猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

2020年末 EQ6 pro ベランダ常設への道

2021-01-11 13:54:32 | 天体望遠鏡

山梨の巨大ニュートンに関わって足掛け3年目になりました。

その間、EQ6 pro、まったく出番なし。
やっとオートガイドがうまくいくようになったのに。

その上で、2回目の緊急事態宣言。
山梨に行きづらい。
県をまたいだ移動は禁止されていないし、行くにしても、食料を全て自宅から持参して、温泉に入らなければ、自宅と観測小屋をdoor to doorで移動するだけですが、やはり世間の目は気になります。


EQ6 pro、ベランダに常設することにしました。
20万円もする機材をベランダ放置。
以前であれば考えられなかったことです。
でももう2年間近く触ってすらいないんです。
使ってあげなければ意味がない。

そう思い始めたのが2020年7月頃でしょうか。
この半年間、EQ6 proがベランダに常設してあったと仮定して、実際に観測する時間的余裕があるかどうかを頭の中でシミュレーションしてました。

仕事からの帰途に、見事な月を見上げながら歩いていて、仮に赤道儀と望遠鏡がベランダにセットアップされていて、カメラ取り付けと配線をするだけで撮影できたとして
「今から帰って月を撮影する余裕、あるかなぁ」
という感じの日々をこの半年間、送って来たということです。

結果は、月に1度は稼働しないだろうというのがこの半年間の感触でした。

ほとんど稼働させないのにベランダに常設するのか?
それはEQ6が可哀想では?
でも、実際に常設してみれば稼働率が上がるかもしれない。
それに、技術は使わなければ錆びつきます。
いざ、撮影するための遠征に行ったとして、機材に慣れていなければ何かと無駄が多くなる。
この6年間、遠征先でたくさん悔しい思いを重ねて来ました。
借家アパートではできなかったベランダ放置が、マイホームになったことで可能になったのです。
例え、空が南西方向に限定されるにしても、です。

数ヶ月間だけでも常設してみよう。





ベランダとはいえ、ただ無防備に放置すれば朽ちるだけです。

いろいろ検討して、テレスコ工作工房からTeleGizmos 全天候型 365シリーズ 25-30cm反射赤道儀用を購入しました。
望遠鏡カバーが3万円。。。
かなりお高い。
外部生地がNASAが開発した紫外線にも強い生地を使っており、外からの雨や雪や砂などから機材を保護してくれるそうです。
テレスコ工作工房さんは機材をすでに4年間、これを被せて野外放置しているとのこと。

バイクカバーでは意味がないことを(20年来のバイク乗りですから)知ってます。
ネットで見ていると、プラスチック製の屋外用大型ゴミ箱を工夫して被せている人もいるようですね。
いいかもしれない。
お財布にも優しい。

ただ、エネルギーが出なかったんです。
出来合いのものが欲しかった。
業務に疲弊する日々が続いていました。

TeleGizmos 全天候型 365シリーズ を購入したのが2020年8月末。
実際に使ったのは、2020年の大晦日でした。。。


最初にやったのは塗装です。
EQ6 proの三脚を出してみると、けっこう錆びてます。
中古で購入して、僕の手元に来た時点で、錆びてました。
僕のものになってから、錆は増えてません。
ということは、もしかして、前の持ち主はベランダ放置していた?!!(まあ、どうでもいいや)

このままベランダ放置したら、真っ赤に錆びることでしょう。




これ、買いました。
油性塗料。
そこら辺のホームセンターで数百円。
ペイント薄め液が必要です。
山梨の観測小屋の屋根塗装の経験がここでも活きました。

後日談ですが、塗装業をしている友人から、塗装をする前に「ミッチャクロン」スプレーをすると塗装が長持ちするそうです。
世の中、知らないことがいっぱいです。




下塗り。
去年まで存じませんでしたが、塗装って、一回塗って済むことって少ないんですね。
乾くまで半日待ちました。



翌日に、重ね塗り。
まだ薄く金属が透けて見えます。
再び、乾くまで放置。



下塗りから3日目に、仕上げ塗り。
結局、3回塗りました。
ついでに、三脚の下に敷く板も塗装しました。




でも、塗装しただけではダメそうです。
三脚のパーツに隙間があります。
ここから雨水が浸入しそう。




手元にシリコンシーラントが残っていたので、これを使用しました。
半年ほど前に、何に使ったのかよく覚えてませんが、購入したのがありました。
固まっているのではないかと心配しましたが、普通に使えました。




まずは塗りたくり、、、




余分なものを拭き取りました。




この継ぎ目以外にも、三脚の脚先のキャップ(ドングリの帽子みたいな形をしている)にも隙間があり、雨水の侵入がありそうだったので、そこもシーリングしました。

三脚の塗装とシーリングが終わって、やっとこさ本番です。

EQ6 proにGINJI-250FNを載せたのは大晦日の夕方、暗くなってからでした。
GINJI-250FNも一体いつぶりでしょう?
BLANCA 130EDTを購入したのが2017年2月。
それ以降、出番がなかったとするなら、実に4年弱ぶりです。

バランスを取り、ご満悦に浸っているところに、職場から緊急呼び出しの電話が。。。



稼働初日にして、望遠鏡カバーTeleGizmosが活躍してしまったということです。
速攻、カバーを機材に被せて(この日は晴天の予報だったので、配線類やカメラは機材に取り付けたまま)職場へ向かったのでした。



緊急業務が終わって、帰宅してから作業再開。

EQ directケーブルによる赤道儀制御、できるか心配でしたが、思い出せました。

お次は、極軸合わせ。
見ての通り、うちのベランダの空は南西の方角のみです。
北極星は見えません。
なので、地道にドリフト法で極軸を合わせました。
まずは真南方向の星に望遠鏡を向けて、追尾している星がモニターの中で下(南方向)に移動するなら赤道儀の向きを少しずつ東へ向けて行き、追尾している星がほぼほぼ上下方向に移動しない場所のアタリをつけます。
次に、望遠鏡を西に向け、モニターの視野の中心に来た星が時間とともに視野の下の方向(北)に移動するなら、極軸の高さを少し高く調整します。

これを繰り返した結果、下のような写真が撮れるようになりました。
写真の上下方向が東西、左右方向が南北です。
ISO 100、露出時間は150秒間。



星が東西方向に伸びて写っています。
星が伸びるのは、赤道儀が星を追尾する赤経方向のみ。
つまり、赤道儀の回転の方向にしか星が伸びていない。
極軸があった証拠です。

星が伸びるのは、ピリオディックモーションといって、赤道儀を回転させる歯車によってどうしても起こってしまう誤差だそうです。
赤道儀の回転は、地球の回転の早さと同じ速度で回転するように設計されていますが、歯車の性質で、どうしても回転速度が均一にならず、時に少し早くなったり、遅くなったりしてしまうようです。
モーターだって、完全に均一な速度で回転してくれているとは限りませんよね。

なので、時折、同じ条件で撮影しているにも関わらず、星がほぼ点像になることもあります。

ISO 100、露出時間 150秒、ノータッチガイド


APS-Cのセンサーなら視野の中心に星を捉えると、放置して1時間程度は視野に入ってます。
(作業の途中で食事をしに降りて、食事をすませて、歯を磨いて戻って来ても、まだ星が視野の中心近くにありました。それ以上は試してません)

恒星相手ならオートガイドで追尾できますが、光害のひどい我が家のベランダからの撮影となると、やはり月や惑星がメインとなります。
惑星は工夫次第ですが、月はオートガイドできませんので、極軸が合っているに越したことはありません。


翌朝の状態。
翌日も観測する予定だったので、GINJI-250FNは載せたままカバーをかけてあります。
平日だったら、GINJI-250FNまでベランダ放置は、ちょっと迷うところです。
流石に望遠鏡は厳しくないか???
でも、テレスコ工作工房さんは、カセグレンも屈折も野外放置っぽいです。
望遠鏡まで野外放置するなら、中に乾燥剤でも入れようかな?



さて、これからどうなるか、、、楽しみです(^^)
コメント (2)
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