さかざきが綴る「アンティークな日々」

アンティークディーラーさかざきがアンティークのこと、日常のことを綴っています。

大阪建築散歩

2007-08-21 | 

 お陰様で大阪でのフェアも昨日をもって終了。酷暑の中、阪神百貨店まで足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。

 今日は、新幹線で一路名古屋へ。ですが、その前に滞在していたホテルから程近い北浜、堺筋、淀屋橋、高麗橋辺りをブラブラ。この辺りは古い洋風建築の宝庫。中之島公会堂などは有名ですが、煉瓦作りの名もないオフィスビルがいっぱい!古い建築の大好きな私達は、お日様が照りつける中、建築散歩を楽しみました。まずは画像をどうぞ!

20070821

まずトップは関西の金融業の要である三井住友銀行の本店。1930年竣工のイタリア製の大理石を使った堂々たる建築は圧巻です。

20070821b

大阪の財界人の社交場(大阪の船場のボンボンが集う場所?)大阪倶楽部のスパニッシュ風の建物。1924年竣工のこの建物は、現在有形文化財ににも指定されています。スパニッシュ風ながら、どこかアジアンティックな香りも。倶楽部の会員のみですが、ウェディングの会場にも貸しているそうです。いいなぁ。

20070821c

ファザードの彫刻にも注目。建物内部には、会員専用のレストランやバー、理髪店などもあるらしい。

20070821d

御堂筋にある大阪ガスビル。コーナーの丸みが時代を感じさせる1933年竣工のモダニズムの建物です。当時は、最新ガス器具のショウルームとして使われていたのだそう。オフィスビルの最高傑作とも讃えられた建築です。

20070821e

御堂筋を渡ったオフィス街にある芝川ビルは1927年竣工の可愛い建物。 公式サイトからは内部の画像も沢山見ることが出来ます。「テナント募集」の張り紙を見て、「こんなところでお店をするのも良いかも。」なんて思ってしまいました。昨年のNHKの連続テレビ小説「芋たこなんきん」のロケにも使われたのだとか。

20070821f

雑居ビルでもある芝川ビルは中に入って見ることも出来ました。低い天井に幅の狭い可愛い階段。石造りの内部は思いの外涼しかったです。

20070821g

赤い煉瓦造りが印象的な建物には有名なレストラン「シェ・ワダ」 の看板が。帰って調べてみると、私と河村が「タツキンさん」と呼んでいる尊敬する辰野 金吾の作品であることが分かりました。「タツキンさん」は、東京駅や中之島公会堂、奈良ホテルなど、日本の建築の創生期を彩る人物です。この建築は旧大中証券の建物として1912年に竣工されました。

20070821h

アラベスク模様の窓枠が特徴、「シェ・ワダ」の目と鼻の先にある八木通商の本社ビル。こちらもまた辰野金吾の作品です。インターナショナルスタイルの3階は、後の時代に付け加えられたものかもしれませんね。

20070821i

「あら、素敵なドア!」と寄っていった御堂筋の高麗橋野村ビル。思いの外背が高く7階建てだったでしょうか 。反対側の1階にはサンマルクが入っていました。きっと1927年の竣工当時は前衛的なビルだったのでしょうね。

20070821j

大阪の老舗コーヒー店「丸福珈琲店」が入った蔦の絡まる青山ビルは大正ロマン漂う1921年の竣工です。元々は個人宅として作られたのだとか。新しもの好きの船場のボンボンの邸宅だったのかも?丸福珈琲店でひと休み。コーヒーフロート美味しかったです。

20070821k

青山ビルの全貌はこんな感じ。壁にはめ込まれたステンドグラスがまた大変チャーミングでした。

20070821l

最後に、見てきた建築の総括をしながらお昼を食べたイタリアンレストラン“ANTICA OSTERIA Dal PMPIERE(アンティカ オステリア ダル ポンピエーレ”は1925年竣工のデコの建物。その名前の意味は「消防士の古い食堂」。そう、実はここ旧今橋消防署だった建物なのです!内部も上手にリノベーション。お料理の美味しいことはもちろん、雰囲気のある素敵なレストランでしたよ。

 大阪の建築散歩、気を向くままに歩いたにもかかわらず、あまりの古い洋風建築の密度の濃さにびっくり。素敵な建物がいっぱい、しかも未だに現役ということに感激でした。御堂筋の緑濃い並木にも心和みました。

*エンジェルコレクションのホームページへ 

「更新のお知らせ」メールをご希望の方はSign Bookへご登録下さい。