(_ _)m ((^0^)コメト)
2024-06-24 11:22:17
先のスレで「TVカセッ」とあるのは「TVカメラ」の間違いです。
返信する
Unknown (猫五郎)
2024-06-25 18:27:35
(^0^)コメトさん
未だ星像を見ながら主鏡や斜鏡を調整したことがありません。
星像がどう改善するのか、いずれ体験してみたいです。
その体験を積み重ねれば、主鏡のの物理的な中心と、光軸が一致しないことを実感できるのかもしれません。

とりあえずは今回考案した方法で再度光軸調整をして、写真の星の写りが改善するかどうか、早く検証したいです。
返信する
★良い発想!★ ((^0^)コメト)
2024-06-26 13:53:15
猫五郎さんこんにちは

この方法は多分、鏡筒内部の平均の見え方から主鏡の向きを求める
方法よりも精度が出るように思います。8^0^;

その意味、以後のの発展が待たれ、いずれは(^0^)も
採用してみたいと思うのです。

これで主鏡の傾きが大丈夫と知れれば、後は斜鏡の位置の
話しとなり、これは作図されたように考えての調整と
なるように思います。以後もガンバ!(^0^8
返信する
Unknown (demio)
2024-07-09 17:15:16
こんにちは。
鏡筒のメカセンターと光学系のセンターが合っているか(合わせられるか)。
鏡筒の真円度や強度がどの程度なのか。
接眼部の取り付け精度等、光軸に関しての要因が多々あって突き詰めるとかなり根深いと思います。
最終的には天体を撮影して自分が納得できる星像になれば良いのですが・・・。
返信する

コメントを投稿

天体望遠鏡」カテゴリの最新記事