猫五郎の写真日記

なんか、写真よりも文章がメインになってます。しかも、くどい。要改善。でもなかなかねぇ。

猫五郎の、ニュートン式望遠鏡の光軸調整についての記事へのリンク

2024-04-28 20:59:27 | 天体望遠鏡
光軸調整を行う際、自分で書いた過去のブログ記事を参考にしたいのですが、バラバラに書いているので、なかなか目的の記事に辿り着かない。

ので、自分のために、自分が書いた光軸調整に関する記事へのリンクを作ってみました。

猫五郎個人の経験のみですが、他の方の参考にもなればと思います。








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BKP130の改造と光軸調整 (頭の中が無茶苦茶こんがらがる内容です) OCAL electronic collimatorのソフトウェアがオフセット斜鏡に対応していない可能性

2024-04-27 21:23:00 | 天体望遠鏡
2024/03/16 にBKP130にIRフィルター改造EOS 70Dをつけて、ホワイトバランス探しをしながらオリオン大星雲を撮影しました。
そして、BKP130の星の写りがおかしいことを改めて認識しました。
光条の分布が不均一です。

これは、撮影時にBKP130の接眼筒が鏡筒内に大きく飛び出ているためです。
下は2023/11/18の写真ですが、これをみる(写真の左上側)と、鏡筒内に接眼筒が飛び出ているのが写り込んでいます。
なぜ天体望遠鏡メーカーであるSky-Watcherがこんな設計にしたのか。
多分ですが、眼視を前提に設計したものと思われます。
一眼レフカメラのセンサーは、接眼筒の末端からフランジバックの分、遠くなります。
眼視ではフランジバックがないので、接眼筒をフランジバックの分、引き出す必要があり、接眼筒が鏡筒内に残らないのだと思います。
上の考察は、眼視の際に用いるアイピースの幅がどう効いてくるのか、考慮してませんが。。。

「BKP130 改造」とか検索すると、この手の情報が大量に出てきます。
それを参考に、僕も接眼筒を切断して、黒く塗装することにしました。

接眼筒の切断幅は、YouTubeを参考にビニールテープの幅としました。

アルミの筒を切断するのですから、ちょっと力仕事になるかと思ってました。
作業台に固定して、金鋸で切断してみると、意外や意外。
10分以内に切断することができました。
これでBKP130鏡筒内に接眼筒の先端が飛び出る問題は解決するわけですが、接眼筒の外側、見ての通り、キラキラの銀色です。
これでは星の光が乱反射してしまう。
Sky-Watcher、なぜ接眼筒の外側を黒く塗ってないのか?
やはり眼視を前提に設計しているのかなぁ。
眼視ならおそらく、影響しないでしょう。
光条がどうのとうるさいのは撮影派だけなんでしょうね。

黒く塗装。
手元にあった油性塗料を用いました。
艶消し塗料がベストですが、実際に写真の写りで見分けはつかないんじゃないかなぁと思ってます。


カメラの焦点が合う位置は大体ですが、接眼筒を1cmほど引き抜いたあたりになります。
その位置にすると、この通り、接眼筒が鏡筒内にほとんど出なくなりました。

さてさて、ここからは光軸調整のお話です。

まず最初に、OCAL electric collimatorをご存知ない方のために。

OCAL electronic collimatorでは、
・ソフトウェアが表示する黄緑色の円と、接眼筒の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示する赤い円と、斜鏡の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示する青い円と、斜鏡に映った主鏡の輪郭の円を合致させます。
・ソフトウェアが表示するピンク色の十字の交点と、主鏡の中心を合致させます。

OCAL electronic collimatorでは、上記を満たすと光軸が合うことになっています。

別の言い方をすると、
・接眼筒の輪郭の円
斜鏡の輪郭の円
斜鏡に映った主鏡の輪郭の円
これら3つの円が同心円になれば、光軸が合っている、ということです。


2023/11/18にBKP130の光軸調整を行いましたが、そのときは不完全に終わり、若干心残りでした。
参考までに、その時の光軸調整結果の写真を再掲します。
このときは、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が(斜鏡に映った)主鏡に映った斜鏡の中心に来ていないことが気になりました。
また、この写真から、接眼筒が鏡筒内に大きく飛び出て写っているのがわかると思います。
(もしかしたらこのときはカメラのピントが合う位置に接眼筒を調整せずに光軸調整をしていたのかもしれませんが。。。)


さてさて、光軸調整の始まりです。
スタート地点。
つまり、調整前の状態です。
接眼筒が見えないのがうれしい (^-^)
ん?すでに光軸が結構ズレている?
いや、おそらく前回光軸調整をしたとき、接眼筒をピントが合う位置に引き出していなかったのでしょう。



これが光軸調整し終わったところ。
結局、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が、主鏡に映った斜鏡の中心に写っていない
斜鏡の中で、(この写真で)下側に目一杯寄っている。
これでは前回とほとんど同じではないか。
そこで、やり直すことにしました。
この写真の下側が斜鏡の接眼部に近い側なので、主鏡に写った斜鏡の中心に赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が移動するためには、おそらく、斜鏡の引ネジをもっと引けば良いのではないかと考えました。

斜鏡の引ネジを締める方向(時計回り)に回して、斜鏡をスパイダーの近くまで寄せてから再度、光軸調整を行なったのが、これ。
ほとんど変わらんではないか!
じゃぁ、僕の考えが間違っていたのかもしれない。
斜鏡の引ネジを緩めて(反時計回りに回して)、斜鏡をスパイダーから大きく離してみたらどうなるか。

斜鏡の引ネジを緩めて、斜鏡をスパイダーからかなり離してみました。
引ネジを緩めすぎて、斜鏡が主鏡に落下しないか気をつけながら行いました。
その状態で光軸調整を行なった結果が、下の写真です。
どうやっても光軸が合いませんでした。
そもそも、斜鏡の輪郭と赤い円(赤いカメラではない)がどうやっても一致しない。
ただし、僕が予想した通り、斜鏡の引ネジを緩めると、主鏡の中に映った斜鏡の中で、赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が上側に移動しました。


今度は逆に、斜鏡がスパイダーに接するまで引ネジを目一杯締め上げてみることにしました。
が、念には念を入れて、引ネジを締め上げて斜鏡を引き上げ切る途中で、もう一度止めて、中途半端な位置で再度光軸調整を試みました。
その写真がこれ。
赤いカメラが主鏡に映った斜鏡の中で、より中心に移動してきたのがわかります。
が、これ以上、光軸調整ができませんでした。
これでは、主鏡の輪郭と青い円が全く重なっておらず、ダメダメです。
ので、この位置もハズレだったということです。



斜鏡がスパイダーにくっつくまで引ネジを締め上げた時の写真です。
斜鏡の輪郭と赤い円がほぼ一致しています。
これなら光軸調整がやりやすい。
ただし、斜鏡がスパイダーに押し当たったままでは斜鏡の押しネジを使った光軸調整ができないです。
なので、ほんの少し引ネジを緩めて、押しネジで光軸調整を行うことにしました。

斜鏡の光軸調整後。
依然、主鏡に映った斜鏡の中で、赤いカメラが下側に偏っています。
なお、斜鏡をこの位置に固定すべく、引ネジを強く締めたら、スパイダーが歪んで光軸がまたズレました。
斜鏡を手で持ってひねり、スパイダーの歪みを修正しました。

最後に、主鏡の引ねじを使って、カメラの中心がピンクの十字の中心に来るように調整して終了です。

なお、主鏡の中心円を示すドーナツ状のシールと、ピンク色の十字の中心が若干ズレているのがわかりますか?
ピンク色の十字の交点は、主鏡の輪郭を示す青い円の中心と一致します。
つまり、主鏡の中心円のシールの位置がズレているということです。
主鏡の中心円のシールはメーカーが貼付したものだったと思います。
自分で貼り付けた記憶がないです。
このサイズの円のシール、僕は持ってないと思いますし。。。
なお、OCAL electronic collimatorのマニュアルには、こんなことが書いてあります。

You will find that the centre of the primary mirror (usually marked by a ‘donut' sticker or other mark) is also now perfectly aligned with the camera lens. 
If it is not, it is probably that the ‘donut' sticker is not precisely in the centre of your primary mirror (see Appendix B).

つまり、主鏡の中心円がズレていることは、よくあることなんですかね???



結局、接眼部差し込んだ赤いカメラ(OCAL electronic collimator)が、主鏡に映った斜鏡の中心に来ない。。。
これでいいのだろうか??

斜鏡の引ネジをうまく調整すれば、赤いカメラを主鏡に映った斜鏡の中心に持ってくることは可能でしょう。
しかし、それだと斜鏡の輪郭と赤い円がズレる。
主鏡と青い円もおそらく重ならないでしょう。

ふと、自分の過去の記事を思い出しました。
そうだった。
主鏡に映った斜鏡の輪郭は、主鏡の輪郭同心円にならないのが正解でした。
よくよく見直すと、OCAL electronic collimatorのマニュアルに載っている写真でもそうなってました (-_-;)


また、斜鏡に映る赤いカメラの中心は、主鏡(青い円)の中心に来るべきなのです。
(下の図では、「接眼筒の輪郭の円」と「光軸修正アイピースの先端円」と光軸修正アイピースの反射鏡」は同心円になる)



赤いカメラが斜鏡の輪郭ギリギリまで寄ってしまうのは、赤いカメラが接眼筒の面積全てを占めているから、つまり、大きいからでしょう。
フルサイズセンサーは赤いカメラ(OCAL electronic collimator)よりもかなり小さいので、問題ないでしょう。
ですが、この小さな斜鏡とあっては、フルサイズセンサーではケラれないとしても、周辺減光が厳しく、現実的にはAPS-Cで撮影することになるのではないでしょうか。


あぁ、でも気づいてしまいました。
OCAL electronic collimatorのソフトウェア欠点がある可能性があります

上の図で、主鏡の一番端っこ(輪郭部)からの反射光を示す細い黒線が、黄緑色の斜鏡のどこに届いているか、注目してください。

接眼部から見て、斜鏡の奥側に届く主鏡の輪郭部の反射光は、斜鏡の端っこギリギリに届いています。
接眼部から見て、斜鏡の手前側に届く主鏡の輪郭部の反射光は、斜鏡の中に少し余裕をもって入っています。

これはつまり、接眼部から見たとき、斜鏡の輪郭を示す赤い円カメラの赤い円ではないと、斜鏡に映った主鏡の輪郭を示す青い円は、同心円にならないことを示しています。

そもそも、です。
オフセットとは、オフセットしなかった場合の斜鏡面と同一平面上で斜鏡を移動させる操作です。

そうしないと、主鏡の中心からの反射光が、接眼筒の中心に入って来なくなってしまいます。
(オフセットしなかった場合の斜鏡面の同一平面上からオフセットした斜鏡面がズレると、主鏡の中心からの反射光がカメラセンサーの中心からズレたところに入ってくる)


上の図を改めて見てください。
斜鏡がオフセットされれば、それは斜鏡が主鏡側に移動すること「」意味しますので、接眼部から見たとき、接眼筒の輪郭オフセットされた斜鏡の輪郭同心円にならないことがわかります。


OCAL electronic collimatorのマニュアルには、以下のように書いてあります。

Use the adjustment screws to adjust the angle of the secondary mirror until the primary mirror is fully visible. 
Turn on the blue circle and use this to precisely outline the edge of the primary mirror. 
Now further adjust it, so that it is concentric with the edge of the secondary mirror. 

primary mirrorは主鏡、secondary mirrorは斜鏡のことです。

つまり、OCALのソフトウェアでは、(主鏡の輪郭の円と重ねる)青い円と、(斜鏡の輪郭と重ねる)赤い円同心円になることになっていますが、オフセットされていないことが前提になる、ということです。

今時、オフセットされていないニュートン、あるかな。。。。

OCALのソフトウェアで、赤い円青い円が同心円にならない設定は存在しませんので、OCALのソフトウェアはオフセット斜鏡に対応していない欠点が存在する可能性があります。
欠点があると断言するほどの自信はありませんが。。。。

BKP130の斜鏡を見る限り、オフセット斜鏡であることは明らかです。

もう一つ、見落としてはならない点があります。

しつこく、再度言います。
オフセットは、オフセットしなかった時の斜鏡面と同一平面上で斜鏡を移動させる操作です。
ですので、オフセットされていようが、オフセットされていなかろうが、接眼部からみたとき、斜鏡に映る主鏡は同一の見え方をします。
つまり、接眼筒の輪郭の円と、斜鏡に映った主鏡の輪郭の円は、同心円になります
(別の言い方をすると、斜鏡の輪郭の円と、接眼筒の輪郭の円は同心円にならないし、斜鏡の輪郭の円斜鏡に映った主鏡の輪郭の円は同心円になりません。)

つまり、オフセット斜鏡をもつニュートン式望遠鏡の光軸調整にOCAL electronic collimatorを使う場合は、赤い円がズレるのは許容して黄緑色の円青い円のみを頼りに光軸調整をすれば良いことになります。



ここで話しがおしまい、とはなりませんでした。
オマケがついてきました。


昼飯時だし、これで一旦終了しようかと思って、BKP130を持ち上げて横に抱えたときです。
青い円を見てください!!
(映っているのは、壁にかけてあったポリ袋です)
暗くて見えづらいかとは思いますが、主鏡の輪郭と青い円がズレたのがわかるでしょうか?
つまり、鏡筒を持ち上げたことで、鏡筒が歪み、光軸がズレたことを意味します。
これを、些細なズレとするか、問題であるとするか。。。悩ましいところです。

BKP130を光軸調整していた時の状態に戻した時の写真です。
主鏡の輪郭と青い円が再び一致しました。



うーむ、つまり、ニュートンの光軸調整は、撮影する時と同じ状態で行わないとダメだということですね。。。
今回は、BKP130を赤道儀から下ろし、鏡筒バンドを外した状態で光軸調整を行いましたが、鏡筒バンドで締め上げたら、光軸が変化するということです。

GINJI-250FNで、望遠鏡の向きを変えただけで光軸がズレることを経験で知っています。
GINJI-250FNの光軸の実際 参照してください
GINJI-250FNは鏡筒の強度に対して、主鏡がやらた重いので仕方がないかと思ってました。

BKP130は軽い筒なので、そういう心配はあまりしないでいいのかな、と勝手に思い込んでました。
が、幻想でした。

ニュートン式望遠鏡は、やはり鏡筒の強度が大きな問題ですね。
カーボン鏡筒にしたいですが、、、高額です。




あぁ、今日も家に持ち帰った仕事が一つも進まなかった。。。
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2024/04/12 山梨 夜桜 M90, M109、巨大ニュートンは光軸調整が必要

2024-04-14 17:44:24 | 天体観測
2024/04/06(Sat)の山梨は曇りと雨でした。
友人たち4人(僕を合わせて5人)で観測を予定していましたが、涙を飲みました。

次の土曜日(2024/04/13)は、僕が仕事(呼出当番)です。
代休とかありません。
2024/04/13の朝8時から仕事。

つまり、土曜日の未明までは自由(物は言いよう)

行ってまいりました。

埼玉では桜の満開が過ぎつつある状況。
山梨はどうでしょうか。
標高が高い分だけ開花が遅れるとするなら、今が最盛期ではないかと期待。


まずは巨大ニュートンでの撮影を安定させること。
巨大ニュートンでの自動連続撮影が軌道に乗れば、あとは自由に動けるので、夜桜星景撮影に行けます。

ただ、今の時期は、赤道儀での放置自動撮影するには微妙なんです。

狙うなら今が花の北斗七星周囲の銀河群か、乙女座銀河群
いずれも23時過ぎに子午線にかかってしまいます。
夜空が十分に暗くなった22時過ぎに撮影を開始したら、長時間撮影ができない。

西の空で迎撃するとして、被写体が子午線を超えてくるまで何もしないのは貴重な時間がもったいない。

夜桜星景から始めれば良くね?

早い時間は、もしかしたら桜並木にまだ人がいるかもしれない。
EOS 6D+SAMYANG XP14mm 合計20万円越えの機材を放置プレーして、持って行かれたら泣きます orz
だから、夜の浅い時間に行きたくない。

それに、夜桜星景写真は初めての領域なので、手こずって時間を取られると、巨大ニュートンの撮影が中途半端になってしまう可能性があります。

まずは巨大ニュートンを起動させ、試運転も兼ねて東の空で試し撮りして、本命が西の空に入ったところで自動連続撮影を軌道に乗せ、そこから夜桜撮影という段取りにしました。

東の空にあり、じゃじゃ馬 巨大ニュートンの試運転に向いた被写体。
やはり北斗七星付近が良いでしょう。
比較的大きくて形が良い銀河。
M109にしました。

巨大ニュートンとガイド鏡VIXEN 1200mm F15のピントだけバーティノフマスクで合わせてから、時間が惜しいので、天の赤道付近でのキャリブレーションをせず、当然、夜空解析(ガイドアシスタント)もすっ飛ばし、ぶっつけ本番でM109のオートガイド開始。

それでも星の動きが最も少ない天の北極付近ですので、この通り、この赤道儀にしては最高レベルのオートガイドをしてくれました。
ターゲットグラフの中心にガイド星が集中しているし、この精度の高さならガイドグラフの縦軸を1"にしても良かったくらいです (^_^)

M109
EOS Ra ISO6400, 150sec
4枚コンポジット
右下からの光条がM109を照らしているのがわかるでしょうか?
北斗七星のフェクダの光条です。
これは画像処理の仕様がないかもしれません。

ところで、前々からほんの少し気にしていたことなんですが、下の画像は上の写真の四隅を等倍で切り出した画像です。
星の伸び方が不均一。
光軸がずれている証拠です。


乙女座銀河群が子午線に近づいてきたところで、巨大ニュートンを西の空へ向けました。
時間が惜しいので、ガイドアシスタントによる夜空解析を行うかどうか迷いました。
結局、やりました。
乙女座銀河群は星の動きが大きい天の赤道付近だから、オートガイドによる星の追尾エラーが大きくなりがちです。
大量の失敗作を作っては効率が悪すぎるので、夜空解析をして、最適なパラメーター値をえてから勝負に挑むことにしました。

オートガイド直前のキャリブレーション。
当然、天の赤道、子午線付近で行いました。
赤緯軸のバックラッシュがほとんどない動作をしました。

ガイドアシスタントの結果。
今夜はシンチレーションも悪くない。
DEC backlash compensationが660msec!

backlash resultsは、絶好調!
なぜだ?
この赤道儀が苦手な西の空ではないか。
原因は何だ?



巨大ニュートンにちょっと手を加えました。
それは、小亀のBKP130の向きを変えてみたんです。
今回が右の写真。
今までは左の写真の状態でした。
なぜ上下逆にしたかというと、今までの状態だと、巨大ニュートンを子午線の西側、かつ、南の空に向けると、BKP130がスライディングルーフにかかってしまって、写真撮影ができなかったんです。
上下反転させると、巨大ニュートンで撮影できていれば、BKP130でも撮影できる、という状況ができるんです。
この重心の移動が良いことをしてくれたのではないでしょうか?
となると、次回、気になるのは子午線の東側でのバックラッシュがどう変化するかということです。

ガイドアシスタントは、「安心して撮影しなさい!」と太鼓判を押してくれました。
では、早速撮影。
ガイドアシスタントをしていた位置に近かったM90を選択しました。

まずはオートガイドが安定するのを数分間待ちます。
その結果がこれ。
素晴らしいではないですか。
天の赤道付近でこの精度のオートガイドであれば文句なしです (^_^)
安心して、自動撮影を開始し、夜桜撮影に向かいました。


現場に着くと、無人。
街灯が2本。
邪魔だけど、こればかりはどうにもなりません。
密かに「他人の夜桜星景撮影を邪魔しないか?」というのも杞憂に終わりました。

さて、どう撮影しようか?
心の準備なしで来たので、現場で撮影計画を考えるという・・・。
まずは、普通に星景撮影。
星のくるくる写真(star trail photo)を撮る時の設定では、桜並木が真っ黒いシルエットになってしまって、写す価値がありません。



桜並木に露出を合わせるとこんな感じ。
SAMYANG XP 14mm, F4, ISO 3200, 2min
桜並木であることはわかるけど、ちょっと暗いピンクで、うーむ、いまいち。
もうちょっとピンクが明るく写るまで露出したいけど、そうすると夜空が明るくなりすぎる。

一応、数枚、試し撮りして明合成したのがこれ。
悪くはない。
ので、これで行くことにしました。

ところが、写真の神様がいたずらをしました
絞りをF4にしたはずなのですが、何かの拍子にF10になってしまってしまってたんです。
この設定では、桜が真っ黒なシルエットとしてしか写りません。
2.4時間ほど撮影した結果がどうなったかというと。。。
おぉぉ!
キレイに写ったではないか (^_^)

ISO 3200, 120secでは本来、桜が写らないのですが、時折、自動車が通過したことで、いい具合に桜がライトアップされ、星空もいい具合になったということです。
ちなみに、自動車が通過したカットがこれ。
光が強い箇所は、おそらく自動車を運転していた人が、夜桜を見るために停車したんだと思います。


F値が4から10にどうやって変わったのか、まったく理解できません。
最初に星空に露出を合わせた時は、当然ながら、F値ではなく、露出時間の方を短くして撮影していました。
本当に、写真の神様のいたずらだと思ってます。

この間、自動撮影させ続けていたM90は、こんな感じに写りました。
焦点距離2475mm, F5
EOS Ra, ISO 12800, 130sec, 60枚コンポジット合成
60枚コンポジットなだけあって、非常に高画質?
いや、実は、もう一手間、加えてあります。

これが、C-RAW撮影したM90を素直にコンポジット合成して、いつもの僕の画像処理を行った画像です。
トリミングしてあります。
ものすごくノイジーではないですか。
銀河の淡い腕のグラデーションがノイズで割れている。。。
60枚コンポジットして、この程度の画質にしかなりませんでした。
正直、びっくりでした。
子午線の東西どちらか一方のみで、一晩で撮影できる限界は100枚程度かと思います。
地平線に近づくと、大気が厚くなる分だけ、画像が不鮮明になりますから、子午線付近から撮影を開始しても、使えるのは3時間程度が限界でしょう。
これではEOS RaでRAW撮影する限り、どんなに頑張ってもノイジーな画像にしかならないことを意味します。

そこで、やむなく、Adobe Camera RAWのAI ノイズ低減機能を使用してみました。
その結果を60枚コンポジットしたのがこれ。
グラデーションがスムーズで、ノイズ割れがない。
スムーズすぎて、ちょっと気持ち悪いですが、気になるなら、ノイズ低減の程度を低く設定すれば良いだけのこと。

JPEG画像をコンポジットしたようにも見えるのが気になりますが、きっと、JPEGと異なり、ディテールを維持しつつ、ノイズを低減しているのだと思います。
その根拠は「天下のAdobe様のやることですから、安っぽい処理はしていないだろう」しかありませんが。。。
AI ノイズ低減処理は1枚あたり30秒近くかかります。
ので、60枚に30分弱かかりました。
(少し古くなりましたが、core i7 第10世代です)
これだけ待たされてJPEGと大差なかったら詐欺です
天下のAdobeがそんなことをするはずがない!と信じてます。
僕の目が育つことで、いずれは確認できることだと思います。

で、しつこいですが、M90の写真の四隅の等倍画像がこれ。
60枚コンポジットのおかげで、四隅の星の伸びはM109の時と比較してだいぶ均一に見えます。
が、不均一であることは間違いない。
光軸調整が必要なようです。


原因はわかってます。
これがOCAL electronic collimatorでのぞいた斜鏡の画像。
ほんの、ほんの少しですが、赤い円が、斜鏡の輪郭とズレているのがわかるでしょうか。
これが原因だと思います。
ただ、これ、2時間くらいかけて、ここまで調整したんです。
この時は集中力が切れて、「これ以上の調整は無理!」と諦めたんです。

光軸調整に再挑戦して、改善すればいいですが、最悪の場合、現在よりも悪い結果になる可能性があります。
うーむ、悩ましい。
現状、写野の中心部は十分に許容範囲の画質であると思っています。
光軸調整、やるなら本当に気持ちに余裕がある時でないと、やったことを後悔しそうで怖いです。
でも、余裕がある時に、頑張ってみようと思います。
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