さかざきが綴る「アンティークな日々」

アンティークディーラーさかざきがアンティークのこと、日常のことを綴っています。

万華鏡の思い出

2007-08-06 | 

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今日のブログにちなんでサント・シャペルのステンドグラスから万華鏡の画像を作ってみました。

 今日は万華鏡にちなんだお話です。万華鏡といえば忘れられないのが、12年前にこのアンティークディーラーの仕事を始めるに当たって、一番最初に買付けにイギリスに出掛けたこと。そう、忘れもしない12年前の83日の飛行機でロンドンに飛んだのが、エンジェルコレクションの始まりでした。

 その当時、気持ちも懐具合もまったく余裕の無い、今よりも若かった私は、ロンドンまでの飛行機に南周りのマレーシア航空を選びました。確か、名古屋-ロンドン間を結ぶ飛行機の中で、この航空会社がその当時一番安かったと記憶しています。しかし、このマレーシア航空には当然安いだけの理由がありました。というのは、まず日本時間の午前中に名古屋を出発、ペナン島を経由し、そこで1時間余りの待機、そして次にペナン島からマレーシアの首都クアラルンプールに到着。クアラルンプール空港でロンドン便に乗り継ぐのですが、ロンドン便の出発まで空港で約7時間待ち。今ではクアラルンプール空港も拡張され変わっているかもしれませんが、当時は本当に小さな空港で30分もあればすべてを隈無く見て回れるほどでした。

 その片隅のベンチで、じっと待つこと7時間。ロンドン便に乗ったのは深夜近くでした。やっとの思いでロンドンに到着したのはイギリス時間で午前5時頃。よくよく数えてみれば、名古屋から24時間前後かかり、早朝のロンドンにたどり着いたときには心身共にフラフラでした。

 そしてアンティークを求めてあちこち彷徨い、イギリスで過ごした10日間。それまでの何度かイギリスを訪れていたにもかかわらず、イギリスの食事にどうしても馴染めなかったことと(今思うと、当時の私はなんと可愛かったのでしょう!)、買付けのハードさに慣れていなかったこともあり、10日間で5キロ痩せて帰った(今では信じられませんが本当なのですよ!最近では痩せるどころか太って帰る始末なのです。笑)苦い私の買付けデビューでした。

 そこで、万華鏡のお話。元々万華鏡の中の美しく煌めく世界は大好きだったのですが、帰りのヒースロー空港で、美しいオイルタイプの万華鏡を唯一自分のために手に入れ、帰りの飛行機はずっと万華鏡と一緒、再びクアラルンプール空港で7時間の乗り継ぎ待ちでは、ぽつんと空港のベンチに座って、ひたすら万華鏡を覗いて時間を潰していたことを思い出します。今思うと、空港のベンチでひたすら万華鏡を覗く女ってちょっと不気味かも?それにしても、大事にしていたあの万華鏡、いったいどこにいってしまったのかしら?

 私の初買付けの少しほろ苦いエピソードです。思えばあれから長い時間がたったものです。あの長いフライト時間に懲りた私は、もうそれ以来マレーシア航空には二度と乗っていません。今回、エンジェルコレクションの13年目を迎え、あの頃のことを少し懐かしく思い出しました。

*エンジェルコレクションのホームページへ 

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