問わず語りの...

流れに任せて

『オーメン(The Omen)』 Opening Theme original sound track 1976年

2023-06-06 04:43:48 | 今日の一曲

 

 

 

 

本日は6月6日です。私のような古い人間はどうしても、この映画のことを思い出してしまう。

 

 

もちろん1976年版の方ね。リメイク版もあってCGが使われていますが、正直全然面白くない。

 

 

76年版の特殊メイクの手作り感。デヴィッド・ワーナーの首が切断されるシーンなど、明らかに作りものだとわかるわけですが、それが良いんです!

 

それがなんというか、映画全体をある意味「格調の高い」ものとしている一助となっているんですよ。

 

 

こういう格調の高さ。今のホラー映画には望むべくもありませんねえ。

 

 

 

ところで、この映画によって「666」の数字の意味が日本中を席巻することになりましたよね。「獣の数字」ですけど、我々は「悪魔の数字」だと捉えて、これが凄く流行ったものでした。

 

 

この「666」本来はキリスト教とは関係ないものだったそうな。

 

 

666は暴君と言われたローマ皇帝ネロを表す数字で、このネロがキリスト教を激しく弾圧したことから、アンチ・キリストを表す数字として流用したんです。だからキリスト教に元々あった概念ではないのです。

 

 

まあ所説あるのでしょうけど、今のところはこの説がもっとも「合理的」な説なのでしょうね。

 

 

さて、666の数字は、6が三つで「ミロク」と読めるところから、わが国では縁起の良い数字だと捉えられていたらしい。

 

 

弥勒菩薩は56億7千万年後に地上に下生して衆生を救うとされる菩薩で、言ってみれば飯屋、じゃないメシア・救世主ですな。

 

 

面白いですねえ。西洋では「獣」、東洋では「菩薩」。

 

 

一見、正反対に見えますが

 

 

しかし

 

 

 

人間というのは、簡単に善か悪かに分けられるものではありません。

 

 

一人の人間の中に、「善」も「悪」も両方宿っている。「賢い」ところと「愚かしい」ところ双方で揺れ動いている。

 

 

それが人間。

 

 

皇帝ネロにしても、近年の研究では暴君ではなく、為政者として大変優秀な人物であると再評価されているようです。

 

 

かつて「悪人」とされた歴史上の人物が再評価される。歴史研究の場ではよくあること。日本では田沼意次や徳川慶喜、吉良上野介や藤原道長などもそうですね。

 

 

人の実績は単純に善悪では語れない。なぜなら人の中には善と悪と両方が存在し、

 

 

「獣」と「菩薩」双方の資質を持ち合わせているから。

 

 

人は獣にも菩薩にもなれる。

 

 

獣も菩薩も、人の「中」から現れる。

 

 

 

そういえばこの「獣の数字」、刻まれるのは「人」の身体だそうな。つまり666とは

 

 

「人の数字」だ。

 

 

まさしく、「獣」と「菩薩」双方をその内に宿した

 

 

「人」を表す数字なのです。

 

 

獣となるか菩薩となるかは

 

 

その「人」次第。

 

 

 

 

 

 

 

 

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (みき枝)
2023-06-06 14:20:01
あああぁぁ 懐かしいですネ~
この幼きダミアン、好きでしたねぃ。
Unknown (薫兄者)
2023-06-06 16:00:42
みき枝さん、この少年はほとんど何もしてないんですけどね(笑)でもいるだけで何か、不気味さ怖さが醸し出されていくのは、演出の上手さかな。リー・レミック演じる母親が、この子は自分の子ではないんじゃないか?と疑いを持ち始めたりして、どんどん恐怖が盛り上がっていく。全体的に格調が高くて、本当に上手く出来てるなと思いますね。監督はリチャード・ドナー。のちに『スーパーマン』や「リーサル・ウェポン・シリーズ』を監督する、観客を楽しませることに徹した職人監督ですね。
主演は往年のハリウッドスター、グレゴリー・ペックだし、名脇役デヴィッド・ワーナーも良い味出しているし、音楽はジェリー・ゴールドスミスだし、一流どころそろい踏み。そりゃ面白くもなりますわな。もう文句なしの名作ですね。
平成以降のJ-ホラーの創始者と言って良い小中千昭氏は、「幽霊はなにもしないでただボーっと立っているのが1番怖い」という持論をもっており、この「小中理論」に則って撮られたのが『リング』です。実際貞子はなにもしない。ゴキゴキ歩いてズルズル這って、ボーっと立ってるだけ。それが怖い。
この少年もほぼ何もしていないのに、底から湧き上がるような怖さを持ってる。これぞ演出力ですねえ。

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