問わず語りの...

流れに任せて

映画『オッペンハイマー』

2024-04-03 04:47:52 | 映画

 

 

「原爆の父」と言われた物理学者、オッペンハイマーの物語。

 

 

映画はオッペンハイマーを英雄とも善人とも、悪人とも描いてはいない。

 

学者としては人並外れた優秀さだが、自信家で独善的で、アインシュタインのことを「過去の人」と言ってのける傲慢さがある。

 

ただ科学と国家に対しては出来る限り誠実であろうとする純粋さがある。しかし純粋である一方で、若干の虚栄心や名誉欲のようなものも入り混じっており、そのせいか行動や言動に一貫性がないところもあったりして

 

 

女好きだし…。

 

 

まあ、人間なんてものは、一人の中に色々な面が渦巻いているものだと思う。そういう意味では「人間」オッペンハイマーを描いた映画だと言えるでしょう。

 

 

でもそんなに複雑な映画というわけではないです。むしろわかり易いとさえ言える。

 

 

時系列が行きつ戻りつするし、登場人物が多すぎて誰が誰やらわからないといった批評もあるようですが、私はそんなに気にならなかったなあ。

 

 

時系列については、観客を飽きさせずに画面に釘付けにする作用があって、最終的にあのシーンとこのシーンが繋がることによるある種のカタルシスがあるし、登場人物云々は全員分かる必要はなくて、この人物は大体こんな感じの人だな、くらいに捉えておけば十分。

 

 

なんかね、変に難しく捉える必要はないです。一人の人間の、世界をある意味変えてしまった人間の栄光と苦悩、没落の物語だと捉えれば十分。

 

 

彼オッペンハイマーが成してしまったことをどのようにとらえるかは、その物語を観た上で、観客一人一人が各人各様に解釈すればいい。

 

 

科学者は理論上の流れを読み解くことはできるけれど、人の世の流れを完全に読み解くことなどできない。

 

 

観ていて思ったのは、昭和29年版『ゴジラ』の登場人物、芹沢大助博士(平田明彦)は、このオッペンハイマーへのアンチテーゼなんだな。博士がゴジラと運命を共にしたのは、オッペンハイマーのようなことを再び起こしてはならない。そんな想いから

 

 

だったのだろうね。

 

 

科学は人類に光と闇の両方を齎す。大概の科学者は光を齎そうとして研究と実験を繰り返すけれど、光と闇は

 

 

表裏一体のもの。

 

 

その点を思うと、なんだか切ない。

 

 

とはいえ、実際に原爆を落とされた国の国民としては、色々言いたいこともあるだろうし、言うべきだとも思う。まあですから

 

 

やはり実際に映画を観てもらって、各人各様に思うところを言うべきではないかな、なんてことを

 

 

思わせる映画でした。

 

 

3時間を超える映画なので、正直かなり疲れました(笑)。ただそれは決して不快というわけではなく、心地よいというわけでもない。

 

 

なんだか、途轍もなく「凄い」映画を観たなという充実した疲労感を得られた映画でした。

 

 

こんな映画滅多にないです。これは是非にも観るべき。

 

 

強く強くおススメします。

 

 

 

 

山崎貴監督が、日本人としてこの「オッペンハイマー」へのアンサーとなる映画を撮りたい、撮らねばならないという意味のことをおっしゃっていたとか。

 

 

これは是非とも、実現して欲しいですねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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山田風太郎原作『八犬伝』映画化

2024-03-16 04:55:54 | 映画

 

役所広司が滝沢馬琴、内野聖陽が葛飾北斎! 山田風太郎「八犬伝」曽利文彦監督が映画化 : 映画ニュース - 映画.com

役所広司が滝沢馬琴、内野聖陽が葛飾北斎! 山田風太郎「八犬伝」曽利文彦監督が映画化 : 映画ニュース - 映画.com

山田風太郎氏の小説「八犬伝上・下」(角川文庫刊)を、役所広司主演で映画化する「八犬伝」が10月に公開されることがわかった。共演は、内野聖陽、土屋太鳳、磯村勇斗、黒...

映画.com

 

江戸時代後期の読本作家、滝沢馬琴(曲亭馬琴)が、28年の歳月をかけて完成させた壮大な伝奇物語『南総里見八犬伝』

 

この滝沢馬琴の実人生と、馬琴が書いた『南総里見八犬伝』の物語世界とを交互に織り交ぜながら展開していくのが、山田風太郎の小説『八犬伝』です。

 

 

私は若いころにこの小説の上巻を途中まで読んで挫折した経験があります。何故挫折したのかは覚えていない。とにかく下巻までは至れなかった記憶があります。

 

 

そんなに難しい内容ではなかったと思うのですが、なんで挫折したんだろう?不思議だ。

 

 

まあとにかく、その山田風太郎原作『八犬伝』がこの度映画化されました。

 

 

今年10月公開ということで、すでに撮影は終わっているのかな?たぶんそうだろうね。

 

 

出演は滝沢馬琴に役所広司。馬琴の親友葛飾北斎に内野聖陽。

 

馬琴の息子・宗伯に磯村勇斗。宗伯の妻に黒木華

 

馬琴の妻に寺島しのぶ。『南総里見八犬伝』の中の登場人物、つまり架空、「虚」の人物、伏姫に土屋太鳳。

 

 

 

馬琴はこの南総里見八犬伝を執筆している途中で失明してしまうんです。残りの部分は息子・宗伯の妻に口述筆記してもらって完成させたのだそうな。

 

馬琴の実人生自体が結構ドラマチック。そうした部分を描きながらも、この映画の胆は間違いなく、南総里見八犬伝の中身をどう描くか、ということでしょうね。

 

 

壮大な伝奇小説の中身をいかに映像化するか。これは案外難しいんじゃないかな。

 

 

映画の成否はこれ次第。

 

 

 

ちなみに昔、薬師丸ひろ子や真田広之らが出演していた映画『里見八犬伝』ですが、あれはタイトルと主要登場人物と基本設定以外は原作とはまったく違う、完全オリジナル・ストーリーです。

 

 

なにせ何百年も前の小説ですから、著作権はとっくの昔に消滅してます。だから改変し放題。好き勝手に内容を変えてしまっていますので、あの映画をそのまま馬琴の書いた「南総里見八犬伝」だと思ってはいけません。全然違うので。

 

 

そんなこんなも含めて、どんな映画となっていますことやら。

 

 

 

 

 

 

「我こそは玉梓が怨んんんん霊おおおぉぉぉぉおおお」を演じるのはだれだろう?ある意味これが一番気になる(笑)。

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映画『新幹線大爆破』リブート決定

2024-03-01 04:41:11 | 映画

 

 

 

 

1975年に東映によって制作された、パニック・サスペンス大作『新幹線大爆破』がリブートされることが決定したそうな。

 

 

時速80㎞以下に減速すると、自動的に爆発する爆弾が、新幹線に仕掛けられた!犯人の要求に国鉄(当時)はどう対処する?警察はどう動く?

 

 

公開当時は日本よりも海外でヒットし、特にフランスでは大変な人気を博したといいます。

 

 

設定を見ればわかるとおり、この映画はキアヌ・リーブス主演によるアクション映画『スピード』の元ネタでもあるんです。それだけ海外では認知度が高い映画だと言えます。

 

 

75年版では犯人役に高倉健さん。その相棒には山本圭さんが抜擢されています。健さんですからね、ただの悪人ではありません。訳があるんですよ。

 

山本圭さんは左翼の過激派活動家役で、爆弾製造に長けた男を演じています。圭さんって、左翼の役がやたらと多かったんですよね、特に若い頃は。御多分に漏れずこの映画でも左翼です。

 

 

74年から75年にかけては、テロリスト・グループ「東アジア反日武装戦線」により、いわゆる「連続企業爆破事件」が連発していた時期でしたから、そうした時代背景も取り入れていたのでしょうね。

 

 

あれから49年、今回のリブート作品での主演は草彅剛さん。高倉健さんとはだいぶ違いますが、きっと今の時代背景に則した犯人像になるのでしょうね。

 

 

それにしても、樋口真嗣監督かあ…。

 

 

どうにも今一つ、信用しきれない監督なんだよねえ。

 

 

 

大丈夫かな…。

 

 

頼むから、面白い映画にしてくださいよ!

 

 

 

 

 

 

 

東映が作った予告編より、こっちの方が遥かにカッコイイ。映画の美味しいところだけを上手く抽出して、余計なシーンがない。

 

予告編はこうでなくちゃ。

 

 

運行管理責任者に宇津井健さんで、新幹線の運転士が千葉真一さん。その他丹波さんやら鈴木瑞穂さんやら、藤田弓子さんに多岐川裕美さんに志穂美悦子さんも。まあ、オールスター・キャストですね。

 

 

内容が内容なだけに、国鉄の協力が得られなかったので、新幹線が走っているシーンは全部隠し撮りだそうです。それとミニチュアね。

 

東映は特撮はあまり得意じゃないのにね。でも頑張ってました。

 

 

1975年版『新幹線大爆破』。久しぶりに観たいな。

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『ジュラシック・ワールド』シリーズ最新作、ギャレス・エドワーズが監督に!

2024-02-22 04:49:50 | 映画

 

『ジュラシック・ワールド』新作、『GODZILLA ゴジラ』ギャレス・エドワーズが監督へ!|シネマトゥデイ

『ジュラシック・ワールド』新作、『GODZILLA ゴジラ』ギャレス・エドワーズが監督へ!|シネマトゥデイ

2025年7月2日に全米公開を予定している映画『ジュラシック・ワールド』シリーズの新作では、『GODZILLA ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督がメガホンを取ることになりそう...

シネマトゥデイ

 

 

本決まりってことで、間違いないのだろうね。っていうか、ジュラシック・ワールド、まだやるんかい!

 

 

これ以上どうすんねん?

 

 

 

でもまあ、ヒット・シリーズだし、映画会社としてはやりたいだろうね。

 

 

実はついこの前、ギャレスが監督した2014年公開の、ハリウッド版『GODZILLA/ゴジラ』を見直して観たのですけど、やはり怪獣映画としてはとてもレベルの高い良作だったなと、改めて思いましたね。

 

 

スター・ウォーズのスピンオフ『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』も面白かったし、今このての映画を撮らせるとしたら、最も信頼できる監督の一人がギャレスであることは

 

 

間違いあるまい。

 

 

この監督の現在の最新作、『クリエイター/創造者』まだ観てないー。うぅむ、残念。観たいなあ。

 

 

それはともかく、ギャレス・エドワーズが監督するなら、ということで期待してしまう方々も多いと思われ、やはりギャレス監督の抜擢は、現段階での

 

 

【最適解】

 

 

ではないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山崎貴監督も、期待してます。

 

 

 

 

今回も、製作総指揮にはスティーブン・スピルバーグの名前が見えます。スピルバーグといえば自他共に認めるゴジラ・ファン。最近でも山崎貴監督と逢って『ゴジラ-1.0』を大絶賛していたと、話題になっていましたね。

 

 

 

思うんですけど、スピルバーグ監督さあ、ここまで来たら

 

 

ゴジラ、撮っちゃえ!

 

 

それが、世界中のこのての映画ファンが、最も期待していること

 

 

 

だと思うんですよ。

 

 

スピルバーグ版ゴジラが観られたら

 

 

もう、思い残すことはないなあ…。

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「午前10時の映画祭14」開催

2024-02-21 07:28:07 | 映画

 

「午前十時の映画祭 14」ラインナップ『マッドマックス』『インディ・ジョーンズ』『妖星ゴラス』など発表(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース

「午前十時の映画祭 14」ラインナップ『マッドマックス』『インディ・ジョーンズ』『妖星ゴラス』など発表(シネマトゥデイ) - Yahoo!ニュース

 4月5日から開催される「午前十時の映画祭14」のラインナップが発表された。新たな上映作品19本と再上映作品8本の全27本をそろえ、約1年にわたって全国65劇場で上映される...

Yahoo!ニュース

 

映画史上の傑作から知られざる名作まで、凡そ映画ファンの琴線に触れる作品群をラインナップして、1年間に亘って最新の4Kデジタル映像で、スクリーンで上映される、有難くもマニアックな映画祭

 

『午前10時の映画祭』が今年も開催されます。

 

 

今年は第14弾。そのラインナップ全27本が発表されました。

 

 

今年は特に面白いね!「インディ・ジョーンズ」シリーズ1~3とか、「マッド・マックス」シリーズ1~2とか、

 

 

「スカー・フェイス」懐かしい!「男たちの挽歌」渋!

 

 

「アメリカン・グラフィティ」おお!「プライベート・ライアン」うわお!

 

 

「ティファニーで朝食を」、「雨に唄えば」誰もが知る名作だねえ。

 

 

そしてなんといっても

 

 

「妖星ゴラス」に「海底軍艦」。往年の東宝特撮映画の傑作が二本も!

 

 

去年の「地球防衛軍」と「アルゴ探検隊の冒険」の組み合わせも垂涎モノだったけど、今年は東宝作品2本で来たか!これは嬉しい。

 

 

ホント、「痒い所に手が届く」とはこのことだね。

 

 

良い映画祭だ。

 

 

詳しくはホームページまで。

 

 

 

 

東宝特撮映画2作品の上映は来年1月だって、うーむ…。

 

 

それまで、いや、それ以降も

 

 

 

世界が、平和でありますよう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画『妖星ゴラス』予告編

『アルマゲドン』よりこっちが先!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画『海底軍艦』予告編

 

太平洋戦争の「亡霊」とも言うべき海底軍艦が世界を救う。ここに込められた想いを、読み取っていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

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